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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜

作者:カエサル
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BFO編ーダブルファイター編ー
  36.集う勝者

 
前書き
第36話投稿!!!

憶える謎の違和感!!
 

 


三回戦も俺たちはギリギリの攻防の中、辛くも勝利した。

「とりあえず、ブロック優勝だね」

「ああ、あと二回勝ち抜けば優勝だ!」

選手の待合室で他のブロックの試合を確認する俺とレイナ。第一ブロック、第二ブロックの優勝は決まり、残るは第四ブロックの優勝のみ。

今、モニターに映るのは第四ブロックの決勝戦。どちらも一進一退の攻防を繰り広げている.......のか?

「どっちも強そうだね......」

「........あ.....ああ.....」

(何故だ。何かがおかしい........何だこの違和感は.....)

モニターに映る、ルートとグランというペアの動きが明らかにおかしい。特にルートの動きが......おかしいというのは、ヒースクリフのようにオーバーアシストと言った違和感のある動きではない。まるで、手を抜いたような動きをしている。

仮に手を抜いているにしても何か動きがおかしい.......何だこの違和感は.......まさか.....!?

「シュウ!」

「はっ!な、何だ、レイナ?」

「なんか考え込んでたようだから。何かあったの?」

「いや!何でもない!何でもない!!」

(多分、俺の考えすぎだろう........多分)

結局のところ、第四ブロックの代表は、ルート、グランド、ペアになった。




『これよりブロック代表たちの組み合わせを発表します!代表者たちは前へ!!』

アナウンス......もう実況者でいいや。実況者の声で俺たちブロック代表は、会場へと足を踏み入れた。

『それでは、代表者たちの紹介をします!第一ブロック代表.......赤い闘志が燃えたぎる灼熱のペア、ショート、中(チュン)!!』

(灼熱って.......てか、中(チュン)って.....おい.....)

『続けて第二ブロック代表......可憐で優雅な女武闘家ペア、カナ、神楽!!』

(ヘェ〜、女性だけのペアもいたのか)

『さらにいきましょう!第三ブロック代表........イレギュラーな新生ペア、シュウ、レイナ!!』

(なんか恥ずいな.....)

『最後に第四ブロック代表........その強さはBFO最強のペア、三連覇なるか!ルート、グランド!!』

俺は横目でルート、グランドを見る。見る限り普通のプレーヤーだ。

『それでは、組み合わせの発表です!!』

試合会場のモニターに映る代表者たちのペアが映るカードがシャッフルされる。そしてモニターに映るカードが止まる。

『組み合わせはこうなった!!第一試合、ショート、チュン、ペア対シュウ、レイナ、ペア!!第二試合、カナ、神楽、ペア対ルート、グランド、ペア』

「あの灼熱ってやつか.......熱そうだな」

「だろうね」

レイナも苦笑いを浮かべる。

『それでは、十分後、第一試合を開始します!』

俺たちは控え室に戻り、すこし考え込む。やはり、あ二2人のプレーヤーが気になる。
特にルートの方........なんでだ。
何なんだこの違和感!!

「シュウ、時間だよ」

「お、おう」

「なに、また考えこと?」

「まあ、気にするな」

不満げな顔で俺を見る。

「.......しゃあないか。この試合勝ったら教えてやるよ」

「勝ったらじゃなくて.......カ・ツ・の!!」

グッとレイナが顔を近づけてくる。

「お、おう。.......それより、時間だぞ」

「そうだね。それじゃいこ!!」

「おう!」

何度目だろうかレイナと拳を合わせるのは........




さすがの準決勝だ。ブロック戦とはスタジアムのデカさが違う。さっきのブロック戦の時の倍くらいの観客の数だ。

実況者の放送が鳴り響く。

『それでは選手の入場です!!第一ブロック代表、燃える闘志とガッツがとりえ、絶対折れぬ不屈の心の熱気ペア、シュート、中(チュン)』

観客の歓声が響く。

『第三ブロック代表、新生ルーキー。その強さは未知数にしてイレギュラー。シュウ、レイナ、ペア!!』

観客たちの歓声の中、俺たちも試合会場に足を踏み入れる。

少し遠くの方に二人のプレーヤー。両方とも赤色の服に赤い髪、違う点は、肌の色くらいだ。一方は白っぽい色、一方は黒っぽい色だ。

『それでは、試合を開始します!!』

"30"の文字が空中に浮かび上がる。
そしてカウントダウンが始まる。

やはり数字が減るとともに観客の歓声は消えていく。俺たちの前に立ちはだかる赤い二人のプレーヤー。今までのプレーヤーにはない気迫だ。その気迫だけならキリトと同等の気迫だ。

そしてついにその時がくる。

1!

0!

『試合開始!!』

一斉に駆ける!!

「レイナ!そっちを頼む!」

「了解!って.......ちょっと無理かも」

「......そうみたいだな」

二人の相手は俺たちを取り囲むように高速で地面を駆ける。

「なんだこいつら」

「危ない!!」

レイナが声をあげ、俺に覆いかぶさる。

「な、なにしてるんだ、レイナ!!」

レイナは明らかに辺りを見渡し、何かを警戒している。すると人影が高速で俺に覆いかぶさるレイナにもとに飛んでくる。

「グッ!!」

「レイナ!!」

起き上がり辺りを見渡す。やはり二人のプレーヤーは俺たちを囲むように回っている。

「そういうことか」

こいつらは俺たちを囲むように回り、隙が出来た瞬間にバトルスキルの加速を使用し、俺たちに攻撃してたのか。

(それなら.......)

俺は回る二人の相手に向かい駆ける。手刀を発動!
そして回る相手に向けて手刀で突進する。

手刀基本突進技《真突》
だが、見事なまでにかわされる。

体勢を立て直し再び、相手に向かおうとした時、目を疑う光景が......

二人のプレーヤーがレイナに襲いかかっている光景が。

「やめろ!!」

俺がレイナの元へ向かおうとした次の瞬間、レイナの死を知らせる表示が俺の前へと浮かび上がる。

「ウソ......だろ」

レイナが殺られた..........俺が弱かったばっかりに.......

「........でも.......勝つんだ」

俺は腕に纏っている光を消す。

再び、二人の相手は俺の周りを囲むように回り出す。

「.......絶対勝つんだ......絶対にな」

神経を限界まで研ぎ澄ます。相手の動き、空気の流れがまるで手に取るようにわかる。そして二人が同時に左右から攻めてくるのが感覚で察知する。

バトルスキルの加速を考えろ。
限界まで待て。

「...........待風」

二手刀居合剣技《待風》
限界まで引きつけ自らの間合いに侵入した瞬間に再び手刀で敵を斬りつける剣技。

二人のプレーヤーは同時に倒れこむ。

「う、なんだ......今の......」

「く、見えなかったぞ」

「さすがに致命傷にはならないか」

再び手刀を発動させ、構える。
二人のプレーヤーも立ち上がり、こちらを見る。

「来いよ。........二人まとめて相手してやるから.....」

「なんだと!!」

白い方のプレーヤーがこちらに突っ込んでくる。

「待て!シュート!!」

「......もう遅い........」

突っ込んでくる相手に膝を曲げ、右手を体の前で横向きに構え、床を蹴り上げ一気に突進。

手刀上位剣技《太刀風》
手刀の刀身が白い方のプレーヤーの体を斬り込む。そのまま相手はダウンする。

「クッソ!」

続けて黒い方も突っ込んでくる。慌てているのか俺の手刀など気にせずに近づいてくる。

「そんなに熱くなるなよな.......」

左の手刀が突っ込んでくる男の体を貫く。

手刀突進技《真突》
手刀が黒い方をとらえ、相手をダウンさせる。

「試合終了!!勝利したのは.......シュウ、レイナ、ペア!!」

観客の歓声が響く。

「ふぅ〜、勝ったぜ.......レイナ」 
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