オズのモジャボロ
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第二幕その三
「モジャボロさんみたいに」
「ボタン=ブライト君もそうでしたけれど」
「そのことは大丈夫よ」
見送りに来ていたオズマがこのことについては大丈夫だt言ってきました。
「狐の王様もロバの王様もオズの住人になったから」
「あっ、だからですね」
「もう魔法は」
「そうよ、使うことは禁止されたから」
オズの国で魔法を使えるのはオズマとグリンダ、それに魔法使いだけです。この三人だけと決められたからです。
狐の王様もロバの王様も魔法は使えません、今は。
「安心してね」
「ならいいです、けれど狐ですよね」
ここで神宝は自分のお国の狐のお話をしました。
「妖力がありますけれど」
「狐もそれぞれだから」
「普通に魔法を使うことはですね」
「ええ、化かされたりしないから安心してね」
オズマは神宝に微笑んでお話しました、こうしたお話をしてでした。
一行はオズの国を旅立ちました、オズマの見送りを受けて。
南に南に下っていくとです、緑に輝くエメラルドの都は次第に小さくなっていき消えていきました。そして。
前には少しずつ赤い世界が見えてきました、恵梨香はその赤い世界を見てドロシーに目を輝かせて言いました。
「見えてきましたね」
「ええ、カドリングの国がね」
「次はあの国ですね」
「そう、あの国に行くのよ」
「あの国に行くのははじめてです」
五人共です、カドリングに行くのははじめてなのです。
「前はマンチキンの国で」
「それで今度はね」
「そうです、あの国ですね」
「ギリキンとウィンキーはまだよね」
「そうです、少なくとも本格的には」
行っていないとです、恵梨香は五人を代表してドロシーに答えました。
「行っていないです」
「では今度はね」
「どっちかにですね」
「行くといいわ」
ウィンキーかギリキンにだというのです。
「どの国もとても素晴らしい国だから」
「ウィンキーの皇帝が木樵さんでしたね」
ナターシャも大好きなこの人がです。
「そうでしたね」
「そうよ、あの人がウィンキーの主よ」
「そしてかかしさんとジャックさんもおられて」
「ウィンキーもいい国よ」
「あの国にも行ってみたいですね」
「そしてギリキンが」
カルロスがギリキンについて言いました。
「オズマ姫がおられましたね」
「ジャックが産まれてね」
「そうでしたね」
「そうよ、オズマは最初男の子だったのよ」
チップという男の子でした、最初は誰もあの男の子がオズの国の主でとても可愛らしいお姫様は思っていませんでした。
「ただ今ではね」
「魔法で、ですね」
「そう、チップの姿にもなれるのよ」
つまり男の子にもなれるのです。
「今はね」
「そうなんですね」
「そう、それでギリキンもね」
「あの国もですね」
「とてもいい国だから」
だからだというのです。
「行ってみるといいわ」
「はい、じゃあ次の機会には」
「どっちかに行かせてもらいます」
こう答える五人でした、カドリングに向かいながら。
次第に赤が大きくなってです、そして。
緑と赤が綺麗に別れました、まるで二色の絨毯の様に。
ページ上へ戻る