| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

聖闘士星矢Ω 虎座の聖闘士

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
< 前ページ 目次
 

第一話 現れた猛虎!その名は大河

 
前書き
名前 高嶺大河 虎座の大河(ティグリス大河)

年齢 14歳

必殺技 ブーメランフック
ブーメランスクエアー
ハリケーンボルト
ジェットアッパー

概要 孤児であり、黄金の日本Jr高嶺竜児に育てられる。竜児の試合を見ている内にボクシングに魅せられ自身も竜児の元でボクシングの修業を重ねる。しかし竜児たち黄金の日本Jrを危険視した闇闘士により竜児が襲撃される中、虎座の聖衣に選ばれ聖闘士としての資格を得る。

頼っていい大人が竜児しか居なかったのか竜児を父親のように思っている部分がある。

小宇宙を使いこなせれば竜児を元の身体に戻せるかもしれないと考えボクサーの道を諦め聖闘士になる道を選ぶ。ロクに聖闘士の知識が無い為、小宇宙を自在に使いこなすことが出来ず爆発的な力を開放できないが、竜児を師事していただけあって彼の必殺ブロー・ブーメランフックを小宇宙無しで使え並の聖闘士であれば戦える。

しかし小宇宙の補正が無い為、使えば彼自身も徐々に身体が蝕まれていく。竜児の友人である香取石松と河井武士にも教えを受けた為、彼らの必殺ブローであるハリケーンボルトやジェットアッパーも習得。ボクサーを目指していた為か蹴りを好まず己の拳のみで戦うスタイルを取る。

竜児の「左を制する者は世界を制する」の指導の下、全ての必殺ブローを左拳で習得しているが、右拳に必殺ブローが無く左拳を封じられてしまう事が聖闘士としての弱点である。

尚当人の利き腕は右腕である。

姓が高嶺なのは竜児の好意である。

性格は竜児や石松との交流でかなり三枚目でありボクシング一筋で生きてきた為、学力はあまりない。河井にジェットアッパー習得の際にピアノの指導を受けたがあまり上手い方ではない(ジェットアッパーの旋律だけは何とか覚えた)。

彼の虎座はやまねこ座の別名である。

※本作品においては、やまねこ座と虎座は別物扱いとする。


 

 


晴れた海岸線の猟師町。

「は・・・は・・・は・・・」

気持ちよく潮風が吹いている中、トレーニングウェアに身を包んだ少年・高嶺大河が埠頭を走っていた。


第一話 現れた猛虎!その名は大河!

「は・・・は・・・」

ロードワークをしながらファイティングポーズをとりシャドーをやる大河。

大河は近所のボクシングジムに所属しているボクサーの卵であり世界チャンピオンになるべく師匠でもあり育ての親同然の高嶺竜児に鍛えられている。

「ふん!はあ!!」

左ジャブを繰り出し世界の強豪と戦う事を夢見る大河がロードワークを終えると、やや草臥れたボクシングジムに帰ってきた。


高嶺ボクシングジムの引き戸を開けると練習道具を磨いていた竜児が出迎えた。

「ただ今」

「おう!虎!お帰り」

明るく竜児が出迎えると早速大河にグローブを渡し、自身はミットを装着すると練習用リングに上がった。

「さあって・・・やるか」

「はい!」

グローブを装着した大河が竜児相手にミット打ちを開始するとすぐさま竜児の一撃を浴びてしまった。

「どうした虎?まだまだ脇が甘いぞ?」

「うおおおおおおおおお!!」

大河が渾身の左ジャブを繰り出すと竜児がミットで受け止めると凄まじい衝撃が走った。

一瞬、周囲の空気が止まり大河が拳を降ろした。

「ぜぇ・・・ぜぇ・・・」

「よっし!少し休憩するか虎・・・」

「いや・・・まだまだ!!」

休憩を拒む大河は再び竜児に向かってワンツーを繰り出し食らいついた。

竜児に倒されても倒されても何度も立ち上がり食らいついてくる大河に感心する竜児。

すっかり日も暮れ夜になると夕飯を食べ始める大河と竜児。

ジムのど真ん中にちゃぶ台を構え、めざしと白飯に味噌汁を食べる大河と竜児。

「虎・・・お前強くなってきたぞ」

「え?本当ですか?」

「ああ・・・世界チャンピオンは近いかもな」

「はい!!」

竜児の世界チャンピオンという言葉にジャブを繰り出す大河。すると大河のジャブを受け止める竜児。

「おいおい飯くらい静かに食えよ」

「あ!すみません!」

そう言いながら大もりの白飯を食べる大河はその後ジムの掃除を始めた。

練習用具に対する感謝の意を込め一生懸命磨き、奥の倉庫へ段ボールをしまいに行くと何か巨大な箱のような物を見つけた。

「なんだこれ?」

思わずノックしてみる大河。石のような金属のような、そんな感じの質感だった。

すると大河はかつて竜児に言われた事を思い出した。

前に竜児がこのジムを譲られた時に一緒に有った巨大な箱だった。詳細は竜児ですら知らず前の持ち主がとりに来るだろうと思い放っておいた。

「開くかな・・・これ?」

興味本位で開けてみようとすると何やら邪悪な気配が周囲を飲み込んだ。

息苦しい空気の中大河がジムへ戻るとジムの引き戸が破られていた。

「どうなってんだ?・・・!?」

大河がリングを見るとそこには夜の闇よりも黒い鎧のような物を身に纏った男の姿があった。

「!?誰だお前は!?勝手に他人ん家に上がり込んで何の用だ!?」

大河の様子を見た男はフッと笑みをこぼしながら言った。

「・・・小僧・・・貴様に用はない・・・高嶺竜児を出せ・・・」

「竜児さんを・・・一体何のようだ?」

明らかに敵意をむき出しにしている男に対し奥から竜児が出て来た。

「ずいぶんなご挨拶だな・・・俺に何のようだ」

「竜児さん!?」

竜児の登場に危機を感じる大河。

「ふん・・・高嶺竜児・・・我ら闇闘士(ダークセイント)

「闇闘士?・・・目的は」

「高嶺竜児・・・貴様の持つカイザーナックル・・・よこせ」

竜児に向かって手を出す闇闘士だが竜児はぼりぼりと頭をかくと言った。

「生憎・・・もう俺はカイザーナックルを持ってねえよ・・・捨てちまった」

「馬鹿な・・・伝説の武器を捨てたのか・・・貴様」

「ようが無いならとっと帰ってくれねえかね?」

そう言う竜児に対し闇闘士は拳を構えた。

「ふん!カイザーナックルを持っていない貴様など用は無い・・・と言いたいが・・・生憎俺は貴様の命も貰いに来た・・・貴様たち黄金の日本Jrは我らの邪魔になるだろうからな!!」

闇闘士が紫の光を発すると竜児に向かって拳を放った。

「!?」

咄嗟にサイドステップで避ける竜児。すると背後のサンドバッグが粉砕した。その拳から只ならぬ実力を感じ取る竜児。

すると

「竜児さん!!」

大河が跳躍し闇闘士に飛び掛かった。

「止めろ虎!お前の適う相手じゃない!!」

「小僧が!!」

「うわああああああああああああああ!!!」

闇闘士の一撃を浴びた大河は吹っ飛ばされ壁に大穴を開け叩き付けられた。

頭から大量出血し蹲る大河。

「虎!・・・てめえ!!」

竜児が構え闇闘士に向かってジャブを繰り出した。

「!!」

闇闘士の顔面をとらえ蹲ると追撃のワンツーを繰り出し闇闘士を吹っ飛ばした。

闇闘士が叩き付けられると竜児の左腕からフィニッシュブローが放たれた。

闇闘士の身体を真空波が飲み込むと叩き付けられ、竜児が止めを刺そうとすると・・・

「く!う!!」

突如竜児が膝をついた。それを見た闇闘士はあざ笑うように言った。

「ふ!やはりな!高嶺竜児・・・貴様の身体はかつての激戦に蝕まれている・・・長くは戦えないようだな・・・!!」

「うぅぅぅぅおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!」

渾身のブーメランテリオスを放とうとするが竜児の身体が悲鳴を上げこれ以上の戦いを続けられない事を語った。

その姿を見た大河は・・・

(りゅ・・竜児さん)

瓦礫の下にある自分の身体を必死に起こそうとしている。だがダメージが凄まじくとてもじゃないが立てるような状態じゃない。動くたびに身体中から出血する大河。

(・・・立て・・・俺の身体・・・)

身体中の神経を研ぎ澄ませ、必死に立ち上がろうとする瞬間

何かの感覚が駆け巡り

身体の中に何かが爆発しようとしていた。

闇闘士が竜児に止めを刺そうとした瞬間。

「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

身体に秘められた力を爆発させ立ち上がる大河。

その様子に振り返る竜児と闇闘士。

「な・・・なんなんだあれは?」

大河の身体中から発せられる光を見て竜児が驚愕すると闇闘士が呟いた。

「馬鹿な・・・あれは・・・小宇宙・・・奴は・・・聖闘士か」

「聖闘士?」

聞きなれない言葉に竜児が大河を見るとはっきり見えた。

大河の身体の中に描かれる虎の姿を・・・

「!!」

大河の小宇宙がジムの倉庫に眠る箱に向かって放たれると箱が解放され中から虎のオブジェが現れ大河の身体に向かって行った。

「!!」

大河の身体に装着される虎のオブジェ・・・虎座の聖衣。

背後に虎座が描かれた。

「な・・・何故だ・・・何故聖衣が・・・それにあんな聖衣は見たことが無い」

闇闘士が大河の姿に驚愕すると大河は左拳を構えた。

「でああああああああああああああ!!」

大河の左拳から放たれる真空波が闇闘士の身体を飲み込み宙で踊らせるとその鎧に一筋の拳の跡が走った。

「虎・・・お前」

「俺は・・・え?」

竜児に指摘され始めて自分が聖衣を纏っている事に気付く大河。すると闇闘士は最後の言葉を放った。

「そうか・・・きさま・・・聖闘士の力を・・・」

「聖闘士の・・・力?」

「これから先・・・我ら闇闘士は・・・お前を狙う・・・覚えていろよ・・・虎座(ティグリス)

そして不気味な斬りを吹き出しながら消滅する闇闘士。それを見た大河と竜児が新たなる戦いを予見した。

翌日

「・・・・・」

虎座の聖衣の箱を背負う大河が高嶺ボクシングジムを旅立とうとしていた。

昨夜竜児に言われ、ある武器を求めてのことだった。

「虎・・・カイザーナックルを探せ・・・」

かつて竜児の危機を救い続けたカイザーナックル。その力を借りれば闇闘士に対抗することが出来るかもしれないと託された大河は旅に出ることを決意した。

「じゃあ・・・行ってきます」

「ああ・・・行ってこい!」

竜児に送り出された大河はこれから来るであろう数々の苦難に立ち向かっていくのだった。


 
 

 
後書き
大河
「カイザーナックルを求め旅立った俺の前に現れる闇闘士・・・早速聖衣を装着しようとする俺だが、小宇宙を使いこなせず満足に戦うことが出来ない!!・・・負けねえ・・・俺には黄金Jrの拳がある!

次回!聖闘士星矢Ω 虎座の聖闘士  旅立つ猛虎!カイザーナックルを求めて!


 
< 前ページ 目次
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧