オズのモジャボロ
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第二幕その二
「一体」
「狐の国とロバの国だよ」
「あれっ、確かその二国は」
「そうよね」
恵梨香もナターシャの驚きの言葉に応えて言います。
「死の砂漠の外にあって」
「オズの国にはないですけれど」
「もうそう簡単にオズの国には他の国の人は入ることが出来ないですよね」
「私達の方法以外では」
「いやいや、実は死の砂漠の場所を変えたんだよ」
「あの砂漠のですか」
「それを」
死の砂漠はオズの国の周りを完璧に囲んでいます、砂漠に入ればどんな生きものもその砂に触れてしまって灰になってしまうのです。だから誰も砂漠に囲まれているオズの国に入ることは出来ないのです。
狐の国もロバの国も砂漠の外にあります、だから五人はこう言うのです。
ジョージがです、考える顔で言いました。
「サンドボートを使うのかな」
「あのモジャボロさん達がオズの国に入った時のだね」
「あれをだね」
神宝とカルロスがジョージに応えます。
「あれをまた使うのかな」
「それでかな」
「それかオズマ姫かグリンダさんの魔法かな」
ジョージはこれを使うのではとも考えました。
「それで送ってもらうのかな」
「魔法使いさんもおられるし」
「そうなのかな」
「いや、魔法は使わないよ」
モジャボロが男の子三人に言ってきました。
「それはね」
「そうなんですか」
「魔法は使わないで、ですか」
「あの二国に行くんですか」
「そうだよ、だから砂漠の場所が変わったんだよ」
またこのことをお話したモジャボロでした。
「狐の国もロバの国もね。他の国もね」
「囲んでるんですか?」
恵梨香がモジャボロに尋ねました。
「ローの国や他にも幾つか国がありましたけれど」
「うん、そうなんだ」
モジャボロは恵梨香に陽気に笑って答えました。
「オズの国がある大陸の全てをね」
「じゃあ大陸の海岸がですね」
「そう、全部死の砂漠になったんだ」
そうなったというのです。
「とはいっても流れ着いた人が辿り着ける様に死の砂漠は海岸からほんの少し後ろにあるんだけれどね」
「そうだったんですね」
「そう、だからね」
それでだというのです。
「狐の国もロバの国もね」
「行けるんですね」
「今はね」
「じゃあ狐の国とロバの国にも」
「うん、行くよ」
その二国にもだというのです。
「じゃあいいね」
「それでその二国は何処にあるんですか?」
カルロスがオズの国の中における狐の国とロバの国の所在地について尋ねました。
「確か大陸の南の方にありましたから、どっちも」
「うん、カドリングにあるよ」
一行が今か行くその国にだというのです。
「あの国はね」
「そうですか、それじゃあ」
「うん、このまま行けばね」
いいというのです。
「ではいいね」
「はい、わかりました」
「このままカドリングに行こうね」
「あの、けれど」
「頭を換えられたりしないですよね」
ここで、です。ジョージと神宝がモジャボロにこのことを尋ねました、とても心配そうにしているお顔で。
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