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赤髪の刀使い

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練習は大事ですよ?

俺はいつもより早く起きて黒猫団の拠点としている宿に来るとキリトが宿の裏で何やらソードスキルを使って素振りをしていた。

そういや試したことなかったが素振りでもスキル値はあげることができるのだろうか…
使った分だけスキル値ってあがるんだから素振りでも上がるとは…思う。

「キリトさん。
おはようございます」

俺は一休みしているキリトに向かって声をかける。

「うぉっ」

街中では索敵スキルを使ってなかったからか俺の接近に気が付かずに驚くキリト。

(キリトも結構女顔だよなぁ…俺の服着せてみるか?)

まぁ性別的に着れないから無理なんだがな。
ちなみに今日の俺の服装はセーラー服だ。
最近俺の服がどんどん増えてきているのはリズとアルゴのせいだ。
リズはそのあたりで買える普通の服でアルゴは出所が不明なマニアックな服装を俺に着せてくる。
ちなみに両方とも女性物だ。
男性物が似合わないのは俺も認めてるが…このSAOに来てから男性物の服を着た覚えがない。

「お、おはよう」

なぜ顔を赤くする。
こいつは男にでも欲情するのか?
するならサチとしておけ。

「こんな朝から練習ですか?」

「あぁ」

キリトは剣を仕舞い、石をオブジェクト化する。

「?」

何をするのだろうか

「はっ!」

キリトは宿の裏手にある木目がけて石を投擲スキルを用いて投げつける。

「へぇ…投擲スキルの練習ですか」

努力を惜しまないんだなこの人は。

「あぁ、
石ならなくなってもまた拾えばいいだけだし。
投擲スキルはあったほうがいいしな」

あげたら命中率と速度があがるからあげて損はない。
まぁ俺も上げてるが、投擲スキルを使わないで普通に投げた方が正確にあたったりする。
俺の剣術ではあまり投げ系は少ないが、あるっちゃある。
針のように細い物に鋼糸を付けて相手を拘束したりするのに使う。
俺は得意じゃなかったが最低限はできると思ってる。

「なら私が的になりますから投げてきてください。
動体の方が的としてはいいでしょう?」

ちょっと提案してみたら了承を得られたので俺は大太刀を抜き、腰を落とし構える。
どこからでも来ていいように全方向に気を張り、小さな音でも聞き逃さないようにする。
今回はキリトからしか飛んでこないが、鍛練の内だ。

「いくぞ」

キリトの手から光る石が投げつけられる。
その軌道はまっすぐ俺に向かってくる。
その石に向かって俺は大太刀を軽く振りあたる瞬間だけ力を込める。
無駄な力を使わない振り方だ。

――――キンッ

「!?」

キリトが驚くがこの程度で驚いていたらついてこれないぞ。

「どんどん来てください」

まだまだ拳銃の弾丸よりも遅いぞ?

ちなみに俺は現実で親父に連れられてハワイで銃を撃ったことがあるし、刀で斬ったこともある。
別に俺が撃ってくれっていったわけじゃなくてただ単に強盗に撃たれたのを手に持ってた護身用の仕込み刀で斬ったあと峰うちで犯人を取り押さえただけだ。
まぁ仕込み刀を警察とかに見られたくなかったから逃げたが、何も言われなかったのでいいだろう。

「いくぞっ!」

キリトにもスイッチがはいったみたいだ。
迎え撃ってやろう。


ある程度斬っているとキリトの持つ石の残量が少なくなってきたから俺は大太刀を鞘に納めてすべて見切り、避ける。
瞬動を一瞬、一歩二歩の間で使い加速していく。
加速していくなかで俺の視認速度も速くなっていくようで石がどんどん止まって見えてきだす。

「もう石がない」

もう終わりか。

「んーありがとうキリト君。
いい練習になったよ」

久しぶりにこんなに早く動いた気がする。

「なんか俺自信なくすんだけど…」

ゲームの中でしか戦ったことのない人には負けてあげません。

「あははー刀を握っている経験が違うの」

「まぁ俺の投擲スキルのスキル値もあがるから文句はないんだが…
なんか悔しい」

さてっと。

「サチさんもそこから出てきて―
もう大丈夫だからー」

俺たちの練習を途中から見ていたサチに俺は声をかけた。
そして逃げ出す。

(なぜ逃げるし)

そして

「きゃっ」

転んだ。
転んだところにキリトが近づいて手を差し伸べる。

「大丈夫?」

「あ、ありがとう」

うん。
顔を赤らめているし。
これは落ちたな。





「じゃぁまずサチさんは目の前に攻撃が来ても目を閉じない練習から始めようか。
そうだなぁー
キリトさん。
サチさんに当たらないようにソードスキルをお願いします」

この二人は近づけておいてやろう。
楽しそうだ。

「なんで俺が?」

「いや…まぁお願いします」

理由が思いつかなかった。


サチとキリトが訓練を始めると宿の方から黒猫団の人たちが起きてきた。

「ユウちゃん早いねー」

「えぇ。
朝の空気が好きなんで」

このSAOの中じゃ変わらないけど、気分だよ気分。

「サチはもう始めてるのか」

「結構筋がいいかもしれませんよ」

俺はまだ怖々として目を閉じかけているサチを見ながら言う。
まださっき始めたばかりなのに目をあけようと努力しているのはいいことだ。
俺なんか迫りくる木刀に慣れるのに1週間はかかった。
この調子だとサチは今日中に目を開けていられるようにはなるだろう。

やはりSAOの中で後衛でも戦いながらここまで生き残ってきただけはあると思う。







結果から言おう。
サチは昼までにキリトの剣が目の前に来ても目を閉じることはなくなった。
今回はあたらないということが前提条件だから早く慣れれたってのもあるかもしれない。

「じゃぁ次はキリトさん。
サチさんにあててもいいので剣を振ってください。
ちなみにあたっても圏内の場合はノックバックが発生するだけなのでHPは1ドットも減りませんのでご安心を」

「で、でも」

キリトが何か言ってくるが気にしない。
生き残るために必要なことだと思って割り切ってもらうしかない。

「キリトお願い」

サチだってやる気満々だし。

俺は一休憩になる前に昼食の準備をしてこよう。
一応黒猫団全員ぶんぐらいの食料は持ってきたしな。

あぁちなみに今まで俺はずっとサチとキリト以外の黒猫団と模擬戦をしてたぞ。
最初は一人ずつだったのだが、俺が集団戦でといったから全員でかかってきた。
まぁ一発もあたらなかったがな。
それで疲れて皆、ダウンしてる。




「うめぇぇぇ」

黒猫団が泊まっている宿の一室の机の上には多くのお皿が並び、その上には美味しそうな食べ物が多く乗っている。
ハンバーグに白米、味噌汁にA級食材まで調理され、きれいに盛り付けられている。

「さぁ召し上がれ」

これを作った俺の力作だ。
A級食材は結構ダンジョンに潜っていたら取れる気がするから特に惜しくもなんともない。

「ユウちゃんユウちゃん。
これってお味噌?」

サチが聞いてくる。

「大豆がなかったので味噌に似せたものですけど。
いりますか?」

俺は味噌をオブジェクト化してサチに見せる。

「でも…私…料理スキルそこまであげてないし…」

俺はサチの耳元で

「男の子はまず胃袋から掴み取るものだよ」

俺はサチに味噌とついでに醤油を押し付ける。

「で、でも…」

「別に私好きな人なんていないけど?」

なんか勘違いされてる気がしたから言っておく。
容姿は女かもしれないが俺は男だ。
ホモになるつもりはさらさらない。






「じゃぁ次はソードスキルを知りましょう。
ソードスキルを知っておけばシステムで登録された動きしかしないから避けるのは簡単だし、
いざという時にどういったスキルを使えばいいかというのが分かりやすくなるから」

俺は適当に刀のスキルを立ち上げてふるう。

(うん。使いにくい)

やはりラグと硬直が邪魔。

「サチさんはとりあえず皆のスキルを見て覚えて。
ケイタさんたちも見ててもいいし、自分のスキルの確認をしてもいいから」

今回の目標は自分なりの戦術の組み立てかただ。
俺は瞬動から入り、まず横、袈裟、逆袈裟といった具合に大体パターンが決まってる。
自分なりのパターンを決めると戦いやすくなるのだよ。
 
 

 
後書き
あえて一つタグを付けてません。

入れてる内容としてはアイテム名と技名ぐらいなので…いいかなぁ…と
ちなみにユウの容姿は自分の中ではそのタグの主人公だったりします。
髪と瞳の色は違うけど…
予定では50層付近から容姿を近づけたいと思っています。 
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