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環の理

作者:三島 渓山
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鋼の錬金術師
  人造人間

 
前書き
二日続けて投稿だぁ! 

 






 私が発した内容に皆驚愕なる表情を浮かべていた。



 「この国全員分の賢者の石だと……!?」

 「本当に作れるかどうかは疑問だけどね。ただ、錬成陣は着実に書かれているわ」

 「どうやって気付いたんだ?」

 「賢者の石の錬成陣とこの国の主な内乱や国境戦を見ると一つを除いて一致するのよ。偶然と片付けるには危険というぐらいね」

 「そしたらこの国は……」

 「その為だけに作られたという事か……!」

 「軍事国家なのはその方が必要な分の領土を得やすいからかよ……!」



 エルリック兄やマスタングは怒りに震え、弟とノックス先生は言葉を失っている。



 「阻止するには親玉をやっつけるしかないんだが……人造人間(ホムンクルス)が部下だ。親玉自体も途轍もない再生能力を持ってる筈よ」

 「……アメストリスは大変だナ」

 「他人事みたいな風に言うよなリンは」

 「対岸の火事みたいなもんだからナ。あまり危機感わかないゾ」



 確かにな。対岸というにはちょっと距離的には離れてるかもしれないが。



 「それよりも人造人間(ホムンクルス)はどうすル?」

 「まずは情報を聞き出す。出来れば賢者の石も取り出そう。私の部下の治療に使えるかもしれん」

 「おいおいおイ!ランファンの腕まで犠牲にして手に入れたんダ!すぐにでも国に持ち帰させてもらウ!」

 「ちょっと待てよ!こっちだって元の体に戻る為に探してたんだ!持ち逃げは許さねぇ!」



 ギャースカギャースカ!



 「……浅ましいなぁ」

 「……兄さん」

 「……帰ってもいいか?頭が痛くなってきた」

 「送っていくよ」

 「おう」



 私は参加はしない。賢者の石は魅力的だけど、三人みたいに使用目的がないからね。



 「マスタング……?」

 「……ん?」

 「マスタング……ラストころした……ラスト……マスタングたいさ……」



 譫言の様に囁く人造人間(ホムンクルス)。不気味過ぎてさっきの喧騒も静かになっていた。



 「ロイ・マスタング!」



 その瞬間、小屋は半壊した。





 ~~~~~~





 「あっぶねぇ……!」



 危うく死ぬ所だったね。享年29歳(独身)なんて笑えないよ!



 「な……何しやがったこいつ……!」

 「丸ごと飲み込んダ……?」

 「マスタング……!」

 「皆散開しろ!」



 ガボン!障害物関係なくえぐり取られたかのように飲み込まれている。



 「こんな……こんな化け物を造り出すのか……錬金術って奴は……」

 「仕方がない。始末するぞ」

 「ちょ……折角捕まえた人造人間(ホムンクルス)だよ!?」

 「ここで死ぬよりましだ。こいつはもう生かしてはおけない!」



 マスタングの焔の錬金術が空気を伝い、グラトニーを襲う。だが、その攻撃は不発に終わってしまった様だ。



 「炎を……」

 「飲んだ?」

 「物質以外も飲み込めるのか。これは厄介ね」

 「使えねー!」

 「大佐の馬鹿ーーー!!」



 一目散と逃げる三人にそれを追う人造人間(ホムンクルス)。ぽつんと残される私。



 「助かった……?」



 そういや狙ってるのはマスタングよね。マスタングから離れれば攻撃される事はないのか。



 「そこにいたのかシルバーバーグ!さっさと乗れ!」

 「分かったわ!」

 「街に行けばまともな治療が出来る!俺は一般人なんだ!こんな訳の分かんねー所で死んでたまるか!」



 私は車に乗り込み、ノックス先生は車を発進させた。本当についてねー一日だね。





 ~~~~~~





 「早くしろ!」



 爆音を背に逃げてきたが病み上がりのマスタングを拾いに途中で停車した。少しするとエルリック兄弟とリン、マスタングを背負ったリザがやってきた。



 「オラ役立たずはさっさと乗って帰れ!」

 「なっ……この状況で帰れと言うのか!?」

 「足手まといだ!」

 「帰って!」

 「役に立たないわよ!」

 「役に立ってません大佐!」



 罵倒×4でさすがに落ち込むマスタング!効果は抜群だ~!



 「大佐は自分の仕事をしろ。大佐にしか出来ねぇ仕事って奴をよ」

 「お前達はどうすんだ!?」

 「行ってくれ。もう満席だろ?」

 「馬鹿野郎!」

 「戦場に子供を置いていける訳ないでしょ!?」

 「怪我人も置いていけないわ」

 「メイ!?」

 「覚悟した人間を動かすのは骨が折れる……でしょ?それに戦場に子供も大人もないわ」

 「そういうこった」



 リザは諦めたのか自分の銃をエルリック兄に渡そうとする。



 「エドワード君、これを持っていきなさい。使い方はメイに聞いてちょうだい」

 「それは……人を殺す道具だ」

 「貴方達の命を守る道具よ」

 「……借りとくよ」



 ドォォォン!



 「奴が近づいてきていル!出発してくれ!」

 「すいません……若……」

 「行こうノックス先生」



 ブォォォォォーーーン!



 「行ったな……」

 「大佐は良かったの?」

 「怪我人とその関係者が先よ。それに子供にも良い恰好を見せておかなきゃね」

 「…………」

 「これでもイシュヴァール経験者よ?戦闘経験なら貴方達の倍以上はあるわ」



 ドン!ドドドドドドドド!



 「ロイ・マスタングはどこだ!よくもラストを!許さんぞぉおおおおおお!!」

 「……とはいえ、あんなの相手にしたくはないわね」

 「ていうか口調変わってね?」

 「どうやって捕まえる?」

 「せめて前の状態に戻ってればおとなしかったんだけどねぇ……」

 「マスタングを腹の中に放り投げておけばよかったわね」

 「惜しかったな俺達」



 バクン!話している途中にも外見の体積を越えた質量を食い千切っている。



 「どこにあの質量が入ってるのかしらね!」

 「俺達じゃ人造人間(ホムンクルス)の原理を理解出来ねぇ!」

 「ああもう埒があかない!」



 パニクっている時、前に感じた空気を感知した。エンヴィーか?



 「どうし……馬……?」

 「止まれグラトニー」

 「馬が喋った!?」

 「万国ビックリショーも真っ青ね!」

 「おまえっ……この前の……!」



 いきなり馬が変化し始めた。骨が体格が皮膚が、人間へと変わっていく。全てが人間を超えている動きだった。



 「やぁ。鋼のおチビさんは久しぶりだぁ!」



 こいつがエンヴィー……!?
 
 

 
後書き
モバマス・・・特になし。

ここで原作との乖離が出ました。リンがランファンと一緒に車に乗り込んでいる事になってます。 
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