聖闘士星矢Ω 虎座の聖闘士
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第二話 旅立つ猛虎!カイザーナックルを求めて!
山脈地帯の街道
「へぇ・・・へぇ・・・」
ザックを背負い歩く大河の姿があった。竜児の元から旅立って3日、竜児が捨てたカイザーナックルを求めて旅だったのだが、肝心な場所を聞くのを忘れてしまった。
今戻れば竜児にも危険が及ぶかもしれない為、戻るに戻れずかつて竜児が死闘を繰り広げた場所を尋ねることにし、影道一族の元へ向かっている途中だ。
第二話 旅立つ猛虎!カイザーナックルを求めて!
「ここはどこだ~・・・」
何処をどう彷徨ったのか知らずいつの間にか樹海に入ってしまっていた大河。
しかも磁石も聞かずに骨も多い。
迷えば確実に自身も骨になってしまう。
「はぁ・・・影道の隠れ里に来れば手掛かりがあると思ったんだけどなぁ・・・」
大河が近くにあった手頃な石に腰を掛けようとしたその時だった。
(触るな)
「!?」
突如響き渡った声に驚いた大河が石を見つめるとそこには何と竜児の名が刻まれていた。
「これは何だ?・・・墓?竜児さんの墓?冗談じゃねえぞ?・・・!?」
大河が廻りを見るとそこには剣崎順・香取石松・志那虎一城・河井武士の墓もあった。
「誰だ!こんな嫌がらせをする奴は!?」
目の前に理不尽に大河が激怒すると急に無数の気配に囲まれている事に気付いた。
その影は大河を逃がすまいと完全に退路を断っていた。
「何もんだ!てめえら!」
大河の問いかけに一際大きな男が表に出て名乗り上げた。
「影道一族」
「影道一族・・・まさかてめえらがあの」
ファイティングポーズを取る大河に大きな男・野火が大河の顔を見つめた。
「ほぉ・・・我らに戦いを挑むか?」
「待て野火」
野火が大河と戦おうとすると奥に控えていた黒夜叉が止めた。
「盲目の私にはわからないが目の前に誰がいる?」
「何とは・・・ただの小僧だ」
「いや・・・盲目の私には目の前に居るのは・・・高嶺竜児に見えるのだが・・・」
盲目の影道一族・黒夜叉は大河の姿に竜児を重ね合わせていると野火が尋ねた。
「そうか・・・貴様・・・高嶺竜児の一子か」
「何!?違う!竜児さんは俺の親父じゃねえ!俺はただの孤児だ!」
野火に飛び掛かる大河は拳を放つが野火はあっさりと受け止めた。
「確かに・・・お前は高嶺竜児の子ではないようだな」
「なに!?」
「高嶺竜児の拳はこんな物ではなかったぞ!!」
「!!」
野火の一撃に気を失う大河が地べたに倒れてしまった。
「この程度の男か・・・高嶺竜児の息子と思い過信し過ぎたようだ」
野火の言葉に影道一族は撤収してしまった。樹海に残された大河はこのまま放っておけば骨になってしまう。
だがそんな大河の元に一人の男が姿を現した。
「う・・・ん・・・」
しばらくして意識を取り戻した大河。どれくらい意識を失っていたかはわからないが日はすっかり暮れ辺りは真っ暗だった。
「ここは・・・」
「目を覚ましたか?」
「?」
大河が周囲を見回すと声が響きその方向へ振り替えると焚火をしている男の姿が・・・
「あなたは・・・!?」
焚火をしている男の顔を見て驚愕する大河。その男の顔には鬼の面が付けられていたからだ。
「あなたは・・・「傷は大丈夫のようだな」・・・ああ・・・え?」
男に言われて自分の身体を確かめる大河。先程の野火の拳の一撃を浴びて傷ついた身体を確かめるが不思議と痛みは引いていた。
「影道回生覇・・・貴様の傷は癒えたはずだ」
「あ・・・あんたが・・・礼を言うよ・・・俺は「高嶺大河・・・高嶺竜児の息子」え?」
出逢う者すべてに竜児の息子と言われてしまう大河。気を取り直し大河が焚火を挟んで男の正面に座ると男は大河に問いかけた。
「何しに来た・・・貴様のような小僧が・・・」
「え?」
「こんな奥深くに来るという事は余程の理由があるのであろう」
男が方向を指さし言葉を続けた。
「こっちの方向へ向かえばとりあえず出られる」
「いや・・・そんなわけにはいかないんだ」
「ほぉ・・・何故だ」
「ここにカイザーナックルの手掛かりがあるかもしれないんだ」
大河の目的を聞いた男は聖衣を見つめ頷いた。
「なるほどな・・・貴様聖闘士か」
「俺は・・・ボクサーだ!」
「小僧・・・命が惜しければボクシングの道も聖闘士の道も諦めろ・・・それだけだ」
男がある大木を見るとそこには先程野火に向かって放った拳の跡が残っていた。
「これは・・・この小僧がやったのか」
大河に振り返る男。すると大河が立ち上がり・・・
「あんたが何者か知らないが・・・俺は自分の夢を掴み取るために聖闘士になる・・・そしてボクサーにも」
ファイティングポーズを取る大河を見た男は戦いは避けられないと思い自身も構えた。
「あんた・・・ボクサーか?」
「それなりにはな・・・」
「なら・・・先手必勝!!」
男に向かって駆ける大河のジャブが繰り出されると男は華麗な動きでかわし大河のボディにストレートを放った。
「ぶは!」
口から吐血する大河だがそれでも立ち上がり男に向かって構える。
すると男は大河に向かって言った。
「ほぉ・・・なら今楽にしてやる・・・」
「であああああああああああ!!」
鬼の面をした男に殴りかかる大河だが、鬼の面の男は人差し指を大河の額に突き付けた。
「!!」
その瞬間大河の身体がピタリと止まり全ての感覚が麻痺している。
「ふん・・・馬鹿め・・・この程度ではたとえカイザーナックルがあったとしても闇闘士と戦うことなどできん」
「なに!?」
「ならば・・・貴様との決定的な力の差を見せてやろう・・・」
鬼の面の男がボクシングの構えを取り大河に向かって拳を放った。
「受けてみろ!影道雷神拳!!」
「ぐあああああああああああああああああああああああ!!」
男の拳で吹き飛ばされ宙を舞う大河。大地に真っ逆さまに激突し身体中から出血しその力の差がありありと伺えた。
「くぅ・・・ちきしょぉ・・・」
頭から出血しながら立ち上がる大河を見た鬼の面の男は腕を組んで宣言した。
「ふん・・・見上げた根性だな・・・流石奴の一子か?」
「違う・・・竜児さんは・・・俺の親父じゃねぇ・・・」
自身の根性を奮い立たせ仮面の男に向かって拳を放つ大河だが、放った拳を掴みとられてしまった。
「貴様それを否定し続ける限り強くはなれん・・・戦い方も未熟なようだな・・・その内に秘められた力を半分も出していない」
すると男は大河の拳をぶっきら棒に振り払うと背を向けた。
「貴様は・・・まだまだ未熟・・・精々パライストラへでも行って腕を磨くんだな」
「パライストラ・・・!?」
大河が見慣れぬ言葉を耳にする途端、再び身体中の感覚が麻痺した。
「意識を失う前に言ってやる・・・貴様はまだ秘められた力の半分も出していない・・・聖闘士はおろか・・・ボクサーとしてもな」
「な・・・ん・だ・・・と・・・!」
意識を失い倒れる大河を受け止める鬼の面の男は仮面を外した。
「こいつに秘められた力が爆発しない限り戦いは向かない・・・だが・・・相手を思う優しさ故か」
そう言いながら影道殉は人里へと降り大河をパライストラへの連絡船へ連れ込み無理矢理パライストラへと送り出した。
「高嶺竜児はその優しさゆえに苦しんだ・・・その血を引く奴も同じようだ・・・あいつもまたボクサーには向いていないようだ」
大河を乗せた船が出港する様子を見届ける影道殉はこれから来るであろう大河の壮絶な戦いを予見するのだった。
後書き
パライストラへ来た俺は聖闘士の修業をするべく檄と言う人にある人を紹介された。なに?若干10代でスチール聖闘士とやらの開発に関わる天才エンジニアだと?て?女の子?ちょっと待って!いきなり聖闘士ファイトに出ろなんてどういう事だよ!?
次回!聖闘士星矢Ω 虎座の聖闘士 唸れ師の拳!その名はブーメラン!
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