問題児たちが異世界から来るそうですよ? ~無形物を統べるもの~
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サウザンドアイズの偉い人って、変態しかいないんだろうか・・・
一騎打ちが終わり、屋敷に帰る途中、遠方から褐色の光が一輝の方にに射し込み、レティシアはハッとして叫ぶ。
「あの光・・・ゴーゴンの威光!?」
「って、俺の方に来てないか!?」
一輝は自分に向かってくる光を操ろうとするが、その前にレティシアに突き飛ばされる。
「だ、ダメです!レティシア様、避けてください!」
黒ウサギの声も虚しく、一輝をかばったレティシアは瞬く間に石像となり、横たわった。
そして、光の射し込んだ方向から、翼の生えた靴を履いた騎士風の男たちが飛んでくる。
「いたぞ! すぐに吸血鬼を捕獲しろ!」
「ノーネームもいるようだが、どうする!?」
「邪魔するようなら、切り捨てろ!」
空をかける騎士たちの言葉を聞き、一輝は黒ウサギに尋ねる。
「なあ、黒ウサギ。あっちもああ言ってることだし、邪魔をしてきていいか?」
「お気持ちはわかりますが、我慢してください!とりあえず本拠に・・・」
「これでよし。今回の交渉相手は、箱庭の外とはいえ、一国規模のコミュニティだからな。奪われでもしていたら・・・」
「箱庭の外ですって!?」
黒ウサギが一輝の説得をしている途中、聞こえてきた言葉に抗議を上げる。
「彼らヴァンパイアは箱庭の中でしか太陽の光を受けられないのですよ!?そのヴァンパイアを箱庭の外へ連れ出すなんて・・・」
「我らの首領が取り決めた交渉。部外者は黙っていろ。」
気がつくと、百に匹敵する軍勢が空を飛んでいる。
こんな規模での不法侵入をするのは、“ノーネーム”だということで見下しているからこそ、やる行為だ。
「そこの方々?不法侵入の罪でぶっ潰しますよ?」
一輝は、自分達が見下されていることに気づき、静かに怒る。
「ふん。こんな下層に本拠を構えるコミュニティに礼を尽くしては、それこそ我らの旗に傷がつくわ。身の程を・・・」
「貴様が知れ!!」
ブチギレた。一輝がブチギレた。一輝の人生で二位くらいのキレっぷりだ。
そして、キレた勢いでざっと五十人ほどを重力によって地に縛り付ける。
「こっちは、話してた友達を急に石化されたり、所属してるコミュニティをバカにされたり、」
一度、言葉を切り、左腕を・・・避けきれず、石化した左腕を見せて、続ける。
「左腕を石化されたりして苛立ってるんだよ。今おとなしく帰ればこれ以上、この場ではなにもしないどいてやる。
レティシアは・・・そっちの所有物だからな。持って帰ってもいいぞ。」
一輝は怒気を強め、重力を解除して交渉を・・・いや、命令を下す。
「く・・・撤退。」
ペルセウスの軍勢は不可視のギフトを使い、レティシアごと消える。
それを確認した一輝は二人のほうを向き、
「・・・一人だけ言いたい放題、やりたい放題やってごめん・・・」
冷静になった一輝は、とりあえず二人に謝る。
「まあ、左腕の分で抑えたからよしとしてやる。」
「そりゃどうも。黒ウサギもそんな感じで?」
「は、はい。それよりも、左腕は大丈夫なのですか?」
「これのこと?」
一輝は動かない左腕を指して尋ね、黒ウサギはそれを首肯する。
「別に、なんの問題もない。何なら今すぐにでも戻せるけど・・・それはしないほうがいいかな?」
「まあ、一輝はあんだけのことをしたからな。やられた分はやり返したってことにするにはそのままのほうがいいな。」
「では・・・」
「ああ。白夜叉のところに行くぞ。御チビとお嬢様、メイド二人を呼んでこい。」
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「うわお、ウサギじゃん!いやー本当に北側にウサギがいるなんて・・・ってか、ミニスカにガーターソックスってずいぶんエロいな!うちのコミュニティに来いよ。三色首輪付で毎晩可愛がるぜ?」
とっても解りやすい外道っぷりを見せながら、ルイオスは黒ウサギを視姦してはしゃぐ。
サウザンドアイズの幹部って、変態しかいないんだろうか・・・
「先に断っておくけど、この美脚は私達のものよ。」
「そうですそうです!黒ウサギの脚は、って違いますよ飛鳥さん!!」
「そうだぜお嬢様。この足は既に俺のものだ。」
「そうですそうですこの脚はもう黙らっしゃい!!!」
「よかろう、ならば言い値で」
「売・り・ま・せ・ん!あーもう、まじめな話をしにきたのですからいい加減にしてください!黒ウサギも本気で怒りますよ!!」
「馬鹿だな。怒らせてんだよ。」
「このお馬鹿さま!!!」
スパーン!!!ハリセンを一閃。今日の黒ウサギは短気である。
そこから、ルイオスがノーネームをペルセウスに勧誘したり、黒ウサギの服装のことで十六夜と白夜叉が意思疎通したり、その光景に音央と鳴央がデジャブを感じたりしてから、本題に入った。
《何か最近、ダイジェスト多くない?》
変えづらいというか、なんと言うかで・・・増えてはいるな。
ところで、いつになったらこっちの分に介入しないってことを覚えてくれるんだ?
《そんなつまらないことを、俺がすると思う?》
つまらない云々じゃなく、覚えてくれ。
さて、話を戻して、黒ウサギがレティシアのことや軍勢の放った暴言の数々について話し終わったところだ。
「以上の内容になりますが、何か言いたいことは?」
「もちろんあるよ。こっちもそいつに五十人あまりを攻撃されているし、あの吸血鬼が逃げ出した原因はお前達なんだ。こっちにのみ非があるわけではない。」
「攻撃については、非はそっちにある。やりたいことはやったからチャラでいいけどな。」
一輝は石化した左腕をルイオスに見せる。
「やられた分はやり返すって形にはなったが、これは、そっちに非があるよな?」
「・・・解ったよ。じゃあ、こっちも五十人のことは構わない。難癖付けられても困るしな。その石化はといとくよ。」
ルイオスは、一輝の腕に懐からとり出した液体を一滴たらし、一輝の腕を元に戻す。
「さて、それじゃあ交渉に入ろうか。」
そこからは、知っている人も多いだろう、黒ウサギとレティシアとの交換の話をして、解散する。
《一話の中で二回もダイジェストって・・・》
変えれるようなところがないんだ、しょうがないだろ。
そして・・・
《こっちの文に介入するな?もうそれ飽きたよ。》
ならやめろ。
《あんたで遊ぶのには飽きてない。》
このやろう・・・
後書き
こんな感じになりました。
では、感想、意見、誤字脱字待ってます。
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