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久遠の神話

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第八十一話 バトルゲームその九

「もうやばいな」
「どの方もですね」
「もって一ヶ月か」
 それだけの時間しかないというのだ。
「お医者さんに言われたよ」
「そうですね」
「だから、その一ヶ月の間にな」
「他の剣士の方をですか」
「どうにかしないといけないんだよ」
 こう女神達に話すのだ。
「俺としてはな」
「そしてそれをです」 
 聡美は中田に言う。
「私達が」
「あんた達がか」
「はい、してみせます」
 聡美は中田の顔を見つつ答えた。
「お任せ下さい」
「わかった、じゃあな」
「一月ですね」
 聡美は中田にその期限を確認した。
「それならその間に」
「何とかしてくれるんだな」
「そうしてみせますので」 
 絶対にだというのだ。
「待っていて下さい」
「楽しみにそうさせてもらうな」
 中田は明るい顔で聡美に返した。
「そういうことでな」
「では」
 こうした話をした、そしてだった。
 中田はだ、聡美達にここでも明るい声でこう言ったのだった。
「有り難いな、誰も倒さずに願いを適えられるのならな」
「それに越したことはないですね」
「ああ、いいよ」
「そういえば貴方もる剣は」
「剣道は活人剣なんだよ」
「人を倒す為のものではないですね」
「そうさ、暴力でもないんだよ」
 それもまた違うというのだ。
「間違ってもな」
「己を鍛える為のものですね」
「出来てない奴が多いけれどな、剣道やってる奴でも」
「そういうものですか」
「剣道やってるからっていい奴、立派な奴になるんだったら世の中綺麗なものだよ」
 これは他の武道やスポーツにも言える。文化部及び仕事についてもだ。組織でもそうだと言っていいであろう。
「何かをしているだけで善人、偉人とかはな」
「ないですか」
「絶対にな」
 中田はこのことは断言した。
「ないんだよ」
「そうですか」
「あるのはな」
 それはだ、何かというと。
「個人の努力なんだよ、剣道をしても自分を磨けるかどうかは」
「ではそれは出来ていない人は」
「試合に強くて稽古がよくてもな」
 真の意味で剣道が出来ていない輩だというのだ。
「最低な奴は剣道家にもいるさ」
「以前貴方が成敗した暴力教師の様に」
「あいつ今も車椅子だってな」
「一生まともに動けないそうです、それに今まで虐待していた生徒の方々の家族の方から傷害罪で刑事告訴され」
「慰謝料取られてるか」
「経済的に破産したそうです、生活は障害者、いえ不具者になったということでお金が出ていますが」
 生きてはいける、だがだというのだ。
「仕事は懲戒免職になりそれです」
「自業自得だな、刑事告訴だと犯罪者か」
「そして慰謝料は」
「家族が払っているんだな」
「その先生の両親や親族が」
 払っているというのだ。 
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