WvsA‘s ジ・ビギンズナイト
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覚悟のS・そして物語は動きだす 前篇
下校時間…
「うおおお!!」
ダダダダダ…!!
「待って翔子ちゃん!」
ダダダダダ…!!
幼女逃走中…
幼女追跡中…
「ダイ・○ード!」
翔子は通りすがりのバスに引っつくという荒業をくりだしなのはを撒こうとこころみる。
「待って!」
「ほな、バイなら~」
キキキ…
しかしバスは止まってしまった。赤信号だ。
「ヤバい!!」
幼女再度逃走…
「待ってよ~!!」
幼女再度追跡…
とある住宅街…
「はあ…はあ…ここまでくれば…」
肩で息をする翔子。録に体力は残っていない。
しかし…
「翔子ちゃ~ん!!」
「嘘!?まだ追って来たの!?」
なのはの追跡はまだまだ続く…。
「どっかに隠れ…」
グイッ
「!?」
すると翔子は後ろから何者かに抑えられ引き込まれた…。
「あれ…どこいっちゃったんだろう…。」
なのはは気づかずに素通りしていく…。
「危なかったな。」
「…」
その後を見送る男子が1人…それは…
「何であんたがここにいるのよ。隼人。」
フィリップと同じく謎多き転校生『迅竜俺に質問するな…と言いたいところだがついてくれば解る。」
そう言って隼人は一件の家に入っていく…。しかし、表札は『八神』とかかれていた。
そんなことも気にせず我が家に帰るかのように入っていく隼人。
「どうした?上がらないのか?」
「…あんた名字…『八神』だっけ?」
「俺に質問するな!!」
翔子は心配しながら家に上がる。
「隼人です。今帰りました。」
「あ!隼人君?おかえり!」
彼の言葉に反応して金髪の女性が出てくる。
「え!?この人お母さん!?」
翔子は出てきた金髪美人に驚く…。流石に歳こそ相応だが毛も色も雰囲気も全くにてないのだ。
「この人はシャマル。この家の人の家族だ。」
「初めまして。シャマルです。」
「あ、こちらこそ…左舷 翔子です。」
挨拶を済ませると翔子はあることに気づく。
「ちょっと待って…この人はこの家の人で、てことはあんた…」
「俺はただの居候だ。」
彼女の疑問に素っ気なく答える隼人…。そこへ…
「もう~隼人君!君もウチの大事な家族と言うとるやないか!!」
1人の車イスの少女がやってくる…。歳は翔子たちとは変わらないぐらいで髪は茶色がかったおかっぱに近い。
「はやて…」
隼人は少女の名を口にだす…。少女はカラカラと車イスを走らせシャマルの隣に止まる。
「こんにちは。この家の主の『八神 はやて』です~。よろしゅうな。」
「はい、こちらこそ…」
翔子は少し焦りながら挨拶する。するとはやては隼人を見ると突然ニタニタしだした…。
「いや~隼人君。君もとうとう彼女ができたんやな…。」
「「はあ?」」
「いやいやもしや私のほうには…とも思ったけど運命の赤い糸は…」
「「違います。」」
「そうなの?」
はやては妄想モードになったが2人はすぐさま否定。はやては残念そうな顔をする。
「ん?ということは私のほうに来るという事もあるのかな?」
「「?」」
はやては再び妄想する。
しかし、断言しよう。それはない。「まあ、ええわ。ゆっくりしていってな~。」
そう言って翔子はリビングに案内された…。結構広くソファーもある。そして、そこに一匹の狼のような青い犬が…
「可愛い!!」
翔子は犬に抱きつくと無茶苦茶になでまわす。本来の犬なら恐らく驚くだろうがこの犬は至って平常心だった…。
「気に入った?『ザフィーラ』って言うんよ。」
「ザフィーラ?どっかで聞いたような…」
ギクッ…
犬は一瞬固まりシャマルが冷や汗を流す…
「ま、いっか♪」
しかし、翔子は気にせず再び撫で回すのを再開する。
そんなこんなで夕方…
辺りも茜色に染まっている…。
「お邪魔しました~。」
翔子は行儀良く挨拶する。
「ふふ…また遊びに来てね。その方がはやてちゃんも隼人君も喜ぶと思うから。」
見送りはシャマル1人…。隼人とはやては晩御飯の準備をしなくてはならないそうだ。
ちなみに『シャマルさんやらないの?』と翔子が聞いたら隼人は顔を背けはやては苦笑いをした…。その横でシャマルは落ち込んでおり、この時翔子は全て理解した…。
「じゃあね~。」
シャマルに見送られながら翔子はその場を後にする。
しかし、彼女は忘れていた…。
「翔子ちゃん!」
「!」
自分が追われていたことに…
「今度こそO☆HA☆NA☆SHIなの!」
何とまだなのははまだ翔子を追跡していたのだ。
「ウソダドンドコドーン!?」
翔子はまた逃走を開始する。
幼女逃走中…
「は!は!ぜえ…ぜえ…」
全速力で走りある程度距離をとった翔子。まず息を整える…。
(ここまでくれば…)
その彼女の横を1人の男が通りすぎる…
『試してあげましょう…。『切り札の子』の力を…』
「え?」
翔子は思わず振り向いたが男は既にいなかった…。
「翔子ちゃ~ん!」
その代わり未だに追跡してくるなのはが視界に入ってきた…。
「たく…しつこすぎ…!?」
逃走の体勢をとろうとした彼女の顔がこわばった…。
「え?」
なのはもつられて後ろを見ると……
異形の大顎がなのはに迫っていた…。
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