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久遠の神話

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第八十三話 権力者その四

「私は安全かつ確実な方法をベストとする」
「では」
「そうだ、貴女がその方法を授けてくれるなら」
「戦いから降りられますね」
「何度も言うが私は戦い自体には興味がない」
 それは一切だというのだ。
「ではだ」
「はい、乗られますね」
「是非な」
 絶対にとだ、権藤は返した。
「そうさせてもらう」
「わかりました」
 聡美は権藤の言葉をここまで聞いて微笑みになった、そのうえで言うのだった。
「それでは」
「それでだが」
「具体的にはですね」
「どうするのか」
「幸運、本来は武運ですが」
 武運、そこから来る幸運だというのだ。
「それを授けてくれる指輪がありまして」
「その指輪を」
「アテナ姉様から貴方に」
「私にか」
「授けてくれます、しかもその指輪は」
 聡美はその指輪についてだ、権藤に詳しく話した。
「持ち主が死ぬまでその持ち主のものになり」
「随分と有り難いものだな」
「手元から離れてもすぐにその手の中に戻ります」
「失うこともないか」
「所有者に永遠の幸福をもたらすものです」
 まさにだ、そうしたものだというのだ。
「それをです」
「私は授かりか」
「幸運を手に入れられます」
「そしてその幸運でだな」
「貴方は首相になられその志を全う出来ます」
「そうか、それならだ」
 権藤もここまで聞いてだ、聡美にこう返した。
「その指輪を貰おう」
「では五日後に」
 その時にだというのだ。
「お会いしましょう」
「五日後か」
「その日はお忙しいでしょうか」
「企業を経営している、そして政治家にもなろうとしている」
 そうした立場だからだとだ、権藤は聡美に返す。
「それで多忙でない筈がない」
「では日を替えられますか」
「時間による」
 その五日後でもだというのだ。
「夜の十二時位になるとだ」
「時間が空きますか」
「場所は八条町ならだ」
 場所もだ、権藤は指定した。
「大丈夫だ」
「では」
「五日後の夜の十二時から二時まで、場所は八条町だ」
 権藤は聡美に自分から指定した。
「その時だ」
「わかりました、では」
「それでいいか」
「私達は五日後以降なら」 
 時間は何時でもいいというのだ。
「大丈夫ですから」
「その五日の相手に指輪を用意するのだな」
「そうです」
「そうか、五日か」
「五日後、貴方も戦いを降りられます」
「なら有り難い、そうさせてもらう」
 是非だ、戦いから降りさせてもらうというのだ。 
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