ハイスクールD×D 紅い神喰狼と赤龍帝
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蒼騎家の地下部屋は捜索するべからず
~真紅狼side~
アホウドリとの口喧嘩に買った俺は、その日の夜、自宅のある場所に向かった。
さて、と………。
ガラッ………
蒼騎家の地下にはちょっとばかり、特殊な部屋がある。
そう、ちょっとばかりの……………特殊部屋(・・・・)が。
父さんが所有している部屋で、基本的に父さんの私物と仕事用のがメチャクチャ置いてある。
中には、俺が所有しているのもあり、それらを鋼鉄の箱の中にとにかく入れていく。
あれー? あれはどこやったっけ?
「父さーん、ゲパードはどこやったのー?」
『一番奥にあるだろうー?』
一番奥、一番奥……………お、あったあった。
「ありがとう! 見つかったよー!」
『おーう』
ゲパードは入れた…………あとは…………ついでだ、これも入れちゃえ!
と、色々と危険な物を鋼鉄の箱に入れていく。
「よし、こんなもんだろ」
鋼鉄の箱の鍵を閉めて、玄関の方に立て掛けておく。
なんで、こんな準備をしているかと言うと、まぁ、『ライザーと戦うきっかけを作ってくれたのは感謝するけど、言いだしたアナタがいなきゃダメでしょう?』とリアスに言いくるめられて、明日から少しばかり修業しに行くんですよ。
ということで、今日はその為の準備、修業場で整備することにした。
次の日…………
朝になり、朱乃と共に集合場所に向かう事にした。
朱乃は俺の荷物(・・)に驚いていた。
「真ちゃん、それが昨日言ってた武装ってやつなの?」
「おう。色々詰め込んだ。だが、これだけは朱乃たちでも見せれない…………。ま、当日のお楽しみってやつだ」
そう、お楽しみなんだよ。
こういうのは最初の印象が強いほど、警戒が強まり、他の事を忘れてくるれるからね。
ちなみにその鋼鉄の箱の片方に車輪が付いてるため、キャリーバックのように引いている。
そして、俺と朱乃は集合場所でイッセーたちに出会ったが、そこでもやはり同じことを聞かれた。
説明すんの…………めんどい。
~真紅狼side out~
~イッセーside~
集合場所に待ち合わせた時に、真紅狼が引いて来ていた鋼鉄の箱に皆びっくりしたが、真紅狼は『これは明かせない』の一点張りで、結局中身の内容を聞けなかった。
そして、部長が来て山の斜面を登っていくことになった。
俺は、部長とアーシアのバックを持って坂を上っている。
「ぜー…………はー…………」
顔中汗だらだらで、巨大なリュックサックを三人分持っている。
こ、これは、目的地に着く前に死ぬかもしれん。
「あ、あの、やっぱり私のは自分で…………」
「いいのよ、アーシア。あの子にはこれぐらいがちょうどいいのよ」
アーシアが手伝う声を出すと、部長が止める。
アーシアありがとう、鬼ですね部長。
木場の方は、自身の巨大なリュックサックを担ぎながら、山菜などを採りながらすいすいと進んでいっ
た。
小猫ちゃんも…………
「………お先に」
自分の身の丈以上の物を軽々と持ち、俺の横を通り過ぎていく。
「こんくらいでヘバるなよー?」
「…………うっせ」
「そんじゃ、お先にー!」
真紅狼が最後に通過していった。
真紅狼は自前の鋼鉄の箱に巨大なリュックサックを二つ肩で担いでいた。
それを苦しい表情すら見せずに涼しい顔で登っていった。
「……ぬぉぉぉおおおおお!!」
俺も負けられん!!
俺も気合を入れて、坂を登りきった。
登りきった丘には木で造られたコテージがあり、ここ一帯は部長の土地らしく、普段は魔力で隠されていて人間は気付かない仕組みになっているらしい。
俺は、中に入ると水を一杯に飲んだ後、床に寝ころんだ。
女性陣は二階で動きやすい服装に着替えにいき、真紅狼は外でこのコテージからほんの少し離れた場所で『少しやりたいことがある』と言ってもう出ていった。
「じゃ、僕も着替えてくるね」
木場もジャージを持って別の部屋に行く際に…………
「覗かないでね?」
「覗かねぇよ!! つーか、さっさと行きやがれ!!」
からかいながら言ってくる木場を睨みつける。
ただでさえ、碌な噂が流れていないんだからよぉ。
だが、今までは“俺×木場”だったらしいがここ最近では“真紅狼×木場”も主流になってきてるらしい。
俺達男性陣には非常に迷惑な話である。
真紅狼曰く………
『長い間、女子校にし過ぎたのが問題なんだよ』
と、まっとうな意見を述べていた。
全くもって同意見である。
すると、先程外に出かけていた真紅狼が戻ってきた。
「真紅狼、早かったな?」
「まぁ、慣れた作業だからな、手際良くやりゃすぐ終わるさ。………油まみれだし、手でも洗ってくるか」
真紅狼は洗面所に向かっていく。
俺も着替えることにした。
俺が着替え終わったころには、全員がリビングに揃っていた。
そして…………
「さぁ、修業開始よ!」
と、部長の張りきった声が響いた。
~イッセーside out~
~真紅狼side~
リアスの声の開始から、それぞれ修業を開始していたがイッセーとアーシアはそれぞれ専門分野のメンバーからレクチャーを受けていた。
朱乃は魔力分野
小猫は格闘分野
木場は立ち位置や視野の取り方の分野
リアスは監督の位置に居るらしい。
まぁ、小猫の格闘分野はイッセーのみでアーシアは朱乃の魔力の扱い方を重点的に習うらしい。
二人が朱乃から魔力のレクチャーを受けている間、リアスがイッセー達の様子を見ながら俺の方に寄ってきてた。
「真紅狼、アナタは修業しないの?」
「俺は、ちょろっと先程やってきたから、休憩中だ」
「そう。あ、それとグレイフィアに確認取ったら、持ちこみアリだって」
「………!! そりゃ~、楽しい戦いになりそうだ」
本当に愉しい戦いになりそうだよ、おぼっちゃん。
久しぶりにぶっぱが出来る。
「……真紅狼、顔が怖いわよ?」
「……っと、すまんすまん。つい……な」
「ところで、アナタのお母様が以前、『一応魔法使い』って言ってたけど、あれってどういう意味なの?」
ああ、それね。
「あー、簡単に言うと魔法は魔法でも魔力を使った弾幕を張ることが得意なんだよ」
「魔力での弾幕?」
「例えば………」
そう言って、俺は魔力を使い自分の周りに四つの蓮の花を創る。
そして、その蓮の花の中から花弁の様な魔力の籠った弾を俺の周りに放ち続ける。
キュキュキュゥゥウン!!
「………こんな感じだな」
「こんなことが出来るの?」
「これは俺verだ。母さんなら、敵が近付いてきたら一気に活性化して絶え間なく弾幕を張り続けることや、遠隔操作など普通にやれるぞ?」
「真紅狼のお母様って凄いわね」
そう、凄いんだよ、色々と。
「母さんの血を受け継いでいると言われてるけど、俺10%の確率で失敗することがあるから、苦手なんだよね。それなら、こっちの方がまだ使い勝手がいいんだよね」
そういい、“真紅の執行者”を引き抜き、弾丸に“カオスドライブ”を装填させる。
そして、誰もいない方に向けて撃つ。
バリバリバリバリッッ!!!
「きゃっ!」
リアスは突然の業雷に驚く、そしてリアスが再び目を開けた時には…………
「なっ?! 森が消滅してる!?」
「こっちの方が使いやすいし、便利だし」
「これも魔法なの?」
「これは俺がよく使う魔法の中の一つ、カオスドライブ。昏く蒼白い雷が着弾点から周囲150mを雷を奔らせながら焼き尽くす。またの名を“冥雷”って呼ばれてる」
「雷の相互上位版と考えてもいいのかしら?」
「いや、もっと簡単に言えば、“雷光”の反対版だと思えばいい。“雷光”は雷に光を乗せるが、“冥雷”は雷に闇を乗せるんだよ」
「他にもそういう特異な魔法は持ってるわけ?」
「ああ、あるが。使わないぞ? 使ったら、この辺一帯が終末になったような荒廃の土地になっちまう」
業火とか石化の風とか毒の霧とかそりゃもう、色々とあるよ。
相手が下衆野郎なら、躊躇い無く使うけど………今回は使わない。
今回は………ぶっぱだからね
「ねぇ、最後にイッセーの手合せしてくれない?」
「なんでだよ? 俺よりも木場が居るだろう? 木場なら相手の実力に合わせてレベルを落とせるだろ」
「貴方みたいな“人間”の枠でも“特異な人間”と戦わせて経験を積ませようかと………」
「勝負にならねぇよ。しかも、それをやってイッセーのやる気が落ちたらどうする? 今までの事が水の泡だぞ?」
「そうだけど………」
しゃーねぇなぁ。
「今回の戦いはマジで行く。といっても100%、俺の私怨だが締めるべきとこはちゃんと締める」
「………分かったわ。イッセーとの最後の手合せは祐斗にお願いするわ」
そう言って、リアスは去っていった。
すると、後ろから………
「真ちゃん、何を話していたんですか?」
「……朱乃か。いやなに、イッセーの手合せの話だ」
「………ふふ、イッセーくんはどこまでも欲望に忠実よ」
「また、なんかくだらんことを思いついたな? あのヤロウ」
「そういう真ちゃんは、私に対してなんかないの? 健全な男子のように秘めた妄想とか」
いっちゃったよ………。
いや、あるにはあるんだけどね?
タイミングって大事じゃん?
もうちょっと成熟してからの方が美味しそうだろ?
「まぁ、あるけど………もうちょっと熟れた方がいいかな」
俺の言った言葉を少し考えていたが意味が分かったのか、メッチャ顔を赤くしていた。
「も、もうっ! 真ちゃんったら………///」
もうちょっと焦らさせ方が朱乃は可愛いんだよねぇ。
そうやって朱乃を赤くさせながら、修業の時間は過ぎていった。
~真紅狼side out~
さぁて、久しぶりの乱戦だ!!
後書き
ここでも、甘い空間。
私の作品はどこいっても甘いです。
………逃げ場がない!!!
そして、鋼鉄の箱の中身が皆さんはお解りですね?
さぁ、ライザー達はどこまで戦えますかねぇ?
次回は狩りです。
雛狩りです。
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