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久遠の神話

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第百話  加藤との話その一

                    久遠の神話
                   第百話  加藤との話
 四人の剣士達の最後の闘いの日は迫っていた、だが四人共だった。
 至って冷静だった。地連に来た上城は冷静な工藤と高橋を見てこう言った。
「何か落ち着いておられますね」
「ああ、実際な」
「落ち着いているよ」 
 実際にそうだとだ、二人も微笑んで彼に答えた。
「この通りな」
「闘いを前にしてもね」
「それに向けて怪物達とも闘っている」
「トレーニングも欠かしていないよ」
「そうなんですね」
「俺達のことは気にしなくていい」
「安心していてくれるかな」
 上城にこうも言う二人だった。
「それで吉報を待っていてくれ」
「俺達は死なないよ」
 どんな怪物達が出て来てもだというのだ。
「だからな、君はな」
「君の闘いを頑張ってくれ」
「そうですね、加藤さんですね」
「彼は今も闘っている」
「剣士とね」
「だからだ、君はな」
「精進しておいてくれ」
 逆にだった、二人から言うのだった。
 そしてだ、上城もそれを受けて言葉を返した。
「じゃあ僕も」
「彼は間違いなく今の時点で最強の剣士だ」
「闘っている数と相手が違うからね」
「だからだ、君もだ」
「闘ってくれ」
 こう話してだ、そしてだった。
 二人でだ、上城に言った。
「俺達のことは全く気にしないでくれ」
「安心してくれていいよ」
「後は君だ」
「君は君のことを考えてくれ」
「僕の闘いをですね」
「この戦いを終わらせる為にな」
「健闘を祈っているよ」
 また二人に言うのだった、そうしてだった。
 上城は二人のことは安心出来た、それで地連を後にした。そしてその途中に中田の家に寄ると彼は家にいた。
 そしてその家でだ、既に戦いを降りている中田にこう言われた。
「まあな、今の君はな」
「最後の闘いのことをですね」
「そのことを考えたらいいだろ」
 共にコーヒーを飲みつつだ、中田は上城に話した。
「それだけをな」
「他の人のことはですね」
「あの人達は大丈夫だよ」
 工藤達はというのだ。
「強いからな」
「どの方もですね」
「負けはしないさ」
 確信している言葉だった。
「化物にはな」
「だからですね」
「ああ、だからな」
 それでだというのだ。
「安心していいさ」
「じゃあ僕は」
「あいつは強いぜ」
 加藤、彼はというのだ。
「俺以上にな」
「中田さんよりもですか」
「今のあいつはな」
 そうだというのだ。
「だから気をつけてくれよ」
「わかりました、そのことは」
「今も戦ってるだろうな」
 加藤のことをだ、こうも言った中田だった。 
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