ファイアーエムブレム~ユグドラル動乱時代に転生~
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第十四話
前書き
60件ものお気に入り登録いただけて驚いてます。頑張ります。
「向こうに良き姫君でも居られたらモノにして南トラキアを乗っ取ってやる!くらいのつもりで行きます。 ゆえに、ご案じ召さるな父上! 」
俺のこの宣言に
「儂は……儂は……」
父上は言葉を詰まらせ肩を震わせていた。
「心残りは兄上の不在を守れぬこと、しかし、今度の事とて父上を、国を、守るが為のことと兄上にお口添えいただけるでしょうか?ミュアハは約を違えてはいないと! 」
自分でも愚かなことと思いながらも口にしてしまうのはなぜだったのだろう。
「10年、いや5年待て!、奴らダインの末裔を一人残らず根切りにしてやる!」
父上の形相は鬼神や悪鬼というものが居るのなら、それを体現しているかの如きものであった。
「わたしは罪を犯して監獄に送られるわけではありません、賓客として隣の国でしばらく暮らす。ただそれだけのことです、わたしの身に何かあっては彼らとて食糧援助を打ち切られる。そう、わたしの身を気を付けて守らねばならないのは彼らのほうです」
ぼろぼろぼろぼろ涙をこぼすセルフィナさんに俺はなるべく優しく声をかけたつもりだった。
「嫌です!、どうして、どうして殿下が。 捕われたのはコノートの王様です!。ならばコノートの王家が責務を果たせば良いのです!その力量もわきまえず総大将を買って出て多くの兵に無念の死を強いただけでは飽き足らず、ミュアハさまをも奪い取ろうなどと天上の神々が許してもわたくしは絶対に許しません! 」
思わず俺はセルフィナさんの頬に手を触れた。
「良いですか、わたしのかわいいセルフィ、レンスターは北部トラキアの盟主です。頭の良い、いえ、天才と申し上げたほうが適切なあなたならおわかりでしょう。このような時にこそ、盟主としての高貴なる務めを果たさねばなりません。それにより北部トラキアがより強固に結ばれるならば、わたしにも生まれてきた価値があるというものです」
触れている手でセルフィナの頬をなでた。
「でん...ミュアハ様、わたくし、あなたを慕っていつまでもお待ちします。ですが、うつろいやすい気持ちを繋ぎとめるよすがを、何かの証を、いただけませんか」
瞳を閉じたセルフィナはくっと顎を上げた。
こんなに苦しいなら、この流れに従ったほうがいいだろうと思う心と、ほんとに大事なら中途半端なことや弄ぶようなことは止めろと思う心がせめぎ合う。
俺はこの世界では不正規な存在のはず、もしかしたらあの駄目なアイツの匙加減で今すぐにでもここからどこかに転移させられてしまうのかもしれない。
それにディアドラ、アルヴィスの2人をどうにかすることが出来たらクリアとかそんな感じで転移なのかも知れない。
そうしたら、残されたこの子はいつまでも、死ぬ迄、絶対戻らない者を待ち続けるのかもしれないと思うと苦しくて……
「俺も君と同じ気持ちだよ。もし数カ月前までのように居られたなら、君を娶り公爵家でも興すか、それとも伯爵の婿になるかそんな未来があったと思う。
だけど、俺は俺の戦に行かねばならない。
向こうの王家に女子が居たら気にいられるよう己の心を偽り、婿にでもなってトラキアを乗っ取ってやるという覚悟なんだ。
向こうの王家に女子が居なければ、向こうの有力者の娘だって構わない。
だから、俺の事など待っていてはいけない。
どんなに互いに想い合っても結ばれてはいけない縁というのがこの世界にはあるんです... 」
俺もぼろっぼろ泣きまくってセルフィナさんをフリました。
そういえば、前の世界でもその前の世界でも、そして現実でもこんなことは無かったです。
「思い出して泣いてたの? 」
トラキアに来てからというもの、たまにアイツが姿を見せる。
「うん 」
「せっかくあんなかわいい女の子とちゅっちゅできそうだったのにwもったいなーwもう二度とないかもw 」
煽りスキル高いよなコイツ
「うっさいなー、だけどさ、いずれ俺がこの世界から居なくなったらって思うと無責任すぎるだろ 」
ぴとっと俺の額に駄目なコイツは手を当てると
「おネツは無いみたいねーw 純情ゆーくんに教えてあげるけど、そうなったら新しいオトコ探すものよ?wなにその乙女みたいな考えwワロタwww 」
「あの子はそんなんじゃないもんー! 」
「ハイハイ^^; 」
「そうやって煽るなら、オマエ責任とってちゅっちゅでもなんでもさせやがれっての 」
「はー?10年早いですしーw10年ROMってろおすしーw 」
「オッケー、10年後楽しみにしてるはwはい契約きまったーw 」
駄女神の正拳突きを受けながら、トラキアでの俺の新しい暮らしは続きます。
セルフィナさん、大好きだよ、ずっと元気でいてね。
後書き
カルフ王<ヴェ○ガンは殲滅ぢゃー!
セルフィナ→グレイド20%
グレイド→セルフィナ10%の謎を解く?
児ポ対策で主人公とセルフィナさんを泣く泣く別れさせました。
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