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オズのモジャボロ

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第四幕その六

「お肉もお野菜も一杯入っていて」
「それで、ですね」
「皆が美味しくこれでもかと食べられるものですね」
「そうしたお鍋ですね」
 ナターシャの他の子も言ってきました。
「それをですか」
「今ここで」
「そう思うけれど。さてそのお鍋は」
「フォンデュ?」
「火鍋?」
 ジョージと神宝はこういったものを挙げました。
「そういうのかな」
「どうかな」
「ボルシチはいつも食べてるわね」
 ナターシャが出したのはこれでした。
「だから今はね」
「とにかくお鍋でしたら」
 どうかとです、カルロスが言うことは。
「お肉にお野菜が一杯入っていて」
「そういうのね」
「ううん、お肉とお野菜が一杯入っているのでしたら」 
 ここで恵梨香がお話に出したお鍋はといいますと。
「すき焼きなんかどうですか?」
「日本のお鍋ね」
「はい、牛肉やお葱やお豆腐、それに茸も糸蒟蒻も入れた」
 これをお話に出すのでした。
「あのお鍋ですけれど」
「すき焼き、いいわね」
「そうだね」
 トトがドロシーに尻尾を振りつつ応えます。
「僕も大好きだよ」
「トトも好きだしね」
 それならとです、ドロシーも応えて言います。
「私もそれでいいわ」
「皆はどうかな」
 モジャボロはナターシャ達に尋ねました。
「すき焼きでいいかな」
「はい、大好きです」
「僕も好きです、すき焼き」
「僕もです」
「私も」 
 ジョージも神宝もカルロスもナターシャも答えます、こうしてでした。
 皆ですき焼きを食べることになりました、お醤油とお砂糖で味付けされたお鍋の中のお肉や他の具を食べてです。
 まずはです、ドロシーが笑顔でこう言いました。
「こうしたお肉の食べ方もいいわよね」
「ステーキとはまた違ってですね」
「ええ、それでね」
 まさにそれでだとです、ドロシーは恵梨香に答えました。
「他のものも食べられるでしょ」
「茸もお葱も」
「やっぱりお野菜も食べないとね」
「それもたっぷりとですね」
「身体によくないからね」
「そういえばドロシーさんがおられた頃のアメリカって」
 あのカンサスの大草原の中にヘンリー叔父さん、エム叔母さん達と一緒に住んでいた頃のことです。トトはその時から一緒でした。
「今よりも太っている人少なかったですよね」
「確か今のアメリカって凄く太ってる人が多いのよね」
「はい、実は」
 このことはジョージが答えます、彼のスタイルは普通ですが。
「それで困ったことになっています」
「どれだけ太ってるの?」
「それこそお腹が膝のところまでくる位です」
「それだけ太ってたら動けないでしょ」
「実際にそうなってる人がいます」
「でしょうね。それは太り過ぎなんてものじゃないわよ」
 見ればドロシーは恵梨香と同じ位のスタイルです、太っていません。
「それで身体にもよくないわよ」
「そうですよね」
「食べるものが問題だと思うわ」
「よくそう言われています」
 ジョージは困った顔でドロシーに答えました。 
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