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もし、夜天の主に幼馴染がいたら・・・・(改)

作者:タキゲン
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二人きりの家族
  第4話 1日の終わり

俺は学校が終わってからはやてがいるであろう市内の図書館へと足を向けていた。
学校からはそれなりに距離もあって、小学生の足では大体1時間かかる。
だけど俺はそんなのお構いなしに公共機関(と言ってもバスしかないが)を使わず歩いていた。
だってお金がもったいないじゃないか!
ただ、一人で街中を歩くので寂しかったりするのは否めないが・・・・
だから歩きながら仮面○イダー5○5のアク○ルフォームや、カブ○のク○ック○ップだったらどのくらい早く着くのかって歩きながら妄想にふけったりしている。
この歳で厨二病とか・・・・我ながら終わっていると思う。
それでもはやてが図書館で待ってると思うと幾分か気が楽になる。
そうやって厨二病的妄想を脳内で繰り広げているうちに目的地である図書館についた。
はやての事だから本を探しているに違いない。
そしてはやてを見つけたはいいが・・・・
あいつはまた無理をして本を取ろうとしているではないか・・・・
周りを見ても親切にあいつが取りたい本を取って渡そうとする人はいないみたいだし。
┐(-。ー;)┌ヤレヤレ俺が取るしかないか・・・・

「お嬢さんが欲しい本はこれであっていますか?」


時間を少しさかのぼって・・・・
わたしは石田先生と別れてから受付で会計を済ませて、図書館へ向かうバスを待った。
さすがに車椅子を扱ぎながらだとかなり時間かかってしまうから、
ここは文明の利器を利用するほかあらへん!
あんまりお金は使いとうないんやけどな・・・・
わたしのこの脚じゃあしゃあないんよね。
刹那くんがおってくれたら二人で歩いていくんやけど、
わたし一人じゃあこの距離は厳しいもんがある。
ふと携帯電話の時計を見てみるとまだ刹那くんは学校みたいや。
そうなるといつも通りわたしが先に図書館について本を探しとることになるなぁ。
そしてそのうちに刹那くんも来てってなるから、うんいつも通りやな。
病院のバス停でバスを待ってること数分で図書館の方面へ向かうバスが来たのでいつも通りバスの運ちゃんに手伝ってもらってそれに乗り込む。
わたしが車椅子用の席のあたりについて固定してもらってからバスは発進した。
わたしはバスに揺られながらそっと鎖に巻かれた本を撫でてから家から持ってきている本を読んで、図書館に着くまでの時間を潰した。
それから十数分くらいで目的地についたのでこれまた運ちゃんに手伝ってもらってバスを降りた。
降りてからはのんびりと車椅子をこいで図書館の中に入って、
読み終わっていた本を返して本を探した。
そうやって探しとるうちに一冊見つけて取ろう思ったんやけど、
車椅子やからちと届かんかった・・・・
精一杯腕を伸ばすんやけど後一歩届かへん。
周りにいる人は我関せずみたいで取ってくれへんし・・・・ほんま白状や!
そうやって無理して取ろう思っとたら白い袖が伸びてきてわたしに声をかけてくれた。

「お嬢さんが欲しい本はこれであっていますか?」

「はい、ありがとうございます!ってなんや刹那くんかいな・・・敬語使うたのがアホらしいわ」

わたしは思わず取ってくれた刹那くんにそう言ってしもうた・・・・



はやてに「敬語を使うたのがアホらしいわ」と言われたので、
ムッとなり思わず脳天に取り出した本の角で殴った。

「アホらしいってなんだよ、アホらしいって・・・・それにまた無茶して取ろうとして・・・・
それで車椅子から転げ落ちたらどうするつもりだったんだよ」

「.......((((((ノ゜⊿゜)ノ アゥ・・・・すみませーん」

はやては頭を抑えながら少しばかり涙目になって謝ってきた。
少しだけその仕草が可愛く見えたのは気のせいだと思いたい。
それから俺とはやては目的の本を何冊か借りて商店街の方へと足を向けた。


商店街へと向かってる最中にわたしは刹那くんに今日の出来事を聞いた。

「今日はどんなことがあったん?」

「んー、いつも通りかな。特に変わったことはないし、連中の反応もいつも通りだった」

このやりとりだけでだいたい何があったかわかる。

「今日も喧嘩したんやな?」

「ま、まぁな・・・・」

「喧嘩はダメや言うてるやろ。なんでいつもそうすぐに殴り合いになるん?」

「知らんわ!奴らが勝手に仕掛けてくるだけなんだから・・・
それに殺らなきゃ殺られる。正当防衛だ!」

わたしとしては正当防衛の前に喧嘩に発展させないようにして欲しかったりするんやけどな・・・・
けど多分無理な話なんやろうけどな。
わたしが学校に行ければ少しは違うんやろうけどなー。
それなら行け言うんやろうけど行かれへんよ・・・
わたしの思いを曲げてしまう事になるからな。
みんなにはまだ秘密やけど(笑


はやてとそんな会話を繰り広げながら商店街へと入っていき、今夜の食材と明日の分の食材を探す。

「今夜は何がええ?」

「うーん・・・・」

はやてにそう聞かれてちょっと悩む。
悩み続けて数十秒、出した答えは―――――――――

「はやてが作るご飯ならなんでもいいんだよなー」

「それ、一番困るんやけど・・・」

「だってはやての作るご飯って全部美味いんだもん。だから何がいいか思いつかないよ」

はやてが作るご飯は多分だけど同級生のお母さんが作る料理よりとても美味いんだ。
だからいつも何がいいと聞かれても答えられないんだ。

「せやけど、参考程度に聞きたいねん!」

「じゃあ・・・・肉じゃが?」

「ほんなら、それで決まりや!」

嬉々とした表情で今晩のご飯のおかずを決めてくれた。
はやてはそれはもう嬉しそうな顔で八百屋さんだったり、お肉屋さんで材料を揃えていく。
しかも狙っているのかなんなのかわからないけど決まって、八百屋のおじさんやお肉屋のおばさんははやてが可愛いからという事で値引きをしてくれる。
近所のお母様方は妬ましがってるのを何回か見たこともあるけど・・・・
そうやって俺とはやては買い物をして帰宅した。


わたしたちが買い物を終えて家に帰り着く頃にはもう空は暗くなり、少しだけオレンジ色に輝いている程度やった。
家に入ってから刹那くんは鞄を置きに行き、わたしは台所でご飯の用意を始める。
今日は肉じゃがやからインゲン豆の胡麻和えをつければええかな?
そうやって考えながらも手は動かしてる。
そうでないと時間かかってしゃあないからな。
わたしがご飯作ってる間刹那くんは何しとるかというと、お風呂を沸かしたり洗濯物を取り入れてたたんだりしてくれとる。家事の分担や。将来こんな旦那さんが欲しいわ。
ただ最近一つだけ気になるんは刹那くん、わたしの下着だけ触るの躊躇っとるんよね・・・・
1年生の頃は普通にたたんどったんやけど2年生の秋頃からそういうふうになったんよ。
わたしは刹那くんの下着は毎日干しとるから何の躊躇いもなく触っとるんやけどな。
何を考えとるんか最近は躊躇う時間が長くなってきとるんよね。
だから後で聞いてみよ。


俺が洗濯物と格闘し終える頃にははやての料理も終わりに近づいていた。
それからして盛りつけなんかを手伝い、二人で食卓についた。
ご飯を食べているときは今日はどんな診察を受けたのかなど今日の事を話したりした。
俺は喧嘩以外の事をもう少し話したりした。
ご飯を食べ終わって食後のお茶を飲んでいるとはやての顔がいきなりニヤニヤしだした。
そして――――――――――――

「なぁ刹那くん」

「な、何かなはやてさん?」

「最近、洗濯物をたたむの時間かかっとるなぁ?なんでなん?」

「そ、それはその・・・・えと・・・・あの・・・・」

はやてに言われ答えに詰まってしまう。
俺が詰まっているとはやてはそこに答えとも言える爆弾を落としてくれた。

「わたしの下着をたたむので結構時間食うとるなぁ。ただたたむだけやのに何を躊躇うん?」

「あ、あまり話したくないな・・・・」

「話そうな?」

笑顔で脅してきやがったよ、コイツ・・・・
将来はきっと腹の中が見えない狸みたいな上司になるんだろうなぁ。

「嫌だ!」

そう思いながらもはっきりと拒否してやった。

「話さんと明日からのお弁当がとんでもないことになるで」

だけどはやては笑顔で更に追い詰めてくれた。
俺の学校での唯一の楽しみを奪うと言ってきたのだ。

「そ、それだけは勘弁してよ・・・・!」

「ほんなら話そか。躊躇う理由を」

それが嫌なら話せだと!?鬼だ・・・・鬼狸がここにいる・・・・・
俺は結局、はやてに負けて洗いざらいと話した。しかも丁寧に・・・・・

「俺もはやても年頃ですよね?そろそろ羞恥心たるものが芽生えてくるのですよ。
そんなんで普通に女の子の下着を堂々と見るとか変態じゃないですかね?」

「そんなもんかなー。もう小さい時から一緒におるから見慣れとるし、わたしは問題ないんよね」

な、なんつう神経してやがるんだ・・・・

「はやてはそうかもしれないけど、俺には無理なの!」

「なんで?」

「なんでじゃない!ただでさえ強風でスカートがめくれて、たまたま後ろを歩いていたら見えちゃいましたってだけでアウトなんだぞ!洗いたてで履いてないとはいえど直になんて見て、触れるか!」

これだけ言えばはやてもそろそろわかってくれるよね?わかってくれなきゃ俺、泣くよ!?


刹那くんの言い分はようわかったけど、もうそういう年頃なんやね・・・・
まあ、わたしもそれを意識しだしたときは恥ずかしかったけど、
それ言うてたら終わらんからなんとか無視しとるんよね。
と言っても二週間くらいで慣れてしもうたけど・・・・
せやけど、もう少し意地悪したろ(・∀・)

「せやけどな。こんな可愛い女の子の下着を直に触れられるなんて他の男の子は経験できへんで」

あ、あかん。泣きそうな顔になり始めとる・・・・
でも、刹那くんからかうの楽しいんよね。

「んなもん関係ねぇ!!他人がどうのじゃねぇよ・・・・俺の精神が持たんわ!」

刹那くんにとっては死活問題だったらしい・・・
しゃあないから謝ったろ。

「ゴメンなぁ。もう、聞かへんし言わへんから気ぃ直してや」

「ったく、本当にタチ悪いぞ・・・・」

「ホンマにゴメンなさい」

そうやって数分程刹那くんをなだめた。
なだめたあとはお互いにお風呂入ったりして寝るだけなんやけど、
わたしはここでまたいいことを思いついてしもうた。

「なぁ、刹那くん。今日は一緒に寝ぇへん?」

「なっ!?嫌に決まってんだろ!」

即行で拒否られてしもうた。でもわたしはまだ粘るで。

「ええやん。たまには一緒に寝ようよー」

「俺になんのメリットがあるんだよ!!」

「えー。お互いにあったまって寝れるっていうメリットがあるやん。
それに他の男の子はできへんでこんなこと。刹那くんはわたしがおるからできるんやで」

「それでも断固拒否させていただく!」

んーもうちょいつつけば折れてくれるはずや。
まだこちらには切り札があるんやからな(^O^)

「一緒に寝てくれへんとかちょう寂しいわ・・・・」

「はやてさんや、今日はやけに積極的に甘えてきますなぁ。何があったんですか?」

後一歩や!これで刹那くんは一緒に寝てくれる!間違いない!
でも、まともな理由がないんよね・・・・

「何もないよ・・・・せやけど、一緒に寝たいんや!ええやろ?」

「わかった、わかりましたよ・・・・今日は!一緒に寝てあげる。だけど、次はないからね」

よっしゃ!わたしの勝ちや!
刹那くんはああ言うてるけどまたしてくれるから優しいんよね。

それからわたしと刹那くん、二人でわたしのベットに潜り込んだ。
でもわたしも刹那くんも恥ずかしがってしもうてなんも会話できへんかった・・・・
最後になんとか一言言えたけど「おやすみ」しか言えへんかった。 
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