月の姫の現代入り
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
月の姫
ここは、月の都、元は八意永琳が作ったものだったが、彼女は蓬莱山輝夜と共に幻想郷という所で密かに暮らしている。それを知る者はごく僅かで、綿月姉妹は当然知っている。
現在では平和に暮らしているが、その昔は八雲紫という妖怪が他の妖怪を率いて月に侵攻してきた。それは大戦争だったという。しかし、すべての戦争において月軍が勝利を収めている。それ以降は、ひっそりと暮らしてきた。それは今現在も続いている
~月の都 宮廷~
宮廷では綿月 豊姫(わたつきの とよひめ)と綿月 依姫(わたつきの よりひめ)が談笑していた。因みに二人は姉妹で豊姫が姉、依姫が妹である
「それにしても、ここ最近は面白いことがないわね~」
豊姫が言う
「何を言うんですか。姉様。こういう平和が言いのではないですか」
反対側に座ってお茶をすする依姫が言う
「そうは言っても貴女も実は暇でしょ?戦いがないのだから」
「そ、それは事実ですが、とにかく、私は平和がいいのです!」
「あらあら」
そう言って笑う豊姫
すると、空間が裂けてひとりの女性が出てくる
「はぁ~い、お邪魔するわ~」
紫の洋服のようなものを着た女性が現れる。彼女は先程紹介した八雲紫、ふたりに戦争を吹っかけた張本人である
「あら、いらっしゃい」
「八雲の人間が何の用か?」
二人はそれぞれの反応を示す
「まぁ、そう敵意を示さないでくださいまし、依姫さま。」
そう言って紫は空いてる席に座る
「それで?今日はどのような御用で?」
豊姫が聞く
「えぇ、今日は面白いものを持ってきましたのよ。それっ」
そう言ってスキマから一台の機械を出した。
「これは?」
依姫が聞く
「幻想郷に流れ着いた洗濯機というものですわ。これがあれば、洗濯物を早く乾かすことができますわ。」
「まぁ、それはすごいわね」
そう言って豊姫が言って近寄る
「あっ姉様危ないですよ。」
依姫も近寄る。紫も一緒に行く
「月では洗濯するのは手洗いなのでしょ?それだったらこれを一台差し上げようと思ってね。持ってきたのよ。」
「へぇ~これがあればあっという間に洗濯できるというわけね!」
目を輝かせながら豊姫が言う。依姫も興味津々に見ていた。
「よっちゃん!中見てよ。すごいわよ!」
豊姫に言われて、渋々中を見る依姫。しかし、すごいというほど中はそうでもなかった
「姉様?特にすごいというほどでは・・・・・・・(ドン)え?」
依姫は紫に背中を押され、そのまま中に入ってしまった。本来なら出られるはずが依姫は吸い込まれるように洗濯機の中に入り、そのまま姿を消してしまった。それを見た二人は
「「・・・・・・・大成功!!」」
そう言って紫と豊姫はハイタッチする。実は二人はグルだった。目的はというと・・・・・
「成功したわね。よっちゃん、地上への旅!」
豊姫が言う
「ええ、まさか、成功するとは思わなかったわ。あなたの協力がなかったら失敗してたわ。とよちゃん」
「これぐらい朝飯前よ!これも妹を思えば、軽いことだわ!あの子のことよろしくね!」
「もちろんよ!とよちゃんの頼みは断れないわ。それじゃあ、いろいろ準備してくるわね。とよちゃん、また遊びましょ」
そう言って紫もスキマを使って去っていった
その場には豊姫だけが残された
「よっちゃん、楽しんできてね」
そういって、その場を去る
~???~
街の裏路地に一人の女性が倒れていた。依姫だった
「・・・・・・・う、・・・・うん?」
依姫は意識を回復させ、辺りを見回す
「こ、ここは・・・・・どこだ・・・・?」
月の都ではなかった。それは依姫でもわかった。すると答えが返ってきた
「外の世界よ」
「!?」
上を見ると八雲紫がスキマから体を出していた
「紫!!これはどういうこと!?」
「簡単よ。あなたを外の世界に連れてきただけ。」
「今すぐ返しなさい!!」
「それは無理な注文よ。いずれは返すつもりだけど。今はダメ」
「くっ!」
そう言って刀を抜く
「あらあら、怖い。でも、これはあなたの姉からの頼みごとでもあったのよ?」
「姉さまの?」
「えぇ、彼女から手紙も預かってるわ。ほら」
そう言って一通の手紙を依姫に渡す。すぐに中身を確認した
~手紙~
よっちゃん、あなたは今、混乱してると思うけど、これはあなたのためよ!外の世界を楽しんできなさい!私も何回か外の世界に行ったけどとっても楽しかったわ。だから、よっちゃんにもこの楽しい気持ちを分けてあげたいの。それじゃ!
P.S.ついでに、男見つけちゃいなさいよ!あなただけ、独身なんだから!
「こ、これは、本当に姉様が・・・・・?」
手を震わせながら言う依姫
「えぇ、本当よ。手渡しされたし。だから、楽しんできなさいな。本当に危険な時は助けてあげるから。後は貴女次第よ。それじゃぁね~」
そう言ってスキマを閉じた。
「・・・・・・・・・どうしよう・・・・・・・・」
彼女はその場を立ち尽くすしかなかった。
「・・・・・・とりあえず、歩いていくしかないのかな。」
そう言って路地裏を歩いていく依姫だった
ページ上へ戻る