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東方魔法録~Witches fell in love with him.

作者:枝瀬 景
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5 準備~Fathers put their family before their work.

エドワードさんは私とパチュリーがシェルの家にいるときは、いつもシェルの家に修造さんと一緒に帰ってくる。特に決めてないけどそれが当たり前だった。
もし仕事で遅くなることがあっても必ず目が覚めると私の近くにいる。はずだった。

「どうしたのかしら…」

朝、起きるとエドワードさんは隣にはいなかった。家中探し回ったがやっぱりいない。こんな事は初めてだった。

「ねぇ、お母さん…お父さんいないけど、どうしたの…?」

パチュリーは眠たそうに両手で目を擦りながらエドワードさんがいないことを聞いてくる。

「お仕事が忙しかったのかもね。仕事場で寝ているのかしら?」

咄嗟に出任せを口にしながらパチュリーを不安にさせないために頭を撫でる。
それは不安になっている私にも言い聞かせるようでもあった。
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しばらくして私はシェルの家に電話を入れた。
プルルルプルルル…

『おかけになった電話番号は現在使われております。ピーという発信音の後お名前とご用件をお話しください。コケー』
「何でニワトリなのよ」
『冗談だ。モーニングコケーってやつ』
「知らないわよそんなの。それよりエドワードさん知らない?」
『…エドワードは用事があって魔法警察の協力をしているよ。まだ帰って来ないって事は終わってないってことだろ』
「…そう、わかったわ。朝早くに悪かったわね」

ガチャンと受話器を置いて電話を切る。修造さんが答える前に変な間があった。修造さんは何か隠している。でも話さないって事は知らなくても問題ないってこと。私はエドワードさんが信じる修造さんを信じる。なにも心配いらないって。明日はパチュリー達の入園式。それまでには絶対に帰って来るでしょ。










僕は朝早くから魔法警察に行っていた。昨日逃がしたマロウ家の一人について少しでも情報を集めようとした。
でもなぜか何も教えてくれなかった。自分で調べようにも昨日の記録が消されているし、昨日依頼してきた人も今日は休みだっていう。
おかしい。明らかにおかしい。いくらマロウ家の人間だからと言って、たかが中間管理職の記録をここまで隠蔽する必要はないはずだ。

「リンリン。こんなところで何してる」

色々と考えていると後ろから修造さんが声をかけてきた。

「ベルです。…修造さんこそ、こんなところで何をしているんですか?」
「質問を質問で返すな。まあ、いい。12時、昨日の場所に来い」
「え?どういうことですか!?」

だが、修造さんはまた何も答えず通り過ぎて行った。
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12時。言われた通りに昨日、エドワードさんが消えた場所にやってきた。そこにはすでに修造さんが待っていた。

「鐘、遅いぞ」
「ベルです。修造さんが早いんです」
「日本人は几帳面なんだ。5分前行動なんて出来て当たり前。…なぁ、エドワード」
「え…?」

小屋のドアが開いてエドワードさんが現れた。

「俺は日本人ではないのだけどな。修造とつるんでいるうちに身に付いてしまったよ」

エドワードさんに続くようにぞろぞろとマロウ家の手先が小屋から出てくる。そいつらは円になって僕と修造さんを囲んだ。

「ベルモット、どうした?そんな顔をして」
「ベルです。僕を飲んでも酔えません。それより貴方はスパイだったんですか」
「見てわからないのか?どこからどう見ても完璧なスパイだ」

エドワードさんの周囲に魔力が漂う。土…いや、土に含まれる鉄分が魔法によってエドワードさんの頭上に集まっていく。周りにいるマロウ家の手先も魔法を使おうとそれぞれ構え始めた。

「エドワード、今日はさっさと終わらせないと。明日は明希達の入園式だぞ」
「修造さん!こんなときに何を言っているんですか!!」
「そうだな、明日はパチュリー達の入園式だ。色々準備がある。さっさと終わらせて帰ろう」

エドワードさんは魔法を展開して砂鉄の雨を降らせた。それから身を守るために防御魔法を展開して目をつぶって衝撃に備えた。

「~~!………?あれ?」

予想していた衝撃が来ない。おかしいと思った僕は恐る恐る防御魔法を展開したまま目を開けた。

「あ、あれ?…何で…」

そこにあったのはエドワードさんの魔法を受けて立てなくなったマロウ家の手先が転がっていた。

「どうした?ベルト。防御魔法なんて出して」
「ベルです!え…だってエドワードさんは僕達の敵じゃ…」
「言ったろ?完璧な二重スパイだって」
「ええ!?そうなんですか!?だったら最初からそう言ってくださいよ!」
「昔からよく言うだろ?敵を騙すには先ずは味方からって」

エドワードさんの魔法から逃れたマロウ家の手先が修造さんを襲おうと手から火炎放射を出してきた。しかし、修造さんは見向きもせず、顔色も変えずに僕達と話をしながら手先ごと火炎放射を凍らせた。

「お前も騙されかけてたろ。俺が裏切るふりをするとき泣きそうだったじゃないか」

エドワードさんも僕達から顔をそらさずに、逆に裏切られて何が起こっているか解っていないマロウ家の手先に土の塊をぶつける。

「うるせぇ。演技だ演技」

ようやく裏切られたと認識したマロウ家の手先がエドワードさんに向けて魔法を放つ。それを修造さんは氷の壁でエドワードさんを守り、エドワードさんはその氷の壁を土の塊で押し出してマロウ家の手先を巻き込ませた。

「す、すごい…」

防御魔法を展開したまま僕は茫然と二人の圧倒的なコンビネーションを眺めていた。いや、眺めていることしかできなかった。
二人のコンビネーションには隙がない。と言うかお互いに隙を補っている。エドワードさんと修造さんはお互いの行動を完璧に把握しているらしく、まるで予定調和のような動きをする。そこに僕の援護を入れる隙すらない。
いつまでもボーッとするわけにはいかない。僕も二人の邪魔にならないようにマロウ家の手先に攻撃を始めた。
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…………………………
マロウ家と言っても所詮は手先。10分もしないうちに全て片付いた。

「でもエドワードさん。何で僕に二重スパイのことを黙っていたんですか?一言言ってくれればいいですのに…」
「それは決まっている。お前を驚かす為だろ?」
「心臓に悪すぎます!!」
「冗談だ。誰にもバレちゃいけないからな。もしマロウ家のアジトで二重スパイだとバレてみろ。エドワードは一人で戦わなくちゃならない」
「だから修造だけに伝えて妻たちにも内緒にしたんだ」

そうだったんですか…。エドワードさんの命を守るためになにも言わなかったんですね…奥さんたちにもなにも言わずに…

「鈴虫があのときいたからスパイのふりをしたんだが…」
「明日はパチュリー達の入園式だからな。スパイのふりをやめたんだ」
「ベルです…ほんと、なにやっているんですか!!」

昨日の今日ですよ!?やるにしてはスパイをやめるなんて早すぎですよ!!

「いいじゃないか」
「明日はパチュリー達の入園式だぞ?スパイなんてやってられるか」

まったくこの二人は…。僕は振り回されてばかり。またこの二人に振り回される毎日が始まるのか。でも…










「ただいまー」
「ただいま」
「あら、お帰りなさい」
「…お帰りなさい」

いつものようにパチュリーとこそこそ魔法の練習をしているうちに父さん達が帰って来たようだ。

「今日は早かったわね」
「当たり前だろ。明日は明希達の入園式だ。色々準備があるからな」

え?入園式?それも明日?そんなのあ ったっけ?

「お母さん。入園式って?」

僕が疑問に思っていると同じく疑問に思ったパチュリーが僕の代わりに聞いた。すると大人たちは固まった。

「え、パチュリー。言わなかったっけ。明日入園式があるって…」
「そうだっけ?明希、知ってる?」
「うーん…なんか言ってたような気が…」
「ほら、4日ぐらい前にパチュリーちゃんと遊んでる時に言わなかった?」

そう言われればパチュリーと魔法の練習をしているときに母さん達がなんか言ってたような…

「…は、ははは…。明希達は遊ぶのに夢中で話を聞いてなかったんだろ…」

大人全員ひきつった笑みを浮かべている。…ちょっと悪かったかな…

「お、覚えていなかったものはしょうがないわ。今は呆然とするより明日の準備をしましょ」
「そ、そうね。それじゃパチュリー、今日は早いけど家に帰るわよ」

パチュリーは大人達の態度から罪悪感を覚えたのか、申し訳なさそうにフラウさんとエドワードさんと一緒に家に帰る。

「じゃあねパチュリー。また明日」
「…うん、また明日ね」

まだ魔法の練習がしたかったのか少し残念そうに返事をして帰った。

「さ、明希も明日準備をしましょ」

あぁ…明日は入園式か…魔法の練習は明日はできなさそうだなぁ。 
 

 
後書き
チリーン。この前出番が無くなるとか言ってたがあれは嘘だ

ベ「ベルです。僕はモンスターじゃありません。やったー!」

モンスターじゃないと言うことが?

ベ「違います!出番があることに喜んでいるんです!」

君視点が無くなるの間違えだった

ベ「え!?」

冗談だ?

ベ「何で疑問系何ですかーー!?」 
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