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戦国†恋姫~黒衣の人間宿神~

作者:黒鐡
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一章
  評定の間×仕合

どうやら朝になったようだ。俺は起きた後、空間から蒸しタオルを出して顔を拭いてから量子変換機で昨日着てた戦闘服に着替えた。武器を確認してからポケットにしまったら勢いよく障子が開いた。久遠と帰蝶だった。

「起きろ一真。何だ、起きてるじゃないか。まだ寝てると思ったが」

「おかげでよく眠れたしな、おはよう久遠」

「おはようだ一真!」

満面の笑顔で返された挨拶は凛としていて、聞いていて心地が良い。

「で、俺は今日はどうするの?」

「今日はお城で久遠を前にして評定が開かれます。貴方様の事はその時に、家中の者にお披露目することになるでしょう」

「お前を恋人にするというお披露目だ」

「ふーん。で、帰蝶はどうして俺を貴方様って呼ぶの?会って一日も経ってないのに」

「だって貴方様は神様でもあるという事だから、それにそう言わないと失礼に値すると思いまして」

「俺の事は普通に呼んでほしい。今は人間の姿なのだから」

そう言ってもすぐには出来ないと言われた。仮にも神仏の類の者が目の前にいると、つい敬語になってしまうとか言っていた。あと昨日の事を聞いたが、久遠や帰蝶より年上だからだと言われた。

「で、そのお披露目で納得しない者がいたらどうするんだ?」

「織田の家中は武闘派が多い。納得がいかなければ腕っ筋で解決する事だから、覚悟しておけ」

言って飯を食わずに城に向かう俺と久遠。だが今小腹が空いてるので携帯食を食いながら歩いていた。

「そういえば久遠・・・・評定とは何だ?」

「評定とは、領地の施政のため、家老や侍大将達から意見や提案を聞く場だな。・・・・って何を食べているんだ?」

「もぐもぐ・・・・なるほどな。これか?これは俺の携帯食何でな、先程から腹が減ってたからな。ところで家老は分かるが侍大将とは何だ?」

「それが携帯食なのか、南蛮とは違う物だな。侍大将は立場や役職と言ったほうがいいか、大まかに言えば、足軽がいて、その足軽を数人から数十人纏めるのが足軽組頭という。その足軽組頭を数人纏めるのが侍大将で、その侍大将を纏めるのが家老や部将と言ったところか。その他には納戸役や祐筆、台所役など多くの役職があるが当家ではそんな感じだと覚えておいてくれ」

なるほどな、他に寄親寄子など出てきたがまあいいだろう。そろそろお城が見えてくるはずだ。ほお、なかなかの城だなと思った。俺と久遠は中に入った後、俺はある部屋に通された。

「しばらくここで待っておれ。時が来れば呼ぶ」

そう言って久遠は行ってしまった。その時ケータイが鳴ったので出てみると奏からだった。

『一真、そちらの状況はどう?』

「今のところ順調だ、妻の件でもめるかと思ったが案外すぐに通った。恋人=愛妾ならいいと言われたけど」

『それはよかった。あと鬼もいた?』

「ああいたさ。だが原作では、一匹のはずが十匹出てきたから少々驚きはしたが大丈夫だ。おっと誰か来るんでまたあとで連絡する」

と言って切ったケータイをポケットに入れた。そのあと足跡が聞こえたので座ってたら麦穂が来た。

「一真殿、一晩ぶりですね」

「ああ、昨日振りだな・・・・で、俺に何か用か?」

「久遠様がお呼びです。お早く」

分かったと言って麦穂について行く俺。しかし評定では恐らく反論するだろうな、確か武闘派だと聞いたし。

「ところで麦穂、家臣はどんな奴がいるんだ?」

「皆お優しい方ですよ、面倒見がよく良い子達ばかりです。ただ最初は一真殿の事を年上だと思ってない者が多いですからね・・・・あとあの姿もですが」

俺はふーんと言いながら評定の間のところに着いたけど、しばらく深呼吸してから入った。襖を開けたら一気にこちらを見たが好意的ではない目だな、あれは・・・・・そうまるで敵意を持ってるかのような。

「どうした一真。そんなところに突っ立ってないでこちらに来い」

俺は「はいはい」と言いながら久遠の隣に座った。正座ではなくあぐらだ、俺は神であり年上だしな。

「皆の者。こやつが我の恋人となる男・・・・織斑一真だ。よろしくやってほしい」

「久遠より紹介された織斑一真だ、これから久遠の恋人となることになった。よろしくな」

「ふざけるなぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!例え殿がお認めになってもボクは認めないぞ!」

「控えよ、和奏。御前であるぞ」

「でも壬月様!いきなり出てきたこんな奴が、殿の恋人とかって、どう考えても・・・・」

「その件については後にしろ」

「むーーー・・・」

「まあ確かに佐々殿の意見も分かりますよー。雛もそう思いますしー」

「佐々殿、滝川殿の意見に犬子、じゃなかった、この前田又左衛門犬子も同意見だよ!」

「犬子ちゃん、無理して言葉遣いを改めなくても良いですからね?」

「えへへ、ごめんなさーい」

「という訳で、我ら三若反対の立場って事でー」

あれが三若かあ、弱そうに見えるが俺よりかは弱いだろうな。何か三若の赤髪が、久遠がどうすれば認めると言ったら即答で赤髪より強ければ認めると。強ければと言われたので戦う事になったが、大丈夫かな。俺は手を抜く訳にはいかないが、まあ擬態の聖剣でやればいい事かな。

「ここで戦う訳にはいかないからさ、どこか広いところでやらないか?障害物がないところで」

「そうだな・・・・なら我の屋敷の庭で戦うがよい。あと他に戦いたい者は前に出よ」

と言ったら壬月と麦穂に他の三若の二人も戦う事になった。何で麦穂も戦うんだ?と思ったら俺の実力が知りたいらしい。で、屋敷の庭に向かったらもう準備がされていた。お早い準備な事だ。

「先ほど先駆けが参りましたのでご準備させていただきました」

俺はなるほどと思いながら空間から刀を取り出した。皆どこから取り出したんだろうと不思議に思っていたが・・・・。

「両者、位置につけ!」

「謝るなら今の内だぞ!」

「何で俺が謝らなきゃいけない訳だ」

「ボクに勝てる訳ないからに決まってるだろう!黒母衣衆筆頭、人呼んで織田の特攻隊長、佐々内蔵助和奏成政!」

「織斑一真」

で俺は刀を構えると佐々は、猿と呼んだ少女に槍を持ってこさせた。何か槍の先に何かついてるな、何だあれは・・・・?

「槍ねえ・・・・なあその槍は何だ?」

「ただの槍だと思うなよー!この槍は国友一貫斎の絡繰り鉄砲槍!」

国友一貫斎って確か近江国友村に住む鉄砲鍛冶。鉄の芸術家として、多くの鉄砲を作っていると言われる者か。

「おいおい鉄砲かよ。そんなのアリ?」

「へへん。ただの刀でボクとこの槍に勝てると思うなよー!」

「ふーん・・・・じゃあ俺は武器を変えよう。これだ」

俺は刀を空間に入れてある物を取り出した。そう俺専用のハリセンだ。ハリセンを見た者達は笑っていたが、まあいいか。三若にはこれで充分だろう。

「では尋常に始め!」

「一発で仕留めてやる!そりゃーーーーーっ!」

俺は左手でハリセンを持ちながら右手で拳銃を持った。撃った瞬間、和奏の弾と俺が撃った弾が同時に当たった事に皆驚きを隠せなかった。

「ってそっちも鉄砲を持っているだと!それもボクの弾と当たるなんて何て奴だ」

「へへーん、こっちだって持ってるのさ。・・・・って何してるんだ?」

和奏と言った少女は何やら作業をやっていた。

「お前何してんの?」

「ん、一発撃ったから、筒の中を掃除して、玉薬を籠めなきゃダメ何だよ。んしょんしょ・・・・」

何だそれ?つまり今がチャンスって事か。と言う事で掃除してる間に、懐に入り込んで思いっ切りハリセンで殴り叩いた。

『パシイィィィィィィィィィィィイン!!!』

「・・・・・・・・・・・・・・・・・!?」

声にならない悲鳴をあげてから和奏は気絶する。おいおい・・・・軽くやったのに気絶するとか大丈夫かこいつ。

「まあこれで一勝だな。・・・・次は誰だ次は」

「うむ。良い手際なり!あと一真、お前も鉄砲を持っているとは知らなかったが、お前が持ってるのは小さいんだな」

とか言ってたがまあいいだろう。次は誰だと思ったら紫の髪をした者が前に出てきた。

「次は君と相手かな?」

「はいはいー、和奏ちんとの立ち合いは見せていただきましたよ。その武器は紙で出来ているようですが、雛の敵ではないですね」

言ってくれるなこの嬢ちゃんは・・・・小太刀を抜いて両手で構える雛とか言った嬢ちゃん。和奏よりは隙はなさそうだが、いつも通りにすればいいか。それにハリセンはただのハリセンではないし、擬態の聖剣でしてる。相手の仕掛けを見ようと思ったら、あの嬢ちゃんから白い霧が発生する。と思ったら嬢ちゃんの姿が消えたので、何となく動くと避けた俺だった。

「ありゃー、外したかぁ・・・・」

あれはどういう仕組みだろうなと思いながらまた来たので、今度は軽くハリセンで叩いた。

『スパァァァン!!!』

「きゃんっ!あいたたたた・・・・・その武器地味に痛いよー」

「何とかなったか、・・・・それよりその技は何?」

「これは滝川家お家流、頑張って足を早く動かせば、速く動く事が出来る術!」

お家流って確か情報だと武士が使うスキルの事だったな。修行して得る者や氏の長者しか使えないものなどだったか。

「阿呆。滝川家お家流、蒼燕瞬歩、だ」

「ふふふ・・・・それでーす」

「お家流って何だ久遠?」

「それぞれの家門に伝わる秘技だとでも思っておけ」

まあそういう事にしといて頭の片隅にでも入れておくか。さてと仕切り直しだな。嬢ちゃんはまた消えたがもう気配で分かるわ。ハリセンをブーメランのように投げたら当たった嬢ちゃん。投げたハリセンは俺の手に戻る。

「きゅうぅぅぅぅぅぅぅ・・・・・」

「よっしゃ!これで二人抜き」

「ふむ・・・・姿が見えない相手に良くぞ勝てたな。・・・・どうしてわかった?」

「気配で何となくだ。それだけの事」

と俺が喋ってると次は誰だと思ったらまるで犬みたいな子が出てきた。

「じゃあ次は犬子の出番!良いですか?久遠様!」

「許す。存分にやれぃ」

「やった!へへっ、織田赤母衣衆筆頭、前田又左衛門利家、通称犬子が一真殿のお相手をいたしまーす」

さっきから黒母衣とか赤母衣とか聞くが、何だろうと思いケータイでこの世界の情報を見たらこう書いてあった。赤母衣衆は、犬子が率いる久遠近侍のエリート部隊。母衣を纏って戦場を走る事は、良い事だとか。

「織斑一真だ」

「では両者構え!始め!」

始まって早々、槍を避けてハリセンで一発したら終わってしまった。この子本当にエリート部隊の筆頭かと思うくらいだった。

「きゅうぅぅぅ~・・・」

「勝者、織斑一真!」

「これで三人抜きか。・・・・やるとは思っていたが、なかなかどうして。強いな一真」

「そりゃどうも。次からは少し本気でやらせてもらう」

と言ったらハリセンから刀になった。刀になった事で驚きはしたが、あとで教えてやるよと言っておいた。次は誰かなと思ったら麦穂だった。ほう、麦穂はさっきのよりなかなかやるなと思った。

「ふむ・・・・一見して麦穂の技量を見抜くか」

「お優しい顔して、麦穂様はお強いですもんねー。雛、一度も勝った事ないですし」

「麦穂様、ボクの仇、頼みますよー!」

「犬子のもついでによろしくですー!」

外野の応援にニコっと笑うが、すぐに真剣になる麦穂。こちらはこちらで真剣になるがわざと体のバランスを崩したら、麦穂はこちらに来てやってきた。横撃、斬撃、と来たら今度は下から上にと斬ってきたがこちらも紙一重で躱す。さてと・・・・こちらも能力を使いますか、刀で切り刻もうとしたら躱すが甘い!天閃の聖剣を発動して神速になって動いた。その結果、麦穂は俺の速さについて来れずにそのまま後ろにいき手刀で首を打った。

「勝者、織斑一真!」

俺はすぐに麦穂に行くと気絶はしていなかったから安心した。さすがに天閃の聖剣を使うと、達人であろうとこの速さにはついてこれまい。

「大丈夫ですか、麦穂」

「は、はい。大丈夫ですよ。ただ一真殿の剣捌きについて来れなかった私の負けです」

で次は壬月か・・・・壬月はまた猿と呼ばれた少女からドデカい斧を持ち出した。あんな大きな斧見た事ないが、軽く持ってみた壬月はよしっと言ったが正直よしっじゃねえとツッコミたいが・・・・。

「一応聞くがその斧は何だ?」

「貴殿に敬意を称して我が柴田家の家宝、金剛罰斧を出してやった。光栄に思え」

へえーあれが家宝ねえ。家宝って家に飾っとく奴じゃねえのと思ったのは俺だけであろうか。そして刀を構えると壬月は気を練り始めたので、折角だから壬月の一撃を受け止めてやろう。俺はそう思い擬態+破壊の能力にした。これなら受け止めるだろうが、破壊の聖剣は破壊力に特化されたもの。

「参るぞ!おおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

斧が俺に向かってきたが斧を受け止めるようにして刀で受けた。受けた瞬間、俺の足元が凹んだが今は集中だ。斧を咄嗟に刀で受け流してから天閃で素早く動き麦穂と同じく手刀で首に落とした。

「な、何と!?まさか壬月の一撃を受け止めるだけではなく勝っただと!!!」

壬月も同じく気絶はしてなかった。座り込んだが俺が手を伸ばすと掴んでくれた。

「まさかこの私が負けるとは・・・・貴殿はお強いですな。私の一撃を受け止めるのも驚きましたがあなたの実力認めましょう。他の者はどうだ?」

「私は元々認めておりますから」

「雛も異議なーし」

「ちぇー、壬月様がそう仰るなら、ボクも認めてやりますよ」

「犬子はねー、立ち合ってみて、一真様は結構優しい方だと思いますから賛成ー」

「・・・・だそうです」

「よし・・・・ならば決まりだな。結菜も良いな?」

「うん。私は最初から認めてるからね。・・・・それにあの姿を見れば誰でも納得するわよ」

あの姿と言う言葉に壬月と麦穂以外のメンツは?になっていた。久遠が頷いたので、俺は大天使化になった。金色の翼が6対12枚で服は黒から金色の衣になり髪の色は黒から金髪になり目の色は黒目から青になった。この姿になった事で、浮かんでいたけどね。少々飛んでみたりしてから地上に戻ると三若は興奮していた。壬月からの紹介されたが、この姿は神の姿だと言ったら固まってしまった。しばらくすると元の姿に戻った。 
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