FAIRY TAIL~忍術を使う魔導士~
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第8話 ジェラール
前書き
投稿遅れました。すみません。
今回は………どうぞ(汗)
~エルザ~side
私は今、ジェラールを助けに行くために、マダラさんに担がれて一緒に五階にある『聖堂』というところに向かっている途中です。
「………。」(チラっ)
「………。」
私は改めてマダラさんの顔を見た。……腰まである長い髪に、髪のせいで隠れているが整っている顔立ち、そして……黒い勾玉模様の入った真っ赤な両目。
マダラさんが助けに来た時に、マダラさんの下にいた九つの尾を持っていた赤い獣も同じ目を持っていた。
何かしらの関係があるのか?
私はそう思い、マダラさんの顔をマジマジと見ていた。
すると、私がマジマジと見ていたのが疑問に思ったのか、マダラさんが理由を聞いてくるように話しかけてきた。
「……俺の顔に何かついているか?」
「!?い、いえ!……その、両目について少し……。」
「両目?……『写輪眼』のことか?」
「写輪眼?」
おじいちゃんが話してた何かの魔法の名前の事だろうか?変な名前だなぁ……。
「どんな事ができるんですか?」
「どんな事か……主に『いたぞ!』……どうやら回り込まれたようだな。」
「!?!?」
マダラさんが説明しようとした瞬間、後ろから数十人の神官達が走ってきた。
タッタッ……
「下ろすぞ、エルザ。」
「えっ?」
ドサっ
すると、マダラさんはその場に止まり私を下ろした後、後ろから来る数十人の神官達の方を向いた。
「すまないがエルザ…ここからは、一人で行ってくれ。俺もコイツらを片付けたら直ぐに向かう。」
「マダラさん……」
「聖堂はこの先にある筈だ。行け。」
「……分かりました。絶対に死なないでください!」
私は思った。また誰かが死ぬのではないかと。とても怖かった。
しかし、私はその考えを振り払い、マダラさんを信じて奥にある聖堂という所に走って行った。
~マダラ~side
「死なないでください、か……」
まさか、そう言われるとは思わなかった。魔法兵や神官共を圧倒的に倒しても尚且つ、死なないでと心配する。
恐らくエルザは、誰かが死ぬ事を恐れている。俺をおいて一人で先に行っている間に、もし俺が死んでしまったらと。
ダっダっダっダっダっダっダっ!
『へへっ……やっと追い付いたぜ!』
『首を切って見せしめにしてやるぜ!』
『はあはあ……ちょうしに乗りやがって…ぶっ殺す!!!』
すると、俺を追ってきた神官達が後ろで息をあらげながら、一人一人が殺すなど見せしめにするなどと、物騒な事を言った。
そんな怒っている神官共に俺は、火に油を入れるように挑発した。
「……やっと追い付いたか。」
『『『『『『『『『『『『『なっ!?』』』』』』』』』』
「それにしても、よくそんな鈍足で此処まで走って来れたな。そこだけは誉めてやる。」
『こ、こいつ……!!』
『嘗めやがって!!』
『何言ってんだてめぇは!!この大人数に一人でやろうってのか!?』
『ぎゃはっははは!!そんなに死にてぇなら、お望み通り殺してるよ!!』
『肉片にしてやるぜ!!』
「この俺を…殺す、か……。」
『あぁ?』
「生憎だが、ここで死ぬのは……お前らだ。』
『嘗めやがって!!』
『撃てぇ!!』
『消し炭にしてやる!!!』
ドギュゥン!ドギュゥン!ドギュゥン!ドギュゥン!
「ふんっ……炎系統の魔法か……」
神官共のうち、約3分の2が炎系統の魔法を撃ってきた。一つでは大した攻撃力ではないが、流石に何発も撃ってくるとまあまあな威力である。
しかし、それでも今の俺なら只の蝋燭の火と同じ。
「見せてやろう……これが本当の……」(パッパッパッパッパッ!)
俺は迫ってくる攻撃を見ながら印を組んだ。
ドギュゥゥゥゥゥゥン!!!
「スゥ……」
『ぎゃはっははははははっ!!!くたばりやがれ!!』
『あの距離なら避けるのも無理だ!!』
『大口たたいてた割りには大した事ねぇなぁ!!!』
神官共が勝ったと思っている。だが、それは間違いだ。
神官共の前にいる男、うちはマダラの不思議な手の組み方を少し気になった神官もいたが、そんな事もお構い無しに魔法を撃ってきた。
しかし、神官達は選択を間違えた。
もしマダラが、その不思議な手の組み方をしている間…あるいは組んだ後すぐに逃げていれば助かったかもしれない。
だが時はすでに遅く、マダラの口からは何か赤いものが見えてきた。
「火遁……」
『ぎゃはっはは……!?な、何だ!?あれは!?』
『口から火が!?』
『に、逃げろ!!!』
わあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!
「(もう遅い)豪火球の術!!」
ボォォォォォォォォっ!!!
『ひ、ひぃぃぃぃ!?』
『ぎゃぁぁぁぁぁ!!??』
『わぁぁぁぁぁ!?……あ、熱い……。』
『が……た…たす……け…』
マダラが放った炎の玉は、神官共の魔法を呑み込みそのまま神官達も呑み込んで焼き殺した。
辺りは火に囲まれており、肉が焦げているような匂いもしていた。
「………少し、やりすぎたな。」
あまりの火の強さに、このままではエルザがいる部屋まで火がやってきそうだ。
「(パッパッパ)水遁・水衝波!!」
ドドドドドドドド……!!
俺は火を消すために、二代目火影が使っていた術を使い火を消した。
「さて、エルザの方に向かうか。」
ザッ…タッタッタッタッタッ!
俺は後ろを向きエルザが向かった聖堂の部屋へと走って行った。
~エルザ~side
タッタッタッタッタッタ!
「はあ……はあ……」
私は、マダラさんが言った通りにこの階にある『聖堂』という部屋へ走って向かった。
「はあ…はあ……!?」
すると、5分ぐらいで何かの大きな入り口が見えてきた。
「はあ……あと…少し…!」
タッタッタッタッタッタッタッタッタッ!
私は勢いを上げ、大きな入り口の中へ入って行った。
入ってみると、そこには……
『お、おい!どうするぅ!?』
『だ、脱出に決まってるんだろ!?』
私達が脱走しようとした時に、私達を捕らえた二人のリーダー格の神官がいた。
二人はこの部屋から出ようと、入り口の外へ行こうとした時に私を見て止まった。
そして自分を助けようと、少女である私に言い訳をしてきた。
「………。」
『ひっ!?ま、待ってくれ!!』
『おぉ俺達は只命令されただけで……』
「……邪魔だ!!」
スパァン!スパァン!
『があぁぁぁぁぁぁ!?』
『うわぁぁぁぁぁぁ!?』
しかし、私は最後まで聞かずに二人の神官を切って、神官の後ろで縛られているジェラールの方へ向かった。
タッタッタッタッタッ
「ジェラール!!」
『………。』
ズバッ!
私はジェラールに近付いた後ジェラールを縛っている紐を切り、ジェラールを解放した。
そして、私はジェラールに今までおきた事を全て話した。
「ジェラール!もう大丈夫だよ!全部終わったの!マダラさんって言う人が私達を助けに来てくれたの!マダラさんが私達に自由をくれたの!……でも犠牲になった人も沢山いた…゜」
私はジェラールに自由を勝ち取った事、マダラさんの事、犠牲になった人の事、船があるという事を教えた。
『……エルザ。』
ギュッ……
「えっ!?」
すると、ジェラールはいきなり私を抱きしめた。私はいきなりの事で頭が真っ白になった。
『もう、逃げなくていいんだ……本当の自由はここにある。』
「っ!?」
バッ!
しかし、ジェラールが言った事があまりにも変で、私は直ぐにジェラールから離れた。
「何言ってるの!?一緒にこの島から出るよ!!」
『エルザ……この世界に、自由などない。』
「えっ?」
私は、この言葉でジェラールの異変に気づいた。
しかし、ジェラールはそのまま話しを続けた。
ドス黒いオーラを出しながら。
『(ゴゴゴゴ……)俺は気づいてしまったんだ……俺達が必要なのは…仮初めの自由なのではない。…『本当の自由』……《ゼレフの世界だ。》』
「!?」
明らかにジェラールはおかしい……言っている事があまりにも変だ。
すると、ジェラールは服を破きながら私の攻撃によって倒れていた二人の神官の内、痩せている方へ近づき首を掴んだ。その間にも、ジェラールが何かを言っていたが、私の頭の中へは入ってこなかった。
『……なぁ?(ガシッ!)ゼレフを蘇へさしてやる。』
『うっ!?』
パァァァァン……バリバリバリっ!!
「!?魔法!?」
私は、ジェラールの下から魔法陣が出てきた事に驚いた。
そして、ジェラールは魔法の力なのか、二人の神官を壁に叩きつけた。
「やめて!ジェラール!」
ガシッ!
私はジェラールの手を掴み、魔法を使わせる事を阻止しようとした。だが、ジェラールの質問により、力が緩んだ隙にジェラールに力づくで振り払われた。
そして、ジェラールはゼレフや憎しみなどと、理解できない事ばっか言ってきた。
『駄目だ!それではゼレフを感じる事はできない!』(パァァァァン!)
『や、やめ(バァァァァン!)』
「うっ……!?」
しかし、ジェラールは止まらず、魔法で太っている神官を灰にした。
ジェラールはそれを見て、狂ったように笑っていた。
『エルザ……一緒にRシステムを完成させよう。……そして、ゼレフを復活させるのだ。』
「何言ってるの!?馬鹿な事を言わないでここから出るのよ!!」
『………。』(パァァァン)
ドガァァァァン!!
「きゃあぁぁぁっ!?」
私はジェラールを説得しようとしたが、謎の力により吹き飛ばされた。
「うぅ……『フハハハ…。』…ジェラール……」
『いいよ。出ていきたければ一人で出ていけばいい。』
「一人!?」
『他の奴等は、全員俺が貰う。この塔の建設には人が必要だからな。』
「ジェ……ジェラール……。」
『心配しなくていい。俺は奴等とは違う。』
「何を言ってるの……もう皆は船の上!…私達を待っているのよ!!今更こんな所に戻って、働く筈がない!」
私は、段々とジェラールが分からなくなっていった。
今までのジェラールが偽者で、今のジェラールが本物なのか。そして、恐くなっていった。まるで、目の前にいるジェラールが全くの赤の他人のようだと。
「ジェラール……目をさまして……。」
私は小さな声で訴えた。しかし、ジェラールにその言葉はとどかなかった。
『目ならさめているよ。』(パァァン!)
「ぐっ!?」
『お前はもういらない。……だけど生かしておいてやる。邪魔な奴等を排除してくれたしね。』
違う……こんな事のために…戦った訳じゃない…。
『お前はこの島に出て、仮初めの自由を堪能してくるがいい。だが、この事は誰にも言うな。楽園の塔の存在が政府にばれるとヤッカイだ。もしばれてみろ……俺はこの塔にいる奴等を殺さなければならない。』
「ぐっ!?」
『そして、お前がここに近付くのも禁止だ。もし近付いてみろ……そうだなぁ………ショウあたりを消す。』
「!?うぅぅぅぅ……」
『それが!お前の自由だ!仲間の命を背負って生きろ!!!エルザぁ!!』
パァァァァン!!
「ジェ……ラー……ル……」
私は何も言えなかった。何も考える事もできなかった。
只ジェラールに言われるがままだった。
私は黒い魔法陣の上に置かれ、光と共に消えた。
キュイィィィィン……バァァァァン!!!
全てを残して………。
後書き
どうでしたでしょうか?
次回で楽園の塔編は終わります。
何か指摘、感想、助言がある方はドシドシ書いてください。
クレームは受け付けません。
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