| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

久遠の神話

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第九十九話 四人の決断その八

「別にタカ派でもない」
「普通の人だよ」
「そうなんですね、実際は」
 上城も納得した、現総理がどうした人物か。
 それでだ、納得した顔になりこう言ったのだった。
「それじゃあ」
「ああ、じゃあな」
「俺達の方はこれで終わらせるからね」
「お願いします」
 こうしてまずは二人が去った、そして大石もだ。
 上城にだ、席を立ってこう言った。
「では後はです」
「はい、それではですね」
(私は私の責務を果たしますので」
 そうするからだというのだ。
「お任せ下さい」
「わかりました」
 大石は多くを語らなかった、そして彼も去った。
 上城も去ろうとする、だがここで。
 マガバーンは彼を呼び止めた、そのうえで彼に言うのだった。
「待って下さい」
「あっ、何か」
「はい、お腹は空いていますか」
「少し。実は」
「それならカレーがありますので」
 こう上城に言ってきたのだった。
「宜しいでしょうか」
「そのカレーを一緒にですか」
「食べませんか」
「いいんですか?」
「構いません。貴方さえ宜しければ」
「そうですか」
「では」
 こうしてだった、上城はマガバーンと共に食事を食べることにした。それで彼の屋敷の中の食堂に案内された。
 食堂は広かった、とても二人だけでいる様な場所ではなかtyた。その中にあるそれこそ何十人も一度に吸われる長方形のテーブルに二人で向かい合ったうえで。
 カレーが出て来た、そのカレーは。
「チキンカレーです」
「インドのカレーですね」
「いえ、日本のカレーです」
「和風のカレーですか」
「最近こちらのカレーに凝っていまして」
 マガバーンは上城に微笑んで話す。
「それで今日もです」
「和風のカレーなんですね」
「そうです、ただ肉は」
「それはですね」
「私はヒンズー教徒ですから」
 だからだというのだ。
「牛肉は食べません」
「それでチキンカレーなんですね」
「水牛は食べますが」
 しかしだというのだ。
「牛は食べません」
「それはですか」
「そうです、戒律があるからです」
 牛は決して食べないというのだ。
「そうします」
「そうです、ですから今もです」
「チキンカレーなんですね」
「チキンカレーはお好きでしょうか」
「カレーでしたら」
 何でもだとだ、上城はマガバーンに答えた。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧