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ボロボロの使い魔

作者:織風
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『相互理解』

ルイズは夢を見ていた

二人の男が相対している
互いに戦う為に、倒すために
彼等はその身を異形に変える
深紅の姿に、漆黒の姿に
漆黒の男が放つ光球に、怯むことなく深紅の男は走り、人であれば一撃で砕くであろう拳を打ち 付ける
何度も何度も、殴り、殴り、殴りつける
圧され押されながらも、漆黒の男が振るう大剣の斬撃は悉く避けられ、防がれた
更に、剣を奪い、深紅の男は漆黒の男に斬りつける
何度も、何度も
その男の怒りを、哀しみを、後悔を
止める事など誰にも出来ない
肩部から放たれる無数の翼の一撃も、男を仕留める事は出来ない
深紅の男が構える銃口は、瞬く間に全ての翼を撃ち落とし、更に、漆黒の男を穿ち続けた
よろめき、膝をつく男の姿に戦う力はもはや無い
だが、深紅の男は容赦などしなかった
その身が宙を舞う、焔が宿る
幻影と共に振り下ろされた一撃は、漆黒の男に-



第四話『相互理解』




「……………」

目覚めたその瞬間から、見ていた夢は色褪せ、ぼやける 姿を変えた男の顔は思い出せない
だが
人智を超えた力を持つ漆黒の男
そして
その男を、鬼神の如き強さで圧倒し、葬った深紅の男。 彼等に抱いた畏怖と恐怖は、消える事なくルイズの胸に残っている
…しかし、いつまでもその余韻に浸ってはいられなかった
窓の外や扉の向こうから生徒達の喧騒が聞こえてくる。

「…嘘!?」

寝坊した
それは、常に貴族としての規則正しい生活と振る舞いを自分に強いている、ルイズの過去の記憶に無いものだ。 とにかく服を着なければと、布団を跳ね上げて、初めて気づく自分が制服のまま寝ている事に

ちなみに、ルイズは昨日の儀式の後、ボロボロの服は着替えた
流石に使い魔同様に薄汚れた格好では威厳が出ないと考えたからだ
なので、今着ている服はボロボロではない、しかし…ヨレヨレだった

しかも、着替えようにも予備の制服は他にもう無い
実技の授業で失敗するたび制服を駄目にしている彼女は、時折大量に注文しているが、たまたま 今回は届くのが遅れていた
…つまり自分は、このシワだらけの制服で今日を過ごさなければならない、シワだらけの服を着てボロボロの服を着た平民を連れて歩く自分の姿
それが他のクラスメイトの目にどう写るか、何を言われるか
考えただけでも憂鬱になるが、彼を連れていかない訳にもいかない
彼の手に刻まれているルーンを見せれば、少なくとも『ゼロ』とは呼ばせずに済むのだから
時間を気にしながらも、最低限髪に櫛を通し整えようとする、だが焦りながら動かしているので うまく纏まらない
それが余計にイライラを煽る

「…全く!…寝かせるなら服ぐらい脱がせなさいよ!」

そうしておけば、ここまでシワだらけになどならずに済んだのに

昨晩、使い魔の前で倒れるなどという失態を犯した自分をベッドに運び、寝かせた事は評価して やらなくも無い
だが、服を着たまま寝かすなど
この男は一体何を考えているのか
当初、彼に抱いた理知的なイメージは、昨日の事とあわせて既に木っ端微塵になっている。

…補足させて頂けるなら、橘とてルイズの服を脱がす事を考えなかった訳ではない
だが、ルイズは少女なのだ
彼にその嗜好はないが
昨日今日出会ったような中年男に服を脱がされたなど、思春期の少女にとってはどれほど心の傷 になるだろう
その、橘の気づかいは彼の世界であれば当然の常識であるものの、ルイズが持つ貴族の常識はそ れとは違う
今のルイズにとっての橘は、断じて支え合える『パートナー』ではなく
頼りにならない『下僕』でしかないのだ下僕の使い魔に裸を見られた所で何を恥じる事があるだ ろう?
なのに
この男ときたら主の自分が慌ただしく身嗜みを整えるのを手伝う事もせずに床で呑気に眠っている
その寝顔は、やはり『優しそう』であり、召還当初のルイズが惹かれたものと変わりがない、だ が、だからこそ無性に苛立たしい。

「…………」

髪を纏める事を諦め、櫛を置く
昨晩のようにベッドの上に立つ
何度か軽く体を揺らし、ベッドの弾力を確かめる
…これなら、やれる
そして彼女は叫び、飛んだ。

「さっさと起きなさいよ!このバカ犬!」

そして、橘がルイズのドロップキックに悶絶していた頃。



「……う~ん、どうしたものでしょうかね…」


コルベールは自室で腕を組み、悩んでいた
その原因は机の上に置かれた物にある
一つは絵だった、手のひらに収まる程の、大きさでしかない硬質な紙に、信じられない程の密度で書き込まれている
コルベールは特別、絵画に詳しい訳ではないが、それが尋常ではない一品である事は理解出来る
何せそこに描かれた生き物は、見つめていると動いているかのような錯覚さえさせるのだ
その絵は文字通り、本物を閉じ込めたかのようであり神品と呼べる作品だった
…何故、題材を鍬形虫にしているかは不明だが
そしてもう一つ
隣に置かれているのは箱だった
否、正確には異なる
それは全体的に銀に近い色をしており、絵に比べれば幾らか大きい長方形で、それなりの厚みをもっている
だから、二つを横に並べ机に置いた時、彼はこの絵をしまう入れ物だと思った
だがそれには蓋と呼べる場所が無く、そもそも中は空洞ですらないようなのだ

これが一体何であるのか、コルベールは徹夜して調べたが、結局、理解できなかった
しかし、彼が今悩んでいるのはこの物体の謎では無い。

「これ…どう言って使い魔の彼に返せば いいんでしょうか…」

そう、それは橘の物だったのだ。

ジャン・コルベールは夢を持っている
この世界にはこびる魔法第一主義を崩したい
魔法ばかりを第一とする貴族に貴族であるメイジ達に、それが力の全てでは無いことを知らしめたい
その願いは、貴族と呼ばれる者達が全てにおいて優先される、この世界においては余りに異端である
だが、彼は自身もトライアングルのメイジでありながら、他の貴族達の様に平民を蔑視する事を 酷く嫌っていた
魔法は決して、万能の力ではないのだ
魔法で技術を要する芸術品は作れない
魔法で美味い料理を作る事はできないし、
洗濯も掃除もできない
だが、平民と呼ばれる彼等が持つ『技術』と、貴族達の『魔法』を併せる事ができたなら、

それは一体どれほどの成果を生み出すだろう。 この世界の文化は間違い無く、一段上に進む事ができるのだ
そして、互いの力を認め合う事ができれば『魔法』この一つを根幹として成している『貴族』と 『平民』の間にある理不尽な差別も無くすことができる
コルベールはそれを理想とし、教師として働く傍ら、自分達の常識である『魔法』では無く、別の『力』を魔法以外で生み出すために努力していた
それは橘の世界で『科学』と呼ばれるものではあるが、
彼のそれは未だ成果をだせているとは言い難く、作り出したものはガラクタの数々だけだった
それを見た生徒達が自分を変人扱いをしているのをコルベールは知っているが気にしていない
例え今、自分がどれほど馬鹿にされようと否定されようと
この研究が後に身を結び、この世界に住む人々に貢献する事ができるなら
自分はそれで満足なのだ。
コルベールは器の広い、高潔な人物である
…だが、同時に好奇心を抑える事の出来ない性格でもあった
ルイズが橘を召還した直後
『ゼロのルイズ』が『平民』を召還した事ばかりに気をとられていた生徒達の誰も
そして、本 人達も互いに言い争うばかりで、気にせず、忘れてしまっていたのだ、彼が持っていた物に、身 を起こす際に破けかけていたポケットから転がり落ちた物に
そして、それは今、彼の机の上にある
勿論、彼は断じて盗みを働くような人物では無い
これが仮に財布だったとすれば彼は微塵の迷い無く持ち主に返した事だろう。

だが、これを拾い上げた時
直感的に感じたのだ
これは自分が目指している物だと
沸き立つ知的好奇心を抑える事ができなかった彼は
少し、ほんの少しだけ
その道具を『借りる』事にした。

…こっそりと。

そして、ディティクトマジックの結果
確かにこの道具と絵から
少し妙な反応だったが『魔法』に近い力をもっている事が判明した時、コルベールは確信した
これは『魔法』(的な何か)と『技術』が融合して作られている物だ
これが何であるか、いかにして作られたのか、解明できれば自分の研究は格段の進歩を遂げるだろう
彼はそれに狂気乱舞し、そして…。

『彼に聞かなければ解らない』

それが一晩徹夜した、コルベールの結論だった
だが…

「これ…どう言って彼に返せばいいんでしょうか…」

それが目下の彼の悩みである
『少し』などと言いながら『一晩』になってしまった。

今更『落としていたのを拾った』
など言って返すのは少し苦しい気がする。

使い魔の方はともかく、ルイズや生徒達は自分がこういった物に目が無い性格である事を知っている
こんな言い訳で、ごまかす事が出来るだろうか
だからといって『好奇心の赴くままやってしまった』など思われるのも教師としては非常にマズ い
何か上手い、教師らしい理屈をつけてこれを返す事は出来ないものか
彼はしばらく悩み続けた。



「…何だ、こんな朝早くから。」

ルイズにより蹴り起こされた橘は、当然の如く不機嫌な声で彼女を睨んだ

だが

「朝御飯よ、食堂に行くわ」

「行こう!」

「……?!」

その一言で彼は態度をガラリと変えた
そして自分を急かす
まるで、恋人を食事にでも誘うかのような笑顔で
ルイズはあまりの変化に一瞬驚き、次の瞬間腹がたった
コイツは主である自分よりご飯の方が大切なのか
自分は、たかが平民が作るご飯より下だというのか
橘の態度を勝手に曲解し、憤っている彼女ではあるが、おそらく大きく間違ってはいないだろう
橘を召還した彼女が、彼にしたことといえば、一方的に自分の意見と常識を押し付け、罵倒し、 寝ている彼に蹴りを見舞った事くらいなのだ
彼でなくとも、そんな相手に好意を持てるものはいないだろう
本質的に優しく、また幾多の修羅場を乗り越えてきた橘だからこそ不機嫌な顔一つで耐える事が できるのだ。

…過去の彼であれば、無体な理由で自分を酷使しボロボロにしようとする者など

『薄汚たねぇ野郎だ!』

と腹を殴ったかもしれないが。


「どうしたんだよ、早く行こうか」

「…煩いわね!わかってるわよ!」

橘とは正反対の顔をしながらも、ルイズはしかし考えていた
そんな顔をしていられるのも今の内だ
朝からメイドに使い魔の食事について命令しておいたのだ
それが何であるかを知れば、彼も態度を改めるであろう

そう考えながらルイズはドアを開ける
そして、対面にある部屋を目に入れた彼女は一瞬身構え、そして思い出す

今、その部屋は無人である事に。

キュルケ

それがその部屋に住んでいた生徒の名である
ルイズは彼女の事が嫌いだった
ヴァリエール家とツェルプストー家には因縁があったが、それを差し引いても尚、ルイズは彼女を苦手にしていた。

彼女は、煩さかった。

彼女は、事あるごとに自分にまとわりつき
彼女は、朝いつもタイミングを見計らったかのように、扉から顔を出し
いつもことあるごとに自分をからかった
だが、そんな彼女は今、この部屋にいない
彼女は学校を辞め、出て行ったのだ、暫く前に



あの日
ドアを開けるといつものように彼女と出くわした。
いつもと違うのはルイズからキュルケに話しかけた事くらい
いつもと違うのは彼女の背中に見える普段は乱雑なその部屋が、綺麗に片付けられている事くらい

あんた学校やめるんだってね

そうよ

なんで?

素敵なダーリンを探す旅にでるのよ

そう…

あら、もしかして寂しいの?

そんな訳ないじゃない、只…あたしが儀式で召還する偉大な使い魔を、アンタに見せてやれない のが残念なだけよアンタみたいな色ボケ、いなくなってくれれば清々するわ

…………………………………ルイズ

何よ…

あんたも、いい男を見つけなさい

は?何がいいたいのよ?

さぁてね、それじゃあねルイズ、いつかあんたの使い魔を見せて頂戴ね

それが、彼女と最後に交わした言葉だった
その日から、あの嫌な女と顔を合わせる事は無くなった なのに、もの足りなさを感じるのはどうしてだろうか
立派な使い魔を見せつけて見返す事が出来なかったからだろうか

…あんたも、いい男を見つけなさい

…あの女は結局、自分に何が言いたかったんだろう?

「どうかしたのか?」

その部屋を、暫く黙って見つめていたルイズに橘が尋ねる

「…なんでもないわ、急ぐわよ」

素っ気なく答える。 そして食堂に向かう

「友達がいる部屋だったのか?」

「…そんなの、いないわよ」

そう、自分には『友達』なんていない
その部屋には『友達』などいなかった


アルヴィーズ大食堂
この学院に通う者達が食事をとる場所である
そこに並べられている料理の数々は、貴族達が食すに相応しい豪華絢爛たるものであり、そこで働く者でなければ一生、目にする事はできないだろう
また、そこに飾られている調度品なども、やはり平民達には縁遠い物である
ルイズは『たかがご飯』と断じたが、それ一つとっても平民と貴族では絶対的な溝がある

『たかがご飯』

後に、ルイズはこの考えを撤回するが、今の彼女がそれに至る筈も無い


ルイズが今考えている事、それは


「ルイズ!パスタがあるぞ!ウニもだ!」

「いいからアンタ黙りなさいよ!恥ずかしいじゃない!」

この使い魔を、黙らせる事だけであった

「椅子を引きなさい」

「ああ」

自分の席にて下した命令、橘は逆らわず、あっさりと従い、椅子を用意する
それに腰掛けながらルイズは密かな満足間を得る
橘にしてみれば、自分も早く目の前に並ぶご馳走を食べたいだけであり、逆らう手間も惜しかっ ただけの事ではあるが、ルイズは素直に従う橘の態度を、自分のすごさを理解したからなのだと思った
だが、それで満足するルイズではない
ここからが重要なのだ
主の偉大さを見せつける
そして、今の自分の立場を使い魔であるこの男に自覚させるのだ
予め立ててある予定を、内心で再確認しているルイズを気にする事無く、橘の目は並べられてある料理、その中の一品に集中している。
やがて、耐えきれなくなった彼は一皿手にとり、ルイズの前に出した

両手持ちで、期待に輝く顔で

「なあ!こ「駄目よ!」……」

途端に彼の顔が失望に曇る
だが、ルイズは謝らない
平民の期待に貴族が応えてやる義務はないからだ。

「あんたはそれよ、それを食べなさい」

そして床を指差す
そこには、干からびたパンと見るからに薄いスープ
これが昨晩メイドに言い付け用意させておいた、使い魔の食事である。

「平民の使い魔が、貴族であるご主人様と同じ物を食べられる訳ないじゃない、あんたは床でそ れを食べるのよ」

「…………」

流石に、一瞬橘の顔にも怒りが浮かんだ
怒鳴ってくるかと、ルイズも僅かに身構える
一瞬の緊張

だが、橘は溜め息を一つつくと床に胡座でどっかりと座り、指差さされた物を口に運んでいく
躊躇いなく ガツガツと、ムシャムシャと 唖然とするルイズに構う事なく橘はパンを平らげ、最後に飲み干したスープ皿を床にカタンッ、 と置くと、一言

「…ごっそさん」

やたら剣呑な目で、ルイズを一瞥した後彼は食堂を出て行った

「…………」

驚愕に固まっていたルイズの顔が、次第に紅く染まっていく

「な…、何よ!あんなの本当に食べる事ないじゃないのよ…!」

用意させ、食べろと言っておいてなんだが、ルイズとて本気でそんなものを食べさせようとして いた訳では無いのだ あくまで主としての立場をハッキリさせ、彼に使い魔としての自覚を持たせる事が目的だった
一言、頭を下げて自分に懇願すれば少しはまともな物を出すつもりはあったのだ
少なくとも

彼が手にしていたパスタくらいは

「…何よ全く!ちゃんとお願いすればマシな物用意してあげたのに…!たかがパスタ一つでそん なムキになることないじゃないのよ!」

だが、それも今更である
彼女は、彼が手にしたパスタを食べた
ルイズとしては珍しく、ガツガツと

「…あの、よろしいでしょうかミス・ヴァリエール…」

黒髪のメイドが、おずおずと話し掛けてきたのはルイズが食事をあらかた終えた頃だった

「…何か用?」

「ミスタ・コルベールがこれを…」

見るからにに不機嫌な顔のルイズに、おどおどしながらメイドは布に包んだそれを手渡した

訝しながら包みを開けたルイズは、中身を確認し、やはり怪訝な顔をした

「何コレ?」

入っていたのは『絵』と『箱』

「ミス・ヴァリエールの使い魔の方にお返しするよう、仰せつかりました」

「…あ!」

『絵』の方に覚えはないが、確かにこの『箱』をあの使い魔は持っていたのだ
今まで、それ所では無く思い出す事も無かったが。

「仮にも異世界から来たと仰る方の持ち物なので、教師として検査する義務があったと仰っていました」

そう、コルベールがメイドに言うよう伝えた言葉を、だがルイズは聞いていない
ルイズもコルベールの性格は知っている
多分、好奇心の赴くままやってしまったのだろう
しかし、師の言い訳などはどうでもよく、今ルイズの視線と思考は『絵』と『箱』に集中してい た

この2つにルイズが感じたものはコルベールの感想と基本的に大差無い
もっとも、ルイズはこれにコルベールが感じた『力』を感じる事は無かったが、それは人生経験の差であろう
だが、ルイズはどこかでこれを見たことがあるような気がしていた
彼を召還した直後とは別のどこかで 自分はこの『絵』と『箱』を知っている

だが、『箱』はこれでは無かった、とも思った
何か、どこかが記憶と違う
そんな気がする、だが何が違うのか、そもそも何を基準にして自分は『違う』と思うのか

「ミスタ・コルベールが、後で使い魔の方と来るよう仰っていました」

「…わかったわ」

「はい、それでは失礼致します」

一礼し、去って行くメイドに目をやる事も無く、ルイズは只、手にした物を見つめ続けていた

ルイズには、これが何なのかわからない

尋ねようにも、彼はどこかに行ってしまっている
この二人はまだ、まともな会話も交わしていない
二人の相互理解は、未だ始まってさえいなかった 
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