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迷子の果てに何を見る

作者:ユキアン
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第二十五話

 
前書き
家族が増えるってのは良いことだ。
今度はオレに似た子だと良いな。
byレイト 

 
第25話 思い



side レイト

刹那を引き取ってから2年が過ぎた。
とりあえず羽の出し入れの仕方を教え込んだくらいで後は何も教えたりはしていない。できればあまり羽は出さない様にと言ってはある。それでも衰えさせたくはないので週に一度飛ぶ訓練だけはさせている。傷をいやしたりある程度のリハビリが済んでからこのかと会わせてみたがすぐに仲良くなった。今ではリーネとこのかの三人でいつも一緒に行動している。

「お父様〜」

「どうしたリーネ」

飛びついて来たリーネを抱きとめて頭を撫でてやる。

「えへへ〜、あのね今日は川の方に遊びに行ってくるね」

「刹那とこのかはどうしたんだ」

「先に門の所に行ってる」

「そうか、気をつけるんだぞ。何か有ったら念話で知らせるんだぞ」

「は〜い」

離してやるとすぐに走り出して

「いってきま〜す」

「おう、いってらっしゃい」

それを見送ってからキティの私室に向かう。

「キティ、調子はどうだ」

「ふふ、問題ない。おそらく予定日は変わらんだろう」

「ならあと一週間か。名前を考えなくてはな」

そう、今キティは第2子を妊娠中であと一週間でオレたちにまた新しい家族が増える。

「今度は男の子らしいからな。お前に似ていると良いな」

「そうだな」

「それより最近は転生者は現れていないのか」

「ああ、おそらく介入時期を見計らって増えるとは思うがたぶんあの子達が巻き込まれる」

「そうか」

キティが心苦しそうな表情を浮かべる。
リーネが産まれる位から転生者は現れだした。
それも大概が子供の姿でだ。たぶん自分が介入したい時期から逆算で年齢と時代をあわせているのだろう。そして、全員が子供でありながらも莫大な魔力と気を保有し、見た事も無い魔法やアーティファクトを使用して来た。正直油断していた。あれほどまでの力が有れば確かに好き勝手に暴れる事が出来るだろう。既に300人程狩ったおかげで対処法も判明したので問題ではなく魔法もある程度は偏っているのが判明した。もちろん解析には時間が掛かったがある程度は使用できる様にはなった。転生者が投影と呼んでいる魔法なら解析は既に済んでおり実用化も出来ている。あれは中々使い勝手の良い魔法ではあるが欠点もあるので自分なりに改良を施してある。個人的に好きなのは仮面ライダーだ。この世界にもある特撮番組のヒーローなのだがカッコイイと思う。よく現れるのがディケイドと呼ばれるライダーだがこいつは他のライダーに変身する能力があるらしい。たまにディエンドとか言うのも現れるがこいつは他のライダーを召還する力があるらしくかなり厄介だ。なぜなら呼び出されるライダーは実戦経験を積んでいるからだ。これが一番大きい。転生者は基本実戦経験が乏しい。そりゃあ、世界に居ても居なくても問題ない人間なので一般人の中でも特に普通、どちらかというとアニメ等が好きな人間、最近オタクと呼ばれている奴らばかりだ。まあ、この世界自体が漫画の世界らしいから仕方ないのだろう。しかし、原作知識が無いのが結構辛い。こちらは常に後手に回らなければならない為、現れ次第現地に向かい速攻で殺さなければならない。下手に時間をおくと経験を積まれかねないからだ。やはり知識を奪う方向でなんとかしなくては。

『それには及ばん』

急に今までとは全く異質な念話が届く。

『誰だ』

『お前と契約せし者だ』

それで正体が判明した。念話の相手は上位神だ。

『どういうことだ』

『お前にある程度の行動の指針と仲間を与える』

『指針はともかく仲間?』

『そうだ、その者の魂は転生者として選ばれたのだがそれを拒否した。しかし無理矢理その世界へと送られてしまう。それも物語の主軸として。その者はほんの一握りの幸せを手にしていたにも関わらず』

『この大人達の欲望にまみれた世界に飛ばされるか。どんな幸せだったんだ』

『家族がいて、友がいて、そして好意を寄せる者がいる。そんな小さな幸せだ』

『分かった。その子と確実にあえる指針をくれ』

『その者をどうするつもりだ』

『何、以前と同じ様にその小さな幸せを与えてやるだけだ』

『やはりお前にこの世界を任せて良かったと思う』

『その子に伝えといてもらえるか、絶望の中にも光があるって』

『伝えておこう』

「どうした、急に黙りおって」

「上位神から新しい仕事の追加が入っただけだ」

上位神と話した事を全部話す。

「まあ、それ位なら別に構わんな。対価も申し分ない」

「そうだ(助けて)っ!?」

リーネから念話が届く。キティにも届いているのか表情が険しくなる。

(どうした)

(このかが川に落ちて刹那から羽が出てそれで、いや、だめ、だめえええええぇぇぇぇ)

「レイト」

「分かってる」

リーネが急にパニックを起こしたという事はたぶん二人の姿が見えなくなってしまったのだろう。
オレは急いで影のゲートを使いリーネの元に飛ぶ。
そこで見たものは凍り付いた川とパニックを起こしているリーネだった。



side out







side リーネ

ある日私に妹が出来た。
名前はせつな。
髪が白くて眼があかくてとてもかわいい子でした。
お父様とお母様が言うには両親が死んだあとにいじめられていたそうです。それも村全体で。
そんな所にいる位ならと自分たちの家族にしてあげたいと思ったそうです。私もそれに賛成です。
少しの間は怪我を治すのに時間が掛かると言っていましたがそれが終わると私はすぐにせつなをこのかの所に連れて行きます。

「りっちゃん、りっちゃんその子だれなん?」

「私の妹のせつな」

「じゃあ、せっちゃんやな。うちはこのか。このちゃんって呼んで」

「......うん、えっとこのちゃん」

このかがもの凄く嬉しそうな顔をしてせつなに抱きつきます。
私はこのちゃんと呼ぶ事を断固拒否していますからそのせいでしょう。
次の日から私たちはいつも一緒に遊んでいます。今日は川に遊びに来ています。
そして私は失敗をしてしまいました。
このかが川に落ちたのです。慌ててお父様に念話を繋ごうとしましたが、

「このちゃん、いま助けるから」

せつながこのかを助けようと走り出します。

「せつな、あなたおよげ」

そこまでしか言えませんでした。
せつなの背中から天使の様な羽が生えていたのだから。
そしてせつなが空を飛んでこのかを捕まえていた。
しかし思っていた以上に水をすった服が重かったのだろう。せつなも一緒に溺れてしまう。

(助けて)

夢中でお父様に念話を繋ぐ

(どうした)

すぐにお父様が答えてくれたので状況を説明していく。

(このかが川に落ちて刹那から羽が出てそれで、)

そこで二人が沈んでしまうのを見てしまった。

(いや、だめ、だめえええええぇぇぇぇ)

我武者らに願った。二人を助けたいと。
次の瞬間には川が凍っていた。これで二人が溺れる事はなくなった。けど、今度は自分が二人を殺してしまったのではないのかと。
いつの間にかお父様がすぐ傍に居て凍った川に近づいて行く。
お父様が近づくと川がすぐに溶け出しお父様はすぐに二人を助け出して来てくれた。
そのまま私たちは家に連れ帰られお風呂に入れられ部屋に帰されました。
私は布団をかぶり先程の光景を思い返す。
もしかしたら二人を殺してしまうかも知れなかった。



魔法が怖い






side out








side レイト

オレは今詠春と向かい合っている。
理由は簡単。子供達をこれからどうするかだ。

「まさかこんな事になるなんて」

「すまん、まさかこんな事になるとはオレも思ってもみなかった」

「いえ、あなたは新しくお生まれになる子の心配もあるでしょうから」

「それでも方法はいくらでもあったさ」

実際式神を付かせるとか、そんな事しなくても巫女の誰か一人に着いて行く様に言う位しておけば良かったと思う。最近、強硬派を駆逐し終わったので気が抜けていたと思う。ちなみに現在は穏健派と融和派の人数比は2:8となっている。最近は東からの親書がよく届くが、内容は簡単に言えば一方的に今までの事は忘れて仲良くしようという風なものでトップ同士が身内でなければ侮辱されているとしか思えない。そのせいでキティと木乃葉が苛立っている。このままでは強硬派とまでは言わなくても過激な方法を取りそうでビクビクしている。
詠春も最近は融和は寄りになっているので何かあと一つでも何かがあると全面戦争になりそうで怖い。
正直に言っておこう。やれば必ず勝てる。向こう側で腕が立つと言われているのが学園長である近衛近衛門と最近タカミチが向こうに教師としているらしい。それに対してこちら側はオレにキティ、詠春に木乃葉(キティと一緒に色々な事をやっているのが最近発覚。下手をすれば詠春を倒せそう)更にはオレが鍛えた神鳴流の刀子、鶴子、素子も中々強くなり戦力に事欠かない。向こうが数ならこっちは質で対抗する。(木乃香にはまだ魔法を教えていないため5年前からチャチャゼロは封印されている)個人的繋がりから完全なる世界の生き残りに声をかけたら手伝ってもくれそうだが。そうそう報告が遅れたが実は完全なる世界とは和解が済んでたりもする。魔力枯渇現象についてはオレがアーティファクトを使い大量の魔力と精霊を新たに生み出し魔法世界にあいている穴も修復した事からとりあえずの停戦という事になっているが、帝国及びアリアドネーとの仲は良好だ。(MM内ではクルトやリガード議員等の戦争の裏を知っている人物達との仲は良好だ)現在は戦争孤児を助けたり魔法世界の立て直しをはかっている。
話がそれたので元に戻そう。

「とりあえず状況整理から始めるがいいか」

「そうですね。このかがどれ位の事を知ってしまったのが気になりますし」

「本人達には明日聞く事にしよう。とりあえずリーネの念話によれば川で遊んでたらこのかが川に落ちたらしい。慌てた刹那が羽を出して空から助けようとしたらしいんだが、重かったんだろうな。一緒に川に落ちてしまって完全に沈んでしまった。そしてパニックを起こしたリーネから魔力が暴走して放出。その際にたぶん二人を助けたいと思ってたんだろうな。結果川を氷結させてしまった。あとやっぱりオレの血を引いてるんだろうな、二人の周りだけ凍らずに水は水素と酸素に分離してたよ」

「それはまた器用な事を」

「そうだな、まあ大量の水を飲んで気を失っていた二人をオレが助けて終了」

「......教えるしか無いでしょうね」

「分かった。オレは子供達の所に行ってくる」

「私も木乃葉にこの事を伝えて来ます」

まず始めに刹那の所に向かう。

「刹那、今良いか」

「はい、父上」

落ち込んでいる声が聞こえてくる。
部屋に入ると明らかに落ち込んでいますと分かる様な、というより今にも自殺しそうで怖い。

「刹那、このかを助けられなくて悔しいか」

こういう時はストレートに聞く方がいいだろう。

「うち、助けれへんかった。このちゃんにも姉上にも羽見られたのに」

ぼろぼろと大粒の涙がこぼれだす。
そんな刹那を抱きしめてゆっくりと頭を撫でてやる。
ちょっとずつ嗚咽が混じりそれが大きくなっていく。
オレは何も言わずに泣き止むまで頭を撫で続けてやる。




しばらくすると泣きつかれたのか小さな寝息を立てているので布団を敷き寝かせてやる。
そしてメモを残しておく。

『このかをまもりたいならあとでおいで』

次にリーネの元に向かう。
すると部屋の前にキティが困った顔をして立っていた。

「どうしたんだ」

「さっきから呼んではいるのだが何も答えてくれなくてな」

「ちゃんと魔法の事を教える前に魔法の怖さを知ってしまったのだからそれも仕方ないのかも知れない」

「それもそうだが、あの事も話した方が良いのだろうか」

「......刹那の事もある。話した方が良いだろう」

「そうだな。だが、今日位はゆっくりさせてやって欲しい。色々整理をつけたいだろうから」

「分かっているさ。だが二人の状態ははなしておくぞ。リーネ、聞こえているな」



side out










side リーネ

さっきからお母様が何かを言っているみたいだけど今はそっとしておいて欲しい。

「リーネ、聞こえているな」

今度はお父様の声が聞こえて来た。

「刹那達だが」

嫌だ、聞きたくない。

「二人とも怪我もしてないし水を飲み過ぎた位で身体の方は大丈夫だ」

身体の方はってどういうことなんだろう。

「だが刹那は木乃香を助けれなかった事に罪を感じているみたいだ」

そんな事を考えているの。

「それにリーネと木乃香に羽を見られた事に怯えている」

羽が生えた位で何を怯える必要があるって言うの。

「刹那はな。あの羽のせいで化け物扱いされてきたんだ」

えっ?

「普通は黒いのに刹那の羽は白かった。それだけで化け物扱いだ、だから見られたくなかった。それでも木乃香を助ける為に羽を見せた」

そんなことだけ刹那は虐められてきたの。

「そして、リーネ。お前の事だが、なぜお前にアレだけの力があるのかを話していなかったな」

そういえば魔法の事は聞いていたけど、どれだけ力があるか聞いた事が無かった。

「お前にも黙っていた事なんだが......お前は吸血鬼なんだ」

いま、なんて。

「エヴァは吸血鬼で、その子供であるお前も吸血鬼として産まれてきている」

うそだ、吸血鬼だったら日の光も浴びれないし血も吸わないといけないのに。

「それも普通の吸血鬼とは違って弱点らしい弱点が無い真祖と呼ばれる不老不死の吸血鬼だ」

そんな、けど私は成長している。

「成長しているのはそういう魔法を使っているからなんだ」

じゃあ、その魔法が無かったら。

「黙っていたのは悪いと思う。本当はもう少し大きくなってから話そうとは思っていたんだが今回の事で早めるしか無くなってしまった」

お父様の声が頭に入ってこない。嘘だと言って欲しいけど本当の事だと思ってしまう。

「......落ち着いたら、顔を見せてくれ。ただ一人では抱え込まないで欲しい」

そう言ってお父様が離れて行くのが分かる。
私はどうすれば良いんだろう。


side out





side レイト


あれから数日経つが二人とも部屋から出てこない。食事は部屋まで持って行っているし、トイレや風呂等のためには部屋を出て入るが顔をあわそうとしない。仕方の無い事だがそれでも寂しいものがある。木乃香に関しては詠春達が色々とこちらの事を教えているようだ。裏の事はまだ教えていないがそれでいいだろう。木乃香はしきりに二人に会いたがっているがいつも残念そうに帰って行く。詠春達も心配してくれているがこればかりは待つしかない。
更に数日後、キティの陣痛が始まった。オレは二人をこれに立ち会わせる事に決める。
オレと二人はキティの部屋の前で待機している。中から聞こえてくるキティの苦しそうな声に二人とも不安がっている。

「お父様、お母様はなぜ苦しそうなのですか」

「普通に出産は痛くて苦しいものだがそれ以上に魔法使いであるという事も原因だ」

「どうしてですか」

「魔法使いの赤ちゃんは産まれてくる時に持っている魔力を全て解放するんだ。つまり産まれてくる赤ちゃんの魔力に耐えないといけないんだ」

「私の時にも?」

「リーネの時はもっと酷かった。それでも耐えてお前を産んだんだ」

あの時はオレもこの世界の魔法使いが産まれてくる時に魔力を放出するなんて知らなかったおかげでキティはかなり苦しんでいた。途中でそれに気がつき魔力を出来るだけキティに向かない様にする事で痛みを緩和させる事に成功した。木乃香が産まれてくる時も同様だし、今もそうだ。

「どうして、耐えれるの」

「オレはお母さんとは違うから分からない。でも一つだけ言えるのは赤ちゃんは望まれて産まれてくるからだろう。だから痛みにも耐えれるし、守ってもやれる」

「お父様達は化け物でも守るって言うんですか」

化け物という言葉に刹那が反応する。
烏族の里での事を思い出しているのだろう。

「あっ、違うのよ。せつなの事を言ったんじゃないのよ。私が......吸血鬼だから」

「えっ、姉上が......吸血鬼?」

「お父様が話してくれたの、お母様が吸血鬼で私も吸血鬼なんだって」

リーネは今にも泣きそうに震えながらもしっかりと刹那に説明する。説明しながらそれを受け入れようと妹である刹那を傷つける位なら自分が傷つこうと。

「だから」

「姉上は化け物なんかじゃない」

刹那が叫んだ。

「姉上はいつもウチやこのちゃんに優しくしてくれてる。母上だってそうや、それやのに化け物なんて言わんといて」

「せつな、でも私は」

「それやったらウチやってそうや」

そう言って羽を出す。今まではオレとキティの前でしか頑に出そうともしなかったのにも関わらず。

「見ての通りや、ウチやって烏族とのハーフで、羽が白いから、鎖でつながれて、痛い事されて」

刹那は自らのトラウマを抉りながらリーネが化け物でない事を訴える。
オレの娘達はこんなにも強くて他人を思いやる事が出来る。この娘達の為ならオレは誰でも敵に回せるな。オレはもう一度自分の守るべきものを再確認しながら二人を抱きしめる。

「お前達はオレとキティの娘で、オレたちは家族だ。他の奴らがなんと言おうとお前達は化け物なんかじゃない」

「お父様」
「父上」

「それにオレも普通じゃない」

一度二人を離し魔力を集める。

「我が身に宿りし大いなる意思よ。我が身を喰らいその身を示せ」

シンの身体に変わった姿を二人に見せる。

「どうだ、オレは化け物か?」

「「ちがう」」

「だったらそれでいいんだよ。化け物とは理性を持ちながらに誰かを己の欲望の為に蹂躙するものだ。リーネや刹那は誰かを襲うつもりは無いだろう。なら化け物なんかじゃない」

元の姿に戻り微笑んでやる。

「木乃香だってそういうさ。二人ともアレからあってないんだろ」

「「うん」」

「木乃香がどんな子かはオレよりも知っているはずだ。木乃香が二人を嫌うと思うか」

「「そんなことない」」

「なら、弟が産まれたら木乃香も来るだろうからその時に色々話してみたらどうだ」

「「分かった」」

「じゃあ、弟が産まれるまでゆっくり待とう」

それから数時間の間三人で産まれてくるのを待っていた。待ちながらこれからのことを説明する。といっても常識的な事だけだ。魔法は秘匿されるべきものであって無闇矢鱈と使ってはならないとか、もし見られてしまったら秘匿してもらえる様にお願いするとか、それが拒否されたら上の人に報告して対応してもらうとか、酷すぎるばれ方をしたらオコジョにされるとか、今更必要ないかも知れないが魔法の怖さ、社会に出た時に必要とされているホウレンソウについて等々を分かりやすい様に丁寧に説明してやる。これが理解できないやつは普通はいない。いたとしたら魔法使いを辞める事をお勧めする。
大体の事を説明し終わると

「おぎゃあああああ、おぎゃああああ」

リーネと刹那は一目散に部屋に飛び込んで行く。
それに続いてオレも部屋に入って行く。
二人は新しい家族の元に行き顔を見ている。
オレはキティの元に行く。

「お疲れさま」

「なれるものではないな」

「オレは男だからよく分からんがあいつもそんな事言ってたな」

「それは前の妻の事か」

「ああ、死んでから1800年も経つからもうほとんど顔も覚えてないがたまにふと思い出す」

「......何人居たんだ」

「7人だな。今も生きてるのは1人だけだが」

「なら8人以上だ」

「人数と愛の大きさは別だろ。回数だけなら既に越してるよ」

「むう」

「拗ねるな。今オレが一番愛してるのはお前だよ」

「今はそれで許してやる」

「お父様、この子の名前決めていますか」

「決まってるぞ。この子の名前は、零樹。天流・M・零樹だ」



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