異世界からチートな常識人が来るそうですよ(タイトル詐欺)
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第二十一話 最新刊出ましたね。それはいいのですが矛盾が起きて色々変更す
前書き
るはめになったのは悲しいのですが、とても面白かったです。プラスでネタも増えたので有り難いですね。ぶっちゃけ原作もタイムパラドックス起こしてるし、少し位違っても。変えられるだけ修正します。
PS 書き終わってるのに三週間パソコンに触れないってどう思います?
ではどうぞ。
"アンダーウッド"貴賓室。
「同志の窮地を救っていただき、感謝します。―――そして此度の案件、白夜叉はどうのようにおっしゃられましたか?」
「はい、この件、"龍角を持つ鷲獅子"連盟の五桁昇格及び、"階層支配者"への任命を白夜叉様は提案されました」
「"階層支配者"にですか………」
「階層支配者不在はあまり良くありません。なので、迅速に決定してください」
「承知しました。おって議会から連絡いたします」
サラは女性店員の言葉に頷いて返す。あの後、何事も無く"アンダーウッド"へたどり着いて直ぐに会合が始まった。証は流石に血まみれの胴着から着替えて、藍色の和服を着ている。
「―――そして、そちらの風舞殿、本当に感謝しています」
いきなり話しかけてきたことに少し驚いたが、テキトーな笑みを浮かべながら頷き返す。
「気にしないでください。あくまで護衛のついででしたから」
サラと女性店員は少し呆気にとられるが、サラは興味深いように証を見つめる。
(人間であるのは確かだが、巨人族の精鋭を事も無げに殲滅するのは容易ではない。コミュニティの同志として迎え入れたいこらいだ)
「ところで、"アヴァロン”っていうコミュニティって南側にありますかね」
突然、証が話しかけてきたことに面食らいながらも、事実を伝えるために話しかけようとした瞬間、
「ウオオオオオオオオオオォォォォォォォォオオオオオオ!!」
巨人族の雄叫びが聞こえ始めた。サラは驚愕しながらも側近の者に状況を把握させるために命令する。
「巨人族はどれ位いるか調べろ! "一本角"と"五爪”は準備でき次第迎撃しろ!!」
「は、はい!」
獣人の側近は大慌てで大樹を駆け降りて行く。証は感心しながら頷いていた。
(流石は連盟の議長。焦っても冷静さは失われないか。優秀だからトップにいるんだな~)
「しかし、巨人族も中々の胆力ですね。手痛く撃退されたのにその日のうちにまた襲撃してくるとは」
「"アンダーウッド"には秘宝が隠されていますので………、ってどうしてまだここにいるんですか!」
はて? と首を傾げる証。
「巨人族に襲撃されているのに、どうして援護に向かわないのかということです! 貴方なら容易く撃退出来るでしょう!?」
「それなら"ドラコ・グライフ"の幻獣さんでも撃退できると思うし、何より狙われているのはあなただと思いますよ」
「え?」
その言葉に惚けてしまうが、尚も証は続ける。
「相手の目的はよく掴めないけど、"階層支配者"の候補を狙うってことはその伝令役を狙うことも十分に考えられる。"階層支配者"を作らせないことに何のメリットがあるのか知らないけどここで俺が離れたらあなたが危険だよ」
窓に目を向けながら真剣に話しかける証は軽薄な表情を無くし、戦闘に対する獰猛な笑みを浮かべ始めている。サラはその言葉に頷きながら応える。
「大丈夫です、特使殿。ある程度の襲撃ならばここ最近続いています。同志も警戒しているはずなのでお任せくださ___」
「大変です議長!! て、堤防を越えられました! 二百の巨人族もの襲撃で苦戦しています! 前線の同志からは救援の要請が来ています!!」
「堤防を抜けられただと!? ………かつてない規模の襲撃だな。"ニ翼"の戦車にも救援を向かわせろ! 私もすぐに向かう!!」
「は、はい!」
伝令を見送ったサラは証たちに振り向いて頭を下げる。
「申し訳ありません。これから巨人族の撃退に向かいます。アンダーウッドの主賓室ならば安全でしょう。そこへ避難していただければ、」
「仕方ないか、俺も手伝いますよ」
一瞬で掌を返す証。女性店員は証のいい加減さに頭を抱えた。
___この男も問題児なのだと___
____"アンダーウッド"堤防の近辺。
「数は、………今は百八十ちょっとか、かなり押されていますね」
「ああ、だが"ニ翼"の救援も来るから持ち堪えられるだろう」
証は炎翼を放出するサラと並走して跳んでいる。"精霊の羽"は元の持ち主程度の重さしか飛ばすことができない。なので証が使うと風の足場を作り出し、その上を走るような感じに使われている。空中で自由自在に方向転換できるのでかなり証が重宝している恩恵である。
「ん~、中心に精鋭がいるみたいですね。前線が崩れたら一気に決めるつもりかな~」
「そうか、なら私がそこを抑えて、」
「俺が行きますよ。特使のほうも危険ですけどあなたも倒されたら不味いですよ」
「む、そうか。しかしそんな危険なことをさせるわけには___」
「では頑張って前線を支えといてください~」
問答無用で巨人族の中心へ突っ込んで行く。サラは不安に思いながらも前線を指揮するために降りて行った。
▽
「さて、早めに終わらせないとまた文句を言われそうだ」
テキトーに呟きながら紅い長槍を構える。死地に来たという重圧はない。上空から来たのにも関わらず完全に気配を殺して巨人族の中心に降り立った証は、隣にいた無警戒の巨人族を切り裂く。
「ギャアアアアァァァァ!?」
何をされたか分からないまま倒れ伏す巨人族に他の巨人達が気付いた時には、既に七人目の巨人族の心臓を貫いていた。
「っ………!?」
ようやく異変に気づいた巨人族もその瞬間に命を刈り取られていく。巨人族は前衛より中衛が先に崩壊するという異様な状態となった。
「そろそろ戻らないと不味いか………?」
呟いて遥か後方を気にして足を止める。そこを好機として後方にいた巨人族が杖を掲げ、稲妻を放つ。
「まだ抑えた方がいいか」
証は何でもないかのように紫電を纏った手を翳して掻き消す。そのまま長槍を構え彼の五倍以上の背丈の巨人族を吹っ飛ばしながら、後衛もズタズタにしていく。しかし、その突進を重装備の巨人族が受け止める。
鋼の盾と堅牢な鎧を装備したその巨人族は紅槍を盾に食い込ませて受け止めていた。守りの重鎮なのか動揺せずに踏みとどまっている。
「中々強そうではあるけど、それでは無理だ」
証は左手を離して、自ら作製した西洋剣をギフトカードから取り出し、何でもないかのように鎧ごと盾を両断した。
「………ッ‼︎?」
「思ったよりも硬かったな。くそ、気に入ってたのに」
ポキン。と証の持っていた西洋剣が折れた。鋼鉄を切断したのだから当然だが。
「仕方ない、新しいの作るか」
呟いてギフトカードから"天国"を取り出し、無防備な巨人族を切り裂く。
後衛の残りを見ると既に撤退してしまっていた。
「前衛をほっぽり出すとは酷い奴らだ。………そろそろ戻るか」
そう言って一枚のお札のようなものを取り出す。
「使いたくないな~」
証が使うのをためらっている物は、空間転移符。文字通り指定した場所に空間転移できるのだが、
「高いんだよな。使いたくない」
希少とかいうレベルの物ではなく、世界に数枚というレベルの代物だった。
"境界門"なる物で自由に転移できる者がいると知って驚愕したのは記憶に新しい。
「使うしかないか……、死なれたら元も子もないか」
そう呟いて札を破った。
▽
"アンダーウッド" 貴賓室。
「………はぁ」
外で行われている戦闘音を聞いて女性店員はこの日何度かもわからない溜息を吐いた。
(どうしてあんな問題児を白夜叉様は護衛に付けたのかやら………)
確かに実力はあるかもしれないが、それでも護衛対象をほったらかして戦いにいくのだ。明らかに護るのには向いていない気がする。
(これ以上考えても何も出てこないでしょうし、自分の身位は守らなくては)
気を取り直した時、ふと扉の前に人の気配があることに気付く。この非常時にこんなところにいるのはおかしいと思い、扉越しに声を掛ける。
「そこにいるのは誰ですか?」
声をかけた刹那、バンッ、とドアを蹴り開けて女性店員に一瞬で距離を詰める___ローブを被った子供。
「な!?」
身を守る暇さえなくナイフが店員を貫こうとして、
「と、本当にギリギリだったな」
「!?」
魔法陣とともに現れた証が何でもないかのようにナイフを弾き飛ばす。
「巨人族全員囮とはなかなかやるねぇ。けどそれは俺があいつら相手に時間かけたらだろ?」
「………随分と早いのですね。前線にとびっきりのトラップを用意してんですけど?」
その声が少女のものだと分かり、少し驚くが証は笑って誤魔化す。
「悪いな。全部すっ飛ばしちゃった☆」
「………」
ローブを身にまとう少女は絶句する。その口調にではなく気づかぬ間に出された太刀にだ。
首の皮一枚でピタリと突きつけられた太刀に動揺することなく尚も問う。
「………どうして"龍角をもつ鷲獅子"連盟を助けながら、この女性を護衛できると思ったのですか?」
「まぁ、巨人族は面倒く臭くはあったがそんなにおかしいことか?」
「………構いません。あなたがそれなら。いずれ待た会いますから」
「逃さな………っ!! ―――やられた………」
少女が話し終える瞬間に振り切ったつもりだったがその時にはもういなかった。
(届いてなかったな………)
避けられたことに動揺したがどんな特性かは心眼で理解できた。
「次は逃さないよ」
呟きながら太刀を仕舞う証。その様子を見ながら女性店員は絶句して動けなかった。
「あー、帰る前に服買って良いかな?」
「は?」
「いやさ日帰りと聞いていたので二セットしか持ってきてない………」
「ギフトカードに入れておきなさい!!」
後書き
敬語が勉強してないばっかりに………。
会議の内容を端折ったのは気のせいではありません。
次は当然未定………すいません。
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