願いを叶える者(旧リリカルなのは 願いを叶えし者)
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クロノ&ユーノvs仮面の男×2
ユーノは目を閉じて感覚を研ぎ澄ましていた
結界内における侵入者の索敵、認識外の魔力反応を探す
その横ではクロノが何時でも、という体勢で周囲を警戒していた
「…………! きた!」
二人の前方から近づく二つの魔力反応………程よい高さのビルの上に止まり
何らかの作業を始めた。
「ーーユーノ…」
「分かってる」
二人は背後に回るようにして接近を開始する
その距離は500mほど離れた空中
「プランは二つだ。殲滅と捕縛……どうする?」
クロノは変わった。ユウジに落とされ、自分の過ちに気づき、所属している組織が悪だと知り
あまつさえそれを知らせた彼は何もないかのように手を差し伸べた。
以前なら捕縛一答だったクロノだが今回は違った様で……
「まぁ殲滅してから捕縛で良いな。答えは聞かない聞き付けない」
何やらユウジに似てきた様子であった………
「なら聞くなよ……」
そんなクロノに呆れるユーノはユウジに言われた事を思い出す
『お前の信念を貫け………悩むなとは言わないが自分の感情を押し殺すのだけはやめろ』
昨日作戦を聞いた際のことだ。
僕は正直怖かった……無限書庫へ行ってふと目に止まった資料………
闇の書、夜天の書についてのことを知り、《完成したら暴走》《数々の被害が出た》
と言った事を知った
その上での今回の作戦は失敗したら死ぬと言う恐怖があった。
しかし僕を除く人は皆了承していた
意味がわからない…どうしてそんなに軽く参加出来るのか。
無謀だと思った
けどいち早く僕の表情に気がつき、誰もいない場所で話せるように連れ出したのはユウジだった。
………僕の襟首を掴んで………
「ちょっ………ぐぇ!」
「よし!ここなら誰もいないだろう」
「げほ!ごほ!…………いきなり何すんのさ!?」
「おおぅ、元気だな!さっきは『ヤバイヨ!死んだらどうしよう~~』何て顔してた奴とは思えんくらいだ」
「そ、それは………」
「さて、そんなお前さんに名言を教えてやろう。」
「名……言?」
「とある闘技場で借金を返すため日々戦い続けた者がいた。
ソイツには妹がおり、いつか自由を……と言う名目で自身を鍛え勝ち続けた。
ある時ソイツは聞かれたんだ…『どうしてお前はそんなに強いんだ』とな。
ソイツはこう答えた。
『僕が強いのは、負けるわけにはいかないからだ』ってな」
「負けるわけにはいかないから……」
「そ。だがある時邪魔が入った。
返済対象である男が返済を邪魔立てするよう仕組んだんだ。
その闘技場で一番二番とされている奴等と2対1で戦うようにな」
「そ、その人はどうなったの!?」
「逃げることもできた。だが逃げずに戦うことを選んだ。」
「どうして、逃げれば助かるのに……」
「そう、逃げれば助かる。
だがそこで逃げたら長い時間息を潜めて暮らさなくてはならない
だからそれは本当の自由にはならないのさ」
「自由………」
彼が何を言いたいかがわかる気がする。
だけど今の状況に当てはめてみても死が回避できる訳じゃない
「その人はどうなったの?」
「助けられたんだ。強さの理由を聞かれたやつにな。」
「そうなんだ…」
「さて、名言を教えたところでお前さんの悩みがなくなる訳じゃない。
死が怖い。これは誰にだって有ることさ 。
なら、どうして皆は恐怖して無かったか…」
「それは闇の書の怖さを知らないからだよ!」
「違うな。
それについてはクロノからの伝達が行き届いているはずだ」
「じゃあ何で…」
「簡単だ。守るべき対象がいるからだよ」
「守るべき…対象?」
「人には何かしらの思いがある。
その行動が良いか悪いかは別としてな?
ある奴は友達、家族を守るため。
ある奴は平和のため。
ある奴は戦いを楽しむため。
まぁ色々有るわけだ。」
「そんなの……」
「守れるか守れないかじゃない……守るんだ」
「っ!」
「人はいずれにせよその時に行った行動によって自分に帰ってくる。
守る、戦う、平和……最終的には自分に帰ってくるのさ。
それぞれの結果としてな?」
「結果……じゃあ君は?何のために戦うの?」
分からない。死ぬかもしれない場所へいく。
死すらも恐れないその感情、いったい何故?
「言ったろ?自分のためだ。
結果として帰ってくる。それは最終的に自分の無意識なんだよ。
守れたからこれからも生きていける。
平和が守れた。良かった。
強いやつと戦えた。これでまた強くなれた…てな具合にな」
「それでも!死んだら全部お仕舞いじゃないか!」
「さっきの話しの奴は死ななかった…何故だか分かるか?」
「…助けられたからでしょ」
「そう、助けられたんだよ」
「そんなのは結果論だ!」
「なら結果を生きていると言う物に変えてしまえばいい 。」
「無茶苦茶だ…」
「助けられた…それはつまり、助けて貰えるほどの絆が有ったから。
お前にはないのか?短い間でも魔法を教えたブランコ少女とかには。」
「あ……」
「さっきも言った。
行動するものには願いや思いがある。
そう言った物を信念と言う……
お前にはあるか?信念が。」
そうだったんだ……僕には責任がある。
なのはを巻き込んでしまった責任が。
なら僕は…僕のやるべきことは………
「…………………準備を始めるよ」
僕は立ち上がり急いで部屋を出た。
そしてすぐに念話が来た。
『信念を貫け…悩むなとは言わないが自分の感情を押し殺すのだけはやめろ』
……………ホント、すごい人だよ君は
「もちろん、開幕ブッパだよ!本気になった僕の力見せてやるさ!」
ユーノの目に曇りはない。
信念を貫くための思いはユーノの心を強くさせ、自信をつけた。
「OKだ。拘束は任せるぞユーノ!」
「殲滅、頼んだよクロノ!」
二人は何らかの作業を行う二人に向かいタッグを組む。
そしてー
「これが無限書庫で見つけた僕の最強の鎖!捕まえろ!《神首縛りの鎖》!」
仮面の男二人の足元から細い鎖が無数に出現し縛り上げる。
それは身体全体の重要箇所を貫通して更に巻き付いた。
「ぐうぅ!?」
「何だこの細い鎖は!?」
神首縛りの鎖は対象の動力となる間接などを貫き、巻き付いて拘束する。
暴れたり無理やりはずそうとすると激痛が走るという優れものである。
これは術者の任意なので壊すことはまず不可能である。
例外はあるが……
案の定無理やりはずそうとして激痛を浴びた二人。
変身魔法を使っていた二人は強制的に解かれたことにより、猫人の姿へと戻ってしまった。
「やっぱり君たちだったか…彼に聞いたように管理局疑って調べた甲斐があったよ」
「クロスケ…」
「捕まっちゃったよ…」
ガックリ項垂れるが鎖はまだ解かれていないため、動いた拍子に激痛が走る。
「あぐぅ!?」
「クロスケ…これ…といて」
「うん、それ無理」
「グレアム提督も見ているはずだからね…君達が犯した愚行を認識してもらわないと…な」
「そうだね、早く終わらして皆の援護に向かわないと」
二人は淡々と話を進める。
『やはり気づいt「さあ、使い魔二人終了のお知らせだ」あ、ちょ「僕の新技を見せてやるさ!」えー……』
グレアムから通信が入り横やりを入れてきたが無視を貫き通して準備開始。
使い魔二人は真っ青になり、未だ鎖を固定しているユーノにすがるように目で助けを求めるが…
「安らかに眠ってね」
バッサリと切り捨てられ…
「むしろ永眠でも構わないぞ」
と追い討ちをかけられ…
通信画面ではグレアムが「え?あの、ちょっと?」とあたふたしている。
「うん、実にカオスだ…」
「意外と簡単にこの状況を作り出せたね」
二人はニヤニヤと黒い笑いを浮かべている。
「…かつて僕に向かって放たれた一撃………あれが当たっていたのなら僕はこの世には居なかった。
だからこそ!僕は立ち上がり、この技を産み出した!
受けてみろバカ二人!これが僕の!《スティンガー・エクセキューション》!」
クロノが杖を掲げた瞬間、頭上に巨大なスフィアが形成され、淡い青い光を放っていた。
「「……………」」
使い魔二人は無言。
ガタガタ震え、涙を流しまくっている。
きっとこの二人にはクロノの後ろに般若が見えていることだろう
「ジャッジメント・レイ!」
球体から何百の光線が放たれ爆炎、爆風、爆発のオンパレードとなって使い魔二人を襲った。
「ねえ、クロノ?今のが全力?」
鎖をといたユーノが額の汗を拭いながら聞いた
「確かに全力だが……まだまだ行ける……改良の余地アリだな」
果てしなく物騒である。
そんな攻撃を射たれた二人は………
(゜ロ゜)(*_*)
死んで…いや、気絶していた。
「さて、あれはアースラに転送しておいて僕たちは行こう」
「了解だ。じゃ、転送」
こうして転送された使い魔二人。
通信画面でグレアムが唖然としている中、涼しい顔で飛び去っていくクロノとユーノ。
飛び去ったあとには無数のクレーターが出来ていたとさ
え?環境破壊?いやいや、結果いといたら元通りだよ♪
やっぱりご都合主義って大事だよな☆
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