ハイスクールD×D ~銀白の剣士~
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第7話
前書き
本日2回目の更新です。
もし前話を見ていない方はそちらからご覧ください。
Side 渚
公開授業も無事(?)に終わり、自宅でうちの両親とリアス先輩のお父さんがお酒を飲み交わしている。
「あら! アーシアちゃん、よく映ってるわ」
テレビに映し出されているのは授業を受けているアーシアさん。
「ハハハハハ! やはり娘の晴れ姿を見るのは親の務めです!」
日本酒を飲みながら、笑っているのはリアス先輩のお父さんだ。ダンディだった面影はとうにない。
現在わが家のリビングではお互いに撮影した授業参観の観賞会が行われている。撮影された僕たちは隅に集まって早く終わらないかと念じている。
「これは・・・・・・かつてないほどの地獄だわ・・・・・・」
「同感ですね」
真っ赤になって震えているリアス先輩の意見に同意する。先ほどは俺の映像も映し出され、“あなたと合体したい”で有名なあの曲を熱唱しているシーンが映し出された。とんだ羞恥プレイである。
「見てください! うちのリーアたんが先生にさされて答えるのです!」
サーゼクスさん、やめてあげて! リアス先輩のライフポイント(精神の)はもうゼロよ! ああっ! 顔を両手で覆ってしまったぞ。
「耐えられないわ! お兄様のおたんこなす!」
駆け出すリアス先輩。おたんこなすなど久しく聞かない罵声をサーゼクスさんに浴びせながらリビングから飛び出した。原因のサーゼクスさんはグレイフィアさんにハリセンで叩かれている。どこからそのハリセンを取り出したんだろう?
「リアス先輩!」
念のために僕は追いかけることにした。まあ、これ以上ここにいるのはつらいというのもあったが。
Side out
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Side リアス
リビングから駆け出して、ナギの部屋の前に座る。恥ずかしかったけど私の父とイッセーとナギの両親が仲良くなることは悪いことではない。それはわかっているが、お兄様のあの行動は恥ずかしすぎた。
しばらくすると、私を追いかけてきたのかナギがやってくる。
「僕の部屋、入りますか?」
頬を膨らませて、「私、不機嫌です」と全力で主張している私にナギが話しかけてくる。私は無言でうなずいた。
ナギが扉を開けて部屋に入ると私は一直線にベッドに飛び込み、うつ伏せになって黙ってしまう。ナギはどうやら勉強机の椅子に座ったらしい。ベッドに座ってくれてもよかったのにという想いが湧いてくる。
「うちの両親とリアス先輩のお父さん仲良くなってましたね」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
私は返事をせずに無言で返した。
「ちょっと盛り上がりすぎでしたけど、僕はよかったと思ってますよ」
「・・・・・・・・・わかっているわ。私も父とナギのお父様が楽しそうに話しているのはうれしいのよ」
わかってる。でも、あんなに恥ずかしいのは耐えられなかった。
「ねぇ、ナギ」
「なんですか?」
「ナギは私と出会えて幸せ?」
私はナギに質問する。
「私はナギと出会えて幸せよ。もうあなた抜きでの生活は無理ね。光栄に思いなさい。私の心中はあなたで結構占められているのよ?」
そう続けると、ナギはこう答えた。
「そんな風に考えてもらえているなんて光栄ですね。僕も幸せですよ。リアス先輩と出会えてよかったです。なんていうか今の生活は充実してますからね」
私は顔を上げる。ナギは優しく微笑んでいた。ライザー戦の最後で見せたあの微笑み。愛しさが湧き上がってくる。私は思い切って聞いてみることにした。
「ねぇ、ナギは今好きな人っているの?」
「どうしたんですか、突然? サーゼクスさんにも訊かれましたけど、特に好きな人はいませんよ。そもそもこの女顔のせいであまり考えたことないです」
「そう・・・・・・」
少しも動揺することなくナギはそう言った。嘘ではないようね。
「・・・・・・ただ、兄さんが悪魔になってからは女の子と関わることが増えてきているので少しずつ考えていこうと思います。一生独身でいたいわけではないんで」
最後の方は苦笑いを浮かべていた。
「リアス先輩はどうなんですか? 旦那さんを迎え入れないといけないんですよね?」
「ええ、そうね。でも、あなたがそんなことを口にするなんて少しショックだわ」
ナギは頭に?を浮かべている。私の気持ちには気づいていないみたい。この分じゃあ、朱乃やゼノヴィアの好意にも気づいていないみたいね。でも、これからは違うみたいだから、もっと積極的にアピールしていくべきかしら?
「私は自分の婿は自分で育てることにしたの。どうせなら自分の理想は自分で育成するわ。その方が早いのよ。ね、ナギ」
「はあ・・・・・・そうなんですか」
いまいちわかってなさそうね。確かにナギは人間だけど、コカビエルを倒したことを考えれば、爵位をもらえる功績の足掛かりになるはず。ナギがさっきお兄様のことを『サーゼクスさん』と呼んでいたし、お兄様にも気に入られているようだし親の仲もいいからから、爵位さえもらって悪魔になれば、私との結婚はできるはずだわ。
私はベッドから起き上がりナギに近づく。私の言った意味を考えているナギは、気づいている様子はない。私はその隙にナギの唇を奪った。
「んんっ!!」
ナギは目を見開いて私を見る。首に腕をまわして、ナギの唇を舐める。ナギは驚きのあまり固まっているようだ。私はそのまま舌を入れようとしたところで、扉が薄く開いていることに気づいた。
『い、イッセーさん、すごいもの見ちゃいましたね』
『ああ、あの渚と部長がキスしているなんて・・・・・ここは兄として応援するべきか!?いや、でも羨まし――痛い! アーシア、なんで抓るの?』
『・・・・・・なんでもです』
イッセーにアーシアったら・・・・・・ムードが台無しだわ。ナギにも二人の声が聞こえたようで私の腕を振りほどいて距離を取っている。そのまま、扉に近づいて開け放った。
『あ・・・・・・』
イッセーとアーシア唖然とした表情でナギを見ている。
「人の部屋をのぞき見するなんて・・・・・・これはO☆HA☆NA☆SHIかな?」
二人そろって震えはじめる。しかし、そんな二人に救世主が現れた。
「それは少し待ってもらえないかな?」
お兄様だ。お兄様がグレイフィアを伴って歩いてきた。あの悪夢の観賞会は終わったのかしら?
「改めて話があるから、ちょっと抜けてきたんだ。リアス、昼間の話の続きだ」
ギャスパーのことね。他の三人は何のことだろうと首をかしげている。
「もう一人の『僧侶』の話をしよう」
そうして、ギャスパーについての話し合いが行われた。
この後、二人の悲鳴が響き渡った。O☆HA☆NA☆SHIしているときのナギの顔が赤かったのは恥ずかしかったからでしょうね。ちなみに、イッセーとナギの両親たちはいつものことだと気にもしなかったらしいわ。
Side out
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