勇者指令ダグオンA's
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第三十話 宇宙忍者の珍道中
ある平和な海鳴の町に・・・
「力君!!」
その平和をぶち壊すようなはやての怒鳴り声が・・・
第三十話 宇宙忍者の珍道中
海鳴の町のど真ん中
「うひゃああああああああああ!!」
「こるらあああああ!力君!ウチに黙って学校サボるとはええ度胸や!!」
うっかり寝坊してしまい学校をサボってしまった力を『仕事サボって』追い掛け回すはやて。
大通りで止まっていたバスに大急ぎで乗り込む力。
「早く出して!」
力の様子に運転手さんはバスをさっさと出すがはやては・・・
「とおりゃあ!」
飛び乗った・・・バスに・・・
「えへへ♪力君み~っけ」
超スマイルのはやて
しかし
「もう逃がさへんで!」
思いっきり怒るはやてに連れ出されてしまった力ちゃん。
この後力ちゃんがどういうお仕置きを受けたかは・・・ご想像にお任せするとして・・・
ダグベースにて
「はぁ・・・」
今回サボってしまった仕事をダグベースでやっているはやて。
すると影の守護者世界につながっているモニター通信の先に居たミツキが呟いた。
『あら~大変ねェ~』
「んな事言うなら手伝ってぇなミツキさん」
ミツキと会話しながらはやてがぼやくとミツキはある事を条件に手伝うと言った。
それは
『ボルト貸して』
「は?」
ミツキの話によると最近、時空犯罪組織のロストロギアの取引があるらしいのだが、影の守護者はやてが陸士部隊と問答を起こしたらしく、機動六課単独でロストロギアの確保をしなければいけないのだが、訓練中であったりなのは達が別任務で忙しいという事でユウとアルトだけでやる事になってしまったらしい。
その為応援という形でボルトに助っ人を頼みたいらしいが・・・
「何でボルト?」
『ほら?ボルトってスポーツカーだし忍者だし~今回の任務にピッタリだし~チームアルフェリスだったら良識あるし~お礼弾むわよ♪』
という訳でボルトに交渉しに行くはやて。
『ちょっと待て!何で俺が!?』
ビークルモードでヘッドランプをピカピカ光らせて抗議するボルトにはやては・・・
「まぁ~ええやないか!困った時はお互い様や~」
『大体・・・管理局の問題なら俺達が出たら不味いんじゃないか?』
「その点なら問題ないわ!」
そう力達を含め八神組の勇者ロボは質量兵器に当り、管理局的には所有自体が本来ご法度であるのだが・・・
全員はやてとの個人的な付き合いで行動を共にしている為
八神組はあくまでも
『はやて個人の私物』
として認識され管理局は干渉しないという事になっていた。
餞別としてもらったのは格納場所であるダグベースと最低限の維持費だけであり全ての責任ははやてが負う事になっている。
その為、管理局に所属している者は除き管理局の仕事の手伝いについてはボランティアでやっている力達である。
『俺達ってそういう扱いだったのかよ・・・ていうか修理代とかどっから請求してんだよ!』
「ああ・・・それはノルウェールさんに予算回してもらってるんや」
『ええ!つべこべ』
「つべこべ言うな行きゃええんや行きゃ!!」
こうしてつべこべ言ったボルトは今回単独で影の守護者世界へと派遣されるのであった。
『はぁ・・・全くウチのご主人は人使い荒いぜ』
「ウチの姉貴だってそうだぜ」
影の守護者世界・機動六課ガレージに派遣されたボルト。
なお自分の世界と違って色々とあるのかビークルモードのみでいる。
『まぁ・・・俺も腹をくくるか!んじゃ行こうぜ!』
「あいよ~」
「よろしくお願いします!」
各々の挨拶を済ませると運転席にユウが助手席にアルトが座り現場へと向かうのであるが、ハイウェイに差し掛かるとユウがある事を思った。
「なぁ・・・思ったんだけどさ」
『何よ?』
「お前だと目立つんじゃないか?」
ユウの言うとおりボルトは外見的にはスポーツカーであり逆に目立つのでは?という指摘に対しボルトは・・・
『心配ご無用?俺忍者よ?』
「どういう事?」
『・・・俺は消えることが出来る』
するとボルトが忍法を展開するとそのボディが透け始めると中に乗っているユウ達もろとも周りの風景に溶け込んでしまった。
「わあ!凄い!」
『えっへん!』
「いや・・・お前がやっても可愛くない」
単純にボルトの忍法に驚くアルトだが、胸を張るボルトにツッコミを入れるユウ。
そしてアルトも自身の事を思った。
「ねぇ・・・何で私なの?そりゃ・・・暇だけど・・・整備の仕事だってあるし」
『あぁ・・・お前とユウが一緒だとカップルのドライブって事で誤魔化しが効くからじゃないの?』
「なるほど」
アルトも納得するとそんなこんなで現場の廃工場へと辿り着いた。
だが目の前には大きな壁が・・・
「うわぁ・・・とってつけたようなおっきな壁」
「どうするの?」
『ジョブよ』
ボルトのボンネットが開くとドデカイ鉤縄付のワイヤーが現れ壁の一番上に引っ掛けると垂直に壁を登って乗り越えてしまった。
「わぁ~便利~」
「お前チェンジした方が早いんじゃないか?」
『ほっとけ』
そう言って透明のままロストロギアの取引現場へと向かうのだが・・・
「あぁ・・・あれだね」
廃工場内のロストロギアの取引現場正にその時であるのだが・・・
「どうすんの?」
『んじゃ行きましょ・・・正面から』
「え?ロストロギア下さいって言うの?無理だよぉ・・・」
アルトが提案を聞くのだがボルトの話を聞くとその提案を却下するが・・・
「いや・・・そのアイディア意外にいいかもしんないぜ?」
「また・・・手間省くつもりでしょ」
ユウが同意するがアルトはユウの性格を呼んで追求する。
そんなこんなでユウがボルトから降りると両手を上げて取引現場に向かって叫んだ。
「お~い!何してんの~?」
ユウの姿を見た時空犯罪者たちはデバイスを構えるとユウに向かって放ち始めた。
それはもう目の前のロストロギアの事を視野に入れずに・・・
ユウがわざとらしく慌てて魔法を避けると・・・
背後からボルトが回り込むとカーブしながら助手席のドアを開きアルトが身体を乗り出してすり抜け様にロストロギアを回収した。
思わぬ事に驚いた時空犯罪者たちはボルトに向かって魔法を放つが片輪走行して避けると今度は運転席を開けるとユウを回収し現場から離れようとするがロストロギアを奪取するべく車に乗り込み追いかけ始めた。
ハイウェイに乗り上げボルトが急加速すると時空犯罪者が追跡しデバイスを放った。
ボルトが魔法を避けながら走行するとユウに言った。
『ユウ!運転代われ!』
「は!?」
行き成りバトンタッチされたユウがボルトのハンドルを握る。
するとボンネットがウィーンと開いた。
『ユウ!スピンだ!』
「あいよ~」
ユウがボルトをスピンさせ時空犯罪者の車を正面に捕えるとボンネットから自身の武器である手裏剣・スラッシュリッパーが発射された。
手裏剣なのでインパクトがあったのかパニックを起こしたのかタイヤに直撃されパンクさせると再び順路に戻しスピードを上げた。
「すげぇ・・・流石宇宙のエネルギー生命体・・・物凄い車だぜ」
人格ありとはいえ勇者ロボを運転しているユウとしてはスペックに驚くものがあるようだが・・・
わらわらと出てくる時空犯罪者の車。
「どうしよう~減らないよ~」
『んじゃ~陸士部隊に応援頼めば~』
「だからウチの部隊長が問題起こしたから無理なの!」
『んじゃ~協力するように仕向ければいいんだよ~』
ボルトの言葉にユウが嫌な予感がするとボルトの忍法で眠らされてしまった。
「ちょっと!ボルト!ユウ眠らせてどうすんの!?運転は!」
『あのね・・・・これ俺の身体よ?』
再び運転がボルトに代わるとある場所へ向けて発進した。
先程の奇襲により頭に血が上ったのか追いかけている方々はその場所のことなど毛頭考えていなかった。
時空管理局・陸士部隊本部
「ずず~」
陸士部隊の偉い人であるゲンヤ・ナカジマさんが窓際の席で暢気にお茶を啜っている。
その姿は正に平穏だが・・・
「ぶ!」
物凄い轟音と共にボルトが現れ窓を開けると気絶しているユウの顔を出すボルト。
「ユウ?」
ゲンヤが窓を開けるとボルトが・・・
『ハ~イオカマのおじちゃん♪元気してる~外行かないの~?かっこいいお兄さんいるよ~』
そう言って去って行ってしまったボルト。
陸士部隊本部からボルトが出ると先程の時空犯罪者が再び追いかけるのだが・・・
更に陸士部隊から次々と発進される陸士部隊の車両の数々。
「絶対に逃がすな!ユウの奴捻り潰してやる!!」
ユウに言われたと勘違いしているゲンヤが怒りながら部隊に指令を送る。
一方管理局の敷地内を逃げ回るボルトの中では・・・
「ねぇ・・・良いのこれ・・・」
『大丈夫よ~』
アルトに飄々と言って忍法でユウを起こすボルト。
「ん?あれ?俺は一体?」
「ユウ・・・知らぬが仏だよ・・・」
ユウの事を心配するアルト。
すると陸士部隊が時空犯罪者の車を包囲し始めたではないか。
時空犯罪者を面倒臭い手続きなしで協力要請に施行し一網打尽にすることに成功したユウ達。
『いえい!作戦通り』
「嘘つくんじゃねえ!どう見ても行き当たりばったりじゃねえか!」
ボルトのハンドル握りながらユウが叫ぶと後は陸士部隊に任せることにして機動六課へと還って行くのであった。
数々の問題ごとを巻き起こしながら・・・
ダグベースにてミツキと通信しているはやて。
『まぁ・・・数々のもめ事を巻き起こしてくれちゃって・・・』
ハイウェイで手裏剣使ったりして諸々の後始末に追われて少々頭に筋が浮かび上がっているミツキさん。
ユウがどういう運命で終わったかは不明であるのだが・・・
「ま!まぁええやん!事件は解決したことやし」
「その後にいろいろと問題起こされてもね・・・」
ロストロギアの確保は完了したのだが・・・問題ごとを残していくのも八神組であるらしい。
この後影の守護者はやてが各所に謝りまくって過労を起こしたらしい。
後書き
はやて
「そういえば力君って闇の書事件の時何やってたの?」
力
「あぁ・・・あの時は俺グレてたからなぁ」
はやて
「そういえばリインフォースがなのはちゃん達を追いかける時妙に時間が掛かったような」
次回!勇者指令ダグオンA’s 闇の書事件
力
「あの時は身体張ったな・・・」
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