| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

学園バラライカ

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
< 前ページ 目次
 

1.捨てた物
  捨てた物

 
前書き
人間は産まれた時に力が決められると言う 

 
人間は産まれた時に力が決められると言う
そしてその力がある一定の数値へ達すると
自動的にその数値は日本特別調査本部へと送られる

そこから年に何十名何百名が抜かれ
ここ嵐ヶ学園へと送り込まれると言う

私はその一人として嵐ヶ丘学園に入学した


「今年の特別科は13人らしい・・・、」
「戦闘能力があるのは1人、ただその一人が厄介らしい」
「現役の軍人・・・、」


入学して一年が経ち、私は雑用係として生徒会に入った
真理子さんと叉慧先輩のお手伝いをするのが仕事だ
平凡な私を叉慧先輩が見つけて声をかけてくれたのがきっかけ


「今年の1年生は13人なんですか?」
「薫の時は、43人だったのにネェー、」
「でも今年は特にありえない数値をたたき出してる人がいるわ
気をつけなきゃ駄目よ?特に、危険視されてる人もいるから」


生徒会長がさっきから資料を見てはヘラヘラ笑ってる叉慧先輩
副会長が狗神家当主の真理子さん
私が入る前はこの二人で全ての学園行事をまとめていたらしい


「今年は戦闘科に人が入りましたね」
「ソウダネー、あ、コイツだコイツ」
「イヴァレータ軍の犬ね・・・、」


叉慧先輩はひらりと資料を机に置く
写真には女とも男とも見える綺麗な人が写っていた


「女の人?」
「残念男」
「イヴァレータ軍め、何を考えているのかしら
こんな化け物を送ってくるなんて・・・、」


数値「1837」
日本の平均数値は「130」それをはるかに上回る数値
叉慧先輩ですら「899」で、学園一の魔力数値を持っている

つまりこの人は叉慧先輩二人分の数値を持っていると言う事だ


「32歳には見えないわね、大体ここは高等部よ?」
「32歳でこれほどの魔力を持っていて、しかも経歴だって完璧」
「女王護衛部隊隊長・・・、セシリア女王の時期だわ・・・、」
「聞いた事があるネ・・・、というか咎がちょうどその世代だから
たまに聞くよ、ありえない番犬がいるッテネ、」
「とりあえず風紀に危険人物って事を知らせておいた方がいいわね」


イヴァレータ軍所属
特別部隊隊長 荒屋敷 月子
たしかにそう書類には書いてあった


「どうして軍は学園に偉い人を送ったのでしょうか?」
「さあ?生徒の視察、それか何か悪巧みでも考えてるんじゃない?」
「叉慧、あまりそういう事は言わない方がいいわよ、」


「叉慧先輩?この方は叉慧先輩の後輩と言う形になるのですか?」
「そーなるのカナァ?年上で実力も天と地の差がある、微妙ダネ」
「実力講義がお通夜になるわね」
「ああああ!思い出したくなかったのにィ!クッソー!」


実力講義、講義と言っても、ただの戦闘能力を測るテスト
特別戦闘科だけの授業で、1年生が2、3年生と一対一の
なんでもあり戦闘を行う
相手が降参、もしくは審判が危険とみなしたら終了

もちろんお互いの意思が合えば、互いのどちらかが
戦闘不能になるまで戦い続ける事ですら可能


「しょうがないわよ、この魔力に対抗できる2、3年は
叉慧貴方一人なのよ、まあ貴方が相手したとて
時間稼ぎになるかどうかの実力の差なのは、数字からして分かるけど」
「4桁の魔力持ってるヤツは化け物ダヨ、薫、コイツは化け物なんだよ」


叉慧先輩はそういうと書類をファイルに綴じる


「ユート、イヴァレータ軍のユート、あいつですら三桁なんだ
シュヴァリエやラヘルが四桁の魔力、つまりコイツは
シュヴァリエと同等、もしくはそれ以上の力があると見ていいんだ・・・、」


仮に私の魔力をあげたとするなら「67」私よりもはるかに上を行く数字
それは普通ならありえない数字であり、ここに来てはいけない数字


「まあ900の俺がバケモノ扱いされてるんだから?
コイツは神様かって言う話なワケ!まー、そんなん相手しろ言われても
負けちゃうって!マジで!」
「実際戦闘能力は書かれてないから、やってみないとわからないしね」
「真理子は俺に軽く死ねって言ってるようなモンだけど
俺も我楼や死生相手してきてるし、本気でやんなきゃ駄目カナー・・・、」

「そうですね、叉慧先輩、頑張ってください
真理子さんも審判お願いします」
「ええ、わかってるわ」


講義は午後1時開始・・・、後30分
私はまだその時は何も考えていなかった

叉慧先輩と真理子さんと一緒に「何事もない普通の生活」を
過ごせるとそうまだ思っていたから

平和ボケしたこの頭では
少しずつ近づいてくる崩壊にも気づけず
誰かがきっと守ってくれるだろうと言う他人任せで
生きている今では、

本当のはじまりには気づけない


------------------------------------------- 
< 前ページ 目次
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧