魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
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プロローグ
前書き
まずはプロローグ。ろくにキャラも出てきませんがご愛敬w
─人は、心と身体を重く傷つけ、深い傷跡を残すような“戦い”の中でなくとも、心の在り様を見つめ、悲しみに立ち向かう強さを生み出すことが出来る生き物である─
─しかし─
─傷跡も、流れる血もない日常の中であったとしても、自らの心と向き合い、悲しみと戦うためには、“たとえ誰であっても”ある種の「痛み」が伴う─
時は移ろい人は育つ。
この世の全ての生命は生まれ出た瞬間から死を決定付けられており、同時に次の時代へと種を残す事を一つの宿命として生まれてくる物ある。
さて、それはあらゆる生命の中でも(少なくとも彼らの知る中では)飛び抜けて高い知能を持ち、またその身体の大きさにしては異常な程の数を持って地上を蹂躙する「人類」と言う種族に置いても同様にであり、また仮に彼らに魔法が使えたとしても、それは変わることはない。
かつて、「天才」「エース」と呼ばれ、自在に空を駆け、戦った少女もまたそれは変わらず、今は一時羽を休め、我が子と共に平和な時を過ごしている。
……そう。
今回語られるのは、その「子」達の物語。
かつて《エース・オブ・エース》と呼ばれた、高町なのはの“娘”。高町ヴィヴィオ、そして……
――――
此処は、次元世界と呼ばれるこの世界の中心部として栄える世界。「ミッドチルダ」の一角。高級感のある大きめの家が立ち並ぶ、住宅街の内の一軒から、一つの人影が表れる。
「……行ってきます」
朝の涼しい空気の中歩き出したその人影は、髪の色がブルーブロンドと呼ばれる金属的な光沢を持った独特の青色をしており、何処か覇気の薄い、けれども大きな瞳は、深い深い漆黒。
耳にイヤホンをはめたその少年は、常人より少し早めの歩行速度で歩き出すと、朝の爽やか空気の中で何処か浮いた風な雰囲気を出したまま、角を曲がってその姿を消した。
――――
そして……高町ヴィヴィオの“兄”であり、高町なのはの“息子”……高町クラナ。フルネーム、クラナ・ディリフス・タカマチの……恐らくはある程度以上には、鮮烈な物語である。
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