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ドリトル先生と京都の狐

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第三幕その二

「これも日本の美みたいだね」
「文化であってね」
「うん、だからね」
「和歌を勉強するのも面白いね」
「じゃあ先生これからは」
「和歌も勉強するよ」
 日本のことを勉強するその中でだというのです。
「そうするよ」
「そうするんだね」
「うん、それにしても本当にここも」
 先生は平安神宮の中を見回しながらうっとりとして言うのでいsた。
「綺麗だね」
「何かここもね」
「この世にないみたいだね」
「綺麗過ぎてね」
「天国にいるみたいだよ」
 動物達もこう言うのでした。
「綺麗過ぎるよ」
「お庭だけでなくお花もあってね」
「何かこの世でないみたいな」
「そんな気がするよ」
 こう言うのでした、そのうえで。
 皆で平安神宮の中を見回してでした、そうして。
 平安神宮を後にします、すぐに傍の美術館も観て回りました。それが終わって京都タワーに行くところで。
 またです、ジップが匂いを感じて周りを見回して言いました。
「まただよ」
「また?」
「またって?」
「ここでも狐の匂いがするよ」
 そうだというのです。
「ううん、狐のお話が多い街だっていうけれど」
「そういえば匂うね」
「そうだね」
 他の動物達も匂いを感じました、その匂いこそはです。
「狐だね」
「狐の匂いがするよ」
「それと揚げの匂いもするよ」
「それもね」
「若しかして人間に化けてここに来ているのかな」
 王子は動物達の言葉を聞いて笑ってこう言いました。
「それでかな」
「ああ、日本の狐は化けるから」
「それでなんだ」
「うん、そうじゃないかな」
 こう言うのでした、動物達に。
「平安神宮を見ているのかな」
「へえ、狐もなんだ」
「平安神宮を見るんだ」
「そうなんだね」
「綺麗な場所を」
「うん、そうだよ」
 その通りだというのです。
「皆だって綺麗なものは好きだよね」
「うん、だから今も楽しんでいるよ」
「そうしているよ」
 その通りだとです、動物達も王子に答えます。
「平安神宮もね」
「清水寺や南禅寺もね」
「だから同じだよ、このことはね」
 皆と狐はというのです。
「それで来ているのかもね」
「そうなんだね、だからかな」
「ここでも狐の匂いがしたんだね」
「狐が多い街だし」
「それで」
「そうだと思うよ。さて次は」 
 次はです、何処に行くかといいますと。
「京都タワーだよ」
「そこだね、次は」
「あそこだね」
「高い場所だから」 
 京都タワーはそうした場所だというのです。 
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