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久遠の神話

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第八十二話 四人への準備その四

「どうしたらいいのかな」
「難しいよね」
「僕は戦いは止めたいけれど」
 そして終わらせたい、だがというのだ。
「戦わないといけない、それでも」
「戦いたいから戦う、そうした人でも」
「人は倒したくないんだ」
 こう言うのだった、沈痛な顔で。
「本当にね」
「そこが難しいわよね」
「どうしたらいいかな、本当に」
「ううん、とりあえずね」
「とりあえず?」
「難しい、今の時点では余分に時間がかかることは置いておいてね」
 そしてだというのだ。
「他のことに取り掛かった方がいい場合があるじゃない」
「今がそうかな」
「そう思うわ」
 樹里は上城の顔を見ながら彼に話す。
「だから加藤さんのことにこだわるよりもね」
「他の人についてどうするか」
「そう、コズイレフさんとか中田さんとか」
「そうだね、中田さんはどうやらね」
 中田の話になるとだ、上城も光明を見てそうして話せた。
「何とかなりそうだね」
「そうね、あの人は本音では戦いたくないから」
「まずはあの人に戦いから降りてもらってね」
「じゃあね」
 話が進む、樹里はそれならと言った。
「銀月さん達ともお話しましょう」
「中田さんのことを」
「そう、そうしよう」
 ここは是非だ、そうしてだというのだ。
「戦いを終わらる為にも」
「そうしましょう」
 二人は明るい顔で話した、そのうえでそれぞれの丼と焼きそばを食べた。上城は焼きぞばを食べ終えてから樹里に言った。
「塩焼きぞばも美味しいね」
「そうよね、これがね」
「ほら、ちょっと前まではソース焼きそばばかりだったけれど」
「それが大阪って感じでね」
「それが一番って思ってたけれど」
 それがだというのだ、塩焼きそばも。
「いいわね」
「そうだよね、いいよね」
「最近こうした食堂でも食べられるようになってきたのね」
「あっ、このお店親父さんがチャレンジャーだから」
 カウンターの方をまた見た、するとそこに白い食堂の親父そのものの姿の親父さんがいた、上城はsの彼を見て言う。
「新しい料理は何でもね」
「出す人なのね」
「それで人気があればね」
「こうした塩焼きそばみたいになのね」
「そう、食堂のメニューに入れるんだ」
 そして食べられるというのだ。
「こうしてね」
「そうなのね」
「そうなんだ、だからこのお店は色々なメニューがあるんだ」
 塩焼きそばにしてもそうだというのだ。
「スパゲティだってイカ墨のがあるじゃない」
「ああ、あの黒いスパゲティよね」
「あれ美味しいよね」
「ええ、私も好きよ」
 樹里もイカ墨のスパゲティをよく知っている、それで言うのだった。
「あのスパゲティ美味しいわよね」
「うん、そうしたスパゲティも置いてあるし」
「他のお料理も充実してて」
「いいお店だよな」
「本当にね」
 こう話してだった、そして。
 二人でその焼きそばと丼を食べた、それが終わってからだった。上城は樹里にこう切り出したのだった。 
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