迷子の果てに何を見る
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第三十七話
前書き
そこはかとなく不安でいっぱいになる。
by高畑
保険
side レイト
目的の部屋の前に到着。ターゲットが中に居る事を確認。ドアを蹴破り瞬動で懐に入り、驚いて開けている口の中に銃をねじ込む。
「じじい、いい加減にしろよ。未成年、それも10歳に満たないガキに教師をやらせるだと。聖職者として舐めてんのか。いや、舐めてるんだろ」
「ひょっ。ひょつんひゃ」
「断る。オレの教師としての誇りを傷つけたんだ。覚悟は出来てるんだろ」
「ちょっと、レイトさん。ちょっとだけ待ってください」
慌ててタカミチが部屋の中に飛び込んでくる。
「ひゃかはひゃふん」
「言い訳位は聞いてあげましょうよ」
「いいだろう」
銃を口の中からは抜くが照準は額に合わせたままだ。
「とっとと喋れ。今のオレはかなり機嫌が悪いからな。戯れ言に付き合う暇はない。出来るだけ簡潔に答えろ」
「......上からの命令じゃ。これは魔法関係に当たる為、君にどうこう言う権利は無い」
「ならこちらは保護者に説明して是非を取らせてもらう。それが生徒達を預かる教師としての責任だ。これを止めるというのならオレも持てる力全てを使ってでも麻帆良を潰す」
「……良いじゃろう。最高責任者である儂が事情を話す」
「オレも参加させてもらうぞ」
「保護者への説明には儂と新田先生で行なう。君には他の教師に説明を行なってもらう」
「あくまでオレを関わらせたくないのか」
「どうとでも取ればよい。これは決定事項じゃ」
「ならタカミチをこっちに寄越せ。タカミチにも先生への説明を行なってもらう」
「良かろう。そう言う訳で高畑君、そちらは任せる」
「分かりました」
用件が済んだのならとっとと出て行けと目で言ってきたのでそのままタカミチと出て行き学園長室から少し離れた所でポケットに入れてあったボイスレコーダーを止める。
「これで保険が一つ出来た」
「ええっ!今の演技だったんですか」
「いや、大真面目。あのまま茄子をトマトに変えても良いと思ってたからな」
「それはさすがに」
「良いじゃないか、どうせ後半年の人生なんだから。オコジョにされるよりはましだろ」
「僕は生きていたいですけどね。レイトさんはどうです」
「オレ、変化系の魔法が全く効かねえんだよ。というよりオレの家族全員効かないな、純粋な人間じゃないから。待てよ、ということはあの茄子もオコジョ化しないんじゃあ」
「学園長はれっきとした人間ですよ?」
やはり疑問系になるか。あの頭が問題か。実は半妖だったとか言われても信じちまうな。
そんな事実は無いんだけどな。たぶん先祖に仙人かなんかが居て先祖帰りでああなったんだと思う。最悪突然変異かな。
「まあ、それは置いておいて。あの茄子はネギが送られてくるのは上からの命令だから、という言質が取れた。こっちはそれが嘘である事を知っているがな。これでネギを庇い続ければ確実に終身オコジョ刑だ」
「まだ甘く見ているのが学園長らしいです」
「さて、とりあえず一般の先生方に事情の説明に行くぞ。ネギはとりあえず教育実習生としてオレの下に着ける。1週間は授業には出さずに指導する様にして放課後は授業以外の業務教え込む。こんな感じだな。魔法先生には一般の教師として接する事を厳守させろ。少なくとも問題が無いと判断するまで内密にする様に」
「分かりました」
「後、これを渡しておく」
錠剤の入った小ビンをタカミチに渡す。
「なんです?これ」
「胃薬だ。アリスがそれ位は覚悟しておいた方が良いと渡してきた」
「不安満載ですね」
「新田先生にも何れ渡さねばならないだろうな」
乾いた笑みを浮かべながらタカミチと共に職員室に戻り教師達を招集し説明を行ないました。古株の魔法先生以外は怒り心頭でしたが
学園長が上からの(ジジイ同士で)
命令で仕方なく(のりのりで)
受け入れると説明すると一応の騒ぎは収束した。新田先生には学園長と話し合ってもらう際に受け入れる時に条件を付けてもらう事にしました。
1、オレの部下にする。
2、1週間は授業を行わせず、どのような授業を行なっているか覚えてもらう。
3、子供だからと言って色眼鏡で見ず、一人の教師と接する様にしてもらう。
4、住居は職員寮だが生活は周りの先生方が補助する。
5、4は主にオレが行なう。
6、上記が認められないのなら国に訴える用意がある。
これを記してあるオレ特製の強制証文を新田先生に渡します。
これに目の前でサインする様に学園長に促してもらいます。その際オレがこれを用意した事を秘密にしてもらっておきます。ついでに思考操作等されない様に新田先生のスーツにすぐバレる細工を施し、ポケットの中に思考操作の身代わりになる効力を持つペンダントを放り込んでおきます。これで問題は無いはず。
「どうしたものカ」
「くそ、まさかこんなにも悩む羽目になるとは、麻帆良祭仕様がこんなにも大変になるとは思ってなかったな」
「まったくヨ。当初の予定なら全く問題なかタのに、世界の修正力とは恐ろしいネ」
「とりあえずガンバスターのホーミングレーザー、バスタービーム、バスターホームランを武装解除光線を元にするだろ。バスターミサイルをトリモチ弾頭を使用、コレダーとスーパー稲妻キックはタカミチとかある程度強い魔法先生以外には使用しないでおこう」
「グレンラガンは使えそうにないから輸出してシマウか」
「そうだな、ゲッターシリーズも使いにくいから輸出しよう。マジンガーシリーズもZとボロット以外輸出しちまえ」
「じゃあボロットはネタで使うとして残り4体どうするネ」
「何が残ってたっけ?」
「鬼神の代わりを行なえて完成してるのが、天のゼオライマー、グレートゼオライマー、ラーゼフォン、グランゾン、ダイゼンガー、アウゼンシュタイザー、SRX、グルンガスト零式、ジェネシックガオガイガー、キングジェイダー、アクエリオン、ダイガード、それ位ネ」
「どれも強力なのばかりだな。やっぱりゲッター1はこちらに残そう、あれならゲッターマシンガンにスパイラルゲッタービーム、ゲッタービームが使える。残りはラーゼフォンとSRX、サイコガンダムでも作るか。田中さんの代わりに使うドロイドとATの量産状態は」
「バトルドロイドとスコープドックの方は予定量に達しているね。あとシスターズとブラザーズが参加したいと」
「すぐに専用装備を量産に取りかかるぞ」
「ちょっ、早すぎるヨ。しかも基本は一緒でも全部装備とかデザインまで違うとか前々から用意してたネ」
「当たり前だ。最初に設計した時からプロトタイプは出来ていたからな。あとは一緒にいる内に思考パターンや性格が分かるたびに修正していたからな。おかげで原形をとどめていないが。せめてデザインだけはグループごとに統一したんだぞ……エヴァが」
「二人揃って親バカネ」
「否定はしない。弟子にもかなり甘いからな」
「ああ、アリスさんか。修行用で自由に使える資材が置いてある倉庫を漁っていたらアーティファクトを作るのに必要な金属の在庫が大量に死蔵されていたとか言ってたネ…………80万ドラクマも使うとは、ほんとに甘々ネ」
「死蔵してたのは本当だ。いつか使えるかもとオレの個人的な倉庫に保管してた奴だけどな」
「やっぱり甘いネ」
「うるせえ、それよりサイコの方は任せるぞ。これが終わったらリョウメンスクナの代わりに使う召還獣の開発を行なわないといけないんだから」
「忙しそうネ」
「休日しかこっちに戻って来れそうにないからな。理論提唱、設計はオレしか出来ないからな。超と葉加瀬、エヴァの負担が増える事になる。麻帆良祭の方は全部任せるぞ。エヴァには召還獣とイレギュラーの対策をたててもらう事になるからな」
「問題ないネ。元々は私と葉加瀬だけでやる予定だったが理論と設計図がある分楽ヨ」
「そう言って貰えると助かる。とか喋ってる間に見本品の完成だ」
「だから早すぎるヨ」
なんてことはない。オレのアーティファクト『理解を現に』の力を使っただけだ。理解している物ならどんな物でも作り出せるアーティファクト。これは普通の人が手に入れたとしても無意味な物だっただろう。例えば普通の鉄で作った剣を生み出そうとする。この場合、基本となる鉄はどんな物であるかを全て理解していなければいけない。密度、硬度、原子量、原子半径、共有結合半径、電子配列、電子殻、酸化数、結晶構造、融点、沸点、モル体積、気化熱、融解熱、蒸気圧、音の伝わる速さ、クラーク数、電気陰性度、比熱容量、導電率、熱伝導率、第1~4イオン化エネルギー、安定同位体、更には性質までを完全に理解している上で初めて生み出す事が出来る。それが少しでも違えば鉄によく似た何かになる。逆に言えば、わざと数値を変更すればそういう物質を生み出す事が出来るという事だ。先に紹介されたロボット群に必要な超合金ZとかアイスセカンドとかGストーンだとかも、それっぽい物を使って作られてたりする。そして、生み出される物はオレの思い描いたイメージ通りになる。この二つの法則を利用して材料の数値を並列処理で精製、あとはイメージするだけという段階で今度はそれらを混ぜ合わせて作りたいものをイメージすると完成。意外と完成品をイメージするのが難しい。余計な事を考えると一からやり直しが必要になるからな。
「材料の方は倉庫の方に用意しておくから、オレはエヴァと召還獣の開発をしてくるから」
「任されたネ」
さ〜て、どんな召還獣を作ろうかな。リョウメンスクナの代わりだからベースにするのは鬼神に決定だろ、戦闘力はリョウメンスクナ以上にして、あとはどんな風にしよう。
side out
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