問題児たちが異世界から来るそうですよ? ~無形物を統べるもの~
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The PIED PIPER of HAMERUN ③
シュトロム狩りを開始してから数十分が経過した。
だが、シュトロムの量は一向に減らず、むしろ増えている。
「切り裂け!」
一輝が火、水、空気の三種類の刃を使い、シュトロム三体を同時につぶすが、
「「「「「BRUUUUUUM!」」」」」
新たに五体のシュトロムが追加される。
「重力操作!」
そして、その五体のうち、二体を縛るが、
「「「BRUUUUUUM!」」」
さらに増える。
「・・・いやだ、これ・・・」
一輝のやる気は、シュトロムが増えるごとに、減っていく。
「戦力の追加をするか・・・」
一輝はギフトカードを掲げ、唱える。
「式神展開!“攻”!」
その声に応じて、鎧武者の式神が百体現れる。
《俺の立場なら、ちゃんとやらないと駄目なんだけど、》
「そのデカブツをつぶせ!」
一輝は言霊をかなり適当に唱え、式神たちに命令する。
その命令に式神はちゃんと従ってくれた。
「これで少しは楽が・・・」
式神は、五十体当たりで一体のシュトロムを相手取る。
「それはおかしいだろ!」
言霊を適当に済ましたつけだ。
「「「「「BRUUUUUUM!」」」」」
「うるせえ!」
追い討ちをかけるように、シュトロムが追加される。
「重力操作!」
一輝はそのシュトロムたちを丁寧に縛り付ける。
「ほう。これだけの量を縛り続けますか。」
広場のほうからダンスの声が聞こえてくる。
「このくらいの量、どうにかなるに決まってんだろ。」
「そうなのですか?私には、限界ぎりぎり、という風に見えますが?」
「気のせいだろ。」
「あなたがそう言うのなら、それが真実なのでしょう。では、仕方がありませんね。」
「お、ついにこのシュトロム軍団も終えて、ご本人の登場?」
一輝は少し期待をもって聞くが、
「いえ。」
ダンスは、一輝の心を折りにくる。
「召喚のスピードを上げさせていただきます。」
「「「「「「「「「「BRUUUUUUM!」」」」」」」」」」
その言葉と同時に、十体のシュトロムが召喚される。
「こ、これは・・・」
一輝が冷や汗をたらしていると、音央達のいるほうからも、新たなシュトロムの声が聞こえてくる。
「OK。鳴央。」
一輝はDフォンを取り出し、後方から、音央の支援をするといっていた鳴央に電話をする。
「はい、なんでしょう?」
「ダンスがシュトロムの召喚スピードを上げるって言ってたから、気をつけて。」
「解りました。一輝さんはどうします?」
「全部重力で縛り続ける。」
「そ、それは危険すぎで」
「じゃあ、そういうわけで、頑張って。」
一輝は鳴央の声をさえぎって、一方的に言いたい事を言うと勝手に電話を切った。
そのあいだにも、シュトロムは増え続けている。
一輝は、そいつらの方を向き、深呼吸をすると、
「重力操作!」
自らのギフトを一気に使い、シュトロムを縛る。
「ぐ・・・が・・・・」
一輝は頭痛による苦痛を顔に出す。
「ほら。限界は近いように見えるけど?」
「そっちも、さっきからしゃべり方が微妙に毎回違うぞ?限界が近いのか?」
「私はこのしゃべり方が、統一感がないのが素なの。」
そんな会話をしているうちにも、シュトロムは増え続ける。
一輝は、時折数体を燃やしつくし、数でつぶされないようにする。
「へえ?燃やすんだ。」
「邪魔だからな。」
「でも、このペースだと? 」
さらに、召喚の速度が上がる。
「この・・・」
燃やせるだけの余裕もなくなり、ただ重力で縛り続ける。
そして、頭痛がひどくなっていき、一瞬何も感じないと思ったら・・・・・・・
全てのコントロールを失った。
後書き
こんな感じになりました。
では、感想、意見、誤字脱字待ってます。
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