WvsA‘s ジ・ビギンズナイト
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Nとの遭遇・朝練という名の死闘
フィリップが転校してきてから…そして、なのはが翔子にO★HA★NA★SHIしされてから翌日…
午前5時45分…
鳴海市内のある公園…
「1、2、3…1、2、3…」
準備運動する少女が一人。翔子である。
「フムフム…」
そして、その隣で何やら本を読んでいるフィリップ。
『クワッ!!』
ちなみにファングも付き添っている。
「スリー…ツー…ワン…キタァァァァァァァァァァァ!!フィリップ!こっちは準備は良いわよ。」
何が来たのかよくわからないが翔子が合図を送る。
「わかったよ。」
フィリップは何やら手持ちのカバンを漁ると灰色の『T』と描かれたメモリと箱らしきモノを取りだした。
「それじゃ…いくよ。」
『ターゲット!!』
フィリップが箱にメモリを挿入すると十羽ほどの鳥を模した物体が箱から飛びだした。
「よし、始めるわよ!」
『ジョーカー!!』
翔子がWドライバーを身に付けジョーカーメモリのスイッチを押す。
「さあ、始めよう。」
『サイクロン!!』
フィリップも同様にサイクロンメモリのスイッチを押す。
「「変身!!」」
『サイクロン・ジョーカー!!』
木枯らしが吹き荒れ翔子の体が大人と同等の身長となり、仮面ライダーWサイクロンジョーカーへと姿を変える。
「はあっ!!」
バキン!!
バキン!!
パンチや蹴りがあたると砕け散る的。素早い連携で数を減らしていく…。
『翔子、メタルだ!』
「オーライ!」
『サイクロン・メタル』!!
フィリップの指示でジョーカーメモリからメタルメモリにメモリチェンジするW。
「それ!」
メタルシャフトを振り回し、拳や脚が届かない位置の的を落とす。
「ラスト!!」
『ルナ・トリガー』!!
今度はサイクロンメモリからルナメモリに、メタルメモリからトリガーメモリにチェンジする。そして、高く遠距離の的をトリガーマグナムで狙い撃つ。
バキン!!バキン!!バキン!!バキン!!バキン!!
「ふう…」
全部の的を撃ち落とし終わり、一息つくW。
「フィリップ…どう?」
『60…という所かな。まずは鍛えないと…。』
「あら…そう…。」
ガックリと肩を落とすW。翔子としてはそこそこ自信があったもため、この評価は若干凹む。
『鳴海宗吉が言っていたぞ。急に作ったモノほど脆いモノは無い。日々の積み重ねと鍛練が力になる…てね。』
「要は『気長にいけ…』ということよね…。」
『そゆこと。』
「はあ~。」
ため息をつくW(翔子)。やはり『気長に…』と言われると流石に憂鬱になる。
『文句垂れないで、締めだよ!』
「ヘイヘイ…」
Wは再びサイクロンジョーカーに戻りサイクロンメモリをベルトの右側に設置されている『マキシマムスロット』に挿入する。
『サイクロン・マキシマムドライブ!!』
電子音声が鳴り響くとサイクロンメモリの出力が上がり、緑色の竜巻がWを包む。
「『W、サイクロンエクストリーム!!』」
必殺技名を叫ぶと同時にWの目の前に(斜線上に)黒いマネキンらしきものが精製された…。
「『はあ!!』」
そして、それには必殺のライダーキックが叩きこまれ塵に還る。
「今のは?」
『駄目だ、48だね。マキシマムに呑まれすぎだ。』
「…orz」
地面に手をつき落ち込むW。
やれやれ…』
フィリップとの約束さたその後、宗吉から『まずは訓練』という指示からこうして朝から特訓している訳だがやはり、結果は芳しく無いようだ…。
『翔子、ここらで引き上げよう。』
「わ…わかったわ…。」
Wドライバーに手を掛けようとしたその時…
ビュン
「うぇ!?」
『なっ!バインド!?』
突然、Wの体に桜色の拘束具が巻き付く。
「こちら、時空管理局嘱託魔導士高町なのはです!!大人しく武装を解いて投降してください!!」
数分前…
高町なのはもこの公園を訪れていた…。
「今日はどうだった?」
『79点です。大分安定感が出てきましたね。』
「いや~それほどでもないよ~。でも、もっと頑張らないと…」
相棒である『レイジングハート』と会話しながら帰宅ルートに入ろうとした時…
『サイクロン・ジョーカー』!!
ドン
「あれ?何か聞こえたような…?」
『サイクロン・メタル!!』
『向こうからのようです。』
「いってみよう、レイジングハート!」
『オーライ、マスター。』
なのはは物音の聞こえた方向へ走っていく…。
そして、彼女が見たのは…
「何あのピカピカ半分この人?」
ひたすら的を破壊しているWであった。
『ルナ・トリガー』!!
「あ!色が変わった!」
なのはは茂みに隠れながらWの様子を伺う。Wはそんなことにも気が付かずトリガーマグナムの引き金を引き、黄色い弾丸が幾つも放たれ的を全て迎撃する。
『マスター!あれを!!』
「え?」
レイジングハートが指示した方向を向くなのは。そこには…
「フィリップ君!?」
何と気絶しているフィリップが倒れていた…。
『サイクロン・マキシマムドライブ!!』
なのは達が気が付がつくと同時に大技を繰り出すW。このままではフィリップが巻き込まれる…そう判断したなのはは決断をした。
「いこう!レイジングハート!セェェト・アァァァップ!!」
彼女は茂みから飛び出すと桜色の光に包まれ白い服に変化する。これは『バリアジャケット』と呼ばれるモノであり、いわば防護服だ。レイジングハートも赤いビー玉の待機形態から白い杖の本来の姿になる。
「バインド!!」
なのははそねまま背を向け無防備なWに拘束をかけ、現在に至るのであった…。
「なんじゃごりゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
『やめろ、翔子!死亡フラグだ!!』
パニック状態になるW。
『マスター!彼の使用していたのは高出力の質量兵器です。ここは注意しながら話を訊きましょう。』
「そうだね、レイジングハート。」
ジリジリとレイジングハートを構えながら迫るなのは。
「ん?」
さっきまで絶叫していたWだがなのはを見て動きが止まる。
『き…君は…?』
「なのはちゃん?」
「うぇ!?私の名前知ってるの!?」
Wが自身の名前を知ってるのを驚くなのは。実際、仮面のせいで素顔は見えないし、フィリップは意識だけWに転移してきているので気がつく術は無い。
「どうしたのその格好?コスプレ?」
「なっ!?コスプレじゃないなの!!正真正銘の魔法少女なの!!」
「駄目だ…頭までイカれているようね…。」
『マズイ!!翔子、彼女は正真正銘、魔導士だ!!』
「フィリップ…アンタまで…」
翔子は哀しげな声を出す。そして、フィリップはここで大きなミスを犯してしまった…。
「翔子ちゃんなの…?」
「『あ』」
何とあろうことか自ら正体をばらしてしまった。
「フィィリィィィィィィィィップ!!」
『ごめんなさーい!!』
「なら、話は早いなの。」
Wとの距離を詰めるなのは。
「大人しくしててほしいなの。きっと悪いようにはしないから。友達としてのお願いなの…。」
「うぐぐ…」
このまま投降すれば恐らくかなり面倒なことになる。しかし、現段階では打つ手は無いと現すように膝をつくW。
「ごめんね…多分リンディさんもわかってくれると思うから。」
そしてWとの距離がほぼゼロになった時…
「ゴメン…」
『ヒート・ジョーカー!!』
「にゃにゃ!?」
Wはボソッと呟くとまだ自由の効く右腕でメモリチェンジし、ヒートジョーカーとなるとバインドを焼き切り熱気を放ちなのはを退ける。
『ルナ・ジョーカー!!』
今度はルナジョーカーに変わると右腕を伸ばしフィリップや機械など多々諸々を回収、一目散に逃げ出す。
「あ!待ってなの!!」
なのはは逃がすモノかと桜色の弾丸を放つ。
『翔子!!』
「わかってる!!」
『ルナ・トリガー!!』
ジョーカーメモリからトリガーメモリにチェンジするとトリガーマグナムで弾丸を全て落とし、爆発の煙に紛れて離脱するW。
「あ!」
この後なのははWを見失ってしまい、どうしようもなく、一時帰宅することにした。
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