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久遠の神話

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第六十九話 二人の参加者その十

「銀月さんがどうした方はわかっていましたから」
「私がですか」
「はい、貴女という方が」
 聡美自身がだというのだ。
「ですから」
「私をそのまま信じてくれたのですね」
「そうです、それに自分が女神だなんて」 
 このことについても言うのだった、聡美が長い間隠していた彼女がアルテミスであるということについてもである。
「言えないですよね」
「突拍子もないお話ですから」
 樹里も言う、上城と同じく聡美を信じている彼女も。
「言えないですよね」
「そんなお話いきなり言われても信じられないです」
「その方が信じられないです」
 これが二人の聡美への言葉だ。
「ですから」
「とても」
「そうですか」
「はい、誰にも言えないことってありますし」
「そのことも考えますと」
 それもまた当然だというのだ、二人はそのことを理解して心で受け入れているのだ。
 そしてだ、その話をしてからだった。
 二人は聡美にだ、あらためて言った。
「じゃあ水樹さん達ともですね」
「これからは」
「よく話されて下さい」
 そうしてくれというのだ、聡美からも。
「かなり大きな力になりますので」
「戦いを止める、ですね」
「その為の」
「はい、なります」
 だからだというのだ。
「私達もこれからは一人でないので」
「三人ですね、女神は」
「これからは」
「戦いは私一人では終わらせられませんでした」
 これまではそうだった、だがだというのだ。
「三人になりましたので」
「その三人で、ですね」
「これからは」
「はい、戦いを今度こそ終わらせます」
 こう話してそしてだった、二人は智子と豊香も信じることになった。その次の日にだった。
 二人で豊香のところに向かった。そこで言うのだった。
「あの、これからは」
「私達も貴女を」
「はい、御願いします」
 豊香は微笑みで二人のその言葉を受けた。
「私達の目的は同じですから」
「だからですね」
「互いに信じて」
「信じることからはじまります」
 豊香はその澄んだ、春の風の如き微笑みと共に言った。
「今からですね」
「戦いを終わらせることが」
「はじまりますね」
「そうなります、では宜しく御願いします」
 三人で手を取り合った、それが今の彼等の握手だった。戦いを止め終わらせる為に今新しい力が加わった。


第六十九話   完


                               2013・5・21 
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