転生とらぶる
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スーパーロボット大戦OG外伝
0567話
周囲はまるで宇宙空間のような場所であり、幾つもの惑星や岩塊が存在している。それでも惑星の数や位置関係からいって、地球の周辺でないのは明らかだった。
そしてそんな異空間の中、ダークブレインの身体は更に膨張し、巨大化し、異形と化していく。その大きさはこれまでとは違い、100m単位の大きさだったのがkm単位になっている。15m程度の小型機であるニーズヘッグと比べると、まるで大人と子供……いや、大人と砂粒と表現するべきかもしれない。
『これが……終焉の時の始まり』
その言葉と共に振るわれる左腕の一撃。冗談でも何でも無く指1本がニーズヘッグよりも大きいその攻撃を、しかし俺はヒュドラのスラスターをT-LINKシステム経由で操作してその指の隙間から抜け出して回避する。そのままニーズヘッグの後方にあった巨大な隕石へとダークブレインの拳が叩きつけられるのを感じつつ……
「アダマンハルパー、展開!」
同時にアダマンハルパーを展開。ダークブレインの腕の表面へと刃を突き刺しながら、勢いよく突き出された腕を切り裂きつつバレルロール回転をしながら辿って行き、肩近くまで到達する。
そのままダークブレインの背後へと通り抜け、振り向き様に振るわれた左腕がニーズヘッグに命中する直前。
「加速」
精神コマンドの加速を使い、ツイン・ドライブで懐に入り込んで回避。そのままヒュドラのランツェ・カノーネ2門を顔面目掛けて連射する。
同時に、その弾幕を影にしてヒュドラからファントム48機全てを射出。周辺に散らばっている岩石へと紛れ込ませる。
『無駄な真似をする』
呟きながら、再び振るわれる手。今度は両手を使い抱きしめるようにしてニーズヘッグの動きを止めようとするダークブレインだが、動きが大きくなったという事は、その分動きも以前に比べると見切りやすい訳で……
「集中、加速!」
再び精神コマンドを使用して、近付いてくる両腕からスルリと抜け出し、おまけとばかりにヒュドラから18門のビームサーベルを展開しつつダークブレインを斬り付けていく。
「っ!? ちぃっ!」
手の平の前を通り抜けようとしたその時、一瞬目の前が光る。手の平に空いている穴からエネルギーが放出されそうになっており……
「させるかよっ! T.T.キャノン、発射!」
T-LINKシステムを通して放たれたビームが、念動力を使って俺の意志通りの軌道を描きながら異空間の中をカーブ気味に進み……今にもエネルギー波を放とうとしていたその穴の中へと突入していく。その結果どうなるのか。それは誰にでも予想は出来るだろう。あるいは、放たれたビームがただのビームならダークブレインの放つエネルギーの前では焼け石に水程度だったかもしれない。だがそのビームは、この世界で最強の念動力者である俺の念動力がこれでもかといわんばかりに込められているのだ。それも、T-LINKシステム……いや、T-LINKフレームにより増幅された上で。
指先だけでニーズヘッグを越える程の大きさを誇る右腕は、次の瞬間には暴発するかの如く粉微塵に砕け、その破片を異空間へと巻き散らかす。
『ぬぅ』
自分の腕が砕け散るとは思いも寄らなかったのだろう。その一言と共に動きを止めるダークブレイン。
その瞬間、T-LINKシステムを通して一瞬だけ感じたのは疑念。それは恐らく全能にして万能である筈の自分がたった1人の人間である俺を仕留めきれない為に生まれたのであろう疑念。
つまり……ここが勝負の分かれ目!
「T-LINKシステム、フルコンタクト! ファントムッ!」
T-LINKシステムを通して、先程周囲へと射出しておいたファントムを動かし、まずはダークブレインの一番近くにあった6機のファントムがビームブレードを展開してダークブレインの頭脳へと向かって突き進んでいく。
本来なら、その剥き出しの頭脳は何をどうやったとしてもファントム程度の大きさでダメージを与えられるものではないだろう。だが使われている機体が念動力という能力を極限まで活かした機体である事。そして、そのパイロットがOGsの世界で最高の念動力者である俺であるという事。この2つが重なった結果、その常識は覆った。
目に捉える事が出来無い程の速度で放たれた6機のファントムは、ダークブレインの剥き出しの脳みそを覆っているであろうフィールドらしきものを貫通してその獰猛な牙を突き立てる。そんな牙が6機、脳みその部分を斬り裂き、抉り、破壊する。
『むうっ!』
ダークブレインから思わず漏れるその声を聞きながら、機体の状況を素早くチェック。よし、問題無い。
「加速!」
精神コマンドの加速を使い、同時にヒュドラのスラスターも展開させつつダークブレインの体を伝うようにしてその巨体を駆け上がり、脳みそへと向かう。ツイン・ドライブと加速の効果で数秒と経たずにダークブレインの頭部へ到着した俺が見たのは、好き放題に脳みそを抉っては、それが再生されていくという光景だった。
その時になると既に他のファントムも脳みそを抉りに掛かっており、48機全てのファントムがダークブレインの頭部の中で暴れ回っている。
体の内側から蝕まれる感触。それがどれ程の激痛をもたらすのかは分からないが、それでもダークブレインは外から見たところでは特に影響も無いように周囲を見回していた。恐らく見失った俺の姿を探しているのだろう。だが……事ここに至っては、既に何をするにも遅い!
「T-LINKシステム、フルコンタクト! 時流エンジン、ブラックホールエンジン、トロニウム・エンジン、フルドライブ!」
流れ出た念動力をT-LINKシステムが感知し、それが影響してT-LINKフレームが赤く輝き、同時に赤い光の粒子が漏れ出す。
『そこにいたか、知的生命体よ』
その光の粒子により、俺の居場所を補足したのだろう。ダークブレインの側頭部に近い位置にいるニーズヘッグへと振り向こうとしたその瞬間。
「愛、直撃……食らえ、フルバーストだっ!」
ニーズヘッグの全ての武装が一斉に放たれる。
腹部の拡散ビーム砲が、頭部のビームバルカンが、ヒュドラの先端についている18門のビーム砲が、2門のランツェ・カノーネが、T.T.キャノンが、グレートグランドマスターキーを通じて放たれた無数の炎の矢が、そしてニーズヘッグ最大の火力であるメガ・バスターキャノンとグラビトン・ランチャーが。さらには頭部の内部へと侵入していたファントム48機全てもビームソードを展開して脳みそを斬り裂きながら外へと飛び出し、その場でクルリと反転してビームを撃ち込んでいく。
幾筋ものビームが異空間の中を走り、着弾しては爆発光を上げていく。
途切れる事無く放たれ続けるそのビームの群れ、まさに川へと落ちた哀れな獲物を喰らい尽くすべく殺到するピラニアの群れをも思わせるような光景が俺の目の前には広がっていた。恐らくこの光景を見た者は、夜空に瞬く綺麗な花火の如く感嘆の溜息を吐くか、あるいは何かおぞましいような代物を見たかのように震えるだろう。目の前の光景に集中しながらも、どこかそんな風に考えつつ……約30秒。長いようで短いビームの嵐は収まっていく。だが……まだだ、まだ終わらない!
「覚醒! 愛! 直撃! 続けて食らえ、もう一度フルバーストだ!」
覚醒の効果により、機体全体が不思議な力に包み込まれてエネルギーを回復していく。それはファントムに関しても同様で、本来はヒュドラに戻してエネルギーを補充しなければいけない筈なのだが覚醒の効果によりその必要は無くなっていた。そして再び異空間に光の芸術が瞬く。
ある意味では幻想的ともいえる30秒が再び過ぎ去った時、ダークブレインの頭部はそのまま綺麗さっぱり消し飛んでいた。同時に上半身も鎖骨辺りまではほぼ完全に消滅しており、腹から上も残っている部分の方が少ないような状況になっている。そして俺の射撃が終了して数秒後、空間が再びひび割れ、まるでガラスでも割れるかのように異空間は砕け散り、ふと気が付くとニーズヘッグの姿は奥の院の中へと戻っていた。
「アクセル、無事でしょうね?」
「アクセル、無事だな!?」
『アクセル、無事ね!?』
レモン、コーネリア、マリュー。三者三様の恋人達の声。さすがに俺を信頼しているとは言っても、この状況では心配してくれていたのだろう。それでもレモンの様子が他の2人よりも緩やかなのは、付き合いの長さの影響か。
『どうやら無事だった様だな。……さすがだ』
「アクセルさん、ご無事で何よりです。……あまり心配させないで下さい」
マリューに続いてスレイがシロガネからの通信モニタに映し出され、安堵の表情を浮かべている。オウカのヒュッケバインMk-Ⅱからは目の端に涙を溜めたオウカの顔が。
どうやら余程に心配を掛けてしまったらしい。
「アクセルさん、無事だよね!?」
「アクセル、無茶をしすぎよ全く」
ヒリュウ改やハガネの方からも、フィオナやアヤといった面子から通信が入る。
「おいおい、全く。女からばかり心配されるってどうよ?」
「あぁ、そっちでもやっぱりそう思う? こうして見る限りじゃどう考えてもハーレムを築いていて妬ましい限りだよなぁ」
「そうそう。あんたも意外といい事を言うな。……えっと、名前はなんだっけ?」
「イルム。イルムガルト・カザハラだ。そう言うあんたはムウ・ラ・フラガなんだよな? 本物の」
「本物って言い方はあんまり嬉しく無いが……まぁ、そうだな」
……何故かイルムとムウが仲良くなっている中で……
「皆さん、まだ油断をするには早いようですよ」
グランゾンからシュウの声がオープンチャンネルで周囲へと響き渡った。
そしてその言葉が流れるのと同時に、周囲にいた者達の視線が反射的にダークブレインへと向けられる。そこにあったのは、どちらかと言えばダークブレインの残骸とでも呼んだ方が良かった代物なのだが。
「まさか、まだ再生を!?」
キョウスケの驚愕の声が周囲に響く。何しろ徐々に……本当に徐々にではあるが、消失した部分を再生していっているのだ。ニーズヘッグで精神コマンドの愛を使ったフルバーストを連続で受けながら。
『全機、戦闘態勢を維持。いつでも攻撃を再開出来るようにしろ!』
ハガネのテツヤから、戦闘態勢維持の命令を下されるが……
「安心しろ、もうその必要は無い」
俺の言葉がオープンチャンネルに響き渡るのだった。
「何? どういう意味だ?」
キョウスケから訝しげな通信が入るが、ニーズヘッグのT-LINKシステムを通じてダークブレインの状態を半ば把握していた俺は、小さく肩を竦めてから機体をダークブレインへと向ける。
「すぐに分かるさ。見てろよ」
そう俺が呟いた瞬間、ついにダークブレインの頭部の再生が完了する。
そしてその頭部から発せられる声がこれまでのようにオープンチャンネルに介入してきて聞こえてくる。
『何故!? どうして!?』
最初に響き渡ったのは、女のような口調の声。同時に、その声の主なのだろう女の念がダークブレインから放出される。
『お、俺は絶対にこんな結果は認めない。認めて堪るものか!?』
若い男の声と共に、その念が数秒前と同様に放出される。
「お、おい。どうなってるんだ? ダークブレインの口調が……」
予想外の成り行きなのだろう。カチーナが思わず呟く。
『たかが人間如き存在に……私が敗れる等ということは絶対にあり得ん!』
『そうだ、そうだ! 僕がこんな奴相手に負ける訳がないじゃないか!』
『頭が……頭が痛む。この痛みは一体何じゃ、何なんじゃ!』
『いやよ、こんなのって絶対にいやよ!』
ダークブレインの口調が変わる度に念が放たれていく。
「色んな念が放出されている……?」
「アヤにもそう感じられるのか? 私にもそう感じられるけど」
アヤとマイの姉妹の会話が聞こえて来るが、その会話もどこか戸惑ったようなニュアンスが含まれている。
『ああああああああ、消える……我等が、儂が、俺が、僕が、自分が、私が……消える、消えるうぅぅぅっ!』
藻掻くように蠢くダークブレイン。その象徴ともいえる頭脳は、声を漏らすごとに内部で何かが蠢くようにして形を変えている。
「これは……奴に囚われていた思念が解放されているのか?」
ギリアムのポツリと呟くような声。
『何でやねん。何でワイがこないな所で死ななあかんねん!? 嘘やろ、嘘って言ってぇや!』
『闇在る所に光在り! 光在る所に闇在り!』
ダークブレインに捕らえられていた者達の念が暴走している、か。
「シャドウミラー隊各機、自分の機体のコンディションをチェックしておけ。何が起きてもすぐに行動に移せるようにな」
シャドウミラー隊だけの通信回線を使い、そう指示する。
俺の原作知識通りに進むのだとすれば、ダークブレインについてはこれで終わる筈だ。だが、そもそもダークブレインの倒し方が原作とは違う以上、まだ戦闘続行の可能性もある。そして何よりも……これでダークブレインとの戦闘が終わったとしても恐らく次は……
『儂の頭が! 我の頭が割れる! 忘れるでないぞ! 知的生命体ある所に我等は常に存在する! お前達がいる限りは間違い無くだ! ……き、消える! 消えてしまうぅぅぅ!! 我等は叡智の結晶! 闇黒の思念集積体! おおおおお……あおおおお……十二の鍵! 至高天! 私が……! 我輩が消えるぅぅぅぅ! おああああああ……あううおおおおおお……!!』
既に取り込まれた思念が暴走しているのだろう。殆ど意味を為さない言葉を紡ぎ、次の瞬間、再生して元の大きさに戻っていた100mを優に越えるダークブレインの巨体は、身体の端から光の散りとなって消えていくのだった。
「奴が……消滅していく……」
ロアの、長年の宿敵の最後に感極まったかのような呟きをオープンチャンネルで聞きながら俺達はそれを……ダークブレインの消滅するのを見守る。一際強く輝く光と共に。
後書き
アクセル・アルマー
LV:40
PP:605
格闘:270
射撃:290
技量:280
防御:280
回避:310
命中:330
SP:478
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
ギアス(灰色)
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
撃墜数:508
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