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戦国†恋姫~黒衣の人間宿神~

作者:黒鐡
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四章
  出陣

「静かな夜ですねぇ~」

「そうだな」

空を眺めながらお茶を飲む俺とひよ。ころは城に詰めてるし、詩乃はもう寝たからな。こうやって二人きりになるのも久しぶりだなと思った。

「一真隊が作られてから以来だな、あの時は墨俣城を創る時だったもんな。その時にころが仲間になってくれてからの戦をしてから、美濃に潜り込んでから詩乃に会って、攫ってからが結構経つよな」

「そうですねー。・・・・ねぇ一真様。もう織田家には慣れましたか?」

「まあな。あれだけ時が経つと慣れない方が可笑しい」

「一真様は、確かここじゃない別の国から来たって言う話でしたよね」

「別の国、・・・・というよりここは俺にとっては過去の事だと思っている。それで俺は未来から来たって感じだけど、何かが違うと思う。根本的にね」

「蓬莱とか、須弥山とか、そう言った所から?」

蓬莱・須弥山、ここでは「何だか分からないけど遠くにあって凄そうな場所」という意味に使われている。ちなみに蓬莱とは富士山の事を指したらしい。

「まああながち間違いではないな。実際俺は神だからな、神界から来てもおかしくない」

「そうですよね。ですが、実際は神様であっても見た目はそうは思わないというか・・・・」

まあそう何だけどね。今は大天使化してないからそう言われるだけだし・・・・。

「そういえばひよは武士になる事だったよな」

「はいっ!武士になって出世して、おっかあの暮らしを楽にしたいですし、妹を取り立ててやりたいです!」

と言っていて、しばらくすると聞いた事のない音が聞こえてきた。

「何だこの音は?」

「・・・・ああっ!一真様!あれは陣触れの陣貝の音ですよ!出陣です!」

「はあ!出陣だと!そんなの聞いてねえぞ。一体何をすればいい?」

「まずは徒士の皆を集めないと!それに具足の準備もしなくちゃですし、やる事たくさんです!」

「準備ねぇー。・・・・と言っても何を準備するか分からないからひよ、頼んでいいか?俺は黒鮫隊に指示を出してくるから」

「はい。一真隊の出陣準備は私達に任せて下さい」

「どうやら出陣の陣触れが出たようですね」

そのようだなと言って俺は行こうとしたら、ころがこちらに来た。そしたら久遠は既に出撃したようだ、少ない馬廻り衆と美濃に向かったようだ。俺は、すぐに空間切断でトレミーに行ったけど、残った三人はそれぞれの役目をするために動いた。トレミーに戻った俺は、コンディションレッドを発令し、男性隊員のみ集まるようにして至急ブリーフィングルームに集合せよと言った。ブリッジから、ブリーフィングルームに行くと既に揃っていた隊員達。若干眠そうな者もいたがまあいいだろう。全員敬礼をしてから着席した隊員達。

「全員、この夜にだが聞いてほしい。先程出陣の合図が出た。恐らく美濃を落とすんだと考えている、なのでこれから降下作戦と城門爆破作戦を開始したいと思うが、何か質問がある者は挙手をせよ」

と言ったら誰も手を挙げなかった。さすが精鋭部隊だけでもあるなと思った。

「降下作戦は俺率いる五名程で、各城門を開けさせるか、または爆破させる者は数十人だ。残った者は医療班で待機。なお装備は実弾のアサルトライフルと門番やその他の武士を狙撃するスナイパーライフルだ。あと夜なので暗視ゴーグルを装着。なお、降下作戦の目標は本丸にいる斉藤龍興の頸だ!その周辺一帯にいる者も殺して構わん。あと三の丸だけは俺も加わる事にする。三の丸で合流をした後は、各部隊で殲滅せよ。そしてそれぞれの城門を爆破だ。なお、使用爆弾はプラスチック爆弾でスイッチをオンにすると爆発する仕掛けとする。以上だ。全員準備が出来次第格納庫、またはカタパルトデッキに集合せよ!」

『了解!うおおおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!!』

敬礼をしたら、ブリーフィングルームから出た野郎共達。今回はISは使わない、使うとピーキーだから。俺は、一度尾張の所に戻ってスナイプ・ゼロであるバイクを空間から取り出して、美濃に出陣した久遠を追った。行くと丁度壬月と麦穂がいたが、何やら久遠に文句を言っているようだった。

「苦労、・・・・ではありません!いつもいつも突然のご出陣、それだけは勘弁してくださいと言ってるでしょう!」

「まごついておれば時機を逃す。・・・・さっさと動かん貴様らが悪い」

「相変わらずの仰りようですねぇ・・・・。少しは後ろを追いかける者の身でもなってみてください」

「気が向いたらな。・・・・で、兵は?」

「私と麦穂、二人の衆が千。その後ろに一真隊が百ですが、まだ一真様はいません」

「その後ろに三千程。更にその後続に三千。ついでに二千と荷駄と言った所でしょうが」

ふむ、九千前後か。まあいいとして、俺を待つ程ではないらしいから先に行った。ついでに母衣衆は一番後ろだと言ってたな。バイクを飛行モードにし、久遠を先頭に稲葉山城へと行く。時々、あちこちから小勢が現れ、在所と名乗り上げて同行を申し出てくる。あの小勢は、あちこちに勢力を持つ小豪族で、どうやら陣借りして手柄を立てようとしてるそうだな。そして井之口を制圧した後、建物を焼き払うそうだが、こうなると思って、井之口での潜入活動の時に町座の人と打ち合わせ済みだからな。と使番が来たようだ、何々・・・・?

「西濃衆、稲葉様より伝令!斉藤龍興は織田の動きの早さに恐れをなし、稲葉山城に籠る事を選択した模様。また美濃各地と、飛騨、越前に援軍を伝えるよう早馬を出した由。お気をつけたし、・・・・との事です」

「苦労!」

と言って久遠達は更にスピードを上げた。俺は麦穂達と合流してから、単騎で織田の陣がある所に向かった。

「おーい久遠!」

「お、やっと来たか。遅いぞ!」

「遅いぞ!・・・・じゃない馬鹿者!」

と言ってハリセンで叩いた。

「お前が行っちゃうからこちらも早く作戦を立てていたのに丸潰しではないか!」

「す、すまん。だが作戦とはなんだ?」

「降下作戦と城門爆破作戦だ」

と言いながら、焼き払いを完了したとのこと事。仮屋の建設を急がせろと言った後、後続三千を引き連れた麦穂が到着。

「大義。・・・・すぐに軍議を始める。主立った者を集めてくれ」

「御意」

やがて、続々と陣幕に和奏達将領級の者達や一真隊の二人組であるひよところがやってきた。そして軍議が始まった。 
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