FAIRY TAIL~忍術を使う魔導士~
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第7話 無力な力
前書き
投稿遅れました。
書いている途中に強制終了ばっかしてしまい、ラストと
いうところで全てが消えてしまい、いつのまにか時間だ
けが過ぎていました。
~マダラ~side
タッタッタッ!
「……。」
俺は今、ジェラールを捜しに楽園の塔をさ迷っているところだ。が、ここって本当に無駄に広いな。今何処らへんにいるか全く分からない。
…段々イライラしてきた……。
『おい!貴様止まれ!』
『いたぞ!こいつが奴隷の反乱の核だ!!』
『ぶっ殺してやる!!』
そう思っていると、10メートルぐらい前に3人の神官がいた。
「(たくっ…雑魚の分際で俺に闘いを挑もうとは……。)死んでから後悔しろ。」
ズバッ!ズバッ!ズバッ!
『ガァっ!?』
『グフっ!?』
『ギィっ!?』
ドシャ!!!
「ふんっ…他愛ない……。」
シュッ!
俺は手に持っていた鎌で神官達の首を切った。
そして、何事も無かったようにその場から去った。
「……何処にいるんだ?ジェラールは……。」
それから30分。
一向にジェラールの姿が見当たらなかった。
今は懲罰房、つまり最下層にいる。
奴隷達の話しによれば、何かしらの罰を受ける時は懲罰房へ行くと言っていたが…何もない。
率いて言うなら、血塗れになった俺と神官達しかいない。
正直ジェラールが捜しても見つからないなら誰かに聞くか、それとも既にジェラールは死んでいるかのどちらかだ。
どちらにしろ神官に聞かなければ分からない。
何処かに生きている奴はいないかなぁ…
『グ……グフっ……』
どうやら、一人生きていたらしいな。
運がいいな。
カシャ…カシャ…カシャ…
俺は、まだ生きている神官の方へ歩いて行き、ジェラールが何処にいるか尋ねてみた。
「おい…。」
『グフっ……よかった…まだ生きている奴が……!?!?』
神官は俺を見ると、目を見開いていきなり泣き出しながら命乞いをしてきた。
『ひいっ!?た、頼む!命だけは!?』
「……お前に聞きたい事がある。」
『!?……は、はい!何でも聞いてください!!』
「……ジェラールは何処にいる?」
『ジェ…ジェラール?』
「青い髪に右の顔半分に刺青のあるガキだ……何処にいる?」
『青い髪に刺青……!!あいつの事か…!!』
神官は顔をうつ向きながら少し考えると、何か思い出したらしく顔を上げ俺を見てきた。
「……その様子だと、知っているようだな。」
『は、はい…確かそのジェラールって言うガキなら、ここから5階上にある『聖堂』という部屋にいるはずです……。』
「聖堂?……。」
『!?……は、はい…』
聖堂ねぇ……。こんな所にそんな大層な物はあるとは思わないが…少ない情報だ、行ってみる価値はある。
「そうか……」
『い、命は助けるんですよね?』
「ふんっ……」
『よ…よかっ……(カシャン…)えっ?な、何で鎌を!?
約束がちがっ…(ズバァン!)ガァッ!?……』
ドシャ!
「生憎だが、俺はそんな約束をした覚えはない。」
俺は持っていた鎌で神官の体を、斜め一線に切りつけた。
何か勘違いをしているようだが、俺は助ける約束はしていない。勝手にこいつの思い込みだ。しかも、俺はこいつら神官を助ける気なんてさらさらない。
「……。」
カシャ…
俺はその『聖堂』に行くため道を引きかえそうとした。
その時!
ドガァァァァアンっ!!!
ドドドドドドっ!!!
「っ!?」
突然おきた大きな音と大地の揺れで引きかえす事を阻まれた。
……うわぁああああ!?!?
「…上で何が起きているんだ!!」
確か上では奴隷達が戦っている筈だ。
いきなりの大きな音と揺れ…何かがあったようだ。
「くっ…!」
パッパッ!
サァー……
「…砂の目……!」
俺は印を結び、ガーラが使っていた遠距離偵察忍術『砂の目』を上の階にいる奴隷達の方に発動し、上での状況を確認した。
ザァァ……
「早く……!」
しかし、砂ぼこりのせいで中々見る事が出来なかった。
ザァァァ……
「………!?これは!?」
砂ぼこりが晴れると上での状況を確認する事ができた。
音までは分からないもの、目で見ていてもとんでもない状況だと分かった。
「……この状況はヤバイ…!!」
シュッ!!!
俺は直ぐにその場を移動し、砂の目で確認しながら上の階まで急いだ。
「くっ…!間に合えよ!!」
今の奴隷達の状況は圧倒的に不利だった。
なぜなら、
ザァァ……
「……!?エルザが危ない!」
上の階では魔法を使う死人、『魔法兵』の軍団がいたからだ。
しかも、さっきの一撃でシモンと思われるガキが怪我をしており、エルザは逃げて来る男にぶつかり地面に倒れている所を魔法兵の標的にされていた。
ザァァ……
シュッ!シュッ!
「っ!?間に合わない!」
しかし、此処から上の階まで全速力でいっても10分以上はかかる。
しかし、
ドガァァァァアン!!!
ゴゴゴゴゴっ!!
「くっ!?……エルザ!?!?」
さっきと同じ音と揺れがおきた。
俺は砂の目で見ていたので直ぐに理解できた。
そう、魔法兵の攻撃により起きたものだ。
その攻撃は全てエルザに放たれ、今はまた砂ぼこりにより状況を確認する事ができない。
ザァァ……
「………。」
俺はその場に止まり、上の状況を黙って確認していた。
ザァァァ……
「……!?っ!?」
砂ぼこりが晴れると、状況を確認する事ができた。
すると、エルザはまだ生きており地面に座っていた。
そしてエルザの目の前に、エルザを庇うように立っている人影が見え、その正体を見て俺は驚いた。
「…!?……ロブのじっちゃん!?」
エルザの目の前には、ロブが庇うように立っていた。
「だが、早く何とかしなければ!」
シュッ!
俺はまた走って移動した。
ドガァァァァアン!
ドガァァァァアン!
ゴゴゴゴゴっ!!
ドガァァァァアン!
「くっ!…これではロブのじっちゃんがもたない!!」
移動しながら、途中途中状況を確認していたが、音と揺れと共にロブのじっちゃんがダメージをうけている。
しかし、ロブのじっちゃんもそろそろ限界らしく体中にヒビが入り、体の色も緑色に変色していた。
「どうすれば!?!?」
後一回、総攻撃をうければ確実にロブのじっちゃんは死ぬ。
俺は考えた。
今持っている技の中で、この状況を打破できる技が何かを…。
「(下から上まで……地面から天まで……!?!?)これだ!」
ザァァァ……
俺は砂の目で確認すると、魔法兵がまた攻撃の準備を始めていた。
しかし、俺はこの危機的状況を打破できる技を思い付いた。
だが、正直成功するかは分からない。
「(ちっ…迷っている暇はない!)」
バンッ!
俺は両手を合わせて、魔力を集中させた。
「ハアァァァ……」
今から発動させる技は、ナルトの世界でも、たったの二人しか使えない技。
「ハアァァァ……」
その技は、生命を生み出す伝説の忍術とも言える。
また、開発者も伝説の忍びと呼ばれている。
故に、扱いが難しい。
「(だが……)これしか方法がない!」
そして俺は、生命を生み出す伝説の忍術の名を唱えた。
「『木遁!樹海降誕!!』」
……ゴゴゴゴゴ…
「ハアァァァ……」
『木遁秘術・樹海降誕』……最強の忍びと呼ばれた男、『千住柱間』が開発したという忍術。
この技は水と土、今の俺では水の魔力と土の魔力を練ることで発動させる事ができる。
だが、魔力を練るのは非常に難しく、この術は魔法を使うこの世界にとって『合体魔法』と同じなのである。
故に、最低でも二人必要なのである。
それを一人でやるのだから、両方の魔力のバランスを保ったままじゃないと、発動できない。
だが、そこはマダラの肉体チートにより、直ぐに改善できた。
もっと魔力を……
ゴゴゴゴゴ…!!
込める!!
ゴゴゴゴゴ!!!
そして、一気に解放させる!
ドドドドドドっ!!
「ハァっ!!!」
ドゴォォォォンっ!!
ベキベキベキベキっ!!
「そして、真上へと魔力を集中させる!」
ベキベキベキベキっ!!!
「ハァっ!!!」
ドゴォォォォンっ!!!
ベキベキベキベキっ!!!
「よしっ!!」
俺は真上へと魔力を集中させる事により、木を上へ上へと土を抉りながら伸ばしていった。
シュッ! スタっ!
「ハアァァァ……」
ベキベキベキベキっ!!!
俺は木の上に乗り、真上へと進んでいった。
ベキベキベキベキっ!!!
……うわぁああ!?………
「(後少し…!!)」
上へと進んでいくと、段々奴隷達の声が聞こえてきた。
俺はその声と共に、次に発動させる忍術の準備をした。
ベキベキベキベキっ!!!
…うわぁああ!?……
そして………
ドゴォォォォンっ!!!
『おじいちゃん……!?』
「「「「「「「!?!?」」」」」」」
無事に間に合う事ができたが、魔法兵の攻撃が目の前に迫ってきていた。
「(バッ!)」
後ろにいるロブのじっちゃん、エルザを筆頭に奴隷達が驚いていたが、地上にでた後俺は直ぐに右手を前にだし、移動している間に準備をしていた忍術を発動させた。
「『神羅天征!!!』」
キュイィィィンっ!!!
『っ!?はねかえってきた!?』
『な、何だ!?この……うわぁああ!?』
ドガァァァァァァンっ!!!
「「「「「「「!?!?」」」」」」」
俺は『神羅天征』を発動させ、魔法兵や神官共の魔法を全てはねかえし、魔法兵と神官共を全滅させた。
ゴゴゴゴゴ……
「……どうやら、間に合ったようだな。」
カシャ…… ザッザッ…。
俺はそう言い木の上から降り、後ろにいるロブのじっちゃんとエルザの方へ歩いて行った。
だが、二人も合わせて奴隷達全員が度肝を抜かれたように驚いている顔をしていた。
「……大丈夫か?じいさん?」
「!?………あぁ…すまない…助かったよ…。」
「!?……すみません!?」
俺はロブのじっちゃんに聞いくと同時に体を見てみたが、やはりもう長くはなく、今にも死にそうな状態であった。
そんな中、横からエルザがロブのじっちゃんを助けてほしいと言ってきた。
「おじいちゃんを……おじいちゃんの命を助けてください!
じゃないと、おじいちゃんが……」
「……娘、名は何だ?」
「えっ?……え、エルザ・スカーレットと言います……」
「そうか、エルザというのか……。ではエルザ。すまないが、その頼みは無理だ。」
「……!?どうしてですか!?」
俺は即答した。
それをエルザが聞き返してきた。
何故ロブのじっちゃんを助ける事が出来ないのか。
理由は簡単だ。
「俺と、このじいさんの魔力は違うからだ。」
そう。魔力が違うからだ。
俺の魔力はナルトの世界のチャクラを元にできている。
つまり、俺の魔力は特殊ということだ。
治癒魔法はできるが、ロブのじっちゃんの場合は、魔力が枯れていての状態だ。つまり、ロブのじっちゃんを助けるには魔力供給をしなければならないのだ。
「!?どういう意味ですか!?」
「だか……「エルザちゃん…」……」
俺がエルザに助けられない理由を説明しようとしたら、横からロブのじっちゃんが話し始めた。
「…エルザちゃん……魔力というのは…この方も含め、ワシら魔導士にとって……命と同じなんだよ……」
「………っ!?」
俺の話しとロブのじっちゃんの言った事が結びついたらしく、エルザはロブのじっちゃんの話しを理解した。
「じゃあ……もう…助からないの?」
「……ごめんよ…エルザちゃん…」(ビシビシっ…)
エルザは泣きながら言った。そして、エルザの涙と比例するように、ロブのじっちゃんの体が崩れていった。
それを俺は、只見ているしかできなかった。
「グスッ……ヒクッ…」
「エルザちゃん……必ず生き延びるんだよ……」(ビシビシビシっ!!)
「…グスッ………ヴンっ!!……」
「フフッ………すみません…名の知らぬ方…「…マダラだ。」……?」
俺は旅だっていく年寄りに、今の自分の名前を言った。
「『うちは マダラ』……俺の名だ。」
「……では…マダラさん……エルザちゃんの事を…よろしく頼みま…す……」(ビシビシビシビシっ!)
「……あぁ。ちゃんと『妖精の尻尾(フェアリーテイル)』におくりとどけるよ。」
「……!?」
「それならば、じいさんも安心だろ?」(ニコッ)
「……本当に…ありがとうございます……マダ…ラ…さ……(バリィンっ!!)」
「うぅ……うわあぁぁぁぁぁん!!」
ロブのじっちゃんは最後まで言えなかったものの、俺とエルザには思いがしっかりと伝わった。
エルザは泣き叫んだ。声がつぶれる程に。
俺は怒った。自分の無力さと、こんな事をした神官共に。
そして誓った。何が何でもエルザを『フェアリーテイル』におくりとどける事を。ロブのじっちゃんが望んだ、エルザの幸せのために。
「エルザ……。」
「……姉さん…」
「うぅ……。」
後ろにはウォーリー、ショウ、ミリアーナそしてシモンがいた。
ショウの顔には泣いた後があった。
この4人もロブのじっちゃんに支えられていたのだろう。
泣き叫びたい筈だ。しかし、今はこの楽園の塔から、自由を勝ち取る事が先だ。
泣いていても変わらない。幼いながらもこの4人は理解していた。
「………。(ザッ…)」
俺は立ち上がった。そして、エルザに言った。
「……エルザ。」
「うぅ……。」
「………ジェラールを捜しにいくぞ。」
「…!?」
俺はまだ、ジェラールを助けていない。
五階にある『聖堂』とやらに行く前に、ここに来たからだ。
故に、ジェラールをまだ見つけてすらいない。
「…どうする?一緒に行くか?」
これ以上エルザの大切な人を亡くす訳にはいかない。
早く助けるにはエルザが必要だ。
だから、俺は言った。一緒に行くかと。
すると、エルザは予想通りの答えを言った。
「……はいっ!」
エルザは涙を拭き、はっきりと言った。
「……じゃあ、行くぞ。」
ガシッ!
「!?!?」
シュタっ!!
俺はエルザを抱え、岩を踏み台にして跳びながら上へと進んでいった。
いきなりの事でエルザは……
「きゃあぁぁぁぁぁ!?!?」
悲鳴をあげた。
しかし、下からは…
「頑張れよ!エルザ!」
「兄さんを助けてね!!」
「にゃー!頑張って!!」
と、応援するような声が聞こえた。
そして、周りにいた奴隷達が雄叫びをあげながら再び進みだした。
シュっ!シュっ!
「……。」
「(待ってて……ジェラール!)」
エルザは悲鳴をやめ、必ずジェラールを助ける事を誓った。
そして、俺とエルザは五階にある『聖堂』を目指しジェラールを助けに行った。
しかし、俺は忘れていた。
この先に待つ『闇』の事に……。
後書き
指摘、助言、感想がある方はドシドシ書いてください。
クレームは受け付けません。
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