銀色の魔法少女
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第六話 対決
前書き
後一週間、後一週間経てば実家に帰れる。
帰ったらペットたちと一緒に戯れるんだ!
はい、というわけで水淵やややです。
今回はバトル回となり、オリ主君が輝く第七話始まります。
side クリム
『では、死体兵士[グリムゲルデ]をそちらに転送、同時に魔力結界を展開します』
通信が終わり、私は神社を見上げる。
「目標座標を確認、結界展開、グリムゲルデの転送終了、」
私は目録を閉じ、こっそり結界内に侵入する。あ、もちろんジャミングも忘れずに。
(管理局の魔道士がいるならば一度観察しておいた方がいい、それにその子が遼に剣を向けるつもりならここで始末しておいた方がいいに決まってる!)
一応顔を遼とお揃いのバイザーで隠し、姿も少女に変え、慎重に監視を始めた。
「ジュエルシード、シリアル16、封印!」
白い魔法少女がジュエルシードを封印する。
(それにしても何て強大な魔力、まあそれでも素人なら遼の敵ではありませんね)
ベルカの騎士は対人戦最強。
どれほど魔力が高くても、幼い頃から鍛えている遼に敵うはずがない。
そう陶酔していた時、彼女をも超える強大な魔力が結界内に侵入し、
「よし、突破完了って、あんた誰?」
運悪く、私の真後ろに落下してきた。
side 刃
「よし、突破完了って、あんた誰?」
結界を突破した先にいたのはなのはではなく、謎の少女だった。
顔をバイザーで隠し、明らかにこちらを警戒してる。
「ベルカの騎士、ブリュンヒルデ」
そう答えると、彼女は素手で何かの構えを取る。
格闘系はよく知らんけど、拳法か何かだと思う。たぶん。
「私の要件は済んだけれど、邪魔をするなら容赦はしない」
「要件は済んだって……、ああ!?」
彼女の後ろを見るとなのはが神社から出ていくのが見える。
明らかにジュエルシードを封印し終わって帰るところだった。
「くっそ! そういうことか、あんたの目的は時間稼ぎだったってわけか! 確かに十秒くらいあればあの程度なのはだけでも封印できる、まんまとはめられた!」
と、言うことは、だ。
アイツは俺の存在となのはがここでジュエルシードを封印することを知っていたことになる。
つまり、
「あんた、俺と同じ転生者か!」
「転生者?」
相手はとぼけてはいるが間違いない。
でなければこんなことはありえない。見え透いた嘘だ。
「また邪魔が入ると面倒だ、ここでぶっ潰しておく!」
『了解しました、主人』
俺はベイオットをソードタイプに変形させ、こいつへ斬りかかった。
side クリム
剣と拳、魔力弾と蹴りとが交錯する。
「硬ってぇなこいつ!」
少年が私を睨んで叫ぶ。
「当然、私の鎧は特別性、一般魔道士風情じゃ傷つけることなんてできるはずがない!」
とは言っても、実際は結構ギリギリだった。
今の私は言わば待機モード、遼とユニゾンして初めて本領が発揮される。
この鎧も魔力弾を防ぐとこはできても、アイツの全力の斬撃を防ぐことは多分できない。
さっきの女の子が可愛く見えるほどの(実際可愛かったけど遼には及ばない)バカ魔力、あれを集中させれば私の鎧なんて簡単に砕けるはずだ。
けれど、実際にそれをすると防御が著しく低くなるし、第一あの動きから察するにど素人、私が負けるはずはない。
だが、奴に決定打を与えていないものまた事実。
私は防御力は随一だけれど、攻撃力はそうでもない。
それに私はデバイスを持っていないため、こうして素手で戦うことになっている。
今まではそれでもよかったが、今回の相手にはそれが通じない。
どんなに隙をついてもシールドではじかれるし、全力で殴っても受け止められる。
おそらくあの銃剣が彼のデバイス、あれがサポートしている限り隙はない。
そして正面から殴っても受け止められるのは、単純にアイツの筋力が高いからだと思う。
まさに八方塞がりなこの状況に、女神の声が私に語りかける。
『クリム! 誰が突入して行ったか分かる?』
私の可愛い遼の声、これがあれば後十年は戦える。
『はい、どうやら少年のようです』
『少年? そいつも管理局員なの?』
少し考える。
『いえ、話を聞く限りでは違うようです、これからいろいろと聞き出そうと思いますが――』
『うん、ちょっと待って! 今なんて言ったの!』
?
『これからいろいろと話を』
『その前!』
『話を聞く限りでは、ですが?』
『…………、ねえ、今どこで何をしてるの?』
『只今、神社で少年と交戦中です』
『…………ねえ、私来ないでって言ったよね?』
『あ、えと、その』
私が慌てたところにアイツの剣が襲いかかるが、ギリギリ回避成功、今のは危なかった。
『いいから! 急いで離脱! ジュエルシードの回収が終わってるなら結界も解くこと! いい!』
『了解しました!』
女神がメデューサに堕ちるくらいの威圧に負け、右手に黒い球体を作る。
「お、新技か」
「ええ、残念ながらあなたを殺すのはまた今度ということで」
「は、それって――」
彼が何か言う前に私はそれを握りつぶした。
「な! 眩しっ!」
そう、これはただ光るだけの魔法。ダメージは全くない。
けれど、逃げるにはピッタリの魔法だ。
彼の目がくらんでいるうちに、私全力で逃げ出した。
side なのは
「何だったんだろうね、あの結界?」
「さあ、僕にはわからないけど、なのはと同じように町が壊れるのを見たくない人が張ったと思うよ」
「そうなの?」
「多分、あの結界出るのは簡単だったみたいだし、なのはを閉じ込めるのが目的じゃないなら、ジュエルシードを閉じ込めてたと考えるのが妥当だよ、それに……」
ユーノ君は私のベッドを見つめ、いや、正確にはそこで寝ているもう一人の私を見つめたの。
「こんな身代わりを用意してくれるくらいだから、一応僕らの味方と考えたいいと思う」
「でも、結構おっちょこちょいだと思う」
私が普通に家に帰っていたらきっと大騒ぎになってたと思うの。
直前に連絡してくれたユーノ君には感謝してるの。
「それにしても、本当にそっくり」
私が彼女の頭に触れる。
『対象の接触を確認』
「へ!?」
急に彼女の目が開き、こちらを見つめる。
『対象に目立った被害なし、治療の必要なし、任務完了、これよりマザーの元へ帰還する』
「え、え、ええ!?」
彼女の体が光ったかと思うと、彼女を中心に魔法陣が現れ、彼女は消えてしまった。
「これ、転送魔法……、きっとなのはが帰ってきたのを確認すると自動で持ち主の所へ帰ってくるようにセットされてたんだと思う」
「そう、なんだ……」
私がボーゼンとしていると、携帯電話が鳴り出す。
何かと思い携帯を開くと、アリサちゃんからメールが届いてたの。
『明日、あの子と一緒にお弁当食べることになったからなのはも来るように!』
………………え?
…………え!?
ええええええええええええええええええ!!?
後書き
解説
『ベイオット』簡単に言うとガンダムエクOアの剣、
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