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森羅と創世のエターナル真祖

作者:メア
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遭遇戦2







小次郎




 姫巫女様と別れて路地へと入る。

「でも、お礼がいえてよかった。さて、これからどうしようか…………」

当然の如く、当てなんてあるはずも無く…………路地に積まれている木箱の後ろに座り込んで考える。

「お金もあと少し、二日ももたない…………」

しばらく路地の隙間から見える黄昏の空を見上げて考えていると、奥の方から火を纏った鼠が数匹こっちにやってくる。慌てて逃げようとするけど、直ぐに周囲からも現れて囲まれてしまった。

「ここは江戸なのになんで妖怪がこんなでるんだ…………ついてないな。でも、ただでやられるわけには行かないな…………」

覚悟を決めた時、救いは現れた。








紗代







 小次郎君の所へ向かっている時、嫌な予感がしたので、改めて龍眼を最大で発動しました。すると、小次郎君の方へ向かっている妖怪を確認できました。

「まずい、急がないと!」

龍神を引き抜き、全ての魔法を解除して、屋根の上に飛び乗り、最短ルートを走ると同時に認識阻害の結界を自身に展開します。

「間に合って!」

計算した結果はぎりぎりだったのです。

「ここは江戸なのになんで妖怪がこんなでるんだ…………ついてないな。でも、ただでやられるわけには行かないな…………」

何とか間に合った。今度は絶対に守りますここは江戸なのになんで妖怪がこんなでるんだ…………ついてないな。でも、ただでやられるわけには行かないな…………今度こそ!

襲い掛かる火鼠の群れに飛び込んだ私は本気で倒しにかかります。

「やらせません、百烈桜華斬!!!!!」

周りの敵を纏めて気の刃で倒し、巨大鼠と後続がいないかを確認します。

「…………姫巫女様…………」


確認完了どうやら大丈夫みたいですね。っ~、やっぱり、龍眼全快はきついですね。激しい戦いだった後だけに特にです。

「無事ですか?」

「はい!」

「単刀直入にいいます。貴方に行く宛てなんてありませんね?」

「それは…………」

私は彼の瞳を見続けます。

「はい…………ありません…………」

良かったです。これで間違ってたら…………いろんな意味で台無しです。

「なら、私の所に来ませんか?」

私は手を差し出します。

「っ!?」

「私は貴方を助けた。なら、最後までしっかりと面倒をみるべきだと思ったのです。それとも、迷惑ですか?」

「いっ、いえ!! ありがとうございます!!」

小次郎君は私の手を握り返してきました。彼を起こし…………どうしましょう…………シオン様とエヴァさんを説得しないといけません。嫌われてしまうかも…………よりによって男の子を連れていくなんて…………でも、がんばってみましょう。

「では、行きましょう」

「はい」

そして、私は今日最大の敵と対峙しに行くのでした…………訂正、この世で最強の敵でした…………私にとっては少なくとも。











 長屋に付き、家に入ると…………そこにはすでにお二人と…………そっくりな12歳くらいの少女が2人いました。

「ただいま戻りました」

「おかえり〜」

「戻ったか」

「「お帰りなさいませ。お邪魔してます」」

見事に一緒でした。

「で、その子供はなんだ?」

はい、さっそくですね。

「えっと、実は…………」

私は事情を説明し、双子の紹介と説明を受けました。

「つまりその子を引き取りたいと…………」

「はい」

「馬鹿か貴様は…………いちいち助けてやった奴の面倒をみるなど…………」

「すいません。でも…………」

私も分かっています。弟を重ねてるだけだって…………。

「シオンはどうなんだ?」

「ああ」

「ぅぅ」

「………………………………」

私をじっと見つめてきます。

「ぅぅ、お願いです。嫌わないでください。私はシオン様のモノですから…………」

「あの姫巫女様…………無理なら…………」

泣きそうになって来ると、小次郎君が断ろうとしてきました。

「それはダメです! でも、嫌われたくありません…………どうすれば…………」

嫌われたら生きていけません。

「“おにぃさま”」

「なんだ? どこから声が?」

「気にするな。紗代…………」

「はいっ!」

ぅぅ、どうでしょうか…………。

「おいで」

「はい」

シオン様の側まで行くと抱きしめられました。はぅ。

「最後まで責任もつんだぞ」

それって、いいってことですよね?
ね?

「はい!」

「なら、小次郎」

「はい」

私の態度でちょっと驚いてるみたいです。自覚していますが…………依存度あがっちゃってます…………。

「お前、紗代の養子になれ」

「「ええええええ」」

何を言うんですか?
この年で子供…………あれ、修行とか普段の別荘にいる時間を考えたそこまでおかしくないですね。

「最後まで責任取るんだろ? 生憎嫁にくれてやる気は絶対ないからな」

それは、とっても嬉しいです。

「あの…………いいんですか…………?」

「はい、私はかまいません。この年なら子供いても大丈夫な年齢です。こう見えても17歳ですから」

「それは、赤ん坊では?」

「あっ…………そうでした…………はうっ」

「どこか抜けてる奴め」

「ぅぅ〜」

「ちなみにだ。レンが嗜めなきゃ、もっといじめられてたぞ」

それってもしかして…………。

「単に私で遊んでただけですか〜〜〜〜〜〜!!」

「ああ、可愛かったからな」

「ぅぅ、そういわれると怒れません」

「大丈夫なのか?」

「大丈夫だろ。ちゃんとする所はするし…………多分」


天国の母様、弟様。早くも紗代は…………母親になりました。

「「これにて一件落着〜では、また明日です〜」」

「おう、またな」

「明日は店あけるから、気をつけて帰れよ」

「「はい〜」」

「また、今度あいましょう」

小次郎君もちゃんと挨拶しました。

「「またね〜」」

二人は奥にいつの間にか置かれた転送陣を使い、もどっていきました。

「さてと、とりあえずだ。小次郎って一人でも寝たりできる?」

「それはもちろんです!」

どうしたんでしょうか?

「なら、この長屋まるまる使え。俺たちはあっちの店の方で寝るから」

「そうだな…………転送陣あるからすぐ移動はできるしな。ご飯とかは一緒で良いだろう。いいな?」

「はい!」

「いいのかな?」

「さすがにその年でそれくらいの子供はいろいろまずいしな」

そうなんでしょうか…………。

「というかだ、俺が基本向こうになりそうだし、一緒に寝るわけだし、小夜達も必然的にあちらになる」

「そういうことなら分かりました。小次郎君、困ったことがあったら、相談するんだよ?」

「はい、大丈夫です」

でも、不安ですね。

「ん〜そうだ。炎王鬼さん」

炎王鬼さんを呼び出します。一応契約してますので。

「なんだ?」

「ここでこの子と生活してくれませんか?」

「かまわんが…………「ついでに鍛えてあげてください」いいのか?」

「はい、お願いします」

「私からもお願いします!」

「なら、よかろう。シオン色々使って良いか?」

「もちろん好きに使え」

なんか危なそうですけど、大丈夫ですよね?

「えっと…………姫巫女様…………いえ、母上、父上、これからよろしくお願いします」

「こちらこそ」

「まて、それなら私も母だぞ」

「「「「え」」」」

「なんでだこら〜〜〜〜〜〜!!!」

それは、いくらなんでもだめですよね?
え、いい?
よかったですねエヴァさん。








???Side








 くそ、あの小娘めよくもやってくれたな…………ん?

「く、妖怪か…………」

「おまえ、契約しないか?」

「なに?」

こいつの中にある野心が手に取るようにわかる。

「勘定奉行にしてやるぞ」

「ほう…………して貴様はなにを得る?」

「この町を炎の海にしたいんだ。お前は材木問屋と組めばいい金儲けになるだろう」

くっくく、よってきやがったな。

「いいだろう。米屋も燃やすぞ」

「ああ、契約だ。おれの力を好きに使え、ただし殺したい娘がいる」

「いいだろう、契約だ」

「ここに契約は成就された!!!!」

おれは奴の中に入りその欲望を糧にさらに力を強める。

「これからよろしく頼む」

「ああ、こちらこそな」

「「くくく、あはははは!!!」」








 
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