ハイスクールD×D 紅い神喰狼と赤龍帝
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グレモリーvsフェニックス
~真紅狼side~
今日はアホウドリとのゲームの日。
父さんと母さんには『ちょっと倒さないといけない奴がいるから行ってくる』って伝えたら、二人から『頑張って来い』って言われた。
いや、父さん母さん。普通、ゲパード持って倒しに行く所を突っ込むべきじゃないのか?
そのような疑問が生まれたが、『まぁ、父さんと母さんだし』の一言で片づけました。
そして、今は部室に居る。
イッセー達は駒王学園の制服だが、俺は仕事着で戦いに臨む。
「さて、この日が遂に来たわね」
リアスが呟き、そして俺達を見る。
俺以外は顔を引き締めていた。
「真紅狼、アナタはあまり緊張していないわね?」
「俺はここに居る誰よりも殺し合いに慣れてるからな、至って普通だよ」
「その心構えを俺に分けてくれよ、真紅狼」
「なら、俺と同じぐらい死線を越えることだな、イッセー。そうすりゃ、これぐらいは朝飯前だ」
そんな試合前に話していると足元の魔方陣が光り、飛んだ先は同じ場所だった。
「移動してねぇじゃん」
「いえ、移動してるわよ?」
「おいおい、リアス………これはどう見ても…………」
『皆様、よくお越しいただきました。グレモリー家のメイド長であるグレイフィアでございます』
「ほらね?」
マジか。
じゃあ、コレは魔力で作った模型ってところか?
『今回は、リアス・グレモリー様とライザー・フェニックス様のレーティング・ゲームを執り行いますが、注意事項です。今現在リアス・グレモリー様の眷属のほかに人間である蒼騎 真紅狼様が居られますが、彼はリアス・グレモリー側のチームの一員として扱う事にご注意をしてください。そして蒼騎様、通常、戦闘不能になったら医療ルームに転送されますが、それは悪魔(・・)だけなのでそのことをご注意の上、ゲームをしてください』
なるほど、大怪我には注意ね。
まぁ、そりゃ無理だろ。
散々バカにしまくったんだ、大怪我じゃ釣り合わない様な戦闘になるだろうよ。
『それではゲームスタートです!』
開始のアナウンスが流れたが、当のリアス達はゆっくりしていた。
「おーい、戦闘は始まったよな? なんで、そんなゆっくりしてんの?」
「そうですよ、部長。そんなにゆっくりしていて大丈夫なんですか?」
「真紅狼もイッセーもよく聞いてね。前にも言ったけど『レーティング・ゲームはチェスと同じ』って言ったわよね? 実際にそうなのよ。そりゃ、短期決戦みたいな戦いもあるけど、最初はゆっくりと戦うのよ」
「つまり、色々と仕込んだりすることが出来るってことか?」
「まぁ、大雑把に言ってしまえばそうなるわね」
「なるほど………なら、ちょっと仕込んできてもいいか?」
「どうして?」
「敵の本陣に行く為に中継地点を確保しなくてはならないだろ? しかもそこは敵にとって取られては痛い所だ。その場所は体育館だ。なら、敵はそこに多くの敵を配置するから、そいつ等を一瞬で撃退することが出来る仕掛けをな………」
リアスは考え込む。
すると、木場も俺の意見に賛同したのかさらに追撃する。
「部長、僕も真紅狼くんの意見に賛成です。ここはライザーたちにとっても取られたくない所です。多くの敵を配置してきます」
「分かったわ、行ってきなさい。真紅狼、これを渡しておくわ。皆にも」
そう言って手渡されたのはインカムだった。
「これを皆耳に付けてちょうだい。コレを通して指示を飛ばすわ」
「おっと、そうだ。俺はこれより色々仕掛けに移るから、戻ってこないから、体育館で戦闘が起きたら、誰でもいいから天井を吹っ飛ばしてもらえないか?」
「まぁ、それぐらいなら構わないけど、どうして?」
「そっちの方が威力が高いんでな。俺が合図したら、全員体育館から急いで撤退しろ。巻き込まれても知らないからな。その仕掛けが終わったら、遊撃に回るよ」
そう言って、俺は鋼鉄の箱を抱えながら、部室を出ていった。
ポイント探索中………
俺は旧校舎と体育館からちょうど両方からよく離れた場所を見つけた。
そこは結構茂っている森林だった。
ここにするか………
俺は音を極力出さず、箱を降ろし、開ける。
カチャカチャ……………
ガチャン………!!
キリキリキリ………………
仕掛け終わった俺は今回二番目に大きなモノを取り出して、それの安全装置を解除していつでもぶっぱ出来る様にし、その場で待機した。
片手には双眼鏡を持ちながら。
さぁ~~~て、敵はまだかな?
~真紅狼side out~
~イッセーside~
真紅狼は出ていった後、俺達も動き始めた。
木場が真紅狼の気配を探ろうとしたが、全然分からないと言っていた。
木場とは途中で別れ、俺と小猫ちゃんで体育館に向かう。
完全に気配を消してやがる………本当に暗殺者ってのは怖いな。
試しに俺が無線で真紅狼に問いかけてみた。
「真紅狼、俺だ。イッセーだ。今どこに居る?」
『……お前等の姿はここからよく見えるぞ。お前等はお前等らしい戦いをすればいい。俺は俺の戦いをするだけだからな』
そう言って、無線を切ってしまった。
「………気配、敵」
そして、体育館に入るとそこにはやはり敵がかなり配置されていた。
双子に格闘家など、全部で四名ほど配置されていた。
そういえば、この試合………部長のお兄さんが見られていらっしゃるんだよな……………。
真紅狼は『そんなもん、知らん。ライザーをブチのめすことが出来るなら、それ以上でもそれ以外のことなんざ、どうでもいい』と普通に話していた。
相変わらず、真紅狼の肝の太さは異常だと思う。
「………先輩は『兵士』を。私は『戦車』を倒します」
「分かった。ブーステッド・ギア、スタンバイ!」
『Boost!』
倍加が始まり、それに気が付き敵の『兵士』達は、襲ってきた。
「解体しまーす♪」
双子の『兵士』は、片手でチェーンソーを持って振りまわしてくる。
ちょっと、この双子怖すぎるだろ!!
ドゥルドゥルドゥル………!!
チェーンソーの唸りが俺の耳元で聞こえるほどギリギリで避けた。
マジで危ねぇ………
その攻撃を避けながら、俺の新しい必殺技を三人に放った。
「くらえ! “洋服破壊”!!」
手を突き出すと、俺の腕の先に居た双子の少女の服は弾け飛んだ。
それと同時に鼻血がドバッ!と飛び出た。
「「キャアアアアアアアアア?!」」
「…………見損ないました」
小猫ちゃんの一言が俺の心に突き刺さる。
だ、だが、俺は欲望に忠実な…………
ザザッ・・・・・・
『イッセー達、聞こえる?』
「あ、はい。聞こえてます!」
『朱乃が屋根を吹き飛ばすと同時に撤退よ』
「分かりました」
すると、間髪入れずに朱乃さんの雷が屋根を吹き飛ばす。
ボォーンッ・・・・・!
俺達はすぐさま身を引いた。
「なに、この音!?」
「あ、ちょ、ちょっと待ちなさい!!」
「ここはアナタ達にとって重要な場所じゃないn…………」
そして、俺達が外に出た瞬間、体育館がおもいっきり吹っ飛んだ。
ドッ・・・・・ガァーーーーーン!!!
出入り口から強烈な爆風が吹き荒れ、俺はその爆風に煽られ吹っ飛ばされた。
『ライザー・フェニックス様の『兵士』三名、『戦車』一名、リタイア』
「いってぇ………!!」
これが真紅狼の言っていた仕掛けか?
威力、あり過ぎだろ!!
「おい、真紅狼!」
『なんだ、イッセー?』
「お前の仕掛けとやらのせいで、体を打ったんだがどうしてくれる?」
『そりゃ、お前の撤退の遅さが悪い』
「一体、何をやったらココまでの爆発になりやがる!? 確実にあの四人はくたばったぞ!!」
『“仕掛けた”というよりかは、正確には“ぶっぱなした”が正解だな』
ぶっぱなした?
一体何を………?
「一体何を?」
『“対戦車ミサイル(TOW)”』
「「「「「………………………………………………は?」」」」」
『だから、“TOW”だ………って言ってんだろ』
俺の気のせいか?
今、確実に軍事兵器の名称が飛びだしたんだが………………
すると、部長が…………
『真紅狼、もしかしてその鋼鉄の箱の中身って“そういうもの”が入ってるんじゃないでしょうね?』
『まさにその通りだぞ? ゲパードにRPG、アーウェン37とかも持って来てるぞ』
『………………………………………………』
全員黙ってしまった。
ヤバい、一人だけ装備がガチ過ぎる。
さらに質が悪いのが真紅狼が暗殺者だと言う事だ、確実に一人ずつ仕留める気だ。
『だから、アナタ…………私に装備持ち込みのことを尋ねたのね?!』
『まぁ、そうだな。今頃使用禁止にされても、俺は止まらないからな?』
私達は混乱していたが、おそらくライザー達はもっと混乱してるだろう。
ただでさえ、体育館が跡形も無く吹っ飛んでいる。
『取り敢えず、行きましょう』
部長の声が耳に響き、俺達が足を進めようとした時、空中で朱乃さんが爆撃された。
『キャアアッ!!』
「朱乃さん!?」
『フフ………撃破。敵を倒した時がもっとも危険だと言う事を彼女は知らなかったようね』
『リアス・グレモリー様の『女王』、リタイア』
グレイフィアさんのアナウンスに信じられることが出来ず、次の敵の行動に対応が遅れ、手をこちらに向けるのが見えたが突然の事で俺は反応できなかった。
「………ッ、先輩!」
ドンッ!
ドゴォン!!
「……小猫ちゃん!!」
「……先輩、気を抜いちゃダメです」
そう言って、小猫ちゃんは光に包まれて、医療ルームに転移した。
『リアス・グレモリー様の『戦車』、リタイア』
無残なアナウンスが流れて、俺は感情的になり上空に飛んでいる奴に向かって怒鳴った。
「テメェェェ!! 降りて来い!! 俺が相手だ!!」
『バカな子、降りるわけないでしょう? 貴方も彼女達と…………ッ!?』
喋っている途中で、敵の『女王』は身を屈めた。
なんだ? 一体どうしたんだ?
『全員良く聞け』
「今のは真紅狼の仕業か?!」
『俺はこれから雛狩りに移る。ここからは完全に別行動だ。俺の戦場に入ってきたら敵味方関係なく撃つつもりだ。そこの所をよく覚えとけ………………ブツッ!』
真紅狼からの一方的な通信が終わり、部長が何度も呼びかけているが応答が無いと言う事は、おそらくインカムを外したな。
そこから、敵の『女王』は姿の見えない暗殺者の狩りの対象となった。
~イッセーside out~
~真紅狼side~
朱乃が撃破されたのを見終わった後、俺は心の奥底で撃鉄が叩かれる音がした。
ガツンッ!
俺は無線で全員に一方的な通信を行った後、インカムを外し、あそこでぶらぶら飛んでいる雛を撃ち墜とす為に中身を、狙撃ポイントに設置した後、BAR(ブローバック・オートマチック・ライフル)とゲパードを背負いながら、左手にはアーウェン37を持ち、右手には真紅の執行者を持って、狩りを始めた。
「さぁ、狩猟の始まりだ」
そして、俺は気配と姿を完全に獣のように茂った森林の中に同化するように消えていった。
~真紅狼side out~
逃げてみせろ、雛鳥共
後書き
真紅狼は幼い時、父親にこういった特殊武器の扱いを教えられている為、すんなりと撃てます。
次回は暗殺者vs悪魔の戦いです。
戦いって言うか…………狩猟ですけど………www
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