精霊と命の歌
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Disc1
食い意地を張る者達
前書き
本当は昨日投稿しようと思ったけれど、用事が長引き投稿できず……
毎日投稿って大変ですねorz
今回は寄り道ギャグ回?
僕がジタン達について行く事が決まった後、ガーネット姫が自分もついて行くと言い、ジタンとスタイナーさんに止められた。
ジタンとガーネット姫は口論となったけれど、王様に止められて結局ガーネット姫は残る事が決定した。
そしてブルメシアへ続く地竜の門が開くまでの間、僕達は食事をする事になった。
「すごいご馳走だね」
「うん、どれもおいしそう」
500年以上前から伝わる伝統的な狩猟際の料理みたい。
手を使って食べるのがならわしみたいだけれど……
(たまには俺にも食わせろ)
(い、いいけれど……気をつけて、ね?)
(しるか! カッコなんて気にせず食えと王様も言っているだろう!)
(あ! ダメだってば! うわあああ!)
ラタトスクと入れ替わってしまい、遠慮なくガツガツ食べ始めるラタトスク。
そして足元では密かにさっき仲間? になったモンスターが料理をがっついている。
「おお、すごい食べっぷりブリ。皆もあれぐらい気にせず食べるブリ」
王様は皆にそう勧めているけれど……
皆は急に入れ替わった僕達に驚いている。
「……あれ、エミルじゃなくてラタトスクだよな?」
「うん……それに、なんかすごいね」
「? ころころ変わるからどちらの性格か分かりづらいのじゃ」
「緑の目がエミルで赤い目がラタトスクだ」
「性格で瞳の色が変わるとはまた面妖じゃな」
「本当に不思議だね」
と、皆思い思いに感想を言いながら料理を食べている。
(うう……恥ずかしいよ……)
(お前じゃないって知られてんだし良いじゃねぇか)
(それでも、恥ずかしいものは恥ずかしいよ!)
そんな感じで食事をしているとなんだか眠くなってきたような……
そう思っていると最初にビビが倒れ、王様、フライヤさん、ジタンと倒れていく。
「っく、あんたの仕業か……」
「ごめんなさい……」
僕達が最後に見たのは謝るガーネット姫の姿だった。
それから時が経ち……
「あの姫……やってくれたな」
(まだ少し頭がぼんやりするよ……)
起きた僕達は早速状況を確認した。
消えたガーネット姫とスタイナーさん。
ジタンがガーネット姫にあげたスリプル草と言うものが原因で僕達は眠らされたらしい。
急がないとガーネット姫とスタイナーさんも危ない!
僕達は急いで開いた地竜の門を潜り、霧の大陸へと向かった。
霧の大陸。
地竜の門から僕とラタトスクは入れ替わり、頭にはテアと名付けられたモンスターが乗っかった状態で歩き出した。
「きゅ」
「なんか、懐いてるね……」
「うん、どうしてだろう?」
いつの間に懐いたのか?
多分、さっきのご馳走が原因だと思うけれど……テアは頭にへばりついている。ちょっと暑い……
そう思いながら進んでいると、どこからかチョコボの声が響く。
「クーーーーエーーーーー!!」
凄まじい勢いで駆けてくる黄色いチョコボ。
「おい、こっちに来るぞ!!」
「う、うわああああ!?」
「なんじゃ!?」
駆けてきたチョコボはジタン達を通り過ぎ、僕の所に一直線にやってきた。
「え、えええええええ!?」
ぶつかる! と思って目を思わず閉じたけれど、何時まで経っても衝撃が来ない。
頭の上からテアの威嚇する声が聞こえるだけだ。
そろーっと目を開けると目を輝かせてヨダレを垂らした状態で目の前にいるチョコボ。
何かを期待しているような眼差しだけれど……
「……え? え?」
「なにか、欲しがっているみたい……?」
「クエ! クエエエエ!!」
何かに耐えかねたらしいチョコボは僕のポーチを嘴で突く。
この中に何かチョコボが欲しい物が入っているのかな?
ヨダレを垂らしているくらいだし、食べ物だとは思うんだけれど……
(最近買ったので何か良い物ってあったかな?)
(リンドブルムで珍しい野菜だからって言われてシルキスの野菜って言うのを買ったじゃねぇか)
(あれ、かなぁ?)
試しにそれを取り出して見ると凄まじい勢いでチョコボがその野菜を食べ始めた。
「それはシルキスの野菜じゃな? なるほど、チョコボが寄ってくるわけじゃ」
「どういう事? フライヤさん」
「その野菜はチョコボの大好物なのじゃ。珍しいからあまり売られていないはずなんじゃがのう」
なるほど……
そう思っている間にチョコボが野菜を食べ終え、擦り寄ってくる。
撫でると気持ちよさそうに目を細める。
チョコボって結構いい手触りなんだなぁ……
「ふしゃー!」
「クエ! クエエ!」
ただ、テアとは相性が悪いのか威嚇し合っているけれど……
「ふむ、チョコボは移動が楽で早くなるからこの際都合が良いのじゃが……全員分いると良いのじゃがな……」
「そうなんですか?」
「うむ。チョコボは乗り手を選ぶが乗れる事ができればとても良い乗り物となるのじゃ」
「だったら皆にチョコボがいれば早くブルメシアに行けるのに……」
「クエ!? クエ! クエ!」
僕の言葉に反応して服を引っ張りだすチョコボ。
どうしたんだろう?
そう思った瞬間、思いっきり持ち上げられて僕の体は宙に浮いた。
「うわああああ!?」
「エミル!?」
チョコボは器用に僕を背中に乗せると走り始めた。
「と、止まってえええええ!?」
「追いかけるぞ!」
慌ててジタン達が追いかけてくる。
そして、チョコボは少し進んだ先の森で止まった。
「やっと……止まった……」
「クエエエエ!」
ジタン達が追いついた所でチョコボが鳴き出す。
すると、森の中からチョコボ達がちらほら出てき始めた。
「み、皆どうしたクポー!」
チョコボ達と一緒に慌てて出てくる一匹のモーグリ。
「なるほどクポ。エミル達は急いでいるクポね?」
メネって言ってこの森の主らしいモーグリは僕達の話を聞いてチョコボ達が良いなら乗せて行ってもらうといいと言ってくれた。
「あ、あの、僕達を乗せていってくれないかな?」
「クエ!」
「一時的になら乗せていくみたいクポ。あ、でもチョコはジタンが気に入ったみたいクポ」
メネの相棒だと言うチョコと言うチョコボは嫌がっているようにも見えるけれど、本当に嫌なら真っ先に逃げ出すみたいだ。メネに渡されたギザールの野菜と言う野菜でジタンも懐かれていた。
……チョコボって食いしん坊なのかな?
その後、モーグリに勧められて宝探しをする事になったけれど……一回だけという約束でやった。
この森のチョコボ達には地面に埋まった宝を見つけ出す能力があるみたいで、たまにチョコグラフと言う宝の地図を見つけてくる。
「盗賊の腕がなるぜ!」
「こんな事していて良いのかなぁ……」
そうして僕達は少しだけ宝探しを開始する。
「そのチョコボの名前は『ウル』クポ。それじゃあ始めるクポよ!」
「頑張って! ウル!」
「行け! チョコ!」
「「クエ~~~~ッ!!」」
一回だけだけれど、なんだか白熱してしまった。
今度は時間のある時にやりたいな……
「もう行っちゃうクポか……仕方ないクポね。また来るクポ!」
チョコボと遊んでいたいけれど、時間がないからメネに別れを告げる。
そして僕達はチョコボに乗ってギザマルークの洞窟と言う場所を目指した。
しかし、その途中にある沼でクイナと言うク族と呼ばれる不思議な種族の人と出会った。
「もらったアルよ!」
物欲しそうにカエルを見ていたのでカエルを捕まえたジタンがカエルをあげると凄まじい勢いでカエルを食べ始めた。
(なんだか……チョコボみたい)
(この世界には意地汚い種族が多いな)
その後、クイナの師匠と言うクエールと言う人がクイナを連れて行ってやって欲しいと頼まれ、なんだかよくわからないうちに引き受ける事になってしまった僕達。
そんな中、ビビはクエールさんの事が気になっていたみたいだけれど……
「どうしたの? クエールさんの事が気になるみたいだけれど……」
「うん……あのおじちゃん、ボクのおじいちゃんにそっくりなんだ」
ビビはおじいちゃんの事を聞きにクエールさんの所に戻り、僕達もついて行く。
「……あんなヘンクツジジイなんか知らないアルな」
クエールさんはどうやらビビのおじいちゃん、クワンさんの事を知っているようだけれど……どうにもクワンさんとは仲が悪いみたい。結局教えてもらえなかった。
ビビによるとクワンさんとクエールさんは似ているみたい。クエールさんは同じク族だからと言っていた。
(確かに、ク族の顔は見分けがつかないかも……)
(クイナとクエールですら兄弟って言っても信じられるな)
(そうだね)
ビビには違いが分かるのかな?
死んだおじいちゃんの事が気になるみたいで話が聞けなかった事をビビは落ち込んでいたけれど、僕達はク族の沼を後にした。
「……これ、食って良いアルか?」
「ダメ!」
「クエェ……」
ちょっとチョコボを狙うクイナが怖いけれど……僕達は進む。
後書き
チョコボの名前はボコにしようかウルにしようか迷いました。でも、結局ウルに……
ウルの名前の由来はFF7の海チョコボを昔ウルチョコと言っていたからです。
テアの名前は適当に付けただけ。(ちょっとかわいそうかも?)
チョコボの森の設定を少し変更させてもらいました。
ゲームだと一匹のチョコボで良いけれど、小説だと無理があるかなと思ったので。
今回のタイトルはFF7の戦う者達から。
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