FAIRY TAIL~忍術を使う魔導士~
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第4話 楽園の塔に降りた英雄2
前書き
今回は前話の続きです。
いきなりとびますが、そこは無視してください。
では、どうぞ。
~???~
俺の名前は『ジェラール』。
この楽園の塔で奴隷として働いているが、今回でおさらばだ。
なぜなら、
「エルザ!早く!」
俺達は今、この楽園の塔からの脱走しているからだ。
最初にこの話を聞いたのは2日前の夜中である。
その日、神官の一人が殺されたと噂になっている。実際にエルザが目の前で見たという。
それを聞いたシモン、ウォーリー、ミリアーナ、ショウはエルザに質問しまくった。
「おいエルザ!それ本当かよ!?」
こいつがシモン。ウォーリー、ミリアーナ、ショウ、俺、エルザ、シモンの合わせて6人の中で一番の力持ちである。その力は大人にも負けないくらいである。
「声を落とせ!シモン!」
「にゃあー。ウォーリーも声が大きい。」
「へへっ…すまなねぇ、ミリアーナ。」
シモンを注意したのがウォーリーで、さらにウォーリーを注意したのがミリアーナである。
俺の知るかぎり、いつもこの二人は一緒にいる。
話を聞いたところ、二人は一緒にこの楽園の塔に連れていかれて以来、ウォーリーがミリアーナの面倒を見て一緒にここで育った兄妹みたいな存在である。
そのため、ウォーリーはミリアーナにあまく、ミリアーナが言うことには逆らう事はできない。
一般的に言うと、シスコンである。
「で、どんなふうだったの!!」
そして、この小柄の男の子がショウ。ミリアーナと同年代で、俺達6人の中で弟的存在である。
それぞれが個人的に質問しており、エルザはどの質問を答えようか迷っているようだ。
ここは、助け船でも出すか。
「まぁ待てよ皆。エルザが困っているぞ。」
「「「「あっ(にゃっ)」」」」
「は、ははははっ……(ありがとうジェラール。)」
「(別に構わねぇよ。)質問するんだったら順番に質問しろよ。」
「じゃあ、まず僕から!」
最初に質問するのはショウ。
「皆もそれでいいか?」
俺は一応、皆に聞いてみた。
「俺はいいぜ。」
「同じく。」
「にゃあー。私もいいよ。」
「だそうだ。」
「ありがとう!みんな!じゃあ……」
そして、ショウ、シモン、ウォーリー、ミリアーナはそれぞれ質問した。
「つまり、エルザは死んでいる所は見たけど、誰がやったまでは見てないと?」
「うん。そういうこと…ごめんね、皆。」
「別に謝る必要はねぇよ!」
「あぁ、シモンの言うとおり。噂が本当かどうか分かっただけでもよかったぜ。」
「にゃあー。ありがとう、エルザ。」
「みんな……。」
どうやら、終わったらしいな。
そう思っていると、今度はショウが話し始めた。
「それよりも皆。」
「ん?どうしたんだよショウ。そんなに改まって。」
「実は僕、提案があるんだ。」
「「「「「提案?」」」」」
何だろう?その提案は?
俺はショウがその提案を言った時、自分の耳がおかしくなったと一瞬思った。
「うん、その提案は……皆でここから『逃げる』ことだよ。」
「はぁ?」
「つまり、それって……」
「にゃあー?」
「ショウ、お前まさか…!」
「『脱走』するということか!?」
「うん。」
「おいマジかよショウ!?」
「もしばれでもしたらどうなんだよ!?」
「大丈夫。もう抜け道は作ってあるよ。」
「ショウ…。」
ショウが言い終わると、エルザとミリアーナは意味が分かったのか、震えていた。
けど、決してこの二人が弱虫というわけじゃない。
今まで何かといえば鞭をうたれ、傷つけられた。怖がるのは当然の反応である。
そう思いながら俺はショウに聞いてみた。
「ショウ、それは100パーセント成功するのか?」
「大丈夫だよ。神官の誰にも抜け道の事は張れてないよ。」
「ショウ…」
「それに僕、もうこんな生活は嫌だ!毎日重い石を運んでは積み立てる。ミスをすれば鞭で打たれて、何もしなくても鞭で打たれる……。こんな生活はもうまっぴらだ!」
ショウはそう言いきった後、目に大粒の涙を溜めた。
毎日が苦痛な日々。自由のない日々。いつ殺されるか分からない日々。
俺達もショウと同じ日々をおくってきたから、気持ちは痛い程分かる。
だから、俺はショウの意見に賛成だ。しかし、周りの皆が承諾してくれないとこの脱走の意味がない。
「「「「「……。」」」」」
皆も黙ってしまった。皆も俺とショウと同じ意見かもしれない。
けど、失敗するとどんな目に合うか分からない。下手すれば死ぬかもしれない。
皆がそう思った。
しかし、ここでシモンの一言により、その不安も消しとんだ。
「俺はのるぜ、その話し。」
「シモン!?」
シモンはその口に笑みをうかべていた。
「どうせこのままじゃ一生やつらに奴隷としてこき使われんだ。
ここで一発賭けんのも悪くねぇ。 」
「…なら、俺もだ!」
「にゃあー。ウォーリーが賛成なら私も。」
「お前ら…。」
どうやらこの三人は賛成らしい。
残りはエルザのだけだ。
「エルザはどうなんだ…?」
「……。」
どうやらかなり迷っているようだな。本当は行きたくはない。けど、皆が行ってしまうといったところか。
俺はエルザに一つの提案を言おうとした。
「エルザ、別にむりしなく「ジェラール。」…なんだ?」
「ジェラールは、脱走について賛成なの?」
「…あぁ。賛成だ。」
「そう……なら、私も行く。」
「エルザ!?……いいのか?」
俺はエルザに確認してみた。けど、エルザは頷き賛成の意見を再度確認した。
「そうか…。じゃあ、皆賛成ということでいいか?」
「「「「あぁ!(おうっ!)(にゃあー。)(うん。)」」」」
「皆……!!」
「さて、やることは決まった事だし、次はいつ実行するかだ。」
「神官が殺された事から、あいつら混乱している。だから、やるなら近い日がいい。」
「じゃあ、2日後はどうだ?明日、どの時間が一番警備が薄いか確かめてその次の日に脱走すればいいんじゃないか?」
「分かった。皆もシモンの言った通りでいいか?」
「「「「(コクッ)」」」」
「よし!じゃあ実行する日は2日後の昼。場所はここにして、いつ集合かは明日言う。いいか?」
「「「「「おうっ!(うん!)」」」」」
「じゃあ、今日はもう寝るか。」
そして、今にいたる。
「姉さん早く!」
「……。」
エルザは抜け道を目の前にしても進もうとはせず、震えながらその場にうつむいていた。
「エルザ、急がないと奴等に見つかるぞ。」
シモンはエルザにそう言ったが、エルザは震えたまま動こうとはしなかった。
「も…もし……もしも見つかったら…。」
どうやら今になって捕まった後の事が頭によぎったらしい。
俺はそんなエルザに手を差し出して言った。
「大丈夫だ。俺達がついている。」
俺は微笑みながら言った。エルザはうつむいていた顔を上げて、こちらをずっと見ていた。
「俺達は捕まるために脱走するんじゃない。『自由』になるために脱走するんだ。」
最後に言った言葉が効いたのか、エルザは表情を一転させ桜の満開のような笑顔を見せて、
「うん!」
と言った。そして、俺の手をとり一歩を踏み出そうとしたとき、一番会いたくない奴等に会ってしまった。
「何処へ行くんだい?奴隷君達?」
「「「「「「!?!?」」」」」」
その声は大人が子供に何かを尋ねるような言い方だったけど、俺達は一瞬で背筋が凍り付いた。
なぜなら、俺達の後ろには一番警戒して一番会いたくない奴等がそこにはいたから。
「仕事さぼって遊んではいけないじゃないかぁ?社会のルールだよ?」
そこには、番犬を片手に10人はいそうな神官がそこにはいた。
『グルルルルッ…』
「そう簡単に逃げ出せると思ったか餓鬼共が!一刻も早くRシステムを完成させなきゃいけない時なのに、」
「まぁ、まて。これ以上の建立の遅れはまずい。本当なら全員懲罰部屋送りだが、脱走計画の立案者は誰だ?そいつ一人を連れていく。優しいだろう俺達はぁ?ギャハハハハッ!!」
「くっ!(何が優しいだ!俺達に仲間を売れってか!)」
この外道が!!
「さぁ、言え!立案者は誰だ?」
俺はその時ショウを見たが、ショウは顔をくしゃくしゃにして泣いた。
自分が立案者と言い、懲罰部屋送りにされるのが恐いのだろう。
俺はその場に立ち、目の前の奴等に言った。
「俺だ!」
「「「「「!?」」」」」
皆驚いているが、これもショウを庇うため、仕方のない事だ。
「俺がこの脱走計画の立案し、指揮した!」
「ほぉう…」
「ふぅん…なる程ぉ…」
「…。(俺もここまでか。)」
俺はそう思い、早く連れていけと思ったが、目の前の奴の言葉によって全て壊された。
「いや、お前じゃない。」
「っ!?(ばれた!?)」
「その女だ。」
なぁ!?何でエルザになるんだよ!?
俺はそう思ったが、今度はシモンが前にでて自分が立案者だと言ったが、全く聞く耳を持たずエルザを連れていった。
連れていかれる途中エルザは「私は全然平気だから…」と弱々しく言い、俺達は只エルザの名前を叫ぶ事しかできなかった。
後書き
次回はマダラがある生物と一緒に楽園の塔へ突入します。
ご期待を!
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