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転生とらぶる

作者:青竹
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スーパーロボット大戦OG外伝
  0568話

「……え? あれ? おい、ここどこだよ?」

 通信画面の向こうで、ムウが周囲を見渡しつつ呟く。
 そう、ダークブレインから最後に発せられた強烈な光。その光が周囲を照らした次の瞬間、いつの間にか俺達は奥の院ではない場所に存在していたのだ。周囲にあるのは、虹色に輝いているような、それでいてどこまでも広がっているような空間。ある意味では、アインスト空間に似ているかもしれない。

『ここは一体……エイタ、座標データを!』
『はい。……座標確認。データ上だと我々は変わらずにソーディアンの奥の院にいる事になっています!』
『な、何だと!?』

 ハガネでのブリッジの声がオープンチャンネルで聞こえて来る。
 ……さて。ここからが今回の騒ぎでも最大の山場だな。シュウの意識がどうなっているのか。それによって、このまま何もせずに元の世界に帰るか、あるいはここでネオ・グランゾンとの戦いになるか。

「安心しろ、ここは境界だ。ダークブレインの最期の時に放出された思念集積体が不完全な形で奥の院にあった転移装置を起動させたのだろう。その為に次元境界線が曖昧になってしまったのだ」
「ロア、もっと分かりやすく頼む。俺達はどうすればいいんだよ!? もしかしてずっとこのままここにいないといけないのか!?」

 コウタの焦ったような声が響くが、そこへ不意にイルムの声が割り込んでくる。

「なぁ、アクセル。お前の機体に積んであるシステムXNとかいうのを使ってどうにか出来ないのか?」
「そうだよ! ソーディアンに転移出来たんだから、このままここからの脱出も!」

 そんな風にリュウセイが一縷の希望を込めた声で尋ねてくるが、俺はそれに首を振る。

「こんな不安定な状態で転移をした経験は無いからな。上手く行くかどうかも正直分からない。確かにこれしか手がないのならやむを得ないが……その辺はどうなんだ?」

 Gコンパチブルカイザー……と言うよりも、ロアへと向けて尋ねる。
 もちろん、ニーズヘッグに積んでいるオリジナルのシステムXNならこの場から転移するのは問題無く出来る筈だというのは分かっている。現に無言ではあるが、レモンがどこか意味あり気な視線を俺に向けているしな。だが、この場所でまだやるべき事がある以上は転移をする訳にはいかない。

「ほう。正直分からない、ですか。……なるほど」

 何かを含むようなシュウの声を聞き、思わずピクリと反応する。
 しまった。これは悟られたか? 
 一瞬そんな風に思ったが、幸いロアが話し始めたおかげでシュウからのこれ以上の追究は避けられたらしい。

「ダークブレインから放たれた残留思念が全て消え去って空間が安定すれば、俺達も元の空間へと戻れるだろう」
「ふぃー……良かったぁ。このままこの変な世界に閉じ込められるかと思ったぜ」

 リュウセイが安堵の息を吐く。この時までは、周囲に広がっているのは最後の戦い……否、最後の戦いだと思っていた一戦を繰り広げた後に残る、戦闘後の疲れと地球に平和が戻ったという安堵感のみだった。だが。

「そうですか。この空間に時間制限があるのなら丁度いいかもしれませんね」
「シュウ!?」

 グランゾンに乗っているシュウから放たれた、その不穏な言葉。それに真っ先に反応したのは、当然の如くシュウとの因縁が最も深いマサキ。そして……

「アダマンハルパー、展開! 加速!」

 その言葉を聞いた瞬間に、精神コマンドの加速を使ってツイン・ドライブとヒュドラのスラスターも全開にして瞬時にグランゾンとの距離を縮めた俺だった。

「はああぁぁぁぁっっ!」

 何もさせない。ネオ・グランゾンになる前に勝負を付ける。そのつもりでコックピットを狙って振るわれた大鎌は……
 斬っ!
 シュウがコックピットを守る為に差し出した右腕を切断するに留まる。威力や速度は十分だった。そして狙いもまた同様に。しかしシュウはその極限の判断を一瞬でこなし、グランゾンの右腕を犠牲にする事で致命的な一撃を避けたのだ。

「アクセル!? 一体何を!?」

 キョウスケの驚愕の声。だが、今の俺にはそれに構っている時間は一瞬たりともない!
 アダマンハルパーでグランゾンの右腕を切断し、その振り切った勢いのままにヒュドラのスラスターを使ってその場で一瞬にして回転。通常の人間なら一瞬で気絶する程に強烈なGを感じつつも、そのまま再びグランゾンへ向かって斬り付けるが……

「やはり、貴方だけは見抜いていましたか」

 グランゾンは右腕を切断された瞬間にニーズヘッグから距離を取って後方へと退避し、落ち着いた様子で言葉を紡ぐ。
 くそっ、今の攻撃で仕留められていればネオ・グランゾンを相手にする事も無かったんだが。いや、それでも右腕を切断出来たのは幸いだったと思うべきか?

「どうやら、貴方は気が付いていたようですが……」
「……だろうな。お前の目的は俺達、か」

 正確に言えばヴォルクルスに操られている自分を殺す事によってその鎖から解き放たれるのを狙っている……か。結局はヴォルクルスの支配に抗う事は出来無かったか。

「とにかく、地球を狙っていた者達はその殆どが取り除かれました。……まぁ、中にはまだ微妙な存在も幾つかいますが」

 恐らく鋳人の事だろう。いや、幾つかとなると他にも何かいそうだが……一番可能性がありそうなのはイェッツトレジセイアだが、あれは既に倒されているしな。

「これでようやく私も心置きなく行動に移す事が出来ます」
「行動だと!? また……またラングランのような事を繰り返すつもりか手前ぇっ!」

 マサキの怒りに満ちた咆吼。だが、シュウはそれに対して表情一つ動かすことなく言葉を続ける。

「本来なら、貴方達が強くなったのを確認してから戦いを挑もうと思っていたのですがね。幸いそこに私の期待に沿える人物が存在しています。個人としてはこの世界で誰も敵う事が無い程の力を持ち、そしてその機体の性能はグランゾン以上。……正直、貴方という存在を見つけた時には柄でもなく笑みを浮かべてしまいましたよ」

 通信モニタ越しにそう告げるシュウ。その視線の先に……グランゾンの視線の先にいるのは俺と、そしてニーズヘッグ。
 だが、何だ? 妙に俺の知っている原作知識と違う流れになっているが……どうなっている? そう思いつつも言葉を紡ぐ。

「今まで俺達に協力していたのは俺を見極めるため、か」
「まぁ、それもありますが……もちろん貴方達の力があれば敵を倒すのに有効だったからという理由もあります。これまでの例で言えば、エアロゲイター、インスペクター、アインスト。そして今回は修羅にデュミナス、ダークブレイン。そのどれもが貴方達がいなければ倒す事は出来ませんでした。もっとも、シャドウミラーは私の思うようにはなかなか動いてくれませんでしたしね」

 薄らと笑みを浮かべつつ、俺へと視線を向けてくるシュウ。

「……そうですね、分かりやすくお教えしましょう。私は貴方達を利用していたのですよ。かのイングラム・プリスケン少佐と同じように」
「ここでもし俺達を倒したとして……その後はどうする?」

 半ば答を予想しつつ、尋ねる。

「そうですね。……地球その物を破壊する、というのはどうでしょうか?」
「どいつもこいつも……良く飽きんものだな」

 どこか呆れた様なキョウスケの呟き。

「もしかして、ダクブレちゃんの影響を受けてたりするんじゃないでしょうね?」
「いやんな影響ですのね」

 エクセレンの言葉に、いつものようにマイペースな相打ちを打つのはアルフィミィだった。

「まさか。手段はどうあれ『統合』を目指す者や、異世界からの来訪者は私にとっては極めて迷惑な存在であり、不都合な相手です。そのような者達に対しては排除以外の感情は持ち合わせていませんよ」
「それで、地球を破壊するなんて真似をして……手前に何の得がある!?」
「損得の問題ではありません。それは、ラングラン王国の王都も同様にね。私は私の心が命じるままに動いているに過ぎません」
「……本当にそうだとでも?」

 マサキとシュウの会話へと介入する。恐らく、これが最後の機会であり、同様に最大のチャンスでもある筈なのだから。

「……何の事を言ってるのでしょうか?」
「アクセル?」

 突然会話に割り込んできた俺へと、シュウは一瞬の間を置いて。そしてマサキは意表を突かれたかのように俺の方へと視線を向けている。

「今の言葉や行動が、本当にお前自身の心のままに動いているのか?」
「ええ、もちろんです。それ以外に何があると?」
「……シュウ・シラカワ。お前程の者が、そう簡単に他人に支配されるのか。いいのか? お前はそんな行為を、自分自身を支配するような者や利用する者を許せるのか?」
「……シュウッ!? お前、まさか!?」

 俺の言葉で何かを感じ取ったのだろう。マサキが驚愕の表情をシュウへと向ける。

「何の事を言っているのか分かりませんね。私は元から私の心の赴くままに生きてきたのですから」

 何の躊躇いもなくそう答えるシュウだが、一瞬その眉が微かに歪んだように見えたのは俺の気のせいだろうか? それとも、もうどうしようもないのか?
 いや、あえて挑発してシュウ自身の自意識を活発化させるという手段はまだ残っている筈だ。

「なるほど。結局シュウ・シラカワという男はその程度の男だった訳か」
「……私を侮辱しているのですか?」
「さて、どうだろうな? お前自身がそう感じているのなら、お前の中に何か思うところがあるんだろうが……その辺はどうなんだ?」

 一段低くなったシュウの声を聞きながら、更に煽る。
 だが、その煽りこそが最後の引き金を引いたのだった。

「……いいでしょう。では、私が自分自身の意志で貴方達と敵対しているという証拠をお見せしましょう。カバラ・プログラム起動」

 その言葉と共に、右腕を失ったグランゾンを中心にして紫の光が放たれていく。

「おいっ、シュウ! 手前一体何しやがった!」

 マサキの怒声を聞き流しつつ、シュウはさらに言葉を紡ぐ。

「オン・マケイシヴァラヤ・ソワカ」

 そしてその最後の言葉が口に出された次の瞬間、今までグランゾンから放たれていた紫の光が一際眩く周辺を照らし出す。
 まさに、目も開けていられない程に強烈な紫の光が発せられ……唐突にその光は消え失せる。まさに蛍光灯のスイッチを切ったかのように唐突に、だ。
 そして、紫の光を発した場所には先程までのグランゾンと似て非なる機体が存在していた。
 グランゾンに比べて2回り程、大体10m弱くらい大きくなっている。それだけ大きくなっている為に機体の重量もかなり増しているのか、装甲がより重厚化しておりかなりの迫力が感じられた。そして何よりも元のグランゾンと違うのは、その背にまるで太陽を象ったかのような印象を受ける金色の光輪のようなパーツが存在している事か。それにアダマンハルパーの一撃で切断された筈の右腕に関しても、まるで何事も無かったかのようにそこに存在している。

「グランゾンが……」
「変身した!?」
「マシンセルでも使ったの? いえ、そんな感じではないわね」

 ムウ、イザーク、レモンの順に思わず呟く声が聞こえて来る。また、ヒリュウ改やハガネの方でも同じように驚愕の表情を浮かべている者が大多数だ。……ネオ・グランゾンという凶悪な存在を知っていた俺を除き。

「マシンセル等という下らない物は使っていません。グランゾンの本質は破壊神シヴァ。またの名を『ヴォルクルス』というのですが、その力を借りたのですよ」
「シヴァ……」

 ラーダの呟きがオープンチャンネルで聞こえて来る。インド系の人種であるが故に、ヒンドゥー教に出て来る破壊神シヴァの名前は知っていたのだろう。

「そしてこの姿こそがグランゾンの真の姿、ネオ・グランゾンです。今までのグランゾンと同じだと思っていると、後悔する事になりますよ? ……アクセル・アルマー、どうです? 確かにグランゾンでは貴方のニーズヘッグを相手にするのは難しかったでしょう。ですが、このネオ・グランゾンを相手にして力不足であるとは言いませんよね?」
「……そうだろうな」

 こうして見ていても、はっきりと伝わってくるその得体の知れない力。その強さは恐らく俺の想像以上のものがあるのだろう。

「さぁ、始めましょう。破滅への宴を。地球を守るには私を倒すしかありませんよ。……この障害を突破して」

 その声と共に、どこからともなく姿を現したのはヴァルシオン改。それも、タイプCFではなく、ゲイムシステムを導入されてDC残党のアードラーが使っていた機体だ。

「ヴァルシオン改か……」
「ええ。私とヴァルシオン改を倒さなければ地球は滅びます。そして……オン・マケイシヴァラヤ・ソワカ!」

 再びネオ・グランゾンへと姿を変えた時と同じ言葉を紡ぐシュウ。……何だ? 既にグランゾンはネオ・グランゾンへと姿を変えている以上は何があるとも思えないんだが……そう思った俺の考えは、次の瞬間に粉微塵に砕け散る。
 そう。ヒリュウ改とハガネ。そして、それ等の機体が全て黒い霧のような物に包み込まれて動きを止めたのだ。

「何っ!?」

 何だ、この展開は。少なくても俺の原作知識にこんな展開は無かった。何が起こった?

「残念ですが、彼等ではまだ私と戦う程の力を持っていません。それを持っているのは、アクセル・アルマー、貴方です。そして、貴方が率いるシャドウミラー隊」

 シャドウミラー隊? そう思って周囲へと視線を向けると、確かにヒリュウ改やハガネの所属している訳でも無いアルティスのマルディクトもまた同様に黒い霧のようなものに動きを止められている。

「殺した……という訳じゃなさそうだな」
「ええ、安心して下さい。身動きは出来ませんし、声も出せませんが意識はあります。それどころか、あの霧は破壊神の力で一切の干渉を受けないという効果もあります。……まぁ、先程言った通り貴方達が私に勝てなければ地球は終わりなので結果的には意味が無くなりますが」
「随分とまぁ、親切な事だな」
「ええ。ですから……地球を破壊したくないと言うのなら、全力で私に掛かって来て下さい」
「それがお前の望みなのか?」
「さてどうでしょうね。ですが貴方達にはそうしなければならない理由がある。……違いますか?」

 シュウの問いに無言で答える。そう、どのみちこうなってしまった以上は俺達はシュウに勝たなければならない。でなければ、ヴォルクルスに操られている今のシュウは躊躇いも無く地球を滅ぼすだろう。もちろん俺達に取ってこの世界の地球は既に絶対のものではない。最悪、システムXNを使ってホワイトスターに転移するという選択肢も存在してはいる。……だが、だからといって地球をこのまま見捨てるなんて真似が出来る筈も無い。ホワイトスターで繋がっている世界の中で最も技術が発展している地球をこのまま滅ぼしたく無いという打算もあるがな。
 くそっ、何でこんな展開になったのやら。ネオ・グランゾン相手でもヒリュウ改やハガネ、そして俺とシャドウミラーがいれば何とかなるとは思っていたが……まさか、最終的に俺とシャドウミラーだけで戦う事になるとはな。シュウに干渉しまくった結果がこれだというのは、あまり嬉しく無い展開だ。だが……

「いいだろう。俺も大魔王と呼ばれた男で、この機体は嘲笑する虐殺者の異名を持つ機体だ。破壊神の力を持つネオ・グランゾンと相対するのはちょうどいい!」

 こうして、OG外伝の最後の戦いが始まる。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:40
PP:605
格闘:270
射撃:290
技量:280
防御:280
回避:310
命中:330
SP:478
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???

撃墜数:508 
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