聖闘士星矢Ω 虎座の聖闘士
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第十二話 先鋒戦!岩鉄対カンナギ
決勝前夜ヤブ病院では・・・
「ガツガツガツ!!」
「バクバクバク!!」
「・・・・・」
御飯茶碗片手に物凄い勢いでかき込んでいる大河と岩鉄。
それに加えて上品に食べているシグ。
すると
「「おかわり!!」」
「はいはい・・・疾風・・・炊けた?」
「はい!」
茶碗指しだす大河と岩鉄に呆れている澪が懸命に食事を作っている疾風に経過を聞く。
すると
その横では空っぽになった鍋や炊飯釜に使用済み調理器具の数々・・・
「・・・急だったからお米はこれだけしか・・・ああ・・良いです!また買ってくれば」
大急ぎでお米を買いに行く疾風。
大河の食欲について影道総帥から聞いた疾風は合流する前に大量の食糧を用意していたのだが、同じく黄金の日本Jr.の血統である岩鉄の事まで考慮していなかったようで食事を作るスピードが追いついていないようだった。
「貴様ら・・・もっと上品に出来んのか?」
ボリボリと沢庵食べながらシグがつっこむが、シグの食べている量も大河達と変わっていない。
この事に頭を抱える澪は・・・
「はぁ・・・食費が3倍になった・・・」
だがこの食欲があれば明日は多少は戦えると確信もしていた。
第十二話 先鋒戦!岩鉄対カンナギ
翌日・スタジアム
先日の激闘を一目見ようと観客たちが詰めかけていた。その数はゆうに一万人を超えている。
観客たちはまだかまだかとザワザワしているとレフェリーがリング中央に現れ開催を宣言した。
「会場の皆様・・・お待たせしました・・・これより決勝戦!黄金のJr.対カグツチ4人衆を開催します!」
レフェリーの宣言と共に観客たちは熱狂し立ち上がる者の現れた。
「カグツチ!4人衆!」
コーナーへ向けて5人の闇闘士・カグツチ4人衆が入場してくる。
その様子は余裕がありまるで格下と戦うという雰囲気であった。
そして反対コーナーへは黄金のJr.達の姿が・・・
「・・・・・」
五人で誓いの旗を掲げながら自分たちのコーナーへ向かう大河達。
その様子は昨日までのダメージなど感じさせない物だった。
『なお!この試合は勝ち抜き戦を採用します!』
レフェリーの宣言するルールに疾風は安堵した。
「良かった・・・大将を欠いている私達にはこのルール良かった」
「けど・・・何かしかけてるかもしれないけどね」
澪のいう事ももっともだった。
誓いの旗を澪に預ける大河達は自分たちの中の小宇宙、そして闘志をたぎらせ闇闘士に向けた。
一方カグツチサイドでは・・・
「良いか・・・カイザーナックルを我らの物にする・・・その為の試合よ」
「わかってます・・・カグツチ様・・・私一人で捻り潰してくれます」
その言葉に大柄の男・カンナギは拳を握り締めた。
対戦順は・・・
黄金のJr.
先鋒 香取岩鉄
次鋒 竜崎疾風
中堅 シグ
副将 高嶺大河
カグツチ4人衆
先鋒 カンナギ
次鋒 ヨルナミ
中堅 マリシ
副将 カグツチ
大将 ニニギ
「頼むぜ!鉄!」
「任せろ!俺が勝って勢い付けてやる!」
大河に後押しされリングに上がる岩鉄。あまりの元気の良さに昨日のダメージは言えたと思う黄金のJr.・
リング中央で海龍の鱗衣を纏った岩鉄と闇闘士の武具・闇聖衣を纏ったカンナギの姿が・・・
「ほぉ・・・このチビが・・・踏み潰してやるぜ」
「ぶっ殺すぞ・・・てめぇ」
リング中央で睨みあう岩鉄とカンナギ。だが小柄な岩鉄に対し身長や体重はカンナギの方がはるかに上をいっていた。
例えるならバンタム級とヘビー級くらいの差がある。
「鉄・・・大丈夫か?」
リングサイドから岩鉄の心配をする大河だが岩鉄は笑って答えた。
「へ!大丈夫だぜ!石松叔父さんだって自分よりでっけぇ奴と戦ってきたんだ!俺だって負けてられねえ!」
拳をバシンと合わせるとタイミング良くゴングが響き渡った。
「うおおおおおお!!」
腕をぶんぶん回しながら一気にカンナギに向かって走る岩鉄。
舐めてかかっていたカンナギは面を食らうと岩鉄の拳がさく裂した。
あまりの拳圧に吹き飛ばされるカンナギ。
「く!」
「おら!どうした!」
最初の一撃を浴びせた事で勢いをつけた岩鉄は右左と拳を放ちカンナギの身体にダメージを負わせていく。
カンナギが踏み止まり下を向いた瞬間、チャンスと感じ取った岩鉄は渾身の拳を繰り出す。
だが
凄まじい鈍い音が響き渡ると岩鉄の顔面にカンナギの拳がさく裂していた。
しかもただの拳ではない、ナックルパートに特殊な装甲が装着されている拳だった。
「調子に乗るなよ・・・チビが!」
「ぶへ!!」
勢い止められてしまった岩鉄にカンナギの拳が次々と炸裂していくと血が飛び散った。
「!?鉄!」
大河が叫ぶと岩鉄はカンナギの拳を浴びて吹き飛ばされてしまった。
リングサイドで見守っている大河達も怒りをあらわにしていた。
「きったねえ!」
「それだけじゃないかも・・・」
澪の指摘に振り返る大河。
「あいつ・・・まだ骨完全に治ってなかったんじゃ・・・ぶり返した」
「なに!?」
澪の言うとおりだった。
岩鉄は先程の一撃で骨折をぶり返してしまったのだ。胸を抑えながらも立ち上がる岩鉄はファイティングポーズをとるが、カンナギの一撃で吹き飛ばされてしまう。
「がは!」
リングロープに身体がぶつかり倒れてしまった岩鉄。
「おい!鉄!」
大河がリングに上がろうとした瞬間シグに止められてしまった。
「シム?」
「放っておけ・・・私達は友でもなければ仲間でもないはずだ・・・下手な介抱など無用」
「お前!」
大河がシグに向かって怒りをぶつけようとすると、殴られ続け頭から大量に出血している岩鉄が立ち上がりファイティングポーズを取った。
「へ・・・へへ・・・ちっと寝ちまったみてぇだな」
岩鉄が立ち上がった事に安堵する大河だが、カンナギはあざ笑うように見た。
「ふん!そのまま寝てればよかったのによ・・・このナックルは闇聖衣と同じ硬度で作られている・・・貴様の鱗衣など砕いてくれる!」
カンナギの拳が岩鉄に炸裂するが咄嗟のガードが威力を弱める。
だが鱗衣の手甲にひびが入っている。
「どうよ?え?」
勝ち誇るカンナギに岩鉄は答えた。
「へ・・・んなもんに頼らねえと戦えねぇ奴がほざいてんじゃねぇよ・・・」
「なに!?」
「見せてやるよ・・・男の拳って奴をよぉ!」
岩鉄の身体中から放たれる威圧感、その様子にカンナギは止めを刺すべく拳を繰り出すが・・・
カンナギの拳は空を切った。
居るはずの岩鉄の姿が何処にもなくなっていた。
会場中の観客が岩鉄の姿を探すが何処にもない。
カンナギが上空に気配を感じ取ると凄まじい跳躍をしている岩鉄の姿が・・・
その体制は
「ハリケーン!ボルトォォォッ!!」
空中から一直線に放たれる岩鉄の拳だがカンナギの身体スレスレを通り過ぎてしまいヒットせず地面に当ってしまった。
だが轟音と共にリングに巨大なクレーターが生まれた。
その事に腰を抜かしてしまったカンナギ。
「あ・・・ああ!」
「くそ・・・上手く当たってくんねえな」
周囲の空気が重くなる中、立ち上がり何故かカンナギの居ない方向に向かって構える腫れあがった顔の岩鉄に澪が気付いた。
「まさか・・・あいつ・・・前が見えてないんじゃ!」
「何!?」
その事に驚愕する大河。カンナギの拳を受け続けた岩鉄の顔は出血と打撲で視界を遮られてしまった状態になっていたのだ。
「へ・・・へへ!そういう事か当たらなければ怖いものなしだ!!」
カンナギが背中を向けている岩鉄に殴りかかろうとしたその時だった。
「後ろだ!!」
誰かの声に反応した岩鉄は振り返り拳を繰り出すとカンナギの繰り出した拳にヒットしナックルごと砕いた。
「ぐあああああ!!」
あまりの破壊力に拳を抑えるカンナギ。
すると声の先にはシグの姿が・・・
「シグ・・・おめぇ」
「ボヤボヤするな!そのまま前に飛んで決めろ!」
「ああ!」
シグに指示された方向へ跳躍する岩鉄。だがカンナギも無事な拳を繰り出した。
「終わっていない!貴様ぁあああ!」
「とっくに・・・終わってんだよ!!」
カンナギの繰り出した拳をすり抜け放たれるフィニッシュブロー!
その名は!
「ハリケーン!ボルトォォォッ!!」
渾身のハリケーンボルトがさく裂し地面に身体ごと減り込むカンナギが凄まじいクレーターを生み出した。
この事がその破壊力を物語った。
「が・・・あ・・・ああ・・」
カンナギはダメージで闇の小宇宙を維持し切れずそのまま消滅してしまうとズタボロの岩鉄が構えた。
「はぁ・・・はぁ・・・おら!次はどうした!?かかってきやがれ!」
威勢は良いが明らかに限界以上のダメージを帯びている岩鉄。
既に膝がガクついているがそれでも戦う意志を表す。
すると
「?」
何かが自分の身体を纏った事に混乱する岩鉄。
すると一瞬でリングから降ろされてしまった。
その先には・・・
「・・・次は私の番です」
鋼鉄聖衣を纏いながら次鋒戦の準備をする疾風。
それを見た岩鉄は安心したのか自分の身体を包んでいた誓いの旗のせいもあり眠ってしまった。
瞳を閉じ小宇宙をたぎらせる疾風。
後書き
次鋒戦!リングへと上がった疾風だが、どうも動きが鈍い!何とポイズンミストの後遺症がまだ残っていた!今こそ繰り出せ!起死回生の影道の拳!
聖闘士星矢Ω 虎座の聖闘士 次鋒戦!疾風対ヨルナミ
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