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戦国†恋姫 外史に飛ばされし者

作者:藤吉
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第6話

 
前書き
ってなわけで第6話うpです!

竜司「大分原作とかぶってしまってるな」

まぁ、今回の作品は転生ではなく、転移ですし…結果的に原作と同じ感じですがでも!これからまたオリジナルストーリーも勿論考えていきます!が、しばらく原作沿います

竜司「生暖かく見守ってくだされば幸いです」

作者、竜司「「それでは、どうぞ!」」 

 
戦国†恋姫 外史に飛ばされし者




第6話



竜司「…………」


 どのくらい寝ていたのだろう…目が覚めたと思ったら辺りは薄暗く、明かり一つ付いていない。


竜司「……(それに…いるな…隣の部屋に…)」


 明らかに隣の部屋につながる襖の向こうから、人の気配がする。
一人、二人ならまだしも明らかにそれ以上の人数だ。


竜司「…(ひとり…いや、二人の気配はおそらく、久遠と帰蝶だろう…。でも後二人は…)」


 ある程度誰かは予想はできていたが、耳を澄ましていると、微かに声が聞こえてくる。
その声から、誰がいるのか判断はできる。


竜司「…(この声は…間違いない…。田楽狭間で久遠を助けた時に会ったあの2人だ…)」


 その二人のうち、約一名の気は、明らかに闘気を出している。
勇将、猛将でもその気は完全には隠しきることはできない。


竜司「…(修行時代、散々感じた気だ。だけど、あまり騒ぎにはしたくないが…仕方ない。念の為、備えておくか…)」


 そして竜司は、気配を殺し、相手の出方を見ることにした。
さぁ、どうくる…。



勝家「全く…。我らに何の相談も無しにそのようなことを決定されるとは…」

久遠「別に構わんだろう。壬月達が心配するような男ではないぞ?」

長秀「何を根拠にそのようなことを判断されるのです?」

久遠「うむ。瞳だ。瞳の色、そして瞳の奥に力強い医師が見て取れる。あやつもお前達並の武を持ち合わせているだろうが、何より、他の者とは全く違う強さを感じたのだ。だから我は奴を信じた」

長秀「…い、意味が分かりませんよ、久遠様」

帰蝶「家老の二人の言う通りよ久遠。私に何の相談もせず、あんな得体の知れない者を近づけるなんて!」

久遠「ふむぅ…何故貴様らに分からんのか。我は、中々骨のある男と見ているのだがな」

勝家「しかしながら、出自も分からず、ましてあの様な不明な現れ方をした者を、簡単に信用する訳にもいきますまい」

長秀「織田上総介様の家老として、私も壬月様のご意見に賛成ですわ。そりゃ、鬼を追い払ったあの力は、認めますが…」

久遠「頑迷な奴らだ。ならば貴様ら自らの目で、とくと検分すればよかろう」

勝家「そうさせて頂きましょう」

久遠「ただし、試した後、少しでも認めるところがあるのならば、今後一切の口出しを禁ずるぞ?良いな?」

勝家、長秀「「御意」」

久遠「結菜もそれで良いな?」

帰蝶「ええ。あいつが何者か分かられば、私だって無用な警戒をしなくて済むしね」

久遠「よし。…で?奴はどうしている?」

帰蝶「さっきまで眠っているみたいだったけど?」

勝家「ならば丁度良い。その寝込みを襲うとしましょう。殿が仰るほどの男ならば、難なく対処してみせるでしょう。それに、田楽狭間では曖昧でしたからな」

久遠「悪趣味な奴らめ…」


 自分の部下に呆れてみせる久遠。


勝家「よろしいですな?」

久遠「我は我が眼を信じている。好きにせぃ」

勝家「はっ。では失礼仕る」


 すると勝家は、持っていた刀を抜き放ち、突入の構えを取る。


勝家「麦穂、私が合図したら、襖を開け放ってくれ。抜き打ちをかける」

長秀「了解です。では…」


 そして長秀も襖の取手に手を掛け…


勝家「三、弐、壱…今だ!」

長秀「ふっ!!」


 一気に開け放った。


勝家「せえぇえええええええええええええい!!!!!」



 襖は開かれ、勝家が刀を振り下ろす。
しかし、そこには…


勝家「な、いないっ!?」

長秀「そんな、一体どこに……っ!?」


 そう。そこには寝ているはずの竜司の姿はなく、無人…。
いや、本当の竜司の居場所は…


竜司「動くな!!」ガチャ

勝家、長秀「「…っ!?」」


 なんと竜司は、襖のすぐ側で気配を悟られぬよう、息を潜めていた。
不意をつかれ、竜司の方を振り向く女武将二人。そこには…


竜司「やれやれ…助けられておいて、それを仇で返すつもりか?今の攻撃…完全に殺しに来てたな…」



 二丁の拳銃【ベルベルク】を二人に向ける竜司の姿があった。


長秀「!?そこです!!」


 だが、咄嗟に長秀も刀を抜き放ち、竜司に一閃を入れようとする。


竜司「あまい!」ガキン



 その攻撃を、片方の銃で防ぎ…


長秀「しまっ…!」

竜司「しばらくおとなしくしてくれ…」



 ドンッ!という音と共に、軽くお腹の辺りを平手で打つ。


長秀「きゃっ!?」



 小さく悲鳴を漏らし、尻餅を付いて倒れ込む。


長秀「痛っ…!良くも…!……あれ?」


 起き上がろうとするが、手足が思うように動かないようだ。


竜司「合気道…俺の気を打ち込み、手足を麻痺させてもらった。しばらくは動けない」

勝家「麦穂!はぁああああああああああああああ!」


 だが勝家も諦めておらず、すかさず刀を打ち込んでくる。
だが…

竜司「……」

勝家「なに!?」

 勝家の打ち込むその斬撃を竜司は、人差し指と中指の間に挟んで、それを受け止める。
そして…


竜司「あなたも…失礼する…!」


 長秀と同じように合気道を放ち、勝家を無効化させてる。
そして、その様子の一部始終を見ていた久遠が入室してきた。


久遠「はっはっはっ。やるではないか竜司」

竜司「まぁこうなることは予想の範囲内だったが…本当に闇討ちしてくるなんてな。どういうことだ?」

久遠「どうもこうも、どうせ貴様のことだ。隣室での会話を聞いておったのであろう?」

竜司「まぁ気で察知出来てたから念には念を入れて構えてはいたが、その会話を聞いて確信に至ったまでだ」

久遠「それにしても見事な目くらましよ。布団の中に枕や焼き物を入れて擬態し、自身は我らにバレぬよう気配を殺して待ち構えていたのであろう?」

勝家「ぐっ…動けぬ…!」

長秀「完全にしてやられました…申し訳ございません久遠様…」

久遠「ふむ…我ら織田家の二枚看板である、鬼柴田と米五郎左を手篭めにするとは…身のこなしも良く、機転も利く。それでいて草の様な真似事もでき、体捌きは武士の組み討ちそのもの。して…貴様にやられたこやつらは起きられるのか?一体何をしたのだ?」

竜司「あぁ、ただ俺の気を二人に送り込んで、身体を動かすための神経を一時的に麻痺させただけだ。送る気の量は抑えてあるから、もう半刻もすれば動けるようになるだろう。」

久遠「デアルカ…どうだ?壬月、麦穂、結菜!中々の武者振りではないか!我の目に狂いはなかったであろう!」



 何故か久遠が自慢げに胸を貼りながら言う。久遠自体は、俺のことは元から認めていたのであろう。


久遠「グウの音もでんか?よし!壬月、麦穂!お前達が申したとおり、此奴は貴様ら二人、いとも容易くあしらってみせたのだ。否とは申すまい?」

竜司「………」


 先程襖の向こうの会話は確かに俺にも聞こえていた。だから俺も言われたようにあしらってみせた。普通ならこれで認めるところではあろうだろう。しかし、相手は誇り高いサムライ二人。動きを封じているとは言え、力を抑えてあるのでもうじき動けるようになる。未だ、警戒するに越したことはない。


久遠「大丈夫だ。我の名にかけて約束しよう」

竜司「………わかった」


 いざとなれば、もう一度…今度は強めに気を叩きつけようかとも考えたが、ここは久遠の言を信じ、殺気を出すのをやめ、先程持っていた二丁拳銃もどこかしらへ消え去った。


竜司「すまなかったな。少々手荒な真似をした。すぐに動けるから、もう暫し我慢してくれ」

長秀「いえ…」



 そう言うと、長秀も身体の力を抜いたのであろう。今は殺気も闘気も感じなくなった。


竜司「さて、これで二回目の対峙、あなたは…いかがか?」

久遠「うむ…どうなのだ?壬月」

勝家「…田楽狭間での鬼を撃退したあの武、足さばき、それに気の使い方…そこは賞賛に値するでしょう…事実、私も手も足も出なかった。そして草の真似事も得意なようで…」

久遠「中々良い武者振りであろう?」

勝家「怪しすぎるに決まっているでしょう!」


 まぁ確かに傍から見れば十分怪しいだろう。
自慢げに問いかける久遠とは逆で、勝家は先ほどよりも警戒心を強めるばかりである。



竜司「やりすぎた…かな?」

久遠「ふむ…だが貴様も申したではないか。我が認めた者なら、あの奇襲も難なく対処できるであろうと。そして、此奴は貴様達が申した通り、簡単にあしらった。現に貴様ら二人は手も足も出なかったであろう」

竜司「まぁ…俺は勝家どのの反応は最もだと思うけどな。出生も分からず、摩訶不思議な現れ方…そして奇々怪々な能力…あげく、忍びのようだと思われようものなら、こう思うだろうな。どこかの国の間者ではないか…はたまた、久遠。君に取り入って織田家に乗り込んだ挙句、内部を怖そうとする者ではないか…現時点でその方が俺を信用に至る謂れはないだろう」

久遠「一応問うが、貴様はその間者なのか?本当にそんなことを考えているのか?」

竜司「誓っていうが、勿論俺はそんなことには興味はないし、するつもりも毛頭ない。そしてどこかの国の間者でもない」

久遠「デアルカ…」

竜司「だけど…」


 この二人はおそらく、久遠の家老…思うに、久遠が帰蝶の次に信用しているであろうことがわかる。そんな二人が警戒しない訳が無い。


竜司「さて…じゃあ丁度いいか。織田家の中心二人と帰蝶どの、そして久遠どの。役者は揃った。改めてどうするか決めるとしようか」

久遠「我に決めろというのか?」

竜司「元々久遠が帰ってきたら改めて決めると、帰蝶どのにも言われていたし、俺がここにいようにも、他の者達のこと、久遠どのの事情すらも分かっていない。そして口出しをする権利もない」

久遠「なんでも見透かしてる風な口だな」

竜司「さてね。俺は君の言っていたことを実践したまでだ」

久遠「何をだ?」

竜司「その者の目を見れば、嘘か真実か…何を考えているのかがわかるってね。俺はただそれをやってみたに過ぎんよ」

久遠「本当に食えん奴だ」

竜司「褒め言葉としてもらっておくさ。まぁ正直俺はどちらでもいい。目的は鬼の駆逐。それさえ成し遂げれば、後は野宿でもここに世話になるでもどうなっても構わない。だから後は久遠がどうしたいかは、そちらのお三方と話し合って決めてくれ」

久遠「ふむ…まぁ良いだろう。壬月、麦穂。そして結菜、貴様らの結論を言え」

勝家「即刻、追放すべきかと」

久遠「その理由は?」

勝家「試してみて、この男が更に不審に思えた故」

久遠「それはどの辺りがだ?」

勝家「初撃を躱した知恵の回り方。そして麦穂の一撃を掻い潜ってのあの身のこなし。此奴は明らかに草としての訓練を受け、しかもかなりの腕前と見ます。殿のお側に置いておくには危険すぎます。身中の毒となる可能性が高い、と判断いたしました」

久遠「デアルカ…麦穂はどうだ?」

長秀「私は…その…」



 長秀は、先程から部屋の片隅で座る俺をチラ見し久遠に向き直す。


長秀「…身のこなしから見てかなりの使い手。…となれば夫云々を抜きにして、久遠様の側仕えとして使うのならば宜しいのではないでしょうか?」

勝家「な…麦穂っ!?貴様も反対だったのではないのか!?」

長秀「無論、今は不明な点が多すぎるため、判断しかねますが、我らが殿を救っていただいたのは事実です。そう…悪い者ではないとも思いますし…それに壬月様。これほどの使い手を他国に追いやるはお家にとってご損ではありませんか?」

久遠「結菜。お前はどうだ?」

帰蝶「…正直まだ認める訳にはいかないわ。この者が何を考えているか真意が読めない。今はその気がなくても、いずれ久遠の障害になるかも知れない。母道三が美濃でやったように、この下克上の時代、不明の者をそばに置くには細心の注意を払ったほうがいい」

竜司「ふっ…はっきり言ってくれる」


 まぁ実際その通りだ。
今は戦国の世。下克上なんてものは当たり前に起きることだ。勝家、そして帰蝶はそれを避けるため、久遠を守るためにこの態度をとっている。


久遠「やけに冷静だな。貴様は…」

竜司「まぁ、俺が考えてたとおりの反応だったし、二人の言も間違っていない。現時点でその二人に認められる材料はもう持ち合わせていない…なら後はどうするか…。俺が出て行けば丸く収まる話だ。違うか?」

久遠「まぁ、貴様の言うことも最もだが。我は貴様を手放すつもりは毛頭もない。それに…壬月、結菜。先程約束したな。こやつに少しでも認められたところがあれば、口出しはさせんと」

勝家「は…」

久遠「体捌きと機転、そして気の使い方を認める発言をしたな、壬月」

勝家「は…」

久遠「ならばそれは認めたということだ。…今後、竜司に対して口を出すこと、まかり成らん」

勝家「し、しかし殿!」

久遠「くどい!約束は守れ」

勝家「は…」

久遠「結菜、お前もだ。良いな?」

帰蝶「嫌よ。…この人が信用できると判断するまで、私は疑いの眼差しを持って接するつもり。それが妻の役目だから」

久遠「貴様は…」

竜司「それで構わない」

久遠「何…?竜司…」

竜司「ようはこれからの俺の行動で信用させればいい。逆に言えば、そうすれば、今の態度は変わるわけだ。違うか?帰蝶どのよ」

帰蝶「……」

久遠「良いのか?貴様はそれで」

竜司「まぁ、これは俺自身の問題だし…もし信用するに値しなければ、帰蝶どの、そして勝家どのの言うとおり、ここを去りましょう。そしてもし、俺がほかの勢力についた場合。その時は問答無用でこの首…叩き切って頂いて結構だ」

帰蝶「そういうことなら…ねぇ、壬月」

勝家「はっ、それならば…問題はありませぬ」

久遠「わかった…。貴様が良いというのなら、我も構わん。ではこれで決まりだ。…良いな、皆の者」

勝家、長秀「「はっ!」」

久遠「家中への披露は明日行うとして…竜司、貴様も今日はゆっくりしておれ」

竜司「了解だ…だが、少し休ませてもらったおかげで、目が覚めてしまった。少し外をぶらついても構わないか?」

久遠「構わんが…もう夜だぞ?」

竜司「わかってる。まぁその辺を見て回るだけだ。すぐに戻る」


 散歩…というのは建前だ。この尾張の城下に不穏な気配を感じる。
だが、それを今、久遠たちに言えば、騒ぎになる。出来れば、一人で片付けたい。


久遠「ふむ…まぁ良いだろう。貴様の武ならば問題はあるまい。だがまぁ、気を付けていけ」

竜司「助かる」



 そういうと、静かに襖を開け、外へ出て行った。


久遠「やれやれ…落ち着かん奴だな」

勝家「よろしいのですか…殿?」

久遠「竜司のことなら、とうに決着は付いたはずだぞ」

勝家「それはそうですが…。しかしながら、奴はやはり得体が知れませぬ」

長秀「田楽狭間に突如舞い降りた、天より参りしあの御仁は…何故あの場に顕現したのでしょうか」

久遠「わからぬ。だが…」

勝家「だが…?」

久遠「奴が降りてきたおかげで我は助けられた。我とて、神や仏の類を信じはせんが、どうにも引っかかるのだ」

勝家「何かの縁があるとでも?」

久遠「縁があるのか、因となるか…しかし鬼が跋扈(ばっこ)するこの世で我らの道を切り開いた田楽狭間に顕現したということは、何かしらの意味があるのかもしれん。それにな。あの様な不明な現れ方をして、その力を我らに見せつけた竜司に霊験を感じる奴らもおろう。そのようなうつけ共に奴を取られれもしたらあやつの力を何に使われるかわかったものではないからな」

勝家「確かに…敵対勢力に渡ると、あやつはあぁ言ってはおりましたが、甚だ面倒になりますな」

久遠「そういうことだ。ああいう訳のわからん者は、手元に置いて監視か、管理…あるいは、やつの力を我らに取り込むに限る」

勝家「なるほど。それならば、いざという時、手元にあれば処分も容易いですな。…わかりました。そういうお考えなのであれば私も賛同致しましょう。麦穂の言うとおり、あれほどの使い手を他国に盗まれるのは、やはり我が国の損失でもありますからな」

長秀「しかし…あの方は一体、何者なのでしょうか?」

久遠「それは追々解ってくるだろう。結菜、奴はしばらくこの屋敷で預かる。世話をせい」

帰蝶「はいはい…全く…こうなるならもっと前に相談してくれても良かったのに。久遠はいつも唐突なんだから…」

久遠「我も忙しかった故、時間がなかったのだ。すまぬ」

帰蝶「もういいけど、次からはちゃんと私達に相談して頂戴よ」

久遠「うむ。それとな結菜。奴のことはお前自身がしっかり観察し答えを出せ。何かわかったら教えて欲しい」

帰蝶「了解。じっくり観察させてもらうわ」

久遠「頼む。それと奴が帰ってきたら、風呂を馳走してやれ。まぁすぐ帰ってくるだろうが念の為にな」

帰蝶「そっちも了解」

長秀「そう言えば、…昨今、市井では鬼による被害が多発しておりますが、あの方は、大丈夫なのでしょうか?」

久遠「市井に鬼が降りてきて、人肉を食らうっていうあれのことか…その後、どうなっておるのだ?」

勝家「目明しを使って調査しておりますが、詳しいことは分かっておりませぬ。それに使っていた目明し共が、次々と姿を消しておりまして」



 目明しというのは岡っ引きのこと。諸役人の手先になって,私的に犯罪の探査,犯罪者の逮捕を助けたもの。主に江戸時代にその風格を現す。


久遠「殺されたというのか…?」

勝家「おそらくは…そうかと」

久遠「デアルカ…麦穂」

長秀「畏まりました。数人連れて、彼の人をお迎えにあがりましょう」

勝家「ふむ…では私も付き合おうか」

長秀「あら、鬼柴田様がご同行してくださるなら、千人力でございますね」

勝家「抜かせ。お前との対戦では今の所五分ではないか」

長秀「うふふ…ならば、これからも精進しなくては。壬月様に負けぬように、ね。では殿、行ってまいります」

久遠「うむ。では我はもう休む故、竜司のことは頼む。では明朝、評定の間で会おう」

勝家、長秀「「はっ」」


 こうして、柴田勝家、丹羽長秀両名は、竜司を追うため、久遠の屋敷を後にするのであった。


帰蝶「久遠…くどいようだけど、本当にいいの?」

久遠「逆に聞こう。結菜よ、彼奴は我の命を狙う悪党だと思うか?」

帰蝶「それは…正直、そこまで危険な者とは、もう思ってないけど…私も少し話したけど、意志もはっきりしてたし…あなたみたいに…」

久遠「デアルカ。蝮の娘として、お前も様々な輩を見てきたはずだ。そのお前が危険を感じないのは、つまり」

帰蝶「安全だ…と言いたいの?」

久遠「安全かどうかはまだ判断しづらいが、危険はない。彼奴と話していて、我はそう確信した」

帰蝶「やれやれ…昔からそういうとこ、一瞬で見抜いちゃうんだから、敵わないわ」

久遠「これから彼奴とじっくり話し、接してみれば、自ずと感じ取るところもあろう。…頼むぞ、結菜」

帰蝶「はぁ…わかってるわよ…」

久遠「うむ。頼りにしているぞ、結菜」

帰蝶「頼りにされてあげましょう♪で、久遠。これからどうする?お風呂にする?ご飯にする?」

久遠「竜司が帰ってくる前に風呂にしよう。ともをせい結菜」

久遠「うん♪」



 何とも姦しい、仲の良い夫婦である。
 
 

 
後書き
ってなわけで、第6話はこんな感じ。

竜司「本当に仲のいい2人だな。とても第六天魔王とは思えない」

まぁ、こういうギャップも時には必要なんだろうね。

竜司「女武将ってだけで十分ギャップがある気がするが…」

そんなこんなで次回、竜司がまた無双します!

作者、竜司「「お楽しみに!」」


近々アンケとりまーす! 多分! 
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