| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

魔法少女リリカルなのは 世界を渡りあるく者

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二章 魔術師と英霊たちとの邂逅 〜冬木 第五次聖杯戦争〜
  剣の英霊と剣を極めしもの

朝起きて、ご飯食べたらすぐに出掛けた

なんでも、もう一人の同盟相手がいるらしいとか

「成る程ね、今日は顔合わせって訳かな?」

「ま、そんなところね」

それにしても、なんで気がつかなかったんだろうな

外に出て、初めてこの異様な雰囲気に気がついた

具体的には足元を変な感覚が通っているのだ

恐らく、世界の基盤になにか良くないものが通っているのだろう

(後で調べてみるかな)

そんなことを考えているうちに前を歩いていた遠坂の足が止まる

「ここよ」

そこにあったのは

「おお、でかいな」

日本の家!みたいな感じな家だった。結構広そう

だが、他の家との明らかな違いがあった

(結界?でも攻性ではないな。感知のみかな?)

魔術結界が貼られていたのだ。しかも、うまく地脈とリンクさせてあり近づかないと分からない

(気は抜けないか...)

恐らくここに住んでるのは相当な使い手であると踏み、警戒をマックスにする

そして、俺たちは家へと踏み込む










「お、きたか遠坂」

ん?今凄い警戒心のかけらもない声が聞こえたぞ?

「おはよう衛宮くん」

「そっちの人は?」

「後で話すわ。取り敢えず家の中に入ってもいい?」

「わかった」

あ、俺そっちのけで話進んでる

もしかして中に同盟相手がいて、その人の血縁者かな?

そんなことを考えながら遠坂について行く

しかし、不意に視線を、いや殺気を感じた

「っ!!準備(スタンバイ)....!」

魔術回路を励起させる。(どうやら魔法はリンカーコアの魔力より魔術回路の魔力の方が少なくて済むらしいから)

俺はこの家にいる全ての存在の情報位置を取得した

「誰だ!」

殺気を放った人物のいる場所に誰何を放つ

(相手は超常の存在、こっちも奇跡を行使しない限り勝ち目はない)

そんなことを考え、どうするか作戦を組み立てていると

「お、おいセイバー。あの人は別に敵じゃないぞ」

「む....」

そこにいたのは普通の私服の女性

「はっ?セイバー?」

「いかにも」

「ってことはお前がマスター?」

「ああ」

・・・

マジでか....

今まで警戒していた苦労を返してくれ....


それは、どう考えても戦ったことのないマスターと最優のサーヴァントのコンビだった




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「なるほど理解した。俺は遠藤蒼炎、今は遠坂の協力者だ。これからよろしく頼むよ」

「俺は衛宮士郎、よろしくな蒼炎」

俺はどうして同盟を組むことになったのかという理由を聞いて、取り敢えず自己紹介をしていた

それにしても

「セイバーだっけか?凄いな、剣については鬼才みたいだな」

「ほう。みただけでわかるのですか?」

「ああ。こう見えても剣に関しては一通り極めているんだ。是非とも手合わせをお願いしたいな」

「道場あるけど、使うか?」

「マジか!!どうする?セイバー」

「では、少し」




ということで只今衛宮家道場に来ております

「勝てるのか?」

アーチャーが聞いてくる。それに対しおれは

「まあ、見てろよ」

とだけ言う





「ルールは一本先取でいいか」

「ああ」

「問題ありません」

「では、始め!!」

士郎の掛け声と同時に俺とセイバーが地をける

ほぼ同じ速度で移動し、竹刀を打ち合った

「早いな」

「そちらこそ」

この時両者の心境は異なるものだった

蒼炎からしてみればあのスピードは想定内。なにせ相手は英霊なのだから

セイバーからしてみればあのスピードは想定外。なにせただの魔術師と侮っていたのだから


故に認識を改めた

相手を対等な剣の相手として

(本当は油断してる間に一発入れようと思ったがダメか....仕方ない、奥義使わなきゃ元々勝てない相手なんだ。それに)

この時蒼炎は笑っていた。本人も気がつかない間に

(その方がやりがいがある!!)

お互いに同時に離れる。そして、睨み合った

(長期戦は無理だ、次で決めてやる)

(持久すればスタミナ切れで勝てるやもしれません。今は耐えましょう)

二人同時に動き出すーーだがセイバーは一つ見誤っていた

セイバーは最初の蒼炎の速度を普通の速度と思っていたのだ

蒼炎は最初に桜花を使っていた。だが今は使っていない

その結果は

(な!?相手が遅い?)

蒼炎からみれば相手が突っ込んでくるように見える

普通ならそれでセイバーの高速の一撃が決まるはずだ

しかし、蒼炎は普通ではない

「万物ーー流転」

そう、蒼炎が狙ったのはカウンター

万物流転とは、体術奥義である流転を極めた形

流転は相手の体を利用し、地に回し倒す技

万物流転は相手の動きを利用し、地に回し倒す技

これをみれば流転の方が難しいと思うだろう

しかし、流転は体を使うことでしか落とせない

万物流転は、相手が何をしていようが倒せるのだ

即ち、剣を振っていようとその動きを利用して落とせる

究極のカウンター

それが万物流転である


(え?)

そして、蒼炎のそれはもう、相手は自分が何をされたのか理解できないまま倒されているという域にまで達している

ここに着てセイバーは理解した

相手が自分以上の剣の鬼才であるということ

そして、



自分以上の年月(・・・・・・・)、剣の修行をしていたということを

「あなたは何者ですか?」

最優であるとされているサーヴァントでも、目の前の人物に剣のみの殺し合いでは勝てる気がしない

そんな風に感じる存在が人間であるなんて認められなかった

「ただ、後悔していただけの魔術師だよ」

それに対し蒼炎は自分が人間であるとは言わなかった

蒼炎にとっての魔術師は、人間ではないのだ

そして

「あなたも、なんてものを背負っていたんだ」

たった二合、それでも十分な程に打ち合った。相手を理解するには

この時蒼炎は見た。セイバー、いやアーサー王が背負ってきた物を

剣の達人は斬り合うだけで相手の考えていることがわかるという

ならば剣を極めたら?

答えは簡単。相手が剣に精通しているほどに相手のことがわかる

そして、蒼炎はセイバーを理解した


(でも、あなたのその願いはまちがっているよ)









その後、お互いに体を休めてから士郎の家で色々と話し合い、これからの方針を決めた


「じゃあ、また後で」

「おう。夜にな。蒼炎も」

「ああ、それとセイバー。今日はありがとう、なかなか楽しかった」

「ええ。こちらも勉強になりました。あと....」

セイバーが口ごもる

「ん?どうした?」

何か考えているように目を閉じていた

暫くすると目をゆっくり開き、そこには武人がいた

「私に剣の稽古をつけていただきたい」

セイバーは綺麗に頭を下げた

「なぜ?今でも十分だと思うけど?」

「私は、シロウを守るためにこの剣を振るっています。ですが今日痛感しました。まだまだ実力不足だということを、ですからお願いします!」

俺は遠坂に顔を向けた

遠坂は難しい顔をしていたがやがて頷いた

「俺の剣は、誰かを守るためのものだ。それを誓えるな」

「勿論。我が剣に誓います」

「なら、なにも言わない。明日から厳しくしごくから覚悟しておけよ」

「望むところです」

セイバーは頭を上げると力強く頷いた




実はこの時、俺に否定するに理由はなかった

俺のこの剣は、相手に才能が無いと習得するのは不可能なのだ

そして、もうひとつ。真価を発揮するのは己の分身とも言えるような剣を見つける必要がある

この条件を満たす人間はそういない

そんな中俺はこの剣を後に受け継ぎさせたいと思っていた

故に否定する必要は無かったのだ


なんで否定したかって?

だってかのアーサー王にお願いされる機会なんてそうないじゃんw 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧