月の姫の現代入り
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ショッピング 後編
服を買ったあとは昼食のためにモールの中にあるレストラン街に向かう二人
~レストラン街~
「うわぁ~いろいろお店があるわね!」
依姫が目を輝かせながら言う。まるで、子供のようだ
「ああ、いろいろあるぞ。依姫は食べてみたいものとかあるか?」
健吾は笑いながら言う
「う~ん、そうね・・・・・・迷います。どれも食べたことないので。健吾のおすすめとかはある?」
「一応はあるぞ」
「じゃあ、そのおすすめで!」
そう言って健吾の腕に引っ付く依姫
「お、おい。依姫」
慌てる健吾
「あら、嫌だった?」
「いやいや、そんなことはない!むしろ大歓迎だ」
「ふふっ」
若干顔を赤くしながら笑う依姫。だが、健吾の方がより赤くなっていた。おぉ、熱い熱い
~健吾のおすすめのイタリアンレストラン~
モールの奥の方にある高級店なイタリアンレストラン。が実際の値段はそんなに高くない。とても庶民的なものである。
「わぁ、いいところね」
「だろ?俺のお気に入りの店だ」
「いらっしゃいませ~何名様ですか?」
店員が声をかけてくる
「二人で」
「では、こちらへどうぞ。」
そう言って席へと案内される二人、その後は昼食での会話を楽しんだあと、店を出た
「依姫、おいしかった?」
健吾が言う
「えぇ!とっても!」
と満面の笑みで言う依姫
「そりゃあ良かった。さっ買い物の続きだな」
「あとは何買うの?」
「まぁ、依姫の必要な日用品雑貨や食料とかだな。」
「そう。それじゃ、行きましょ!」
そう言って目的の場所へと向かう。その後は楽しい買い物を続け。傍から見たら恋人同士に見えるほどの仲の良さであった
~駐車場~
「さて、あらかたのものは買ったな。」
車に戻って荷物を入れる健吾
「健吾、今日は本当にありがとう。服まで買ってもらって」
「良いよ良いよ。依姫。こういう出会いってのは早々にないことだし。俺にとっちゃあ嬉しいことばかりでさぁ。今を楽しまなきゃな」
「ふふっそうね。ありがと」
「さてと、行くとしましょうか」
そう言って車に乗り込んだ
「このあとは家に帰る感じ?」
「う~ん、時間的には余裕あるが、依姫も疲れたか?」
「ちょっとだけどね。でも、そこまで疲れてるってわけじゃないし」
「そうか、じゃあ、俺のお気に入りの場所に行こう」
「お気に入りの場所?」
「ああ、子供の頃からお気に入りの場所があってさ。」
「じゃあ、そこへ行きましょ」
そう言って二人を乗せた車はその場所へと向かっていく
~近くの山の山頂~
駐車場に車を止め。歩きで山の山頂へと向かう
「さっ着いたぞ」
「わぁ・・・・・・・」
依姫は驚いた。そこに見えていたのは無限に続く海だった
「ここが、健吾のお気に入りの場所?」
「ああ、そうさ。どっこいしょっと」
健吾はそう言いながら近くのベンチに座る。依姫も隣に座る。夕方だろうか空は紅く染まり、太陽は海へと沈んで行く。それはまさに幻想的だった
「綺麗ね・・・・・・」
「だろう?これがいつも見れるから嫌なことがあったときはここに来て夕日を拝んだりしてたよ」
「あら、健吾でも嫌な時ってあるのね?」
「そりゃあそうさ。人間だからな。人生嫌なことの方が多いと思うぞ?」
「そうかしら?私は月から出たことないし、出るつもりもなっかたわ。でも・・・・・・」
「でも?」
「健吾に会えて本当に良かったと思ってる。私みたいな見ず知らずの女を家に上げてくれてましてや服とかいろいろ買ってもらって感謝しきれないほどだったわ。」
夕日を見ながら言う
「女には優しくしろって親から口酸っぱく言われたもんでね」
笑いながら言う
「出会ってまだ、二日しか経ってないけど、健吾の優しさは十分に私に響いてるわ。私ね、最初は地上なんて穢らわしい存在だけのものしかいないと思ってた。実際、最初の三人組がいい例だと思ったわ。」
「・・・・・・・・・」
健吾は黙って聞いていた
「誰の助けもない状態で一人でこの世界を歩き回った時には絶望しかなかった。さっさと、月の都に戻ってお姉さまや兎の皆と平和に暮らせればいいって思ってた。でも、健吾は違った。私の急なお願いも聞き入れてくれて、ましてや一度は殺そうとしたのにそれでも、私のことを理解してくれて家に置いてくれた。それだけでも、私には信頼たる存在だと思ってるわ」
そう言って笑顔になる依姫
「・・・・・・なんか、恥ずかしいな」
依姫からは夕日のせいで彼の表情を読み取ることはできなかったが、なんとなくわかっていた
「でも、依姫がそういうことを思ってくれるだけでも嬉しい限りだよ。だったら、依姫がもっと好きになるように俺も努力するし。手伝えることはするだけするよ」
「ありがとう、健吾」
そう言ってその場に沈黙が流れる。だが、依姫がそれを破る
「健吾・・・・・・・・・」
「ん?なんだ?」
「ちょっと、目を瞑ってくれる?」
「ん?こうか?」
言われた通りに目を瞑る健吾、依姫は気づかれないように近寄り、自分の唇を・・・・・・
チュッ
彼の頬に当てる。いわゆるほっぺにチュッだった
「へ?」
健吾は一瞬なにがなんだか分からないでいた。依姫は顔を赤くしながらうつむいていた
「これは・・・・その・・・・・お礼よ・・・・・・」
消え入りそうな声で喋る彼女
「・・・・・・・・ブシューー」
頭から煙が出るほどの顔を赤くする健吾
「そろそろ、いい時間ね。帰りましょ!」
その場の空気を変えるかのように笑顔で言う依姫
「あ・・・・ああ」
健吾はおぼつかない思考で返事をし彼女とともに駐車場へと戻る
そして、二人で家に帰るのであった
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