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戦国†恋姫~黒衣の人間宿神~

作者:黒鐡
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五章
  早朝から旅支度

昨日の夜中に、呼ばれたから帰るのが早朝になってしまった。それにしても、神界にいるのが、ほとんど女性=女神や仏だったが、なぜか知らんが私とシよう何ていう誘いまで来た。おいおい、それでも神仏か?と思いたくなるほどだった。あと俺に会いたい神仏はほとんどが、ただ会いたいだけなら分かるけど情事しようって言われた時はな。で、今は人間界に戻ってきたら、なぜか長屋に久遠がいたし、見間違いかと思ったら望遠鏡で見るとこっちを見てた。なので俺はそのままパラシュート持ってから落下した。パラシュート開いた後、ゆっくりと地面に降りてくるのを見る久遠。地面に着地したら素早く片づけた後、久遠を部屋に招き座った。

「どこに行っていた?」

「どこって、神界だけど。一応置手紙を置いたはずだが、それより早朝から何しに来たの?」

「今から遠出するんでな、ついて来て欲しいのだ」

遠出ね、まさかの予想が当たるとは思わなかった。壬月と麦穂にも内緒で行くと言ってるから、大丈夫かなと思ったけど。

「で、共をするには何人必要?」

「多くは要らん。一真隊の主要な者を連れて行くだけでよい」

俺はふーんと言いながらだったが、本来ならそこに寝ていてから久遠に起こされるというイベントがあったんだけど。その時は男の生理現象でだけで、根切りにしてくれるわとか言ってたな。ああ、根切りっていうのは皆殺しや全殺しという意味。

「そういえば、最初から思っていたのだが久遠って可愛いよな」

「・・・・・・・・・・・・・うな」

「ん?どうかした。久遠」

「か!・・・・・・かわ、いいとか・・・・言うな」

「何でだ?久遠は可愛いよ、めちゃくちゃ」

「ここここここの痴れ者め!ねねねねねきりにしてくりぇるわ!」

「誰が痴れ者だ『あー、はいはい。落ち着きなさい久遠。照れ隠しに逆ギレしても、噛んでいたら迫力も何もあったものじゃないわよ』結菜か」

「ゆ、結菜ぁ・・・・た、助けろぉ・・・・」

あんな涙目になったらもっと可愛いよな。とまあ、久遠をいじるのはこれぐらいで勘弁してやるか。

「その様子じゃ、女性の扱いも慣れてる訳ね。それに久遠も可愛いって言われて恥ずかしくて、どうすればと思っているんでしょうけど」

「まあな。それにだ、あれから結構時間経ってるのにこれだぞ?何とかならないのか結菜」

「大丈夫よ、・・・・前にもこういう事あったから。前と言ったらあれかしら。母に褒められた時もこんな感じだったわね。昔から家中からはバカにされて、背かれて。そんな事を繰り返し、やられた久遠は、自分を褒めてもらえるよう何て事がなかった。・・・・悪評ばかりだったから」

「なるほどな。久遠は自分なりに考えて行動してたけど、周りの連中は理解されなかった。で、斎藤利政と出会い、認められて、褒められた時もこんな感じだったと」

俺が言ったらそうよと言われた。斎藤利政は、美濃の蝮、斎藤山城、斎藤道三、などといくつも名を持つ。下克上という言葉を体現した人。結菜の母でもある。

「そ、そんな事ないぞ!べ、別に我はいつもと変わらん!何を勝手な事を言うか!」

「私の背中に隠れて言っても、まーったく説得力ないわよ?」

と言った結菜に久遠はぐぬぬと言った。照れるとこも可愛いんだけどね。三国志世界の時もそうだったが、君主は久遠と同じ位の年頃だった事を思い出した。いつもは、顔には出てないけど実は無理していた時があったけ。部下達の将来に対しての責任や、民達の事。誰かの運命を背負うという事は、重圧や精神的なプレッシャーがかかっているという事もな。

「ほら、拗ねるのもいい加減にしなさい。一真に用があるのでしょう?さっさと言わないと、壬月や麦穂が事態に気付いてしまうわよ」

「うっ・・・・そ、それは嫌だ」

なら、さっさとしなさいと言われた久遠は、俺に改めて遠出にするからついて来いと言うが主語がないから分からなかったが、聞いたら堺に行ってから京にも寄るそうだ。堺とは、自治で有名な日の本一の大都会。堀と塀、そして多くの傭兵を用い、自治を守っている場所だ。美濃を平定した今、将来の事を見て、広く世を見て見聞したいだそうだ。京の事は分かったが、堺は?と聞くと堺の商人共と繋ぎを持ちたいそうだ。今後は米中心ではなく銭を中心に全てを動かすそうだ。

「鉄砲、玉薬、武具だけでなく、官位や顕官どもの支持は米では買えんが、銭では買えるからな」

なるほどな、それで今から行こうと言う事か。それに久遠の敵は、斎藤家残党なら殲滅したが尾張内で反信長派が動き出していると聞く。

「分かった。じゃあ一真隊で護衛をしよう」

「うむ。分かってくれて助かる」

それに言ったら言ったで反対されるし、久遠を狙う者達の耳には入りづらいだろう。行き先を告げずに行った方が、まだ安全だろうしな。路銀や食料は大丈夫かな?あとは馬だけど、俺は馬には乗れないから、スナイプ・ゼロに言ってビーストモードを馬にすれば問題ない。詩乃が起きてきたが、ひよところはまだ寝てるそうだ。なので俺と久遠が先に行く事になったから、その後追ってくるとの事だ。

「結菜は時間稼ぎを頼む」

「分かっているわよ。壬月と麦穂の時間稼ぎくらいは、あとお土産よろしくね」

俺は分かったと言って、準備をさせた。お金は空間にあるから大丈夫だし、地図もばっちしだ。一応真上にはトレミーがいるからな。

「路銀も地図も大丈夫ならば、注意する国がございます。美濃、江北については無事に通れますが、江南や大和国についてです」

「観音寺の六角承貞と信貴山の松永か。・・・・うむ。では今浜で合流した後、琵琶湖を船で移動するか」

「それが良いでしょう」

「では行くぞ、一真」

「はいよ。詩乃も後で合流しよう。結菜も後の事は任せた」

「任せておきなさい。・・・・行ってらっしゃい、一真」

俺は空間に入って中でバイクから馬にチェンジした。そして馬を空間から出してから、久遠と一緒に長屋を出た。道行く人々の視線から逃れるために町を駆けぬく。 
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