転生者が歩む新たな人生
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第35話 修学旅行のその前に-その2-
前書き
別名、暗躍フェイズ
さて修学旅行は京都に決まった。
色々言いたいことはあるけれど、決まったものは仕方がない。原作通りといえばその通りだしな!
と言っても、3歳の時に生まれた村で書いた原作についてのメモ書きは失われ、月村の家に拾ってもらった後に書いた2度目のメモ書きは都合4年近く、原作のマンガもその派生の二次小説も読めず、前のメモ書きを失くした状態で書いたので、かなり穴空き状態だったりする。
「木乃香の魔力を狙って強硬派が襲う」「目的は封印されたスクナだがエヴァにとどめを刺される」「犯人は4人組でフェイトと魔法使いを恨んでいる陰陽師と小太郎とバトルジャンキーの神鳴流二刀流剣士」「本山はフェイトに襲われ軒並み石化」「宿でネギが仮契約騒ぎ」「宮崎が読心のアーティファクトを得る」これくらいだ。
木乃香については真の実力を出せばフェイト以外はどうにでもなる、ハズ。スクナについては木乃香が攫われなければ問題なし。最悪、エヴァなら倒せる。犯人というかこの場合実行犯というのが正しいんだろうが、フェイト以外は問題ないだろう。慢心かもしれんがそれだけの努力はしてきたつもりだし。本山についてはどうしようか? 助けるべき何だろうが、正直、詠春殿に助ける価値があるかどうか? むしろ、この辺は中部魔術協会の意向に沿うだけにしよう。ネギの仮契約騒ぎは、ネギが気に入らないとか原作ブレイク云々ではなく、一魔術師として一般人をこちらに引き込む行為は防がないとなぁ。特に宮崎は破格のアーティファクトを得るし。ばれたら裏の関係者に誘拐されかねん。
どうするべきなのか。ホント頭が痛い。
☆ ★ ☆
とりあえず、悩んでいても仕方がないので月村の家に連絡報告。
今回は麻帆良市を出て京都で問題が起きそうということで、協会の幹部の方達も事前に月村邸に来てもらっている。
なお、わざわざ月村邸に来てもらっいるのは、オレと月村姉妹のデバイスを介したネット通信により、麻帆良の魔法使いの電子精霊に盗聴されないようにするためだ。
一通り現状を話すと皆渋い顔だ。
4月21日(月)から4月25日(金)の修学旅行中の5日間、本山からの指令で怪異退治や再封印、封印の確認などの退魔行で日本全国あちこちへ行かされるらしい。
オレから報告されて軽く調査すると、ご丁寧に詠春殿に近い関東恭順派しかほぼ京都に残らないとのこと。他に残るのは中立派の中で特に考えがあって中立となっているのではなく、何となく或いは事なかれ主義の末に中立派と目されている人ぐらいらしい。
主義主張で実力を分けるわけではないけれど、あまりにも人を減らしすぎだろう。
そりゃぁ、フェイトに本山を制圧されるわなぁ。
当然ネギの特使云々の話しも、長老会---いわゆる長を補佐する職責を持つ、関西呪術協会の傘下組織である別の地方組織の長達の集まり。関西呪術協会の大幹部でもある---の1人である中部魔術協会の協会長でさえ聞いてないそうだ。
まさに「あちゃー」という感じである。
恐らく他の長老会の幹部方も聞いてないだろう。
中部魔術協会の長は、「関東が誠意ある謝罪をすれば協調路線をとっても良い」という、詠春殿の親派以外では、最も穏健な態度を取っている人だからだ。
そんな人にも伝えず、密使となるネギから親書を受け取り、「是」の返答をしたら、まさに「木乃香を麻帆良にやった」以来の独断専行となる。
詠春さん、頭大丈夫なんだろうか?
さすがにこれはどうやってもフォローは無理だぞ。
多分、詠春殿の親派以外が一致団結してクーデーターを起こしかねないから、それこそ自派閥以外皆殺しするぐらいじゃないと。
とりあえず、親書が詠春殿に渡る前になんとか内容をリークしよう。
内容次第では、上手く収まることもあるかも知れない望みがある。
報告後は直ぐに解放された。
後は大人達の悪巧みタイムだ。
☆ ★ ☆
ついでと言っては怒られてしまうが、久しぶりにすずかと話す。
久しぶりと言っても春休みには直に会っているわけだが。
近況報告をお互いにした後、すずかに相談を持ちかけられる。
お友達が学校にペットを連れて来て、先生に怒られて以来、行動不審なのだそうだ。
その子と仲の良い男の子---銀髪オッドアイのお友達の幼なじみ---と一緒に放課後2人で街を散策したり、授業中にぼうっとしているらしい。
そして何よりそのお友達+1人はリンカーコアが活性化し、どこからかデバイスも手に入れ、魔導師になったらしい。
………。
高町さん家のなのはちゃんですね。
ジュエルシードは中部魔術協会に安全に保管されているんだけど、どういう経緯かわからないが、リリカルな魔法少女になっているらしい。
恐らくそのペットとやらがユーノなんだろう。
どうやら、すずかの相談というのはそのお友達---名前を聞いたらやはりなのはちゃんだった---にどういう態度をとれば良いのかわからないらしい。
すずかも一応魔法少女---吸血鬼でもあり、神鳴流杖術使いでもあるが---なんだから魔法が使えることを話して一緒に魔法少女すれば? と話したんだが、「暁くんはバカだなぁ」という余りにもなお返事。
そもそも一般人であったなのはちゃんがいきなり魔法少女になっていること自体が問題であり、秘匿についてや何らかの組織に属していた場合、すずかが教えてしまうこと自体マズイことだし、そもそも魔法少女とかいう呼び方がデリカシーがないとか散々だ。
うーん、中途半端に原作知識があるので、軽く考えすぎたか?
そうだ、ちょうど良いから修学旅行の間、リニスを月村邸に帰ってもらうか。
修学旅行に山猫状態のリニスを連れていくわけにも行かないし、人型で一緒に行くのもなぁ。
エヴァも修学旅行に参加できるので、麻帆良で1人待たせるのも可哀想だしな。
そうしよう。
デバイスを持っているならリニスのアドバイスが有効かもしれん。
そう話して、リニスと修学旅行の間別行動することにした。
☆ ★ ☆
土日の休みを利用して、3-Aの生徒達は仲の良い子同士で連れ立って、修学旅行に必要な物を買いに行くらしい。
千雨はエヴァと茶々丸と一緒に連れ出されたらしい。
木乃香は神楽坂とだけ行くつもりだったらしいが、学園長と高畑にネギを押しつけられ、ネギも一緒に買い物に行くらしい。木乃香は一緒に行くつもりはなかったようだが、神楽坂が高畑に頼まれ承諾してしまったとのこと。
オレ?
日曜日はともかく、土曜日は授業が休みでも修学旅行に向けた最後の打ち合わせがあるので誘われたけど行けませんでしたよ!
ネギはナチュラルにさぼって買い物に行ったけどな!
表の会議で、3-A、3-B、3-H、3-J、3-Sの京都に行く5クラスの先生方と修学旅行中の休憩や自由行動時の見回り先やローテーションを打ち合わせる。
裏の集まりとして、3-Bの瀬流彦先生と3-Jの模蕪先生が魔法先生なので、夕食を一緒に食べながらの裏方面の打ち合わせだ。
遠坂姓に戻した時から事情通の魔法先生はオレがただの魔法使い見習いではなく、一人前の魔術師だと知っており、この2人も知っていた。
「で、実際の所、この修学旅行はどうなの?」
「そうそうボクも聞きたかった。何でもネギ君は親書を届ける特使なんだって?」
さすがに当事者というだけあって、学園長からある程度情報を得ているらしい。
「いやぁ。危ないですね。下手すると全面戦争になるんじゃないですか?」
どうやらこの答えはお気に召さなかったらしい。2人の顔が見事に引きつっている。
仕方がないので、そこそこ丁寧に説明してあげた。
つまり、強硬派という人物らがどれだけ魔法使いを恨んでいるかということを。
「そ、そうすると今回の旅行で魔法先生が3人としか言ってないのはマズイよね?」
模蕪先生が言うことはつまり、ここにいる3人しか関西呪術協会に京都入りを伝えていないということだ。
特使というか密使であるネギが関西呪術協会にばれないように学園長が姑息な小細工をしたようだ。
………。
状況がわかっていないのか?
それともわかっていてやってるのか?
学園長が取った手は、悪手だろう。
「最悪ですね」
「いや、しかしネギ君の役割を考えたら………」
瀬流彦先生は学園長を庇うつもりらしいが、
「親交を求める相手に嘘ついてどうするんです?」
という一言にぐうの音も出ないようだ。
うーん、これは原作以上にやばい状況じゃないか?
ネギって生きて麻帆良に戻れるのか?
とりあえず、生徒を守るため一つ案を出し、2人に認めてもらう。
上手くいけば一般生徒への守りは堅くなるだろう。
☆ ★ ☆
明けて日曜日、リニス人間バージョンと買い物に行く。
途中、神楽坂への誕生日プレゼントを1人で買いに来た木乃香と少しの間合流する。
というか、木乃香の後ろでストーカー紛いな護衛をしている桜咲と別口で尾行紛いの行動を取るチア部の3人がウザイので、木乃香にオレ達と別れた後、桜咲を捕まえて2人で買い物すれば? と唆す。
木乃香と別れた後、隠れて様子を見ていたら、上手く桜咲を捕まえ、木乃香は2人で買い物ができそうだ。
ついでに言うと「「「禁断の恋?」」」とか言って、チア部の3人は2人を追いかけている。
まぁ、2人の邪魔をして木乃香を怒らせないように祈っといてあげよう。
オレはと言えば、リニスと買い物を済ませ、月村邸に一時的に帰るリニスを駅まで送っていく。
その後、少し早い夕食で待ち合わせた龍宮と長瀬と合流し、夕食を奢りながら2人に修学旅行中の一般生徒への護衛を依頼する。
「私たちに正式に依頼するとはそんなにまずい状況なのかい、遠坂先生?」
「あぁ、まずい。というか、普通に東西戦争が起きかねないレベル」
「はぁ? どういうことだい?」
「感情的に最悪なところに無知な子供が唆されて無茶苦茶にしそうってところ」
ふふふふふふ。龍宮め、頭を抱えてるな。オレも抱えて放置したいわ。まぁ、長瀬はよくわかっていないんだろう。
「とにかく、無理はしなくて良いからできる範囲で一般生徒を守る協力をして欲しい」
そう頭を下げて頼み込む。
「わかった。私もクラスメイトが巻き込まれるのは目覚めが悪いしな」
「よくわからんが、まかされたでござるよ」
とりあえず、護衛というカタチで契約できたので、良しとしよう。
まぁ、契約金としてお金と幾つかの符を渡したが、許容範囲だ。
しかし、食事の後にデザートとしてたかられたが、餡蜜十杯とか団子二十本とか、2人のどこに入るんだろう………。
後書き
先週半ばから仕事が忙しくなり、毎日3時間の残業です。
平日に書く時間は取れそうにないので、当分の間、日曜か月曜の6時の更新となりそうです。
なお、原作では3-A、3-D、3-H、3-J、3-Sが修学旅行で京都に行くことになっていますが、作品の都合上「最初に瀬流彦先生の下につく&3-Aの隣のクラスで迷惑する」というのが必要なため、3-Dを3-Bに変更したまま進めさせていただきます。
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